amid / amidstのコアイメージは「ある状況に四方を囲まれ、その真っただ中にいる」です。特に、混乱・危機・変化・批判・期待など、背景となる状況の中で何かが起きることを表します。
会話ではin the middle ofやduringのほうがよく使われますが、amidはニュース見出し、報道、公式文書で頻出します。海外ニュースを読むなら、ぜひ押さえておきたい前置詞です。
しゅみすけ(大山俊輔)
amid / amidstのコアイメージは「状況の真っただ中」
amidは、歴史的にmid(middle=中央)と関係する語です。ある出来事を一点で見るのではなく、周囲を満たす状況の中央に置きます。
- She remained calm amid the confusion.
彼女は混乱の真っただ中でも冷静さを保ちました。 - The company grew amid economic uncertainty.
その会社は経済の先行きが不透明な中で成長しました。 - Hope emerged amid the tragedy.
悲劇の中にも希望が生まれました。
confusion・uncertainty・tragedyが、出来事を取り巻く背景です。amidは、その背景の中に主文の出来事を置きます。
amidとamidstの違い|意味は基本的に同じ
amidとamidstは基本的に同じ意味です。amidstのほうがやや古風・文学的・文語的に響くことがあります。現代のニュースや一般的な文章ではamidが使いやすく、簡潔です。
- peace amid the chaos
混乱の中の平穏 - peace amidst the chaos
混乱の真っただ中の平穏
意味の中心は変わりません。文章全体の調子や書き手の好みで選ばれます。
among・during・amidの違い

| 語 | 何に囲まれる? | 例 |
|---|---|---|
| among | 複数の人・物からなる集団 | among the trees(木々の間に) |
| during | ある出来事・期間の時間 | during the meeting(会議中に) |
| amid | 背景となる状況・出来事 | amid the confusion(混乱の中で) |
amongは個々の人や物が集まった中、duringは時間的な期間の中、amidは状況に包まれた中です。
amongの詳しい感覚は、betweenとamongの違いで解説しています。duringについては、before・after・duringの違いもあわせてご覧ください。
amidとin the middle ofの違い
どちらも「〜の真っただ中」を表せますが、使われる場面が少し違います。
| 表現 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| amid | 簡潔・報道的・抽象的な状況に強い | amid growing concern |
| in the middle of | 会話的・物理的/時間的にも幅広い | in the middle of dinner |
- He called me in the middle of dinner.
夕食の最中に彼から電話がありました。 - The announcement came amid growing concern.
懸念が高まる中、その発表がありました。
日常会話ならin the middle ofが自然な場面も多く、amidは報道・説明文で状況を短く圧縮するときに力を発揮します。
ニュース見出しでamidが多い理由
ニュース見出しでは、限られた語数で何が起きたか+どのような背景だったかを伝える必要があります。amidは一語で「〜という状況の中で」を足せるため便利です。
- Markets fall amid inflation fears.
インフレ懸念が広がる中、市場が下落。 - Company announces layoffs amid declining sales.
売上減少の中、企業が人員削減を発表。 - Rescue efforts continue amid heavy rain.
大雨の中、救助活動が続く。 - Government faces criticism amid the crisis.
危機の中、政府が批判に直面。
見出しでは冠詞やbe動詞が省略されることも多いため、amid以下を「背景状況」として先に切り分けると読みやすくなります。
amidでよく使われる名詞
| 組み合わせ | 意味 |
|---|---|
| amid concerns | 懸念がある中で |
| amid criticism | 批判の中で |
| amid uncertainty | 不透明な状況の中で |
| amid confusion | 混乱の中で |
| amid protests | 抗議活動が起きる中で |
| amid tensions | 緊張が高まる中で |
| amid reports of … | 〜との報道がある中で |
| amid calls for … | 〜を求める声が上がる中で |
ネガティブな語とよく結びつきますが、必ずしも悪い状況だけではありません。
- She smiled amid the celebration.
祝賀ムードの中で彼女はほほ笑みました。 - The team succeeded amid strong support.
力強い支援の中、チームは成功しました。
amidは原因を表す?
amid以下の状況が主文の出来事と関連しているため、日本語では「〜を受けて」「〜のため」と訳したくなることがあります。しかし、amid自体が直接「原因」を表すとは限りません。
- Shares fell amid concerns about demand.
需要への懸念が広がる中、株価が下落しました。
懸念が下落の理由だと推測できる文脈でも、amidの役割はまずその状況の中に下落を置くことです。明確に原因を言うならbecause of・due toなどを使います。
| 表現 | 関係 |
|---|---|
| amid concerns | 懸念という背景状況の中で |
| because of concerns | 懸念が直接の理由で |
| despite concerns | 懸念があるにもかかわらず |
amidの位置|文頭・文中・文末
文頭:背景を先に示す
- Amid growing pressure, the CEO resigned.
圧力が強まる中、CEOは辞任しました。
文中・文末:出来事の背景を補足する
- The CEO resigned amid growing pressure.
CEOは圧力が強まる中で辞任しました。 - They continued working amid the noise.
彼らは騒音の中でも働き続けました。
文頭に置くと背景が強調され、文末に置くと主文の出来事を伝えたあとで状況を付け足します。
amidの後ろに置く形
amidは前置詞なので、後ろには名詞・代名詞・動名詞など名詞相当のまとまりが続きます。
- amid the crisis
- amid growing concern
- amid reports that the company may close
ニュースではamid+抽象名詞、またはamid+名詞+that節の形が多く見られます。
amid / amidstのよくある間違い
「〜の間」なら何でもamidにする
単なる期間ならduring、複数の人・物の集団ならamongが自然です。
- ○ during the meeting(会議中)
- ○ among the participants(参加者の間で)
- ○ amid the confusion(混乱の中で)
amidを必ず原因として訳す
まず「〜という状況の中で」と捉え、原因・逆接・同時進行のどれに近いかは文脈から判断します。
amidを読むミニ練習
- 物価上昇への懸念が広がる中、市場が下落しました。
- 混乱の中でも、彼女は冷静でした。
- 大雨の中、救助活動が続いています。
- 批判が高まる中、会社は新方針を発表しました。
答えの例
1. Markets fell amid concerns about rising prices.
2. She remained calm amid the confusion.
3. Rescue efforts continue amid heavy rain.
4. The company announced a new policy amid growing criticism.
まとめ|amidは出来事を「状況の真っただ中」に置く
- amid / amidstのコアイメージは「状況に囲まれた真っただ中」
- amidstはamidと同義で、やや古風・文学的に響くことがある
- amongは人・物の集団、duringは時間、amidは背景状況
- ニュース見出しでは、背景を短く加えるために頻出する
- amidは直接の原因を示すとは限らない
- 懸念・批判・混乱・危機・変化などの抽象名詞と相性がよい
amidを見たら、主文の出来事の周囲に大きな状況を描いてみましょう。「何が起きたか」と「何に包まれていたか」を分けると、海外ニュースの見出しが一気に読みやすくなります。
前置詞を一覧から学びたい方へ
amidを前置詞全体の中で位置づけたい方は、親記事「英語の前置詞一覧|コアイメージ・意味・使い分けを図解で完全解説」をご覧ください。




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