『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は、中学英文法をやさしい説明と練習で学び直せる定番教材です。英語から長く離れていた大人や、学生時代に文法でつまずいた人でも、最初の一歩を踏み出しやすく作られています。
では、この本を最初から最後まで終えれば、英会話もできるようになるのでしょうか。
結論から言うと、本書は中学英文法のやり直しに優れた一冊です。ただし、英会話が目的なら、すべての単元を同じ深さで進める必要はありません。
会話でよく使う「主語+動詞」「肯定・否定・疑問」「現在・過去・未来」「助動詞」を先に使える状態へし、各単元で自分の英文を作って声へ出すことが大切です。この記事では、本書の強み、向いている人、会話目的での注意点、優先したい文法と具体的な使い方を整理します。
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この本は、名前どおり本当に“ひとつひとつ”進められる名著です。ただ、教材は全単元を丁寧に扱う必要がありますが、日常会話では全部を同じ頻度で使うわけではありません。会話目的なら、先に使う単元を決めるだけでかなり効率が変わります。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
結論|中学英文法の再入門には強い。英会話には優先順位と発話練習を足す
この本が得意なのは、難しい文法用語をできるだけ避けながら、中学英文法の抜けを一項目ずつ埋めることです。一方、教材として全範囲を扱うため、どの文法が日常会話で特に重要かまでは、学習者自身が判断する必要があります。
| 学習目的 | 相性 | 補いたいこと |
|---|---|---|
| 中学英文法を基礎からやり直す | 非常によい | 自分の理解度に合わせて進める |
| 文法への苦手意識を減らす | よい | 間違えても声に出す |
| 日常英会話を始める | 工夫が必要 | 頻出単元の優先と発話練習 |
| 細かなニュアンスや高度な英文を学ぶ | 範囲外もある | 次の文法書・実際の英文へ進む |
「一冊終えたか」ではなく、自己紹介、予定、希望、依頼などを短い英文で言えるかを進捗の基準にしましょう。
ひとつひとつわかりやすく。が優れている5つの点
1.説明がやさしく、文法用語の負担が少ない
文法書を開いた瞬間に難しい用語が並ぶと、それだけで学習を止めたくなる人もいます。本書は、図や短い説明を使い、初心者が読み進めやすい言葉で文法を整理しています。
2.一度に学ぶ内容が小さく分かれている
一つのページで扱うテーマが絞られているため、「今日はここまで」と区切りやすい構成です。仕事や家事の合間に学び直す大人にも使いやすく、達成感を積み重ねられます。
3.説明と練習をすぐ往復できる
説明を読んだ直後に問題へ進めるため、分かったつもりで終わらず、形を確認できます。間違えた箇所から、自分がどの単元で止まっているかも見つけやすくなります。
4.中学3年間の抜けを広く確認できる
be動詞・一般動詞から、時制、助動詞、不定詞、比較、受け身、現在完了、関係代名詞まで、中学英文法を広く点検できます。長いブランクがあり、どこから戻ればよいか分からない人の地図になります。
5.英語学習を再開する心理的なハードルが低い
難解な参考書と比べて「自分にも進められそう」と感じやすい点は重要です。教材の難易度が現在地に合っていると、英語学習を毎日の行動へ戻しやすくなります。
英会話目的での注意点|全単元の優先度は同じではない
「ひとつひとつ」という構成は、基礎を網羅する教材として長所です。しかし、会話では単元ごとの使用頻度が異なります。
たとえば、主語と動詞、疑問文、過去形、助動詞は、自己紹介・予定・依頼・経験を話すたびに使います。一方、複雑な関係代名詞や細かな書き換え問題は、最初の日常会話で同じ頻度では使いません。
- ページ順に進むことだけが目標になる
- 問題の正解を日本語で確認して終わる
- 例文を自分の生活へ置き換えない
- 文法を全部終えるまで会話を始めない
- 一つの単元を理解した後、別の単元と組み合わせない
この使い方では、問題は解けても相手を前にすると英語が出ない状態が残りやすくなります。文法知識と、時間内に英文を組み立てる力は別に練習しましょう。
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教材は単元別に並んでいますが、実際の会話は単元別ではありません。“昨日行けなかったけど、来週なら行けます”と言うだけでも、過去・否定・接続・未来が混ざります。一単元を学んだら、すでに知っている文法と組み合わせるのがコツです。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
英会話目的で先に学びたい5つのコア
1.主語+動詞で短い骨格を作る
まずは、誰がどうするのかを短く出します。I work.、She knows him.、We need more time. のような骨格が、長い英文の土台です。
2.be動詞と一般動詞を使い分ける
I am busy. と I work on weekends. のように、状態を置く文と動きを置く文を分けます。疑問文・否定文の作り方も一緒に練習します。
3.肯定・否定・疑問を切り替える
会話は説明だけでなく、否定・確認・質問で進みます。一つの英文を I like it.、I don’t like it.、Do you like it? と三方向へ動かします。
4.現在・過去・未来を切り替える
日常会話では、普段のこと、昨日のこと、これからの予定を頻繁に話します。同じ内容を時間だけ変えて言う練習をすると、時制が単なる問題ではなくなります。
5.助動詞で気持ちや距離を加える
can・will・may・shouldなどを使うと、能力、意志、可能性、提案を表せます。基本の骨格を保ったまま、話し手の判断を加える練習です。
会話で優先する文法の全体像は、英会話に必要な5つのコア文法でも詳しく整理しています。
英会話につなげる6ステップ
ステップ1|最初に会話で使う単元へ印を付ける
目次を確認し、主語と動詞、be動詞・一般動詞、疑問・否定、時制、助動詞から始めます。全範囲を飛ばさず終えることより、自分が使う順番を作ることが大切です。
ステップ2|説明を読み、問題を少量解く
一つの項目を理解し、基本問題で形を確認します。すべて満点になるまで止まる必要はありません。間違いの理由を一つ説明できたら、発話へ移ります。
ステップ3|例文を自分の内容へ変える
教材の例文の主語・動詞・時間・場所を、自分の仕事、家族、予定、趣味へ置き換えます。一単元につき3文あれば十分です。
ステップ4|肯定・否定・疑問へ動かす
作った一文を三方向へ変えます。形を覚えるだけでなく、実際の会話で必要になる応答の幅を作ります。
ステップ5|前に学んだ文法と混ぜる
新しい単元を単独で保存せず、過去形+否定、助動詞+疑問のように既習項目と組み合わせます。会話に近い処理へ少しずつ変えていきます。
ステップ6|本を閉じ、質問に答える
日本語訳から英文を作るだけでなく、「週末は何をしますか」「昨日は忙しかったですか」などの質問を聞き、3秒程度で答えます。出なかった形だけ本へ戻りましょう。

一日25分の進め方
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10分 | 一項目の説明を読み、基本問題を解く |
| 5分 | 自分の英文を3つ作る |
| 5分 | 肯定・否定・疑問へ変えて音読する |
| 5分 | 英文を隠し、質問への答えとして話す |
翌日は、前日の3文を何も見ずに一度言ってから次の項目へ進みます。忘れていても問題ありません。思い出す練習そのものが、会話で取り出す力を作ります。
ひとつひとつわかりやすく。が向いている人
- 中学英文法に苦手意識がある人
- 英語から長く離れており、どこから戻るか迷っている人
- 一度に多くの説明を読むと疲れる人
- 図や短い解説から基礎を確認したい人
- 毎日少しずつ進められる教材を探している人
- 問題だけでなく、自分の英文と発話練習も追加できる人
別の教材を選ぶ・併用してもよい人
- すでに中学英文法の基本問題はほぼ解ける人
- 前置詞・時制・助動詞の感覚を深く理解したい人
- 英語だけで細かな文法差を整理したい人
- ニュース・論説・専門文書など文語英語まで扱いたい人
- 文法知識より、会話で取り出す速度が課題になっている人
中学文法の骨格が分かっている人には、『一億人の英文法』で語順やコアイメージを深掘りしたり、Grammar in Useで必要な文法項目を精密に確認したりする選択肢があります。
ほかの文法書との使い分け
三冊の役割は競争ではなく分担です。基礎をやさしく取り戻すなら本書、英語の感覚を深く理解するなら『一億人の英文法』、英語で文法の範囲と精度を広げるならGrammar in Useが向いています。
詳しい比較は、英会話におすすめの英文法書3冊比較をご覧ください。現在地と目的に合わせれば、どの本も優れた道具になります。
よくある質問
この一冊だけで英会話ができるようになりますか?
中学英文法の理解には役立ちますが、本だけで会話が自動化するとは限りません。自分の内容への置き換え、音読、時間制限のある発話、実際の会話を組み合わせてください。
最初から順番に全部やるべきですか?
文法を体系的にやり直したい場合は順番でも構いません。ただし英会話を急ぐなら、主語+動詞、疑問・否定、時制、助動詞など、使用頻度の高い項目を先にしても問題ありません。
問題は全問正解するまで繰り返すべきですか?
基本問題の誤りを理解することは大切ですが、満点になるまで発話を止める必要はありません。理解した範囲から自分の一文へ変え、使いながら戻りましょう。
ノートへ書き写した方がよいですか?
説明や例文を丸ごと写す必要はありません。間違えた点を一行、自分が使う例文を3つ、翌日に出なかった文だけを残す方が実践的です。
どれくらいで終わらせるべきですか?
期限は目的と学習時間によります。早く終えることより、学んだ文法で自分のことを話せるかを確認してください。会話で使うコア項目を先に一巡し、その後で残りの単元を補う方法もあります。
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初心者向けの本を使うことは、遠回りでも恥ずかしいことでもありません。難しい本を眺めて止まるより、やさしい一項目を今日の会話で使える方が、確実に前へ進んでいます。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
まとめ|「ひとつ理解する」から「ひとつ使える」へ
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』は、文法に苦手意識がある大人が、中学英文法をやさしく取り戻すのに優れた教材です。
- 会話でよく使う文法から優先する
- 問題を解いたら、自分の英文を3つ作る
- 肯定・否定・疑問へ動かす
- 前に学んだ単元と組み合わせる
- 本を閉じて、質問への答えとして声に出す
教材名の「ひとつひとつ」を、単元を終えることだけでなく、ひとつずつ会話で使えるようにすることへつなげましょう。中学から高校までの文法全体を確認したい方は、英文法の完全ガイドも参考にしてください。






[…] 日常会話の入口では、主語+動詞、be動詞と一般動詞、肯定・否定・疑問、現在・過去・未来、助動詞などが高い優先順位になります。関係詞や分詞なども役立ちますが、最初からすべてを同じ深さで完成させる必要はありません。詳しくはひとつひとつわかりやすく。を英会話につなげる大人の勉強法で解説しています。 […]
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