enoughのコアイメージは、「目的に必要な基準まで届いている」です。
日本語では「十分な」「十分に」と訳されますが、enoughが表すのは単なる多さではありません。量・程度・能力などを、ある目的に必要な基準と照らし合わせて、「これなら足りる」と判断する言葉です。
しゅみすけ
enoughの意味をコアイメージから理解する
水が500ミリリットルあるとしても、それがenoughかどうかは目的次第です。一口飲むには十分でも、一日分の飲料水としては足りないかもしれません。つまりenoughには、必ず明示または暗黙の必要な基準があります。

We have enough water.
私たちには十分な水があります。
これは「水が多い」と言っているのではなく、今考えている用途に必要な量が確保できているという意味です。逆に、基準へ届いていなければnot enoughになります。
We don’t have enough water.
私たちには十分な水がありません。
enoughの基本は2つの語順
enoughで最も間違えやすいのが語順です。名詞につける場合と、形容詞・副詞につける場合で位置が変わります。

enough+名詞:「十分な〜」
名詞の量や数が基準に届いているときは、enoughを名詞の前に置きます。
- enough time:十分な時間
- enough money:十分なお金
- enough chairs:十分な数の椅子
- enough information:十分な情報
Do we have enough time?
私たちには十分な時間がありますか。
There aren’t enough chairs for everyone.
全員分の椅子がありません。
timeやmoneyのような不可算名詞にも、chairsのような可算名詞の複数形にも使えます。
形容詞・副詞+enough:「十分に〜」
性質や動作の程度が基準へ届いているときは、enoughを形容詞・副詞の後ろに置きます。
- good enough:十分によい
- old enough:十分な年齢で
- big enough:十分に大きい
- quickly enough:十分に速く
This room is big enough.
この部屋は十分な広さです。
She spoke slowly enough for me to understand.
彼女は私が理解できるくらい十分ゆっくり話しました。
enough timeでは前、good enoughでは後ろ。この対比をひとかたまりで覚えると語順が安定します。
enough to doは「〜できる基準に届く」
形容詞・副詞+enough to doは、「〜するのに十分…だ」「…なので〜できる」を表します。
He is tall enough to reach the shelf.
彼は棚に手が届くほど背が高いです。
必要な基準は「棚に手を届かせること」。彼の身長がその線へ届いています。
I was lucky enough to meet her.
幸運にも彼女に会えました。
直訳すれば「彼女に会えるほど十分に幸運だった」です。日本語では「幸運にも」と訳すと自然です。
Are you warm enough to go outside?のように考えるのではなく、通常はAre your clothes warm enough to go outside?(その服装は外へ出るのに十分暖かいですか)のように、何の性質を評価しているかを明確にします。
enough for 人 to doの使い方
「誰がその動作をするのか」を示すときは、enough for+人+to doを使います。
The box is light enough for a child to carry.
その箱は子どもでも運べるほど軽いです。
There is enough food for everyone to eat.
全員が食べられるだけの食べ物があります。
forの後ろの人がto doの意味上の主語です。「誰にとって十分か」だけなら、to doを続けずにfor+人で終えることもできます。
This is enough for me.
私にはこれで十分です。
名詞なしで使うenough
何が十分なのか文脈から明らかな場合、enoughは代名詞のように単独で使えます。
We have enough.
私たちには十分あります。
That should be enough.
それで十分なはずです。
Is five minutes enough?
5分で足りますか。
また、Enough!だけで「もう十分だ」「いい加減にして」という強い制止にもなります。相手に直接使うと厳しい響きになるため注意しましょう。
not enoughとtooの違い
not enoughは必要な基準に届いていないこと、tooは許容できる基準を越えすぎていることを表します。
The coffee isn’t hot enough.
そのコーヒーは十分熱くありません。
The coffee is too hot.
そのコーヒーは熱すぎます。
温度の線で考えると、not hot enoughは下側、too hotは上側です。
He isn’t old enough to drive.
彼は運転できる年齢に達していません。
He is too young to drive.
彼は運転するには若すぎます。
伝えている状況は近くても、前者は「必要な年齢に未到達」、後者は「若さが許容範囲を越えている」という見方です。
enoughとsufficientの違い
どちらも「十分な」を表しますが、日常会話ではenoughが圧倒的に自然です。sufficientは書き言葉や事務的・技術的な文脈で使われやすい語です。
We have enough evidence.
十分な証拠があります。
There is sufficient evidence to proceed.
手続きを進めるのに十分な証拠があります。
sufficientは客観的な要件を満たす響きが強く、enoughは日常的な判断にも広く使えます。会話ではまずenoughを使えるようにしましょう。
enoughとplenty ofの違い
enoughは必要な線に届いていること、plenty ofは必要量を余裕をもって上回っていることです。
We have enough time.
時間は足ります。
We have plenty of time.
時間はたっぷりあります。
enoughは「ぎりぎり」という意味ではありませんが、余裕の大きさまでは保証しません。plenty ofなら「心配しなくてもよいほどある」という安心感が出ます。
しゅみすけ
よく使うenoughの定番表現
good enough
It’s good enough for now.
今のところはこれで十分です。
完璧ではなくても、現在の目的には使えるという判断です。口調によっては「まあ、これでよい」という妥協も表します。
fair enough
Fair enough.
なるほど、それなら納得です。
相手の理由や意見を「それなら妥当だ」と認める表現です。直訳の「十分に公平」から離れて、会話では同意・納得の返答としてよく使われます。
sure enough
Sure enough, it started raining.
案の定、雨が降り始めました。
予想や話に違わず、本当にそうなったことを表します。
enough is enough
Enough is enough.
もう我慢の限界です。
許容できる基準に達した、これ以上は受け入れないという強い表現です。
enoughでよくある間違い
間違い1:形容詞の前に置く
× This room is enough big.
○ This room is big enough.
形容詞・副詞を修飾するとき、enoughは後ろです。
間違い2:名詞の後ろに置く
× We have time enough.
○ We have enough time.
現代の一般的な英語ではenough+名詞が基本です。time enoughのような語順も文学的・特殊な用法では見られますが、学習段階では前置を使いましょう。
間違い3:very enoughと言う
× It is very enough.
○ It is more than enough.
十分すぎるほどです。
enough自体が基準への到達を表すため、通常veryでは強めません。「十二分に」と言うならmore than enoughが自然です。
間違い4:too enoughと重ねる
× We have too enough food.
○ We have more than enough food.
食べ物は有り余るほどあります。
tooとenoughは基準の見方が異なり、この形では重ねません。
ミニ練習問題
語句を正しい順番に並べてみましょう。
- 時間は十分あります。(time / enough / have / we)
- 彼女は一人で旅行できる年齢です。(enough / old / travel / to)
- この机は私には大きさが足りません。(not / enough / big / for me)
- 全員が座れるだけの椅子があります。(chairs / enough / for everyone / to sit)
答え:
1. We have enough time.
2. She is old enough to travel alone.
3. This desk is not big enough for me.
4. There are enough chairs for everyone to sit down.
enoughに関するよくある質問
enoughは可算名詞にも不可算名詞にも使える?
はい。enough booksのような可算名詞の複数形にも、enough moneyのような不可算名詞にも使えます。可算名詞の単数形に直接つけてenough a bookとは通常言いません。
enough to doとso … thatの違いは?
He was strong enough to lift it.は、持ち上げるために必要な強さへ届いたことを表します。He was so strong that he could lift it.は「とても強かったので、結果として持ち上げられた」と程度と結果を述べます。事実は近くても、enoughは必要基準との比較が中心です。
「もう十分です」はThat’s enoughでよい?
量について穏やかに「それで足ります」と言うならThat’s enough, thank you.が使えます。一方、相手の行動を止めるThat’s enough!は強い叱責にもなるので、声の調子と場面に注意が必要です。
まとめ:enoughは「必要な基準に届く」
- コアイメージは目的に必要な基準まで届いている
- 名詞の前ではenough+名詞
- 形容詞・副詞の後では形容詞・副詞+enough
- enough to doは「〜できる基準に届いている」
- not enoughは基準未満、tooは許容基準を越えすぎ
- plenty ofは必要量を余裕をもって上回る
Basic Englishの語彙全体を確認したい方は、姉妹サイトのBasic English 850語一覧もご覧ください。基本語を訳語ではなく一つのイメージで理解すると、語順や似た表現との違いも自然につながります。
Basic Englishの重要語をまとめて学ぶ:Basic Englishの重要語46選|コアイメージ総合ガイド
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[…] not veryは「非常に」という高い程度に×を置くため、たいてい「あまり〜ない」という控えめな否定です。not enoughは必要な基準に届かないこと、not yetは「今までには成立していないが、この先はあり得る」ことを示します。詳しくはveryのコアイメージ、enoughのコアイメージ、yetのコアイメージも役立ちます。 […]