takeもgetも、日本語では「取る」「手に入れる」と訳されることがあります。
では、次の二つは何が違うのでしょうか。
- I’ll take this bag.
- I got this bag.
どちらもバッグが自分の手元に来る話です。辞書の日本語だけを見ると、ほぼ同じに見えます。しかし、英語の中で見えている場面はかなり違います。
I’ll take this bag. は、いくつかの選択肢の中から「このバッグにします」と自分で選ぶ場面。I got this bag. は、持っていなかった状態から「このバッグが手に入った」という変化を伝える場面です。
こんにちは。しゅみすけ(大山俊輔)です。今回は、英会話でよく使う基本動詞takeとgetの違いを、コアイメージと具体的な場面から整理します。
take=自分の意思で選び、自分側へ取り込む
get=変化の結果、新しい状態・場所・所有へ到達する
もっと短く言えば、takeは「取りにいく動作」、getは「手に入った結果」です。ここが分かると、「どちらも取るなのに、なぜこっちはtakeで、あっちはgetなの?」というモヤモヤがかなり消えます。
takeとgetの違いは「動作を見るか、到達を見るか」
takeとgetには、どちらも「こちら側へ来る」という共通点があります。だから日本語訳だけでは混乱しやすいのです。
| take | get | |
|---|---|---|
| 焦点 | 自分から働きかける動作 | 変化後の結果・到達点 |
| 意思 | 選択や意志が見えやすい | 意志がある場合もない場合もある |
| 頭の中の映像 | 手を伸ばして取り込む | 新しい地点へ届く |
| 代表例 | take a taxi / take a break | get home / get tired |
takeでは、話し手が対象に手を伸ばし、選んで、自分の行動や経験の中へ取り込みます。一方、getで大切なのは、スタート地点とゴール地点の差です。持っていなかったものが手に入る、分からなかったことが分かる、元気だった人が疲れる、別の場所から家へ着く。何らかの変化の末に、新しい地点へ到達しています。
場面別に分かるtakeとgetの使い分け
1.買い物:選ぶならtake、手に入ったならget
買い物の場面は、takeとgetの違いが最も分かりやすく見えます。
- I’ll take the blue one.(青い方にします)
- I got a new jacket yesterday.(昨日、新しいジャケットを買いました/手に入れました)
- Where did you get that bag?(そのバッグ、どこで買ったのですか)
I’ll take the blue one. では、目の前に複数の候補があり、その中から青を選び取っています。自分の意思が前面に出ています。
I got a new jacket. で伝えたいのは、買うと決めた瞬間よりも「ジャケットが手元にない状態から、ある状態になった」という結果です。買ったのか、もらったのか、細かな入手経路は文脈で決まります。get自体は、手元へ届いた変化を大きく捉えています。
2.乗り物:手段を選ぶtake、乗り込む・到着するget
乗り物では、同じ電車やバスをめぐってtakeとgetが両方登場します。
- I take the train to work.(電車で通勤しています)
- I got on the train at Shibuya.(渋谷で電車に乗りました)
- I got to the office at nine.(9時に会社へ着きました)
take the train は、移動手段として電車を選び、自分の移動に取り込む感覚です。get on the train は、電車の外から中へ移る変化。get to the office は、会社ではない場所から会社へ到達した結果です。
「乗る」という日本語だけで考えるとtakeとget onが競合しますが、実際には見ているポイントが違います。どうやって行くかならtake、どこへ移ったかならgetです。
3.電話:応対を引き受けるtake、電話が来るget
- I’ll take the call.(私が電話に出ます)
- I got a call from my mother.(母から電話がありました)
take the call は、鳴っている電話への応対を自分が引き受ける表現です。仕事や役割を自分側へ取り込みます。
get a call は、電話がなかった状態から電話を受け取った状態への変化です。自分が望んでいたかどうかは関係ありません。突然の電話でもgetを使えます。ここにも、takeの意思とgetの到達という違いが見えます。
4.人を目的地へ運ぶ:takeは連れていく、getは到着させる
- Can you take me to the station?(駅まで連れていってくれますか)
- Can you get me to the station by nine?(9時までに駅へ着けてもらえますか)
take me to the station は、相手を自分の行動に取り込み、駅へ連れていく動きが中心です。get me to the station は、手段よりも「私を9時までに駅へ到達させる」という結果に焦点があります。
タクシーでも車でも徒歩でも構わないので、とにかく到着というゴールを強調したいときはgetが自然です。takeは移動のプロセス、getは到着点が前に出ます。
5.take itとget itはまったく違う
短い会話で頻繁に登場するのが、take itとget itです。
- Take it.(それを持っていって/受け取って)
- I’ll take it.(それにします)
- I get it.(分かります/なるほど)
- Did you get it?(分かりましたか/受け取りましたか)
Take it. は、目の前の物や選択肢を自分側へ取り込むよう促しています。店でのI’ll take it.なら、自分の意思で「これにする」と決めています。
I get it. は、意味や意図が頭の中まで届いた状態です。分からない地点から、分かる地点へ移ったのでgetを使います。同じitでも、take itは対象への働きかけ、get itは理解への到達です。
takeとgetを一本の物語で比べる
次の三つを順番に並べると、さらに分かりやすくなります。
- I’ll take this camera.(このカメラにします)
- I got a new camera.(新しいカメラを手に入れました)
- I have a new camera.(新しいカメラを持っています)
店頭で候補から選ぶ瞬間はtake。その結果、カメラが手元へ来た変化はget。そして今、自分の領域にカメラがある状態はhaveです。
| 動詞 | 場面 | 中心イメージ |
|---|---|---|
| take | 選ぶ瞬間 | 選択・働きかけ |
| get | 手に入った変化 | 変化・到達 |
| have | 持っている現在 | 領域・状態 |
日本語ではすべて「買う」「手に入れる」「持つ」周辺の話になりますが、英語は同じ出来事のどこを切り取るかで動詞が変わります。単語を日本語訳の箱に入れるより、場面を動画として見る方が早いのです。
動画でtakeとgetの感覚を確認する
しゅみすけ英語チャンネルの「基本動詞Top55」では、海外ドラマ『フレンズ』シーズン1〜5の会話をもとに、実際によく使われる動詞を頻出順で解説しています。getは第4位、takeは第19位です。
takeかgetかを選ぶ3秒ルール
会話中に迷ったら、次の順番で考えてみてください。
- 自分が選ぶ・引き受ける・取り込む動作か? → take
- 何かが変化し、手元・状態・目的地へ届いたのか? → get
- すでに自分の領域にある状態か? → have
「日本語では何と訳すか」ではなく、「カメラはどこを映しているか」と考えるのがコツです。人物が手を伸ばして選ぶ瞬間ならtake。変化の矢印の先に着いた場面ならget。到着後の静止画ならhaveです。
それぞれの基本イメージを詳しく確認したい方は、takeのコアイメージ、getのコアイメージ、haveのコアイメージもあわせてご覧ください。
まとめ:takeは取りにいく、getはたどり着く
takeとgetは、どちらも対象がこちら側へ来るため、日本語訳だけでは似て見えます。しかし、焦点は異なります。
- take:自分の意思で選び、自分の行動・経験・領域へ取り込む
- get:変化の結果、新しい状態・場所・所有・理解へ到達する
I’ll take it. は「これを選ぶ」。I got it. は「それが届いた/分かった」。この二つを映像で区別できれば、takeとgetはもう「意味が多すぎる単語」ではありません。
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