英文法には、時制・助動詞・受動態・不定詞・関係詞・仮定法など、多くの単元名があります。すべてを別々のルールとして覚えようとすると、どこから始めればよいのか分からなくなります。
しかし、英文法の正体は暗記項目の山ではありません。英語で誰が何をするのかという骨格を作り、時間・見方・追加情報・話し手の判断を重ねる仕組みです。本記事は、中学・高校・大学受験・英会話までの英文法を一枚の地図として整理し、現在地と次に学ぶ記事を見つけるための総合案内です。
英文法大全の結論|単元は5つの働きでつながる
| 働き | 主な単元 | 答える問い |
|---|---|---|
| 骨格を作る | 品詞・文型・語順・一致 | 誰が、何を、どうする? |
| 時間を描く | 時制・進行形・完了形 | いつ、どの段階の出来事? |
| 見方を変える | 受動態・比較・仮定法 | どこから場面を見る? |
| 情報を足す | 準動詞・関係詞・節・修飾 | どの情報を追加する? |
| 判断を添える | 助動詞・否定・強調・倒置 | 話し手はどう捉えている? |
しゅみすけ(大山俊輔)
英文法は、何十個もの独立したルールではありません。まず短い骨格を作り、必要な情報を一つずつ重ねる仕組みとして見ると、全体がつながります。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

1.骨格を作る英文法|品詞・文型・語順
すべての出発点は、主語と動詞です。I work.、She smiled. のような短い骨格があれば、英文は成立します。そこへ目的語や補語を加えると、I like coffee.、She is kind.、We call him Ken. のように表現が広がります。
英語の5文型は、英文をSV・SVC・SVO・SVOO・SVOCへ分類するためだけの知識ではありません。動詞の後ろに何が必要かを判断する設計図です。名詞・動詞・形容詞・副詞などの品詞も、名称より「文中で何の役割をするか」を見ます。
- 名詞:人・物・事柄を置く
- 動詞:動作・変化・状態を示す
- 形容詞:名詞の性質を説明する
- 副詞:動詞・形容詞・文全体へ情報を足す
- 前置詞:名詞を場所・時間・方向などの関係へ置く
冠詞・指示詞・所有格・数量詞は、名詞を会話の場面へ登場させる入口です。詳しくは英語の限定詞一覧で整理できます。
2.時間を描く英文法|時制・進行形・完了形
時制は、現在・過去・未来という三つの箱を暗記する単元ではありません。話し手がどの時点を基準に、出来事をどう眺めるかを示します。
| 形 | 中心イメージ | 例 |
|---|---|---|
| 単純形 | 事実・習慣・出来事を置く | I work from home. |
| 進行形 | 途中の動く映像を見せる | I am working now. |
| 完了形 | 過去から現在へ結果・経験・継続を持つ | I have worked here for years. |
| 過去形 | 今から距離を置く | I worked yesterday. |
12種類の形をまとめて確認するなら、英語の12時制一覧へ進んでください。完了形は「have+過去分詞=完了状態を持っている」、進行形は「-ing=動く映像」と捉えると、名前と意味がつながります。
3.見方を変える英文法|受動態・比較・仮定法
受動態は影響を受ける側から見る
Someone opened the door. は動作をする側から、The door was opened. は影響を受ける側から同じ場面を見ています。受動態の基本では、be動詞+過去分詞の作り方と視点の移動を確認できます。
比較は二つの対象を同じ物差しへ置く
比較級・最上級・as … asで重要なのは、形容詞の変化より比較対象をそろえることです。何と何を、どの性質で比べているのかを先に決めます。
仮定法は現実との距離を示す
If I were you, … の過去形は過去の話ではなく、「私はあなたではない」という現実からの距離を示します。仮定法と現実との距離で、過去形・過去完了形が使われる理由を確認できます。
4.情報を足す英文法|準動詞・関係詞・節
英語は、まず骨格を出し、その後ろへ情報を追加する言語です。長い英文も、短い主節と追加情報に分ければ読みやすくなります。
| 方法 | 働き | 例 |
|---|---|---|
| to不定詞 | 到達点への矢印を置く | I went out to buy milk. |
| 動名詞 | 動作を出来事として扱う | Reading helps me relax. |
| 分詞 | 動き・状態で名詞を説明する | the woman waiting outside |
| 関係詞 | 名詞の後ろへ文を足す | the book that I bought |
| 接続詞 | 文と文の論理関係を示す | I stayed home because it rained. |
不定詞・動名詞・分詞の全体像は準動詞の違い、長いまとまりの役割は句と節の違い、関係詞の発展は関係副詞一覧へつなげられます。
しゅみすけ(大山俊輔)
長い英文に出会ったら、最初から全部を訳そうとしないでください。主節の主語と動詞を見つけ、後から加わった情報を一つずつ外すと、骨格が見えてきます。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
5.判断を添える英文法|助動詞・否定・強調
助動詞は、出来事そのものではなく、話し手の確信・可能性・義務・意思を添えます。She comes. に対し、She may come. は可能性、She must come. は強い必要性や推量を加えます。日本語訳を一対一で覚えるより、助動詞のコアイメージ一覧で距離・確信・圧の軸から整理すると応用しやすくなります。
否定・強調・倒置・省略は、情報の焦点を動かす仕組みです。Not everyone agreed. は全員を否定するのではなく「全員が賛成したわけではない」と範囲を限定します。難しく見える特殊構文も、通常の語順と何が変わったかを比べれば理解できます。
英文法の全単元一覧
| 領域 | 主な単元 |
|---|---|
| 単語の役割 | 名詞、代名詞、限定詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞 |
| 文の骨格 | 5文型、語順、主語と動詞の一致、疑問文、否定文、命令文 |
| 動詞 | 自動詞・他動詞、時制、進行形、完了形、受動態、助動詞 |
| 準動詞 | to不定詞、動名詞、現在分詞、過去分詞、分詞構文 |
| 名詞を広げる | 冠詞、数量詞、形容詞、前置詞句、関係代名詞、関係副詞、同格 |
| 文をつなぐ | 等位接続詞、従属接続詞、名詞節、形容詞節、副詞節 |
| 意味関係 | 比較、仮定法、話法、否定、強調、倒置、省略、挿入 |
レベル別・目的別の入口
中学英文法を最初から学び直したい
中学英文法一覧から、中1・中2・中3の順に進みます。学年別には中1、中2、中3の記事があり、会話での使い道とともに復習できます。
高校英文法を体系的に整理したい
高校英文法一覧を入口に、高1、高2、高3へ進みます。高校段階では新しい単元を増やすだけでなく、節・準動詞・時制などを組み合わせて長い英文を処理します。
大学受験で得点につなげたい
大学受験英文法一覧では、空所補充・正誤・整序・言い換え・英作文・長文読解へ知識をつなぐ判断手順を整理しています。
英会話に必要な範囲を優先したい
すべてを同じ深さで学ぶ必要はありません。短い一文を作る土台は英会話に必要な5つのコア英文法、関係詞・分詞構文・不定詞・完了形・仮定法を感覚でつなぐなら英会話のラスボス英文法一覧へ進んでください。
おすすめの学ぶ順番
- 主語+動詞で骨格を作る
- be動詞と一般動詞、肯定・否定・疑問を区別する
- 文型と品詞で語順の理由を理解する
- 時制・進行形・完了形で時間を描く
- 助動詞・受動態で判断と視点を加える
- 準動詞・関係詞・節で情報を広げる
- 比較・仮定法・特殊構文で意味関係を細かくする
- 読解・英作文・会話で実際に使う
単元を一度で完璧にする必要はありません。短い英文で使う、長文で見つける、自分で言い換えるという往復を重ねるほど、文法は知識から技能へ変わります。
英文法の学び直しでよくある失敗
最初から例外を全部覚える
まず中心となる仕組みを使えるようにし、例外は必要になった時に加えます。中心と例外を同じ重さで覚えると、会話でも読解でも判断が遅くなります。
日本語訳だけを覚える
一つの英語表現には複数の訳があり、同じ日本語にも複数の英文法が対応します。形が示す視点・時間・距離を理解し、場面と結びつけましょう。
問題を解いて終わる
正解できても、自分で文を作れなければ運用にはつながりません。学んだ形で自分の仕事・予定・経験を一文ずつ表現すると、知識が使える形になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
分からない単元が出たら、全部やり直す必要はありません。この大全へ戻り、その単元が『骨格・時間・見方・情報・判断』のどこにあるかを確認してから、該当する親記事へ進みましょう。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
自分の現在地を確認するチェック
学年や教材の名前だけでは、自分がどこから始めるべきか判断しにくいことがあります。次の問いに答え、止まった場所に対応する親記事へ進んでください。
- 短い英文の主語と動詞を見つけられるか:難しければ中1英文法と5文型から始める
- 肯定文を否定文・疑問文へ変えられるか:難しければbe動詞と一般動詞の区別へ戻る
- 現在・過去・完了の違いを説明できるか:難しければ時制の全体像を整理する
- to do・doing・doneの役割を見分けられるか:難しければ準動詞の親記事へ進む
- 長文から主節の骨格を取り出せるか:難しければ句と節・関係詞を復習する
- 自分の経験や予定を英文で言えるか:知識はあっても使えない場合は英会話向けの練習へ移る
英文法はどこまで学べばよい?
目標によって必要な深さは異なります。旅行や日常会話なら、短い骨格・基本時制・助動詞・疑問文を優先します。仕事で説明や交渉をするなら、完了形・受動態・関係詞・条件表現まで広げます。大学受験では、知識に加えて空所・正誤・整序・英作文で根拠を素早く再現する練習が必要です。
共通する到達点は、用語を言えることではありません。英文を見たときに構造と意味を説明でき、自分の目的に合う短い英文を組み立てられることです。分からない例外を一つ残さない状態より、中心となる仕組みを繰り返し使える状態を先に目指しましょう。
まとめ|英文法は意味を組み立てる地図
英文法は、暗記する規則の一覧ではなく、意味を組み立てて聞き手へ渡す仕組みです。文型と品詞で骨格を作り、時制で時間を描き、受動態や仮定法で見方を変え、準動詞・関係詞・節で情報を足し、助動詞・否定・強調で話し手の判断を添えます。
中学英文法から始める人、高校英文法を整理する人、大学受験で得点へ変える人、英会話に必要な部分を優先する人では、次に読む記事が異なります。本記事を英文法のトップ索引として使い、迷ったときはいつでも全体地図へ戻ってきてください。
英文法クイズで理解度をチェック
全体像を確認したら、レベル別15問の英文法クイズで現在地を測ってみましょう。回答直後に理由を確認でき、結果に応じて中学・高校・大学受験の復習先へ進めます。
試験目的で文法を整理したい方は、TOEIC英文法一覧でPart 5・6に必要な項目と学ぶ順番を確認できます。
資格試験を目標に文法を整理したい方は、TOEIC英文法一覧と英検英文法一覧も参照してください。





