butのコアイメージは、「Aから予想される流れを、Bで折り返す」です。
日本語では「しかし」「でも」「〜ですが」と訳されます。大切なのは、AとBが単に反対の内容ということではありません。Aを聞いた人が自然に予想する方向に対して、Bが違う方向へ進む。その転換をbutが知らせます。
I was tired, but I kept working.
私は疲れていましたが、働き続けました。
「疲れていた」と聞けば、休む・仕事をやめると予想しやすいところを、I kept workingが折り返しています。
しゅみすけ
butのコアイメージ|予想の流れをBで折り返す

butは等位接続詞で、基本形はA, but Bです。AとBには、語・句・節など同じ文法上の役割を置きます。
The room is small but comfortable.
その部屋は狭いですが、快適です。
She is young but very experienced.
彼女は若いですが、とても経験豊富です。
I called him, but he didn’t answer.
彼に電話しましたが、出ませんでした。
smallなら不便かもしれない、youngなら経験が少ないかもしれない、電話すれば相手が出るかもしれない。Bはその予想を修正します。
butの基本語順|語・句・節をつなぐ
形容詞と形容詞をつなぐ
The test was difficult but interesting.
その試験は難しかったですが、興味深かったです。
He looks strict but kind.
彼は厳しそうですが、親切です。
動詞や動作をつなぐ
I tried but failed.
試しましたが、失敗しました。
She smiled but said nothing.
彼女は微笑みましたが、何も言いませんでした。
同じ主語なら、二つ目の主語を繰り返さず、動詞同士をbutでつなげます。
節と節をつなぐ
I wanted to go, but I had to work.
行きたかったのですが、仕事をしなければなりませんでした。
It was raining, but we went for a walk.
雨が降っていましたが、私たちは散歩に出ました。
左右にそれぞれ「主語+動詞」がある場合、butの前にカンマを置くのが基本です。短い語や句をつなぐだけなら、通常カンマは不要です。
andとbutの違い|同じ流れか、折り返すか

andはAを保ったままBを同じ流れへ加えます。butはAから生まれた予想に対して、Bで向きを変えます。
She was tired, and she went home.
彼女は疲れていて、家に帰りました。
She was tired, but she kept working.
彼女は疲れていましたが、働き続けました。
「疲れている→帰る」は自然な流れなのでand、「疲れている→働き続ける」は予想外なのでbutです。and自体の仕組みはandのコアイメージで詳しく解説しています。
butとthough・althoughの違い
butもthough・althoughも逆向きの関係を表しますが、文の組み立て方が違います。
- A, but B:Aを述べ、Bで流れを転換する
- Though A, B:Aを不利な事情として認め、それでもBが成立すると示す
I was tired, but I went out.
疲れていましたが、外出しました。
Though I was tired, I went out.
疲れていたものの、外出しました。
意味は近いですが、butは二つを対等につなぎます。thoughは「Aではあるけれど」という譲歩の背景を作ります。
次のようにbutとthoughを重ねないのが標準です。
× Though I was tired, but I went out.
○ Though I was tired, I went out.
○ I was tired, but I went out.
butの前後は必ず正反対でなくてよい
butが表すのは辞書的な反対語ではなく、文脈上の予想とのずれです。
He is rich, but he is not happy.
彼は裕福ですが、幸せではありません。
richの反対語はpoorであり、not happyではありません。それでも「裕福なら幸せだろう」という予想があるためbutが使えます。
The restaurant is far, but the food is excellent.
そのレストランは遠いですが、料理はすばらしいです。
farとexcellentも反対語ではありません。「遠いなら行く価値が下がる」という不利な事情に対し、料理の良さが評価を折り返しています。
文頭のButは使ってよい?
会話や一般的な文章では、文頭のButは自然に使われます。前の文から予想される流れを、次の文で切り替えます。
I understand your point. But I don’t agree.
言いたいことは分かります。でも、同意はしません。
学校では避けるよう教わることもありますが、文法違反ではありません。ただし、学術文書や非常に硬い文章では多用せず、howeverやneverthelessなどを選ぶことがあります。
butとhoweverの違い
butは接続詞なので、二つの要素を一文の中で直接つなげます。howeverは副詞で、文全体の流れを「しかし」と転換します。
I was tired, but I continued.
疲れていましたが、続けました。
I was tired. However, I continued.
疲れていました。しかし、続けました。
× I was tired, however I continued.のように、カンマ一つだけで二つの独立した文をつなぐのは避けます。ピリオドまたはセミコロンを使います。
not A but B|AではなくB
not A but Bは、最初の候補Aを否定し、本当の答えBへ焦点を移す形です。
She is not angry but disappointed.
彼女は怒っているのではなく、がっかりしています。
I need not money but time.
私に必要なのはお金ではなく、時間です。
He came not on Monday but on Tuesday.
彼が来たのは月曜日ではなく火曜日です。
AとBの形をそろえることが大切です。形容詞と形容詞、名詞と名詞、前置詞句と前置詞句を対応させます。
but also|だけでなく〜も
not only A but also Bは「AだけでなくBも」を表します。
She speaks not only English but also French.
彼女は英語だけでなくフランス語も話します。
He is not only kind but also patient.
彼は親切なだけでなく、忍耐強くもあります。
Aを否定してBだけを選ぶのではなく、Aを認めた上でBまで範囲を広げます。not onlyの位置による違いはonlyのコアイメージも参考になります。
Sorry, but …|柔らかく前置きして断る
会話では、butの前に相手への配慮を置き、その後で断りや異なる意見を伝えます。
I’m sorry, but I can’t come tonight.
申し訳ありませんが、今夜は行けません。
I understand, but we need more time.
分かりますが、もう少し時間が必要です。
That sounds good, but it may be too expensive.
良さそうですが、高すぎるかもしれません。
相手を受け止めた上で、自分の事情や意見へ折り返すため、butは丁寧な会話にも重要です。
接続詞butと前置詞butの違い
接続詞butは「しかし」と節や語句をつなぎます。一方、all but・everyone butなどのbutは「〜以外」を表します。
Everyone but Tom came.
トム以外は全員来ました。
I wanted to go, but I was busy.
行きたかったのですが、忙しかったです。
「〜以外」のbutは、前置詞butとexcept・besidesの違いで詳しく扱っています。
よくある間違い
althoughとbutを重ねる
× Although it was cold, but we went out.
○ Although it was cold, we went out.
○ It was cold, but we went out.
howeverをbutと同じ形で使う
× I was busy, however I helped her.
○ I was busy, but I helped her.
○ I was busy. However, I helped her.
左右の形がそろっていない
× She likes reading but to cook.
○ She likes reading but not cooking.
彼女は読書は好きですが、料理は好きではありません。
しゅみすけ
練習問題
空欄にand・but・though・howeverのいずれかを入れてください。
- I was sleepy, ( ) I finished the report.
- She bought bread ( ) milk.
- ( ) the room was small, it was comfortable.
- I wanted to join. ( ), I had another appointment.
- He is quiet ( ) very funny.
答え
- but:眠いなら休むという予想を折り返す。
- and:パンと牛乳を同じ流れに加える。
- Though:狭いという不利な事情を認める。
- However:前の文を受け、別の文として転換する。
- but:静かな人は面白くないかもしれないという予想を変える。
FAQ
butの前には必ずカンマを置きますか?
いいえ。独立した節と節をつなぐときは通常置きますが、small but comfortableのように短い語句をつなぐときは通常置きません。
文頭にButを置いてもよいですか?
はい。会話や一般的な文章では自然です。ただし、硬い文章では多用を避け、howeverなどを選ぶことがあります。
butとthoughは同時に使えますか?
一つの逆接関係を作るためにThough A, but Bとは通常言いません。Though A, BまたはA, but Bのどちらかを選びます。
butはいつも「しかし」と訳しますか?
いいえ。「でも」「〜が」「〜なのに」「〜ではなく」など、文脈に応じて訳が変わります。中心は予想の流れを折り返す働きです。
まとめ|butはAからの予想をBで折り返す
butのコアイメージは「Aから予想される流れを、Bで折り返す」です。
- 基本形はA, but B
- AとBは辞書的な反対語でなくてもよい
- andは同じ流れへ追加し、butは予想から転換する
- thoughは不利な事情を認め、butは二要素を対等につなぐ
- not A but Bで「AではなくB」
- Sorry, but …は配慮のあとに断りや意見を伝える
接続詞全体は日常英会話でよく使う接続詞15選と英語の接続詞一覧|基本25語で整理できます。
butはBasic English 850語にも含まれます。全体の位置づけは、b-cafe.netのBasic English 850語一覧(Things・Qualities・Operations)で確認できます。
Basic Englishの重要語をまとめて学ぶ:Basic Englishの重要語46選|コアイメージ総合ガイド





[…] 一方、I don’t eat meat, but I eat fish.なら「肉は食べないが、魚は食べる」です。対比を明確にするにはbutのコアイメージが役立ちます。 […]