外国人の夫・妻がいるのに英語が話せない|日本語中心の家庭から英会話を始める方法

日本語で暮らす外国人の夫と日本人女性が海外の家族との英語のビデオ通話を前にする様子

外国人の夫・妻がいると話すと、「家では英語なんでしょう?」「自然に英語が話せるようになりそう」と言われる。しかし実際には、配偶者が日本語を話せるため、家庭内の会話はほとんど日本語。結婚して何年たっても、自分の英語はあまり変わっていない。

夫婦二人なら困らなくても、相手の両親やきょうだい、友人と会うと会話に入れない。海外へ帰省すると、食卓で話が進む中、自分だけ笑ってうなずく。子どもが英語を話し始めると、家族の中で自分だけ取り残されるのではないかと焦ることもあります。

外国人の配偶者がいても、英語が自然に身につくとは限りません。夫婦のコミュニケーションが日本語で十分に成立していれば、英語を学習する必要性も、間違いを修正する機会も生まれにくいからです。

この記事では、日本在住・海外在住を問わず、外国人の夫・妻がいるのに英語を話せないと悩む方へ、家庭の関係を壊さず、日本語中心の生活から英会話を始める方法を解説します。

しゅみすけ(大山俊輔)

be:RIZEでも、外国人の配偶者がいる一方、ご本人は英語に自信がないという方をサポートしてきました。相手が日本語を話せれば、夫婦として暮らすことと英語を習得することは別々に進みます。「配偶者が外国人なのに」と責める必要はありません。

英語コーチング「be:RIZE」創業者。外資系企業4社での勤務と米国MBA留学を経験。

外国人の夫・妻がいても英語が身につくとは限らない

国際結婚の夫婦が必ず英語で話すわけではありません。日本で出会い、配偶者が日本語を使えるなら、自然に日本語が家庭の共通語になります。また、配偶者の母語が英語ではなく、英語は夫婦双方にとって第二言語という場合もあります。

夫婦の目的は、語学レッスンではなく生活を一緒に営むことです。最も速く、細かい気持ちまで伝わる言語を選ぶのは自然です。その結果、英語を使わなくても愛情、家事、仕事、予定、お金、子育てについて十分に話せる家庭ができます。

つまり、英語が伸びなかったことは夫婦関係が失敗している証拠ではありません。日本語で関係を築けたからこそ、英語学習が別の課題として残ったとも言えます。

英語が必要だと感じやすい6つの場面

1.義父母・親戚との会話

相手の両親や親戚と会ったとき、挨拶や近況報告まではできても、思い出、家族の出来事、価値観の話になると分からなくなります。配偶者が通訳してくれても、本人同士で関係を作れていないように感じることがあります。

2.配偶者の友人との集まり

複数人が速く話し、昔から共有している話題や冗談が出る場では、英語力だけでなく会話へ入るタイミングも必要です。何となく笑って過ごし、帰宅後に強い疲労や孤立感を覚えることがあります。

3.海外への帰省・家族行事

数日から数週間、英語中心の環境へ入ると、食事、移動、買い物、家族行事のすべてで会話が続きます。短い旅行英語では足りず、自分の希望、体調、予定、感謝を伝える必要があります。

4.子どもの言語環境

子どもがバイリンガルとして育つと、英語で話す配偶者と子どもの会話が増える場合があります。内容が分からない、学校の英語資料を読めない、子どもの友人や保護者と話せないことから焦りが生まれます。

5.海外移住や将来の介護

将来、配偶者の国へ移住する、義父母の支援が必要になるなど、家族の状況が変わることがあります。そのときには生活英語だけでなく、医療、行政、住居、家族間の意思決定に関する会話も必要になります。

6.夫婦のより深い話

日常は日本語で十分でも、配偶者の母語や英語でしか伝わりにくい感覚があります。相手が育った文化、子どもの頃の記憶、母語での冗談を少し理解できると、これまで見えなかった一面へ触れられることがあります。

「配偶者と英語で話せない」を一つの問題にしない

最初から家庭内のすべてを英語へ変える必要はありません。何のために英語を使いたいかを場面ごとに分けます。

  • 義家族:近況を話す、質問する、感謝や気遣いを伝える
  • 友人:自己紹介、仕事や趣味、最近の出来事について会話へ入る
  • 海外帰省:予定、食事、体調、希望、手伝いを伝える
  • 子育て:学校連絡、家庭のルール、子どもの気持ちを共有する
  • 夫婦:一日の出来事や簡単な気持ちを英語でも少し話す
  • 将来:移住、住居、医療、家族の支援について相談する

優先順位は、頻度と感情的な重要度から決めます。年に一度の帰省が迫っているなら義家族との会話、子どもの学校で困っているなら教育場面から始めます。

配偶者を英語の先生にしない方がよい理由

身近に英語を話せる人がいると、「毎日教えてもらえば無料で上達できる」と考えたくなります。しかし、夫婦関係と教師・生徒の関係を重ねると、次の問題が起こりやすくなります。

  • 会話のたびに発音や文法を直され、話すことが怖くなる
  • 配偶者は意味が分かるため、どこを説明すべきか判断しにくい
  • 教え方について不満が生まれ、夫婦げんかになる
  • 正解をすぐ日本語で聞き、考えて取り出す練習にならない
  • 相手の英語に慣れすぎて、義家族や友人の英語には対応できない

配偶者には、教師ではなく実際に使う相手として協力してもらうのが現実的です。基礎の理解、発音の修正、反復練習は教材や講師へ任せ、夫婦では短い会話を試す場所にします。

外部のオンライン講師と英語を練習し配偶者や義家族との会話で使う日本人女性
基礎や反復練習は家庭の外で行い、配偶者とは短い実際の会話を試す。夫婦関係と教師・生徒の役割を分けることが、無理なく続けるポイントです。

日本語中心の家庭から英会話を始める5段階

1.最初の一場面を決める

「家で英語を話す」では広すぎます。朝の予定確認、夕食後の近況、週末の相談など、毎日または毎週繰り返せる一場面を選びます。

2.日本語で言っている内容を短く分ける

普段の日本語をそのまま長い英文へ訳さず、結論、理由、希望、質問へ分けます。最初は三文程度で十分です。家庭で本当に使う内容を材料にすることで、覚えた表現が生活と結びつきます。

3.家庭の外で先に練習する

講師やコーチと、配偶者・義家族役を変えながら練習します。予想外の質問、聞き返し、話題の変更にも対応できるようにします。夫婦の会話を練習場ではなく使用場所にするためです。

4.配偶者と短時間だけ英語を使う

一日中英語にせず、「夕食後の10分」「日曜日の朝」など時間を限定します。途中で日本語へ戻っても失敗ではありません。伝えたい内容を一つ英語で完了させることを目標にします。

5.訂正のルールを夫婦で決める

会話中は意味が通じれば止めず、終わった後に一つだけ自然な言い方を教えてもらうなど、訂正方法を決めます。すべてを直すのではなく、次回も使う表現を一つ持ち帰ります。

義家族との会話は「質問・自分の情報・反応」で準備する

義家族との会話では、質問だけを並べるとインタビューのようになり、自分の話だけを準備すると相手の返答に対応できません。次の三つを一組にします。

  1. 質問:最近の生活、健康、仕事、趣味について尋ねる
  2. 自分の情報:日本での生活や最近の出来事を一〜二文足す
  3. 反応:驚き、共感、追加質問を短く返す

家系、昔の思い出、地域の話など、相手がよく話すテーマを配偶者に聞いておくことも役立ちます。単語を大量に覚えるより、次の帰省で起こる会話を具体的に準備します。

子どもが英語を話しても、親が取り残されるとは限らない

子どもの英語が自分より早く伸びると焦るかもしれません。しかし、親が子どもと同じ速度でバイリンガルになる必要はありません。家庭で重要なことは、子どもの気持ち、安全、学校生活、家族のルールについて理解し、必要な対話へ参加できることです。

子どもを通訳役に固定しないことも大切です。簡単な説明は助けてもらえても、医療、学校、家族の意思決定など大人が担うべき場面は、自分で確認できる英語を優先して準備します。

日本在住と海外在住では、練習の置き方が違う

日本在住の場合は、日常が日本語中心なので、講師との練習、音声教材、配偶者との短い英語時間を意識的に作ります。海外帰省や義家族とのオンライン通話を期限として設定すると、内容を絞りやすくなります。

海外在住の場合は、学校、職場、病院、近所など実践場面があります。ただし、経験を聞き流すだけでは伸びません。止まった会話を記録し、練習して翌日に再使用します。詳しくは海外在住なのに英語が話せないのはなぜ?10年・20年住んでも伸びない人の学び直し方でも解説しています。

独学・英会話・コーチングの使い分け

次の帰省で話したいことや、家庭で練習する場面が明確なら、独学やオンライン英会話でも準備できます。教材の一般的な会話ではなく、自分の義家族、友人、子どもの学校で実際に起きる場面を講師へ伝えます。

一方、夫婦では日本語が定着しすぎて英語を始められない、発音・文法・リスニングのどこから戻るか分からない、海外帰省や移住までに期限がある、家族の問題と英語への自信のなさが絡んでいる場合は、学習設計を伴う英語コーチングが選択肢になります。

外国人の配偶者と英語に関するよくある質問

外国人と結婚すれば英語を話せるようになりますか?

自動的に話せるようになるとは限りません。家庭内の共通語が日本語なら、英語を使う必要も修正する機会も少なくなります。英語を使う場面を決め、別途練習する必要があります。

家庭内の言語をすべて英語へ変えるべきですか?

その必要はありません。夫婦の大切な相談まで無理に英語へ変えると、関係に負担がかかります。まず繰り返しやすい短い場面だけを英語にし、徐々に広げます。

配偶者に英語を教えてもらうのはよくないですか?

短い確認や実践相手として協力してもらうことは役立ちます。ただし、基礎説明や毎回の訂正まで任せると夫婦双方の負担になりやすいため、学習と家庭の役割を分ける方が続きやすくなります。

まとめ|夫婦の共通語を守りながら、英語の共有世界を少しずつ広げる

外国人の夫・妻がいても、家庭が日本語で十分に成立していれば、英語が自然に伸びないことは不思議ではありません。配偶者が外国人であることと、自分が英語を練習してきたことは別です。

家庭のすべてを英語へ変えず、義家族、友人、海外帰省、子育てなど、本当に参加したい場面を一つ選びます。家庭の外で準備し、配偶者とは短時間使い、訂正のルールを決めます。夫婦関係を教師と生徒へ変えないことが、長く続けるためのポイントです。

be:RIZEでは、外国人の配偶者がいる方や、日本・海外で多言語の家庭を営む方についても、実際に参加したい家族の場面から学習を設計します。受講を前提にせず整理したい方は、無料カウンセリングの前に知っていただきたいことをご覧ください。

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