upのコアイメージは「下から上へ向かう動き」|意味・句動詞を例文解説

英語のupを見ると、まず「上」と訳したくなります。けれど、get upspeed upuse upをすべて「上」で理解しようとすると、意味がバラバラに見えてきます。

upのコアイメージは、単なる「上の位置」ではありません。下から上へ向かう動きです。この矢印を持っておくと、「上昇」だけでなく、「程度が上がる」「満タンになる」「最後までやり切る」という意味の広がりまで一本につながります。

upのコアイメージ「下から上へ向かう動き・上昇・完成」を示す図解
upのコアイメージは「下から上へ向かう動き」。上昇から満タン・完成へ意味が広がります。
しゅみすけ(大山俊輔)しゅみすけ
(大山俊輔)

upも、日本語訳を並べて覚えるより、“中心にある位置・方向のイメージ”をつかむほうが応用できます。僕自身、YouTubeでも一貫して、前置詞を空間感覚から捉える方法を発信しています。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

upのコアイメージは「下から上へ向かう動き」

まず押さえたいのは、upは静止した場所ではなく、動きや変化を表すという点です。

  • 位置が上がる:stand up、come up
  • 数値や程度が上がる:speed up、turn up
  • 成長する:grow up
  • 上限・完成まで到達する:fill up、eat up、use up

コップに水を注ぐ場面を想像してください。水面が下から上へ上がり、やがてコップいっぱいになる。この上昇から満タン・完成への流れが、upの多くの表現に共通しています。

まずは物理的に「上へ動く」up

get up:起き上がる

I get up at six every morning.

私は毎朝6時に起きます。

get upは、横になった状態から身体が上へ移動する感覚です。getのコアイメージである「動いて、ある状態にたどり着く」と、upの上向きの矢印が重なっています。

なお、wake upは「眠っている状態から目が覚める」、get upは「ベッドから起き上がる」です。目は覚めたのに布団から出ていないなら、I woke up, but I didn’t get up. と言えます。

stand up:立ち上がる

Everyone stood up when she entered the room.

彼女が部屋に入ると、全員が立ち上がりました。

座った姿勢から身体が上へ伸びる、視覚的にもわかりやすいupです。sit downとの対比で覚えると、矢印の向きがはっきりします。

come up:こちらへ上がってくる・話題に出る

The sun is coming up.

太陽が昇ってきています。

Your name came up in the meeting.

会議であなたの名前が話題に出ました。

見えなかったものが視界や意識の中へ上がってくるため、話題・問題・機会などが「出てくる」にも広がります。日常会話の What’s up? も、何が起きているのか、どんな話題が上がっているのかを尋ねる感覚から「最近どう?」「どうしたの?」という挨拶に広がった表現です。自然な返答や How are you? との使い分けは、What’s up?の意味と自然な返し方で詳しく解説しています。

数値・程度が「上がる」up

upは、目に見える高さだけでなく、速度・温度・音量・価格など、目盛りのあるものにも使えます。

speed up:速度を上げる

The train is speeding up.

電車は速度を上げています。

スピードのメーターが上へ動くイメージです。反対はslow down。速い・遅いという状態ではなく、速度が変化していることを表します。

turn up:音量などを上げる

Could you turn up the volume?

音量を上げてもらえますか?

つまみを回し、音量の数値を上げる感覚です。温度なら、Bring the temperature up to 25 degrees.(温度を25度まで上げて)のようにも使えます。

go up:価格・数値が上がる

Prices have gone up again.

物価がまた上がりました。

数字のグラフが上向きになる、まさにupの矢印です。主語が自ら上がるならgo up、何かを上げるならbring upraiseなど、動詞との組み合わせが変わります。

成長・蓄積を表すup

grow up:成長する・大人になる

I grew up in Osaka.

私は大阪で育ちました。

身体だけでなく、年齢や成熟度が上がっていく表現です。growだけでも「成長する」ですが、grow upは子どもから大人へ向かう変化を強く感じさせます。

build up:少しずつ積み上げる

You need to build up your confidence.

自信を少しずつつける必要があります。

小さなものが積み重なり、量や強さが上がっていく感覚です。英語力も一晩で完成するものではなく、理解と実践を積み上げることで、使える状態へ上がっていきます。

「最後まで・すっかり」のup

ここが、upを単に「上」と訳すだけでは理解しにくいポイントです。上へ進んで上限に達すると、それ以上は入りません。そこからupは、満タン・完了・残りがないという意味を持つようになります。

fill up:いっぱいに満たす

Fill up the tank, please.

タンクを満タンにしてください。

液面が上がり、容器の上まで満ちる。コアイメージがそのまま意味になった表現です。

eat up・drink up:全部食べる・飲み干す

Eat up before it gets cold.

冷める前に全部食べてね。

食べる動作を最後まで進め、皿の上に残さないという完了感があります。命令文では「さあ、全部食べて」という促しにもなります。

use up:使い切る

We used up all the milk.

牛乳を全部使い切りました。

useは「使う」だけですが、use upには、使う行為が終点まで進み、残量がゼロになった感覚があります。run out of milkは「牛乳がなくなる」、use up the milkは「牛乳を使い切る」と、焦点が少し異なります。

clean up:きれいに片づける

Let’s clean up the kitchen.

キッチンをきれいに片づけましょう。

単に一部を掃除するだけでなく、散らかった状態から、きれいに整った状態まで仕上げるニュアンスが出ます。

show upはなぜ「現れる」なのか

He didn’t show up for the meeting.

彼は会議に現れませんでした。

show upは「姿を現す・やって来る」です。遠くて見えなかったものがこちらへ近づき、視界の中で存在感を増してくる。見えない状態から見える状態へ「上がってくる」と捉えると、丸暗記ではなくなります。

make up・give upにも「終点」の感覚がある

make up:欠けたものを埋めて完成させる

I’ll make it up to you.

埋め合わせをします。

make upには「作り上げる」「構成する」「埋め合わせる」など複数の意味があります。共通するのは、欠けていた部分を満たし、ひとまとまりの状態へ持っていく感覚です。動詞側の感覚はmakeのコアイメージもあわせて確認すると理解が深まります。

give up:続けることを手放す

Don’t give up on your English.

英語を諦めないでください。

give upは「諦める」。続けてきた行為を終点にして手放す完了感があります。ただし、句動詞は意味が慣用化しているため、毎回ひとつの日本語訳に機械的に分解する必要はありません。コアイメージは意味を思い出す道筋として使いましょう。

give upの詳しい使い方:目的語の語順、give up doinggive up onとの違い、会話で使える例文は、b わたしの英会話の「Give upの意味と使い方」で詳しく解説しています。

look upとlook up toの違い

Look up at the sky.

空を見上げてください。

I’ve always looked up to my grandfather.

私はずっと祖父を尊敬しています。

look upは視線を上へ向けるほか、「辞書などで調べる」という意味もあります。look up to 人は、その人を自分より高いところに置いて見上げる感覚から「尊敬する」です。

upとaboveの違い:動きか、位置か

upは上へ向かう動き・変化aboveは基準より高い位置です。

中心イメージ
up 下から上への動き・上昇 Look up.(上を見て)
above 基準線より高い位置 The picture is above the sofa.(絵はソファより上にある)

エレベーターが上昇中ならgoing up、現在地より上の階にあるならabove us。詳しくはaboveのコアイメージでも解説しています。

upを使えるようにする3分トレーニング

句動詞を日本語訳だけで暗記するのではなく、次の順番で声に出してみてください。

  1. 物理的な上昇:I stood up. / The sun came up.
  2. 程度の上昇:The price went up. / Turn up the volume.
  3. 完了・満タン:Fill it up. / We used it up.

それぞれの英文を言うとき、頭の中に上向きの矢印を描きます。同じupが、どこまで自然につながって感じられるかがポイントです。

4時間の前置詞講義で、upの感覚を音でも確認

be:RIZE代表のしゅみすけは、YouTubeで前置詞を4時間にわたって解説しています。upを含む50の前置詞・副詞を、訳語ではなくイメージから理解したい方は、動画もあわせてご覧ください。

「わかる」を「使える」に変えるには

コアイメージを知ると、英文を読むときの迷いは減ります。ただ、会話で瞬時に使えるようになるには、自分が言いたい場面で英文を作り、声に出し、フィードバックを受ける工程が必要です。

be:RIZEの英語コーチングでは、単語や文法を知識として増やすだけでなく、あなたが英語を使う目的と現在地に合わせて、理解を実践へつなげる学習設計を行います。「勉強しているのに、会話になると出てこない」という方は、まず現在の課題を整理するところから始めてみてください。

まとめ:upは「上」ではなく上向きの矢印

  • upのコアイメージは下から上へ向かう動き
  • 物理的な上昇から、速度・温度・価格などの上昇へ広がる
  • 上限まで到達する感覚から「満タン・完了・使い切る」を表す
  • upは動き・変化、aboveは基準より高い静的な位置

get upspeed upfill upを別々に覚えるのではなく、すべてに同じ上向きの矢印を重ねてみてください。句動詞が「暗記するもの」から「イメージで推測できるもの」へ変わっていきます。


「下」の動きも確認:downのコアイメージ|上から下へ向かう動き・低下・遠ざかる


使い分けを比較:upとdownの違い|上昇・完了と下降・停止を句動詞で使い分け


三語で比較:above・over・upの違い|「上」を位置・関係・動きで使い分け

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