seemを「〜のように見える」と覚えていても、It seems fine.、She seems to know him.、It seems that we were wrong.の形が並ぶと、使い分けに迷うことがあります。
先に結論を言うと、seemのコアイメージは「得られた手がかりから、話し手がそのようだと判断する」です。目で見た印象だけではありません。状況・言葉・反応などをまとめて、断定せずに判断を差し出す動詞です。
- She seems tired.
彼女は疲れているようです。 - He seems to understand.
彼は理解しているようです。 - It seems that the plan worked.
その計画はうまくいったようです。 - It seems like a good idea.
よい考えのように思えます。
日本語では「見える」「思える」「らしい」などに訳が変わりますが、seemがしていることは同じです。この記事では、seem+形容詞、seem to do、It seems that、seem likeの違いを、look・appearとの比較も含めて一つのイメージから整理します。
seemのコアイメージは「手がかりから、そのようだと判断する」
seemでは、話し手の前にいくつかの手がかりがあります。表情、声、行動、説明、周囲の状況。その情報を受け取った話し手が、頭の中で一つの判断を作ります。

手がかり → 話し手の判断 → seem
たとえば、同僚が何度もあくびをし、返事もいつもより遅いとします。その様子から、話し手は「疲れているのだろう」と判断します。
She seems tired.
彼女は疲れているようです。
話し手は、彼女が疲れていると確定したわけではありません。本人に確認していない可能性もあります。見聞きした情報から、現時点でもっとも自然な判断を示しています。
しゅみすけ(大山俊輔)
seem+形容詞・名詞:主語が「その状態のようだ」
もっとも基本的なのが、主語+seem+状態です。seemはbe動詞と同じように、主語と後ろの説明を結びます。ただしbeが状態をそのまま述べるのに対し、seemは話し手の判断というフィルターを通します。
- The room seems quiet.
その部屋は静かなようです。 - This task seems easy.
この仕事は簡単そうです。 - Your idea seems reasonable.
あなたの考えはもっともに思えます。 - He seems happy with the result.
彼は結果に満足しているようです。
He is tired.は「彼は疲れている」と状態を提示します。He seems tired.は「得られた手がかりから、私は疲れているように判断する」と、一歩距離を取ります。
会議や仕事では、この距離が役立ちます。断定するには情報が足りないとき、seemを使えば観察と判断を分けて伝えられます。
There seems to be a problem.
何か問題があるようです。
The numbers seem correct.
数字は正しいようです。
seem to do:「〜するようだ・〜しているようだ」
判断した内容が動作や出来事なら、seem to+動詞を使います。
- She seems to know the answer.
彼女は答えを知っているようです。 - He seems to like his new job.
彼は新しい仕事を気に入っているようです。 - The train seems to be delayed.
電車は遅れているようです。 - They seem to have changed their minds.
彼らは考えを変えたようです。
基本の骨格は変わりません。主語について得た情報から、話し手が後ろの動作・状態を判断しています。
seem to be doingとseem to have done
seem to be doingは、判断している時点で進行中に見える動作です。
She seems to be avoiding me.
彼女は私を避けているようです。
seem to have doneは、今の手がかりから、それ以前に起きたことを判断します。
I seem to have lost my key.
鍵をなくしてしまったようです。
鍵が見つからないという現在の手がかりから、「それより前になくした」と判断しています。完了形の時間関係も、seemのコアへ重ねれば理解しやすくなります。
It seems that+文:判断内容を一つの文で示す
主語や時制を含む内容全体を判断として示したいときは、It seems that+文が便利です。ここでのItは、後ろのthat節を受ける形式的な主語です。
- It seems that we made a mistake.
私たちは間違えたようです。 - It seems that she is not coming.
彼女は来ないようです。 - It seems that the system is working again.
システムは再び動いているようです。 - It seemed that nobody knew the answer.
誰も答えを知らないようでした。
She seems to be busy.とIt seems that she is busy.は、中心となる意味はほぼ同じです。前者はsheを主語にして人物へ焦点を当て、後者は「彼女が忙しい」という判断内容全体を提示します。
seem like+名詞とIt seems like+文
seem like+名詞では、状況全体を別のイメージや種類へ重ねます。likeのコアイメージは「特徴が似ている」です。
- It seems like a good opportunity.
よい機会のように思えます。 - This seems like the best option.
これが最善の選択肢のようです。 - He seems like a nice person.
彼は感じのよい人のようです。
会話では、It seems like+文もよく使われます。
It seems like we’re running out of time.
時間がなくなってきているようです。
標準的で少し整った書き言葉ではIt seems that …、日常会話ではIt seems like …が自然に聞こえる場面が多くあります。どちらも、状況から判断を組み立てる点は共通しています。
likeそのものの役割は、likeのコアイメージ|would like・feel like・look likeで詳しく整理しています。
seem・look・appearの違い

| 単語 | 判断の入口 | 中心感覚 |
|---|---|---|
| seem | 状況・反応・情報全体 | 手がかりから、そのようだと判断する |
| look | 主に見た目 | 視覚的に、そのように見える |
| appear | 外から観察できる現れ方 | その姿・事実として現れる |
You look tired.
見た目から疲れているように見えます。
You seem tired.
言動や状況を含め、疲れているように思えます。
lookは目から入る情報が前面に出ます。seemは、見た目に限らず話し方や行動、背景情報まで含めた判断です。
appearはseemより改まった響きになりやすく、報告・説明・文章でもよく使われます。
The problem appears to be more serious than we thought.
その問題は、考えていたより深刻なようです。
ただし実際にはseemとappearが置き換えられる場面も多くあります。最初は、日常的な総合判断ならseem、視覚ならlook、少し客観的・改まった現れ方ならappearと整理すると使いやすいでしょう。
否定・疑問文で使うseem
seemの否定では、do not seem to doがよく使われます。
- He doesn’t seem to understand.
彼は理解していないようです。 - This doesn’t seem right.
これは正しくないように思えます。 - They don’t seem worried.
彼らは心配していないようです。
He seems not to understand.も文法的には可能ですが、日常会話ではHe doesn’t seem to understand.のほうが自然です。「理解しているようには見えない」と、判断そのものを否定します。
疑問文は可能ですが、相手の判断を尋ねるなら別の言い方が自然な場合もあります。
Does that seem reasonable to you?
それは妥当に思えますか。
How does the plan seem to you?
その計画はどう思えますか。
会話でよく使うseemの例文
- It seems fine to me.
私には問題なさそうに思えます。 - That seems fair.
それは公平だと思います。 - You seem different today.
今日はいつもと違う感じですね。 - Things seem to be getting better.
状況はよくなってきているようです。 - There seems to be some confusion.
少し混乱があるようです。 - It seems like everyone agrees.
全員が賛成しているようです。 - I can’t seem to open this file.
どうしてもこのファイルを開けません。
I can’t seem to …は「どうしてもうまくできない」
I can’t seem to find my glasses.は直訳すると「眼鏡を見つけられるように思えない」ですが、実際には「探しているのに、どうしても見つからない」という自然な表現です。
- I can’t seem to remember his name.
どうしても彼の名前を思い出せません。 - We can’t seem to solve the problem.
どうしてもその問題を解決できません。
何度か試したり考えたりした結果から、「できそうな様子がない」と判断しているため、seemの感覚が残っています。
しゅみすけ(大山俊輔)
seemを使うミニ練習
- 彼女は疲れているようです。
- 彼は答えを知っているようです。
- 私たちは間違えたようです。
- それはよい考えのように思えます。
- どうしても鍵が見つかりません。
答えの例
1. She seems tired.
2. He seems to know the answer.
3. It seems that we made a mistake.
4. It seems like a good idea.
5. I can’t seem to find my key.
seemについてよくある質問
seemは「見える」という意味ですか?
見た目を手がかりにする場合もありますが、視覚だけではありません。言葉・行動・状況などから「そのようだ」と判断する動詞です。視覚を強く示すならlookが自然です。
seemの後ろには何が来ますか?
形容詞、to不定詞、that節、like+名詞・文などが続きます。代表形はseem+形容詞、seem to do、It seems that …、It seems like …です。
It seems thatとIt seems likeの違いは?
中心の意味は近いですが、It seems thatは整った文や書き言葉でも使いやすく、It seems likeは会話的です。likeの後ろには名詞も置けます。
seemとlookの違いは?
lookは主に見た目を根拠にします。seemは視覚だけでなく、状況や言動など複数の手がかりを含む総合的な判断です。
まとめ:seemは事実ではなく「手がかりから作った判断」
- seemのコアイメージは「手がかりから、そのようだと判断する」
- seem+形容詞は、主語がその状態のようだと示す
- seem to doは、主語がその動作をするようだと判断する
- It seems thatは、判断内容を文として提示する
- seem likeは、状況を別のイメージ・種類へ重ねる
- lookは視覚、seemは状況全体、appearはやや客観的・改まった響き
seemを見たら、「〜のように見える」という訳を探す前に、どんな手がかりから、話し手は何を判断したのかを考えてみましょう。そうすると、seem tired、seem to know、It seems that、seem likeが一つの映像につながります。
基本動詞を一覧から学びたい方へ
seemを英語全体の中で位置づけたい方は、親記事「英語の基本動詞とは?少ない単語で英会話が広がる理由とコアイメージ学習法」をご覧ください。
少ない基本語で英語を組み立てる考え方
seemはC・K・オグデンのBasic Englishでも、意味を動かす18のoperatorに選ばれています。「Basic Englishの850語一覧」では、基本語を組み合わせて意味を作る仕組みを紹介しています。
Basic Englishの重要語をまとめて学ぶ:Basic Englishの重要語46選|コアイメージ総合ガイド




