英語会議を進行するときは、議題の内容だけでなく「今どこを話しているか」「次に何を扱うか」を参加者へ示す必要があります。話題の切り替えを何も言わずに行うと、聞き手は英語を聞き取れていても会議の流れを見失います。
この記事では、会議を本題へ入れる→次の議題へ進める→脱線を戻す→論点を保留する→後で戻るという5つの動作に分け、進行役と参加者が使えるフレーズを紹介します。
英語会議の進行は「道案内」と考える
進行役の仕事は、難しい英語を長く話すことではありません。参加者が次の3点を把握できるよう、短い合図を出すことです。
- いま扱っている議題
- その議題で何を決めるのか
- 次にどこへ進むのか
会議開始時の挨拶、目的、アジェンダの示し方は、英語会議の始め方で確認できます。会議全体の流れは英語会議の完全ガイドにまとめています。
議題を進める5つの動作

1.挨拶から本題へ入るフレーズ
短い挨拶や自己紹介が終わったら、本題へ入る合図を出します。Let’s get down to business.も使えますが、やや勢いのある表現です。通常の会議ではLet’s start with …やLet’s begin by …が扱いやすいでしょう。
- Let’s start with the first item on the agenda.
アジェンダの最初の項目から始めましょう。 - Let’s begin by reviewing the current situation.
まず現状の確認から始めましょう。 - With that, let’s move into today’s main topic.
それでは、本日の主要議題に入りましょう。 - Let’s get straight to the main issue.
早速、主要な問題に入りましょう。 - Ken, could you start us off with a quick update?
Ken、簡単な進捗報告から始めてもらえますか。
2.次の議題へ移るフレーズ
次へ進む前に、現在の議題が「決着した」「必要な情報を得た」「時間切れになった」のどれかを短く示すと、切り替えが自然になります。
通常の切り替え
- Let’s move on to the next item.
次の項目へ進みましょう。 - The next item on the agenda is the launch schedule.
次の議題は発売スケジュールです。 - Now, let’s turn to the budget.
では、予算の話へ移りましょう。 - That brings us to our next topic.
これで次の議題へつながります。 - Shall we move on?
次へ進みましょうか。
現在の議題をまとめてから進む
- So, we’ve agreed on the revised timeline. Let’s move on to responsibilities.
修正版の日程で合意しました。担当の確認へ進みましょう。 - I think we’ve covered the main points. Shall we go to the next item?
主要な点は確認できたと思います。次へ進みましょうか。 - Unless anyone has anything to add, let’s move on.
追加がなければ、次へ進みましょう。
move onとgo onの違い
move on to the next itemは「現在の話題を終えて次へ移る」、go onは「話を続ける」という意味になりやすい表現です。相手に続きを促すPlease, go on.と混同しないようにしましょう。
3.脱線した話を本題へ戻すフレーズ
脱線を戻すときは、相手の発言を否定せず、まず重要性を認めてから会議の目的へ戻します。
- That’s an important point. For now, let’s return to the main issue.
重要な点です。今はいったん主要な問題へ戻りましょう。 - To bring us back to the agenda, we still need to discuss the deadline.
アジェンダへ戻ると、まだ期限について話す必要があります。 - Let’s stay focused on the decision we need to make today.
本日決める必要があることに集中しましょう。 - I think we may be getting a little off track.
少し本題から外れているかもしれません。 - Could we come back to the question of cost?
費用の問題へ戻ってもよいでしょうか。
参加者から軌道修正を提案する
- May I bring us back to the original question?
元の質問へ戻してもよいでしょうか。 - Just to keep us on track, what do we need to decide today?
話を本筋に保つため確認ですが、本日決めることは何でしょうか。 - How does this relate to the current agenda item?
これは現在の議題とどのように関係しますか。
4.論点を保留するフレーズ
重要でも、情報不足・担当者不在・時間不足で今は決められない論点があります。その場合は曖昧に終わらせず、「なぜ保留するか」「いつ誰が扱うか」を示します。
- Let’s park this issue for now and come back to it later.
この問題はいったん保留し、後ほど戻りましょう。 - We don’t have enough information to decide this today.
本日決定するには情報が十分ではありません。 - Let’s take this discussion offline.
この議論は別の場で行いましょう。 - Could we schedule a separate meeting for this topic?
このテーマについて別の会議を設定できますか。 - Let’s add this to the follow-up list.
フォローアップ項目に追加しましょう。
take this offlineは、オンライン会議をオフラインへ変更する意味ではなく、「この全体会議とは別に、関係者だけで扱う」という意味で使われます。
丁寧に制止する型
That’s a useful point. Since we only have ten minutes left, let’s add it to the follow-up list and return to the launch decision.
有益な点です。残り10分ですので、フォローアップ項目へ加え、発売に関する決定へ戻りましょう。
「評価→理由→次の処理→本題」の順にすると、相手の発言を切り捨てた印象を抑えられます。
5.保留した議題へ戻るフレーズ
- Let’s return to the issue we parked earlier.
先ほど保留した問題へ戻りましょう。 - Earlier, Maya raised a question about the budget.
先ほどMayaから予算について質問がありました。 - We now have the information we need, so let’s revisit this point.
必要な情報がそろったので、この点を再検討しましょう。 - Before we close, I’d like to come back to one open item.
終了前に、未決の項目へ一つ戻りたいと思います。
保留した話題へ戻るときは、「誰が何を提起したか」「現在何が分かっているか」を一文で再提示すると、参加者が文脈を思い出しやすくなります。
残り時間を伝えて進行を調整する
- We have about fifteen minutes left.
残り約15分です。 - We’re running a little behind schedule.
予定より少し遅れています。 - To stay on time, let’s focus on the two decisions we need today.
時間どおり終えるため、本日必要な2つの決定に集中しましょう。 - We won’t have time to cover the last item in detail.
最後の項目を詳しく扱う時間はなさそうです。 - Would everyone be available to stay for another ten minutes?
皆さん、あと10分延長できますか。
一方的に延長せず、参加者の予定を確認します。延長できない場合は、決定が必要な項目を優先し、情報共有だけの項目は文書で送ります。
発言を止めずに要点へ導く
長い説明を短くしてもらう場合も、相手の発言を遮断するのではなく、必要な情報を指定します。
- Could you give us the main conclusion first?
先に主な結論を教えてもらえますか。 - Could you briefly explain how this affects the schedule?
これが日程へどう影響するか簡潔に説明してもらえますか。 - What decision do you need from us today?
本日、私たちにどのような決定を求めていますか。 - Could you summarize that in one or two points?
一つか二つの要点にまとめてもらえますか。
会話へ丁寧に入る表現は、英語で相手の話へ入る・遮る言い方も参考になります。
進行役が使える会話例
Facilitator: I think we’ve covered the main points on pricing. Unless anyone has anything to add, let’s move on to the delivery schedule.
Participant: Before we do, I have a question about the support cost.
Facilitator: That’s an important point. Since the support team isn’t here today, let’s add it to the follow-up list. For now, could we return to the delivery schedule?
Participant: Sure.
Facilitator: Great. Ken, could you walk us through the revised timeline?
強すぎる言い方を避ける
| 強く聞こえやすい | 会議で使いやすい |
|---|---|
| That’s irrelevant. | That’s important, but it may be outside today’s scope. |
| Stop talking about that. | Let’s park that point and return to the agenda. |
| We don’t have time. | Since time is limited, could we focus on the decision? |
| You’re off topic. | Could we bring the discussion back to the main issue? |
よくある失敗
- 何も言わずにスライドや話題を切り替える
- 結論を確認せず次の議題へ進む
- 脱線した発言を否定してから戻す
- 保留した論点の担当者と期限を決めない
- 時間不足に気づいても最後まで同じペースで進める
よくある質問
Let’s move on.は失礼ですか?
通常は失礼ではありません。ただし議論の途中で突然言うと、発言を打ち切った印象になります。I think we’ve covered the main points.など、現在の議題を終える一文を先に置くと自然です。
parkは正式な会議でも使えますか?
Let’s park this issue for now.はビジネス会議で一般的に使われます。より直接的でない表現にしたい場合は、Let’s return to this point later.が使えます。
進行役でなくても話を戻してよいですか?
問題ありません。ただし命令するのではなく、May I bring us back to …?やCould we return to …?のように提案・確認の形にします。
まとめ
英語会議の流れを管理するには、本題へ入る、次へ進む、脱線を戻す、保留する、戻って再開するという5つの合図を使い分けます。長い説明より、現在地と次の動作を短く示すことが重要です。
会議全体の構成は英語会議の完全ガイドへ戻って確認できます。実際の会議を聞き取り、発言する力を個別に鍛えたい方は、英語パーソナルリスニングもご覧ください。
議題ごとに参加者の立場を確認する場合は、賛成・反対・懸念・代案を伝える英語フレーズも活用してください。
議題の途中で論点を整理し、参加者の認識をそろえて合意へ進める場合は、英語会議で意見を整理・要約し、合意を取るフレーズもご覧ください。






