英語を習い始めると、最初に出会う動詞がbe動詞です。ところが「am・is・areは『です』『ます』」と覚えたままだと、I am in Osaka.、Be careful.、I will be back.、進行形や受動態が、すべて別々のルールに見えてしまいます。
実はbe動詞の中心にある感覚は一つです。それは、「主語が、ある場所・状態・存在として『ある』」ということ。この記事では、英語の土台ともいえるbe動詞の意味と使い方を、コアイメージから整理します。
この記事の監修者:しゅみすけ(大山俊輔)
基本動詞をコアイメージから解説する英語講師。YouTubeでも、基本動詞を丸暗記ではなく一つの感覚から理解する方法を発信しています。
be動詞のコアイメージは「存在・状態の土台」
Bob is an engineer. は「ボブ=エンジニア」と考えても意味は取れます。ただ、beの感覚をもう少し丁寧に見るなら、Bobが“engineerというカテゴリー”の中に存在しているというイメージです。
Joanna is happy. なら、Joannaが“happyな状態”にいる。She is in the kitchen. なら、彼女が“キッチンという場所”にいる。beの後ろに来る言葉が変わっても、「主語を、ある空間や状態の中に置く」という働きは変わりません。
am・is・areの使い分け
現在形では、主語に合わせて形が変わります。Iにはam、youと複数にはare、それ以外の単数にはisです。
- I am ready.(私は準備ができています)
- You are kind.(あなたは親切です)
- He is at home.(彼は家にいます)
- They are students.(彼らは学生です)
過去形は、I・he・she・itなどの単数がwas、youと複数がwere。さらに原形のbe、過去分詞のbeen、現在分詞のbeingがあります。形は多く見えますが、どれも同じbeの家族です。
be動詞がつなぐ3つの基本パターン
1.be + 名詞:何者なのか
My sister is a doctor.(姉は医師です)のように、主語がどのカテゴリーに属するかを示します。職業、立場、関係などを説明するときの形です。名詞が単数の数えられるものなら、a doctor のように冠詞も忘れないようにしましょう。
2.be + 形容詞:どんな状態なのか
I am tired.(私は疲れています)、The room is quiet.(その部屋は静かです)のように、主語の状態や性質を表します。日本語では「疲れた」「静かだ」だけで文になりますが、英語では主語をその状態に置くbeが必要です。
3.be + 場所:どこにいる・あるのか
Your keys are on the table.(鍵はテーブルの上にあります)のように、存在する場所を示します。「です」と訳せない例ですが、be本来の「ある」が最も見えやすい用法です。at work、in Japan、under the chairなど、場所を表す語句と一緒に使います。
be動詞と一般動詞は何が違う?
一般動詞は、work、run、knowのように、動作や心の働きをそれ自体で表します。一方、be動詞は主語の存在や状態を支える動詞です。
- I work in Osaka.(私は大阪で働いています)
- I am in Osaka.(私は大阪にいます)
- I am busy.(私は忙しい状態です)
I am work. のように、beの直後へ一般動詞の原形をそのまま置くことはできません。また「私は長い髪です」を I am long hair. とすると、自分自身が“長い髪という存在”になってしまいます。髪を持っているので、I have long hair. が自然です。beは何でも日本語の「です」に置き換える記号ではありません。
否定文と疑問文はbeを動かすだけ
be動詞の否定文は、beの後ろにnotを置きます。She is not angry.(彼女は怒っていません)。疑問文はbeを主語の前へ出して、Is she angry?(彼女は怒っていますか)となります。一般動詞のようにdoやdoesを足す必要はありません。
短縮形も会話では頻繁に使います。I’m、you’re、he’s、isn’t、aren’tなどです。ただし肯定の短い返答では、Yes, I am. のamを I’m にはしません。
be + ing:動作の途中にいる
She is running. を「be動詞+現在分詞=進行形」と公式で覚えるだけでなく、「彼女がrunningという進行中の場面にいる」と捉えてみましょう。beが主語の状態を支え、ingが動きの途中を映します。
I am reading a book. なら、今まさに本を読む流れの中にいる。We are staying in Kyoto this week. なら、今週は京都に滞在しているという一時的な状況の中にいる。beのコアイメージを残すと、進行形も独立した暗記項目ではなくなります。
be + 過去分詞:何かをされた状態にいる
The door is closed. は、ドアが閉じられた状態にある。This book was written in English. は、この本が英語で書かれたという影響を受けた側にある。これが受動態の土台です。
「be+過去分詞=〜される」と訳だけを固定すると、I am interested in music. のような文が不自然に感じられます。「私は音楽によって興味を向けられた状態にいる」から、自然な日本語では「音楽に興味があります」。英語の形と日本語訳は、一対一とは限りません。
原形beは助動詞やtoの後ろに現れる
am・is・areばかり見ていると、原形のbeを見失いがちです。助動詞の後ろは動詞の原形なので、I will be back.(戻ってきます)、It can be difficult.(難しいこともあります)となります。
I want to be a teacher.(先生になりたい)では、toの後ろに原形beが来ています。「teacherという存在・立場に至りたい」という感覚です。映画でおなじみの I’ll be back. も、backという戻った状態に自分が存在する未来を表しています。
命令文のBe careful.にも同じ感覚がある
Be careful. は「注意して」、Be yourself. は「自分らしくいて」。命令文では主語youが省略され、動詞は原形になります。つまり「carefulな状態にいなさい」「yourselfという本来の自分でいなさい」と促しているわけです。
Let it be. も有名な表現です。直訳の感覚は「それを、そのままの状態であらせておく」。そこから「そのままにしておこう」「成り行きに任せよう」という意味になります。
beingとbeenはどう理解する?
being:今その振る舞いをしている
You are rude. は「あなたは失礼な人だ」と性質を述べる響きがあります。一方、You are being rude. は「今、失礼な振る舞いをしている」。beingにより、一時的にその状態を見せていることへ焦点が当たります。
been:ある状態にいたことを今につなぐ
beenはbeの過去分詞で、haveと組み合わさります。I have been busy. なら、過去から今までbusyな状態が続いている、または最近までそうだったというつながりを表せます。I have been to Canada. は、カナダに行って戻ってきた経験が今の自分にある、という表現です。
There is / There areも「存在」を表す
There is a café near the station.(駅の近くにカフェがあります)のように、聞き手へ新しい存在を紹介するときはThere is / areを使います。isかareかは、後ろで紹介するものが単数か複数かで決まります。
- There is a problem.(問題が一つあります)
- There are two problems.(問題が二つあります)
ここでもbeは「何かが存在する」ことを支えています。日本語の語順に引っぱられず、まず存在を提示し、後ろでその正体を明かす構文だと考えると整理しやすくなります。
3問でbe動詞の感覚を確認しよう
- 「私は疲れています」→ I ___ tired.
- 「彼らは公園にいます」→ They ___ in the park.
- 「静かにして」→ ___ quiet.
答えは順にam、are、Beです。1は状態、2は場所、3は命令文なので原形。訳語は違っても、「主語をその状態・場所に置く」というbeの感覚は共通しています。
動画でbe動詞のコアイメージをつかむ
動画では、イラストと例文を追いながらbe動詞の感覚を確認できます。記事で整理したあとに耳と目から復習すると、am・is・are、進行形、受動態が一本につながりやすくなります。
知っている英語を、使える感覚へ
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まとめ:beは英語の文を支える「ある」
be動詞のコアイメージは、「主語が、ある場所・状態・存在としてある」です。名詞なら何者か、形容詞ならどんな状態か、場所の表現ならどこにいるかを示します。進行形では動作の途中に、受動態では何かをされた状態に主語を置きます。
「am・is・are=です」と暗記して終わらず、文の中で主語がどの空間・状態にいるのかを思い描いてみてください。ラスボスに見えたbe動詞は、実は英語のあらゆる表現を下から支えてくれる、最も頼れる土台です。
基本動詞を一覧から学びたい方へ
この動詞を英語全体の中で位置づけたい方は、親記事「英語の基本動詞とは?少ない単語で英会話が広がる理由とコアイメージ学習法」をご覧ください。


