『英語の発音パーフェクト学習事典』は全部やるべき?英会話向けの使い方

英語の発音パーフェクト学習事典のような分厚い発音参考書を開いて学ぶ女性

『英語の発音パーフェクト学習事典』は、英語の母音・子音からアクセント、リズム、音の変化まで、発音を体系的に確認できる総合的な参考書です。深澤俊昭著、アルク刊の新装版は音声ダウンロード付きで、288ページあります。

内容は充実しています。しかし、旅行や日常、仕事のちょっとした英会話ができるようになりたい人が、最初の教材として1ページ目から全部やろうとすると、発音学習だけで相当な時間が必要です。

結論として、この本は最初から通読して完全習得する本ではなく、必要な発音項目を調べる事典として使うと価値が高まります。会話や録音で問題を発見し、該当項目を調べ、音声で練習し、再び会話へ戻る。その使い方が現実的です。

しゅみすけ(大山俊輔)

これは発音界の電話帳です(笑)。電話帳を最初から暗記しないのと同じで、必要なときに必要なページを引けばよいのです。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

この記事の結論
『英語の発音パーフェクト学習事典』は、発音を専門的に学びたい人や、課題を正確に調べたい人に向く総合参考書です。英会話初心者は全部やらず、通じにくさの原因になっている項目だけを選びましょう。

結論|「教科書」より「手元に置く事典」として優秀

この本の強みは、発音の一部分だけでなく、音の作り方から英語らしい流れまで広く参照できることです。ある音が出せないとき、単語アクセントが分からないとき、文になると音が崩れるときなど、課題に応じて調べられます。

一方、英会話に必要な発音は、すべての項目を同じ精度で習得することではありません。まず必要なのは、次の三つです。

  • 相手が単語や文の意味を取りやすい
  • 自分が無理なく続けて話せる
  • 自分の発音と実際の英語音が大きくずれていない

この目標に影響する項目から選んで使うなら、情報量の多さが強みになります。最初から全部終えようとすると、情報量の多さが負担へ変わります。

『英語の発音パーフェクト学習事典』の良いところ

1.発音を断片ではなく体系として見られる

発音学習は、L・RやTHなど目立つ音だけに集中しがちです。しかし、通じやすさには母音、語末子音、音節、アクセント、リズム、イントネーションなども関わります。

総合事典が一冊あると、自分の問題が「舌の位置」なのか、「母音を足していること」なのか、「文の強弱」なのかを広い地図の中で捉えられます。

2.説明と音声を往復できる

発音は文字説明だけでは身につきません。説明を読み、音声を聞き、口を動かし、録音して比較する必要があります。音声ダウンロード付きの新装版は、この往復をしやすくしています。

3.初心者向け教材では物足りない疑問を調べられる

入門書は分かりやすい反面、扱う範囲を絞っています。似た音の細かな違いや、なぜ同じつづりが違う音になるのか、文中でどう変化するのかを詳しく知りたいとき、総合参考書が役立ちます。

4.長く使える

初心者の時点では必要のない項目も、会話量が増えると疑問として戻ってきます。最初は基本音、次はアクセント、さらに音声変化というように、学習段階に応じて参照できます。

なぜ最初から全部やると挫折しやすいのか

内容が網羅的な本ほど、「全部知らなければ正しく話せない」と感じやすくなります。しかし、知識を増やすことと、会話で自動的に使えることは別です。

一日に多数の発音項目を読んでも、実際に口を動かし、単語や短文で反復し、会話で使う時間がなければ定着しません。さらに細かな違いへ意識を向けすぎると、話すたびに自己修正が入り、英文を組み立てられなくなることもあります。

しゅみすけ(大山俊輔)

発音知識を増やしすぎて、話すたびに口の中を監視する状態になると、会話は止まります。直す項目は一度に一つで十分です。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

おすすめの使い方|課題が出たら引く

この本は、次のサイクルで使うのがおすすめです。

  1. 会話や録音で、通じにくい箇所を一つ見つける
  2. 単音・音節・アクセント・リズムのどこが原因か仮説を立てる
  3. 該当する項目だけ事典で調べる
  4. 付属音声を聞き、口の動きと音を確認する
  5. 本人が使う単語と短文で練習する
  6. 再び会話へ戻し、改善したか確認する
会話の課題を見つけ発音事典で調べ音声練習をして再び会話へ戻る学習サイクル
事典を通読するのではなく、会話の課題を調べて実践へ戻す

最初に優先するならどこ?

英会話初心者が本書を使うなら、次の順で十分です。

  1. 母音挿入と音節:単語の長さが大きく変わるため
  2. 語末子音:複数形や過去形など意味にも関わるため
  3. 単語アクセント:相手が単語を認識する手がかりになるため
  4. 本人が区別できない母音・子音:聞き間違いや意味の混同が起きるため
  5. 文の強弱と音の連結:短文を自然に運ぶため

すべての母音・子音を先に終える必要はありません。発音学習全体の順番は英語発音大全で整理しています。

他の発音本との違い

教材 主な役割 使い方
英語喉 息・響き・音節という大枠 発声の切り替えに使う
英語耳 聞き分けと個別音 音声反復で弱点を補修する
UDA式30音練習帳 日本語話者の苦手音と発音動作 口・舌・息の使い方を確認する
フォニックス発音 つづりと基本音の関係 未知語の読み方を予測する
発音パーフェクト学習事典 発音全体の詳しい参照 課題が出たときに該当項目を引く

この本は、他の教材より常に上位というわけではありません。守備範囲が広いため、何を調べたいかが明確な人ほど使いやすい本です。

英会話につながる1日10分の使い方

  • 2分:自分の録音または前日の会話から、一つだけ課題を選ぶ
  • 2分:事典の該当説明を読む
  • 2分:付属音声を聞き、口や息の使い方を確認する
  • 2分:対象音を含む単語と短文を録音する
  • 2分:発音ではなく意味を意識して短文を話す

翌日も同じ項目を確認し、改善が安定したら次へ進みます。毎日違うページへ進むより、一つの課題を数日かけて会話へ移すほうが効果的です。

おすすめの人・おすすめしにくい人

おすすめの人

  • 発音を体系的に理解したい
  • 入門書では疑問が解決しなくなった
  • 自分の課題を調べる参考書が欲しい
  • 講師・コーチ・英語指導者として参照したい
  • 発音、アクセント、リズムを長期的に学びたい

最初の一冊としてはおすすめしにくい人

  • 旅行や日常の短い会話を早く始めたい
  • 分厚い本を見ると最初から順番に全部やりたくなる
  • 説明を読むだけで音声練習をしない
  • 細かな誤りが気になり、話せなくなる
  • 一日10〜20分以上を発音だけに使えない

この本だけでは補えないこと

どれほど詳しい発音事典でも、読むだけで発音は自動化されません。また、英会話には語彙、文法、内容を組み立てる力、相手とのやり取りが必要です。

be:RIZEならどう使うか

be:RIZEでは、受講者に本書を最初から最後まで課題として出すことは想定しません。会話、録音、リスニングの状態から優先課題を絞り、その項目の確認用として使います。

基本は「大枠を直す→伝達を妨げる音を一つ補修する→短文で自動化する」です。事典は、原因と修正方法を詳しく確認する場です。

しゅみすけ(大山俊輔)

この本を3周するより、自分に必要な5ページを会話で使えるまで練習する。そのほうが、普通の英会話を目指す人には成果が見えやすいでしょう。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

まとめ|発音の電話帳は、必要なページだけ引けばよい

『英語の発音パーフェクト学習事典』は、発音の全体像を詳しく参照できる優れた総合参考書です。ただし、情報量が多いからこそ、使う目的を決める必要があります。

  • 最初から全ページを通読・完全習得しなくてよい
  • 会話や録音で課題を見つけてから該当項目を引く
  • 説明だけでなく音声・発音・録音を往復する
  • 一度に直す項目は一つに絞る
  • 単語と短文で練習し、必ず会話へ戻す

発音を専門的に深掘りしたい人には頼れる一冊です。普通の英会話が目標なら、事典を全部終えるのではなく、必要な知識を必要な分だけ借りる。その距離感がちょうどよいでしょう。

単音や発音知識の次に、文の強弱・弱形・連結・イントネーションを深く練習したい人は、『American Accent Training』の英会話向けの使い方も参考にしてください。

7冊の役割をまとめて比べたい人は、英語発音本おすすめ7冊比較をご覧ください。

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