英単語の最後についている -tion や -ful、-ly。これらは「接尾辞(suffix)」と呼ばれ、単語の意味だけでなく、名詞・形容詞・動詞・副詞といった品詞を見抜く手がかりになります。
たとえば、知らない単語を見たときでも、語尾が -tion なら「名詞かもしれない」、-ly なら「副詞かもしれない」と予測できます。英文を読むとき、これは想像以上に大きな助けになります。
この記事では、大人が最初に覚えたい英語の接尾辞20個を、品詞ごとに整理して解説します。丸暗記するのではなく、語尾から単語の役割を判断する感覚を身につけていきましょう。

この記事のポイント
- 接尾辞は、単語の「最後」について意味や品詞を変える
- 日本語訳よりも、まず「何詞を作るか」に注目する
- 例外はあるため、接尾辞だけで100%決めつけない
接尾辞とは?語尾から品詞を見抜く手がかり
接尾辞とは、単語や語根の末尾につくパーツです。接頭辞が単語の前につき、主に方向・否定・反復などの意味を加えるのに対し、接尾辞は単語の後ろについて、意味や品詞を変える働きをします。
teach(教える)+ -er(〜する人)= teacher(教える人)のように考えると分かりやすいでしょう。
- 接頭辞:単語の前につき、意味の方向を変える
- 語根:単語の中心となる意味を担う
- 接尾辞:単語の後ろにつき、意味や品詞を示す
語源学習の全体像を先に知りたい方は、英語の語源とは?大人が英単語を丸暗記せず覚える方法もあわせてご覧ください。
接尾辞一覧|大人が覚えたい基本20選
ここからは、接尾辞を5つのグループに分けて見ていきます。同じ接尾辞でも複数の働きを持つことがありますが、まずは最もよく使われる役割を押さえれば十分です。
人・ものを表す接尾辞
1.-er / -or|〜する人・もの
-er / -or は、動作をする人や、その働きをするものを表します。
- teach(教える)→ teacher(教師)
- visit(訪れる)→ visitor(訪問者)
- mix(混ぜる)→ mixer(ミキサー)
人だけでなく、道具や機械を表すこともあります。「その動作をする存在」というイメージで捉えましょう。
2.-ist|専門家・主義を持つ人
-ist は、ある分野の専門家、活動をする人、特定の考えを持つ人を表します。
- art → artist(芸術家)
- science → scientist(科学者)
- piano → pianist(ピアニスト)
職業名や専門分野の語彙でよく目にする接尾辞です。
3.-ian|〜に関わる人・専門家
-ian も人を表し、学問・職業・地域との関係を示します。
- music → musician(音楽家)
- history → historian(歴史家)
- Canada → Canadian(カナダ人/カナダの)
名詞だけでなく形容詞として使われる語もある点に注意しましょう。
名詞を作る接尾辞
4.-tion / -sion|行為・状態・結果
-tion / -sion は、動詞から「行為・状態・結果」を表す名詞を作る代表的な接尾辞です。
- act → action(行動)
- decide → decision(決定)
- communicate → communication(意思疎通)
長い単語でも、語尾を見れば「名詞らしい」と予測できます。英文読解で非常に役立つサインです。
5.-ment|行為・結果・状態
-ment は、動詞の内容を名詞としてまとめます。
- develop → development(発展・開発)
- agree → agreement(同意)
- improve → improvement(改善)
ビジネス英語やニュースでも頻出します。
6.-ness|性質・状態
-ness は、主に形容詞から「〜であること・状態」を表す名詞を作ります。
- kind → kindness(親切さ)
- happy → happiness(幸福)
- dark → darkness(暗さ・暗闇)
目に見えない性質を「もの」として扱えるようにする語尾です。
7.-ity|性質・状態
-ity も、形容詞などから抽象名詞を作ります。
- possible → possibility(可能性)
- active → activity(活動)
- equal → equality(平等)
つづりや発音が変化することが多いため、単語例とセットで慣れましょう。
8.-ance / -ence|状態・性質・行為
-ance / -ence は「〜である状態」「〜すること」を表す名詞を作ります。
- important → importance(重要性)
- different → difference(違い)
- exist → existence(存在)
-ance と -ence の選択を完全な規則で判断するのは難しいため、つづりは語ごとに確認するのが現実的です。
形容詞を作る接尾辞
9.-al|〜に関する
-al は、名詞などから「〜に関する」という形容詞を作ります。
- culture → cultural(文化的な)
- nature → natural(自然の)
- person → personal(個人的な)
語尾が -al なら、後ろの名詞を説明していないか確認してみましょう。
10.-ful|〜に満ちた・〜を持つ
-ful のコアイメージは「full of 〜(〜で満ちた)」です。
- help → helpful(役に立つ)
- care → careful(注意深い)
- beauty → beautiful(美しい)
名詞に性質を与え、形容詞に変える働きがあります。
11.-less|〜がない
-less は「without 〜(〜を欠いて)」という意味を加えます。
- hope → hopeless(希望のない)
- care → careless(不注意な)
- use → useless(役に立たない)
-ful と対にすると、helpful / helpless、careful / careless の違いが整理しやすくなります。
12.-able / -ible|〜できる・〜されうる
-able / -ible は「可能である」「〜する価値がある」という形容詞を作ります。
- read → readable(読みやすい)
- accept → acceptable(受け入れられる)
- access → accessible(利用できる)
動詞との関係が見えると、初見の単語でも意味を推測しやすくなります。
13.-ive|〜する性質がある
-ive は、動作や傾向を「性質」として表す形容詞を作ります。
- act → active(活動的な)
- create → creative(創造的な)
- effect → effective(効果的な)
-tion の名詞と関連する語も多く、create / creative / creation のように語族で覚えると効率的です。
14.-ous|〜に満ちた・〜の性質を持つ
-ous は「〜の性質を持つ」という形容詞を作ります。
- danger → dangerous(危険な)
- fame → famous(有名な)
- curiosity → curious(好奇心の強い)
つづりが変化する語も多いので、意味のつながりを優先して捉えましょう。
動詞を作る接尾辞
15.-ize / -ise|〜化する・〜にする
-ize は「〜の状態にする」「〜化する」という動詞を作ります。イギリス英語では -ise のつづりも見られます。
- modern → modernize(近代化する)
- real → realize(実現する・気づく)
- organization → organize(組織する)
日本語の「〜化する」に近い感覚で理解できます。
16.-ify|〜にする・〜になる
-ify も状態の変化を表す動詞を作ります。
- simple → simplify(簡単にする)
- clear → clarify(明確にする)
- beauty → beautify(美しくする)
「性質を実際の変化に変える」イメージです。
17.-en|〜にする・〜になる
-en は、形容詞や名詞から変化を表す動詞を作ります。
- wide → widen(広げる・広がる)
- strength → strengthen(強くする)
- short → shorten(短くする)
すべての形容詞につけられるわけではありませんが、見つけたときは変化の動詞を疑いましょう。
副詞・方向を表す接尾辞
18.-ly|〜に・〜な方法で
-ly は、主に形容詞から副詞を作ります。
- quick → quickly(素早く)
- careful → carefully(注意深く)
- usual → usually(たいてい)
ただし、friendly、lovely、lively などは形容詞です。「-ly=必ず副詞」ではありません。
19.-ward / -wards|〜の方向へ
-ward / -wards は方向を表します。
- forward(前方へ)
- backward / backwards(後方へ)
- homeward / homewards(家の方向へ)
アメリカ英語では -ward、イギリス英語では -wards が副詞として好まれる傾向がありますが、両方使われます。
20.-wise|〜の方向に・〜の観点では
-wise は、方向・方法・観点を表します。
- clockwise(時計回りに)
- otherwise(そうでなければ・別の方法で)
- health-wise(健康面では)
会話では「〜の面では」という意味で名詞につくこともありますが、使いすぎるとくだけた印象になります。
接尾辞の覚え方|「訳」より「品詞のサイン」で見る
接尾辞は、一覧を上から丸暗記するより、英文の中で役割を確認するほうが身につきます。おすすめは次の3ステップです。
- 語尾に線を引く:development なら develop + -ment と分ける
- 品詞を予測する:-ment だから名詞だと考える
- 文中の位置で確かめる:冠詞や形容詞の後ろに置かれているかを見る
たとえば We need further development. では、development の前に形容詞 further があり、目的語の位置に置かれています。語尾と文の形の両方から、名詞だと確認できます。
接尾辞だけで意味を決めつけない
接尾辞は便利な手がかりですが、万能な公式ではありません。
- 同じ接尾辞が複数の意味・品詞を持つことがある
- -ly で終わっても friendly のように形容詞の場合がある
- 語形成の過程でつづりや発音が変わることがある
- 現代英語では、単純に分解しにくい語もある
大切なのは「この語尾なら絶対に○○」と断定することではなく、意味と品詞を推測する補助線として使うことです。推測したあと、文脈や辞書で確かめる習慣をつけましょう。
接頭辞・語根と組み合わせると単語が立体的に見える
接尾辞だけでなく、接頭辞と語根も組み合わせると、長い英単語の構造が見えてきます。
たとえば reconstruction は、次のように分けられます。
- re-:再び
- struct:組み立てる
- -tion:行為・結果を表す名詞
つまり「再び+組み立てる+こと」から「再建」という意味につながります。
まとめ|接尾辞は英文の「品詞標識」になる
接尾辞を学ぶ最大の利点は、単語を一語ずつ暗記できることではありません。知らない単語に出会ったとき、文の中でどんな役割をしているかを推測できることです。
まずは次の5つから始めても構いません。
- -tion:名詞
- -ful:形容詞
- -less:形容詞
- -ize:動詞
- -ly:主に副詞
接頭辞・語根・接尾辞を一度に完璧に覚える必要はありません。普段の単語学習で「この単語はどこで切れるだろう」と立ち止まるだけでも、英単語は少しずつ意味のあるまとまりとして見えてきます。
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