seeのコアイメージは「見る」ではない|I see.が「分かる」になる理由

seeは意識して見るのではなく自然と視野に入ることを表したイラスト

seeと聞くと、多くの方が最初に思い浮かべる日本語は「見る」だと思います。

でも、seeを「見る」だけで覚えていると、I see.がなぜ「分かりました」になるのか、see a doctorがなぜ「医者を見る」ではなく「診てもらう」になるのか、急に分からなくなります。

実は、seeの中心にあるのは「自分から目を向ける」という動作ではありません。人・物・状況などが自然と自分の視野や認識の中へ入り、全体像が見えるという感覚です。

この記事では、海外ドラマ『フレンズ』でも頻出する基本動詞seeを、日本語訳の数ではなく一つのコアイメージから整理します。

seeのコアイメージは「自然と視野・認識の中に入る」

seeのコアイメージは、次の一文で捉えられます。

人・物・状況が自然と視野や認識の中へ入り、全体像が見える

lookのように、首や目を動かして「そちらへ視線を向ける」ことが中心ではありません。目を開けていると景色が入ってくるように、対象を視覚や頭の中で捉えます。

  • I can see Mt. Fuji from here.(ここから富士山が見えます)
  • Can you see that sign?(あの標識が見えますか)
  • I saw him across the street.(通りの向こうに彼が見えました)

日本語では「見る」と訳す場合もありますが、この三つは「頑張って目を向ける」というより、対象が自分の視界に入って見える状態になったという感覚です。

seeが自然と視野に入る感覚から理解・想像・確認へ広がる流れの図解
seeは「視野に入る」から「全体像が分かる」へ広がる

視覚のseeと同じく、音や情報が自然と耳・認識へ入る基本動詞は、hearのコアイメージで詳しく解説しています。

「分かりました」になるのか

seeは、目で物を見る場面だけに使うわけではありません。説明や事情が自分の認識の中へ入り、頭の中で全体像が見えたときにも使います。

  • I see.(なるほど/分かりました)
  • I see what you mean.(言いたいことが分かります)
  • Now I see the problem.(これで問題が分かりました)
  • I don’t see why.(なぜなのか分かりません)

相手の説明を聞き、それまで見えなかった関係や事情が頭の中に現れる。だからI see.は、単なる「見ます」ではなく「なるほど、話の景色が見えました」という反応になるんです。

understandが内容を論理的に理解している状態を比較的はっきり表すのに対し、I see.は会話の中で「ああ、そういうことね」と景色がつながった感じを出しやすい表現です。

see myself|頭の中に未来の自分が見える

seeの「認識の中へ入る」という感覚は、現実に目の前にないものへも広がります。

I don’t see myself working there.
(そこで働いている自分を想像できません)

未来の自分を頭の中へ映そうとしても、その姿が見えてこない。これがsee myselfです。

  • I can see myself living abroad.(海外で暮らしている自分を想像できます)
  • How do you see yourself in ten years?(10年後の自分をどう思い描いていますか)
  • I just don’t see it happening.(それが起きるとはどうしても思えません)

「想像する」という別の日本語を追加で暗記する必要はありません。頭の中の視野に、その場面が入ってくるかと考えれば、物理的なseeと同じです。

see if|状況を見て「〜かどうか確認する」

日常会話で非常によく登場するのが、see ifの形です。

  • Let me see if I can help.(手伝えるか確認してみます)
  • I’ll see if he’s available.(彼の都合がつくか確認します)
  • See if the door is locked.(ドアに鍵がかかっているか確認して)

if以下の状況を自分の認識の中へ入れ、どうなっているかを見る。そこから「調べる」「確かめる」「やってみる」という日本語になります。

I’ll see what I can do.も同じです。自分にできることを一度視野に並べ、可能なものを探します。そのため、「何ができるか考えてみます」「できるだけやってみます」という柔らかい返答になります。

see a doctor・see someone|人と会って認識の中に入れる

seeは、人と会う場面でもよく使います。

  • You should see a doctor.(医者に診てもらった方がいいですよ)
  • I’m seeing a client this afternoon.(午後、顧客と会います)
  • It was nice seeing you.(お会いできてよかったです)
  • Are you seeing anyone?(付き合っている人はいますか)

相手と同じ場を共有し、互いを視野・認識の中に入れるところから「会う」へ広がります。医者なら、会って診察を受ける。恋愛の文脈なら、継続的に会っていることから「付き合う」という意味になります。

seeを日本語一語へ固定すると、「見る・分かる・想像する・確認する・会う・付き合う」と意味が増殖して見えます。でも英語側では、どれも対象が自分の視野や認識に入ってくるという同じ動きです。

see+目的語+動詞|出来事の全体を目にする

seeは、人や物だけでなく「出来事」も視野に入れられます。

  • I saw him cross the street.(彼が通りを渡る一連の出来事を見ました)
  • I saw him crossing the street.(彼が通りを渡っているところを見ました)
  • Did you see her leave?(彼女が出ていくのを見ましたか)

see+人+動詞の原形なら出来事を一まとまりとして捉え、see+人+動詞ingなら進行中の場面が視界に入った感覚です。細かい文法用語より、頭の中にどんな映像が見えているかを意識すると違いが分かります。

映画はseeとwatchのどちらを使う?

映画については、seeとwatchの両方を使えます。ただし、話し手が切り取っている場面が違います。

  • I saw that movie last week.(先週、その映画を観ました)
  • I watched that movie at home.(家でその映画をじっくり観ました)

see a movieは、映画を一本の経験として自分の認識に入れた感覚。watch a movieは、動く映像へ一定時間意識を向けている感覚です。

look側の「自分から目・意識を向ける」感覚は、lookのコアイメージで詳しく解説しています。動き・変化を追い続ける感覚は、watchのコアイメージで詳しく解説しています。3語を一度に整理したい方は、see・look・watchの違いをご覧ください。まずはseeの「自然と視野に入る」を一本持っておいてください。

動画でseeの感覚を確認する

海外ドラマ『フレンズ』では、目の前にない未来の自分を頭の中で見るseeが使われています。

https://www.youtube.com/watch?v=IwEjBfMjavk
このsee、「見る」じゃありません|しゅみすけ英語チャンネル

I see.が「分かった」になる流れは、「I see.の本当の意味」でも短く解説しています。

また、海外ドラマ『フレンズ』シーズン1〜5、約39時間分の会話から頻出動詞を整理した基本動詞Top55では、look・seeを52:01から比較しています。

seeの感覚を身につける3分トレーニング

  1. 今、自然と視野に入っているものを3つ言う
    I can see a window. / I can see two people. / I can see the sky.
  2. 説明を理解した場面を作る
    Oh, I see. / Now I see what you mean.
  3. 未来の自分を頭に映す
    I can see myself speaking English at work. / I can see myself traveling abroad.
  4. 確認するseeを使う
    Let me see if I can help. / I’ll see what I can do.

日本語を先に完成させて英訳するのではなく、目や頭の中へ景色が入ってくる場面を作り、そこへseeを置いてみてください。意味を思い出すより、映像から単語を取り出す練習になります。

まとめ|seeは視野に入り、全体像が見える

  • コアイメージ:人・物・状況が自然と視野や認識の中へ入る
  • 物理的に見える:I can see Mt. Fuji.
  • 理解する:I see what you mean.
  • 想像する:I can see myself living abroad.
  • 確認・検討する:I’ll see what I can do.
  • 会う・診てもらう:see a client / see a doctor

seeを「見る」だけで覚えると、表現ごとに新しい訳語が必要です。しかし、対象が視野・認識へ入り、全体像が見えるというコアイメージなら、I see.もsee myselfもsee ifも同じ映像としてつながります。

基本動詞をさらに整理したい方は、goとcomeの違いや、have・take・getの違いも続けて読んでみてください。


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