thanを「〜より」と覚えていても、比較級の文が長くなると、どことどこを比べているのか分からなくなることがあります。
- She is taller than me. 彼女は私より背が高い。
- It was easier than I expected. 予想していたより簡単でした。
- More than 100 people came. 100人を超える人が来ました。
- I’d rather stay home than go out. 外出するより家にいたいです。
先に結論を言うと、thanのコアイメージは「比較する相手・基準点を置く」です。thanの前で示した程度や選択を、後ろに置いた基準と照らし合わせます。
この記事では、比較級+than、than I thought、more than、less than、rather than、数字との組み合わせ、省略される語まで、一つの比較線から整理します。
目次
- thanのコアイメージは「比較の基準点を置く」
- 比較級+than:二つの対象の差を示す基本形
- thanの後ろで省略される語を復元する
- than I thought・than expected:「予想」を基準に置く
- more than・less than:数字の基準線を越える/下回る
- more thanは「単なる〜以上」から意味が広がる
- rather than:「BではなくA」を選ぶ
- would rather A than B:「BするよりAしたい」
- other than:「〜以外に・〜を除いて」
- thanでよくある間違い
- thanを使うミニ練習
- thanについてよくある質問
- まとめ:thanは「比較の基準点」を置く
thanのコアイメージは「比較の基準点を置く」
比較には、比べる対象と基準が必要です。thanは、文の後半に「こちらと比べてください」という基準点を置きます。

Aの程度 → than → 比較の基準B
This bag is lighter than that one.
このバッグは、あのバッグより軽いです。
lighterで「より軽い」という差を作り、than that oneで比較の基準を置きます。thanそのものが「上」「下」を決めるわけではありません。どちら側へ差があるかは、taller、better、more、lessなどthanの前の語が示します。
しゅみすけ(大山俊輔)
比較級+than:二つの対象の差を示す基本形
基本形はA+比較級+than+Bです。
| 英文 | 比較するもの | 基準 |
|---|---|---|
| Tom is taller than Ken. | Tomの身長 | Kenの身長 |
| This plan is better than the old one. | 新しい案 | 以前の案 |
| She speaks more clearly than I do. | 彼女の話し方 | 私の話し方 |
Tom is tallerだけでも「トムはより背が高い」と差は示せますが、何と比べたのかは分かりません。than Kenを足すと、比較線の反対側が決まります。
thanの後ろで省略される語を復元する
thanの後ろでは、前に出た情報がよく省略されます。
She is taller than me.
彼女は私より背が高い。
意味としては「彼女の身長」と「私の身長」を比べています。会話ではthan meが一般的です。文法的に整えたthan I amも使えます。
- She is taller than I am.
- She is taller than me.
どちらも自然ですが、前者は比較する構造が明示され、後者は会話的で簡潔です。
She works harder than I do.
彼女は私より一生懸命働きます。
ここではworksを繰り返さず、doで受けています。than Iだけで止めず、動作の比較ならthan I do、状態の比較ならthan I amとすると骨格が明確です。
than I thought・than expected:「予想」を基準に置く
thanの後ろには、人や物だけでなく、予想・想像・以前の状態も置けます。
- It was easier than I thought.
思っていたより簡単でした。 - The meeting took longer than expected.
会議は予想より長引きました。 - She arrived earlier than usual.
彼女は普段より早く到着しました。 - Sales were higher than last year.
売上は昨年より高くなりました。
これらは、現在目の前にある結果を、頭の中の予想線・普段の水準・過去の数字と比べています。
than expectedはthan was expectedまたは文脈上の「予想されていた水準」を短くした形と考えると分かりやすいでしょう。
more than・less than:数字の基準線を越える/下回る

数字の前では、thanが基準線を作ります。
- more than 100:100という基準を超える
- less than 100:100という基準を下回る
More than 100 people attended.
100人を超える人が参加しました。
It takes less than ten minutes.
10分未満で済みます。
厳密には、more than 100は100を含まず、less than 10も10を含みません。「100以上」「10以下」と完全に同じではない点に注意しましょう。
no more thanとnot more thanの違い
- no more than 10:わずか10、たった10
- not more than 10:10を超えない、多くても10
Only no more than ten people came.のように重ねる必要はありません。no more than自体に「たった」という評価が含まれます。一方、not more thanは上限を事実として示します。
more thanは「単なる〜以上」から意味が広がる
more thanの後ろに数字以外を置くと、「その分類・程度を越える」という意味になります。
- She is more than a colleague.
彼女は単なる同僚以上の存在です。 - I’m more than happy to help.
喜んでお手伝いします。 - It’s more than enough.
それで十分すぎるほどです。
a colleagueという分類線、happyやenoughという程度線を越えているため、強調へ広がります。
rather than:「BではなくA」を選ぶ
rather thanでは、二つの選択肢を比較線に置き、前にあるAを選びます。
- I’ll walk rather than take a taxi.
タクシーに乗るより歩きます。 - We need action rather than promises.
約束ではなく行動が必要です。 - She decided to wait rather than complain.
彼女は文句を言うより待つことにしました。
A rather than Bは、単に違いを述べるだけでなく、BではなくAという選択・対比を示します。
後ろの形はそろえると読みやすくなります。
- walk rather than take a taxi(動詞と動詞)
- action rather than promises(名詞と名詞)
- carefully rather than quickly(副詞と副詞)
would rather A than B:「BするよりAしたい」
would rather A than Bは、二つの行動を比べ、Aを望ましい側として選びます。
- I’d rather stay home than go out.
外出するより家にいたいです。 - She’d rather listen than speak.
彼女は話すより聞いていたいのです。 - We’d rather fix it now than wait.
待つより今直したいです。
would ratherの後ろには動詞の原形を置きます。thanの後ろも同じ比較線上なので原形になります。
other than:「〜以外に・〜を除いて」
other thanは、基準として示したものの外側を指します。
- Do you have anything other than coffee?
コーヒー以外に何かありますか。 - Other than that, everything was fine.
それ以外は、すべて問題ありませんでした。 - No one other than Maria knew.
マリア以外は誰も知りませんでした。
otherの「別のもの」とthanの「基準点」が組み合わさり、「基準として挙げたものとは別」を作ります。
しゅみすけ(大山俊輔)
thanでよくある間違い
比較する形をそろえない
My salary is higher than Tom.では、salaryとTomを比べているように見えます。
My salary is higher than Tom’s.
私の給料はトムの給料より高い。
salary同士を比べるため、Tom’s salaryのsalaryを省略してTom’sとします。
thanをthenと書く
- than:比較の基準
- then:その時、それから
She is older than me.とWe ate, and then we left.を区別しましょう。
different thanは間違い?
米語ではdifferent thanも使われますが、基本はdifferent fromを覚えると安全です。後ろに節が続くとdifferent thanが自然な場面もあります。
thanを使うミニ練習
- この部屋はあの部屋より広い。
- 思っていたより難しかった。
- 100人を超える人が参加した。
- 外食するより家で料理したい。
- それ以外は、すべて順調でした。
答えの例
1. This room is larger than that one.
2. It was harder than I thought.
3. More than 100 people attended.
4. I’d rather cook at home than eat out.
5. Other than that, everything went well.
thanについてよくある質問
thanは接続詞ですか、前置詞ですか?
thanの後ろに節が続く場合は接続詞的に、名詞・代名詞が続く場合は前置詞的に説明されます。会話で使うときは、まず「比較の基準を導く語」として捉えると形を横断して理解できます。
than meとthan Iはどちらが正しいですか?
会話ではthan meが一般的です。than Iを使うなら、通常はthan I amやthan I doのように動詞まで示すと自然です。
more than 10は10を含みますか?
含みません。10を超える数です。10以上なら10 or more、at least 10などを使います。
比較級には必ずthanが必要ですか?
必要ではありません。比較の基準が文脈で明らかな場合、It’s getting better.のようにthan以下を置かないことがあります。
まとめ:thanは「比較の基準点」を置く
- thanのコアイメージは「比較する相手・基準点を置く」
- 差の方向はthanではなく、前の比較級・more・lessが示す
- thanの後ろでは、共有済みの語がよく省略される
- 人だけでなく、予想・過去・数字・選択肢も基準にできる
- rather thanはBではなくAを選ぶ
- other thanは基準として挙げたものの外側を示す
thanを見たら「〜より」と置き換えるだけで終わらず、何が比較線の基準になっているかを確認しましょう。長い比較表現でも、文の骨格が見えやすくなります。
比較級・最上級を体系的に学びたい方へ
親記事「英語の比較級・最上級とは?-er・more・the mostを基準との距離で理解する」で、比較表現全体を整理しています。
Basic Englishの中でthanを見る
thanはBasic Englishの100のOperationsにも含まれます。「Basic Englishの850語一覧」で、少ない基本語から意味を組み立てる仕組みを確認できます。
Basic Englishの重要語をまとめて学ぶ:Basic Englishの重要語46選|コアイメージ総合ガイド




