hereのコアイメージは、「話し手が置く“この地点”」です。
日本語では「ここ」「こちら」「この場で」などと訳しますが、hereが指すのは住所や座標だけではありません。話し手が実際に立っている場所、相手に注目してほしい位置、会話で今扱っている話題、作業や人生の現在地点まで、話し手が「基準点はここです」と置いた場所を示します。
I’m here.なら「私はここにいます」、Put it here.なら「それをここに置いて」、Let’s stop here.なら「ここでいったん止めましょう」です。最後のhereは物理的な場所とは限らず、話や作業の区切りを現在地点として示しています。意味が広がっても、中心にあるのは「話し手側のこの地点」です。
この記事では、hereの意味、品詞と語順、thereとの違い、right here・over here・from here・Here you are.・Here we go.などの会話表現、よくある間違いを例文と図解で整理します。
しゅみすけ
hereのコアイメージ|話し手が置く「この地点」
hereは、話し手に近い領域を示す指示的な副詞です。ただし「近い」は距離だけで決まりません。電話で相手と離れていても、I’m here in Tokyo.と言えば、話し手がいる東京をhereにできます。資料を見ながらHere is the problem.と言えば、話し手が注目させたい箇所がhereです。
- Come here.
ここへ来てください。 - Your bag is here.
あなたのバッグはここにあります。 - Write your name here.
ここに名前を書いてください。 - We are here in the process.
私たちは工程のこの地点にいます。
話し手は自分の足元だけでなく、指差した机の一角、画面上のボタン、説明中の段階にも基準点を置けます。hereは「話し手の身体に接している一点」ではなく、「話し手がこちら側・現在地として共有させる範囲」なのです。
hereの意味は場所・会話・進行地点へ広がる

1.物理的な場所を示す「ここ・こちら」
最も基本的なのは、話し手のいる場所や、話し手が指し示す場所です。動きの到着点ならcome here、存在する位置ならbe here、物を置く位置ならput it hereのように使います。
- Please sit here.
ここに座ってください。 - How long have you lived here?
ここにどのくらい住んでいますか? - The station is near here.
駅はこの近くです。
near hereは「この地点の近く」です。距離そのものの捉え方はnearのコアイメージで詳しく解説しています。また、距離が大きいことを表す場合はfarのコアイメージも参考になります。
2.文章・画面・会話で「この箇所」
説明中にhereを使うと、地図上の位置ではなく、文章や話の注目地点を示します。読み手・聞き手の意識を同じ一点へ集める働きです。
- Click here to continue.
続けるにはここをクリックしてください。 - Here is an important point.
ここに重要なポイントがあります。 - Let me pause here.
ここでいったん話を止めさせてください。 - Here’s the thing.
大事なのはここです/実はこういうことです。
Here’s the thing.は、これから話の核心を「ここ」に置く会話表現です。直訳の「ここに物があります」ではなく、「注目してほしい点を今から提示します」という合図になります。
3.作業・計画・人生の「現在地点」
進行中の流れを一本の道と見ると、hereはその道の現在地点になります。Where do we go from here?は、実際にどの方向へ歩くかだけでなく、「この状況から次にどうするか」を尋ねられます。
- We’ve come this far, so let’s not stop here.
ここまで来たのですから、ここで止まるのはやめましょう。 - Where do we go from here?
ここからどう進めましょうか? - From here on, we need to be more careful.
これから先は、もっと注意する必要があります。 - Let’s leave it here for today.
今日はここまでにしましょう。
from here onは「この地点を境に、その先ずっと」です。時間表現に見えても、現在を流れの中の地点として置くため、空間のhereと同じイメージで理解できます。
hereの品詞と基本語順
hereは基本的に場所を表す副詞です。そのため、通常は前置詞を付けずに使えます。名詞のhomeと同じように、come here、stay here、work hereという形になります。
動詞のあとに置く
- I work here.
私はここで働いています。 - Please come here.
こちらへ来てください。 - Put the box here.
箱をここに置いてください。
be動詞と一緒なら、主語+be動詞+hereが基本です。I am here.、She is here.のように「主語がこの地点にいる」と伝えます。
文頭のHere is / Here are
Here is … / Here are …は、物や情報を相手の注意の中へ提示する形です。
- Here is your key.
こちらがあなたの鍵です。 - Here are the results.
こちらが結果です。 - Here comes the bus.
ほら、バスが来ました。
hereを文頭に出し、主語が名詞なら、Here comes the bus.のように動詞+主語の倒置がよく起こります。一方、主語が代名詞なら語順を逆にせず、Here he comes.となります。× Here comes he.とはしません。
「at here」にしない
here自体に「この場所で・この場所へ」という副詞の働きがあるため、通常は× I live at here.ではなく、○ I live here.です。ただしfrom here、near here、around hereのように、起点・近さ・周辺という別の関係を加える語は前に置けます。
hereとthereの違い|誰の基準点かを見る

hereは話し手側の「この地点」、thereはその基準点から離れた「その・あの地点」です。
- Come here.
話し手のいるこちらへ来て。 - Go there.
話し手から離れたそこへ行って。 - I’ll wait here, and you wait there.
私はここで待つので、あなたはそこで待ってください。
ただし、心理的な距離で選ぶこともあります。相手が電話口で困っているときにI wish I were there with you.と言えば、相手の場所をthereとして捉えています。反対に、相手を自分側へ迎え入れる感覚でWe’re happy to have you here.と言えば「こちらに来てくれてうれしい」となります。
なお、There is・There areのthereは、単純に「あそこ」を指すだけでなく、新しい存在を場面に登場させる構文です。場所副詞のthereとは働きを分けて考えると理解しやすくなります。
right here・over here・around hereの違い
- here:話し手が示すこの地点・この範囲
- right here:まさにここ、と一点を強く限定
- over here:こちらの方へ注意や移動を促す
- around here:この辺り、周辺の範囲
Sign right here.は署名位置を正確に示し、Come over here.は少し離れた相手を「こちらへ」と呼び寄せます。Is there a bank around here?では、厳密な一点ではなく周辺地域を尋ねています。
会話でよく使うhereの定番表現
Here you are. / Here you go.
物を手渡すときの「はい、どうぞ」です。相手が求めていた物を、今この場へ差し出す感覚があります。Here you go.は、物だけでなく相手が何かをうまくできたときの「そう、その調子」にも広がります。
Here we go.
「さあ、始めよう」「ほら、始まった」という表現です。全員の意識を開始地点へ集めます。楽しみに始める場合も、同じ問題がまた始まったと感じるHere we go again.の場合もあり、声の調子と文脈で判断します。
I’m here for … / be here to do
- I’m here for the meeting.
会議のために来ました。 - I’m here to help.
お手伝いするためにここにいます。
hereは現在の場所を示し、for+名詞やto+動詞が「なぜここにいるのか」という目的を補います。
しゅみすけ
hereでよくある間違い
× Come to here.
通常は○ Come here.です。hereが移動先を表す副詞なのでtoは不要です。ただしcome to this placeのように、後ろが名詞句ならtoが必要です。
× Here is many people.
peopleは複数なので○ Here are many people.と考えたくなりますが、「ここに多くの人がいる」と存在を述べるならThere are many people here.が自然です。Here are …は、目の前の物や情報を提示する用法が中心です。
× Here comes he.
代名詞主語は倒置させず、○ Here he comes.です。名詞主語ならHere comes John.、Here comes the train.となります。
hereをいつも狭い一点と考える
hereが示す範囲は文脈次第です。部屋の中でI live here.と言えば町や国まで含むことがあります。話し手がどの範囲を「こちら側」として共有しているかを見ましょう。
FAQ
hereは名詞ですか?
基本は副詞です。I live here.のhereは動詞liveに場所を加えています。ただしfrom here to Tokyoのように、前置詞のあとに置かれ、会話上「この地点」を名詞に近く扱う例もあります。学習上はまず場所副詞として押さえると十分です。
hereとover hereはどう違いますか?
hereは単に「ここ」、over hereは「こっちの方」と相手の注意や移動を引き寄せる感じです。広い場所で人を呼ぶときはOver here!が自然です。
Here you are.とHere you go.に違いはありますか?
どちらも手渡すときの「はい、どうぞ」として使えます。Here you go.の方が会話的で、行動の開始や励ましにも広がりやすい表現です。場面や地域による好みもあり、日常では大きく区別しないこともあります。
from here onとfrom now onは同じですか?
どちらも「これから先」と訳せます。from now onは時間の「今」を明示し、from here onは計画・話・状況などの現在地点から先へ進む感覚が強く出ます。
練習問題
( )にhere、there、right here、around hereのいずれかを入れてください。
- Please sign ( ).「まさにここに署名してください」
- I’ll stay ( ), and you go to the entrance.「私はここに残ります」
- Is there a good café ( )?「この辺りに良いカフェはありますか?」
- Look at that building over ( ).「あそこの建物を見て」
- ( ) comes our train.「ほら、私たちの電車が来ました」
解答を見る
- right here
- here
- around here
- there
- Here
5は名詞主語our trainなので、Here comes our train.という倒置になります。
まとめ|hereは話し手が示す「今ここ」
hereのコアイメージは、「話し手が置く“この地点”」です。
- 物理空間では、話し手のいる場所や指し示す位置
- 文章や会話では、今注目している箇所や話題
- 計画や状況では、流れの中の現在地点
- 基本品詞は副詞で、come hereのようにtoを付けない
- 名詞主語のHere comes the bus.は倒置、代名詞はHere it comes.
- hereは話し手側、thereはそこから離れた地点
「ここ」という日本語訳だけでなく、話し手が基準点を置き、相手の注意をそこへ集める様子を思い浮かべてください。場所・会話・抽象的な進行地点が一つのイメージでつながります。
hereは、限られた基本語で幅広く表現するBasic English 850語の一覧に含まれる重要語です。
Basic Englishの重要語をまとめて学ぶ:Basic Englishの重要語46選|コアイメージ総合ガイド
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