再帰代名詞とは、myself、yourself、himself など、末尾が -self / -selves になる代名詞です。主に次の3つの場面で使います。
- 動きが主語自身に戻る:I hurt myself.(私はけがをした)
- 本人がしたと強調する:I did it myself.(私が自分でやった)
- by+再帰代名詞:I did it by myself.(ひとりで/助けを借りずにやった)
日本語ではすべて「自分で」と訳されることがありますが、英語では役割が違います。まず「主語から出た動きが、同じ人に戻る」というコアイメージをつかみましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
I hurt meでは、Iとmeが別人のように聞こえてしまいます。行為をする人と受ける人が同じなら、目的語をmyselfにして「自分へ戻る」ことを示します。
再帰代名詞の一覧

| 主語 | 目的格 | 再帰代名詞 |
|---|---|---|
| I | me | myself |
| you(単数) | you | yourself |
| he | him | himself |
| she | her | herself |
| it | it | itself |
| we | us | ourselves |
| you(複数) | you | yourselves |
| they | them | themselves |
| one | one | oneself |
単数形は -self、複数形は -selves です。yourself / yourselves は、相手が1人か複数かで変わります。英語の人称代名詞全体は、英語の代名詞一覧|I・my・me・mineの違いで整理しています。
使い方1:主語と目的語が同じ
主語が行った動作を、その主語自身が受けるときに再帰代名詞を使います。これが最も基本的な用法です。
- I cut myself while cooking.
料理中に指を切りました。 - She introduced herself to the team.
彼女はチームに自己紹介しました。 - He looked at himself in the mirror.
彼は鏡で自分を見ました。 - We prepared ourselves for the meeting.
私たちは会議に備えました。 - The cat cleaned itself.
その猫は自分の体をきれいにしました。
She introduced her. なら、彼女が別の女性を紹介した意味になります。彼女が彼女自身を紹介したなら herself が必要です。
日本語では「自分を」が表に出ないこともある
I hurt myself. は直訳すると「私は自分自身を傷つけた」ですが、自然な日本語では「けがをした」です。He shaved himself. も、普通は「彼はひげをそった」と訳します。英語では動作の行き先を明示するため、再帰代名詞が必要になることがあります。
使い方2:本人がしたことを強調する
再帰代名詞は、「ほかの人ではなく本人が」という強調にも使えます。この場合、なくても文の骨格は成立します。
- I made this cake myself.
このケーキは私自身が作りました。 - The CEO herself answered the phone.
CEO本人が電話に出ました。 - We fixed the problem ourselves.
私たち自身でその問題を解決しました。 - Did you write this report yourself?
この報告書はあなた自身が書いたのですか。
I made this cake. だけでも「私がこのケーキを作った」という文です。そこに myself を加えることで、「買ったのでも、誰かに作ってもらったのでもなく、私本人が」という対比が生まれます。
強調の再帰代名詞は、強調する名詞の直後にも文末にも置けます。I myself checked it. と I checked it myself. はどちらも可能ですが、会話では文末が使いやすいでしょう。
myselfとby myselfの違い
| 形 | 焦点 | 例 |
|---|---|---|
| myself | ほかの人ではなく私本人が | I did it myself. |
| by myself | ひとりで・助けを借りずに | I did it by myself. |
I did it myself. は「私本人がやった」という担当者の強調です。誰かと同じ部屋にいた可能性はあります。I did it by myself. は「ひとりでやった」「誰の助けも借りなかった」という状況に焦点があります。
- She traveled by herself.
彼女は一人で旅行しました。 - My son can dress himself.
息子は自分で服を着られます。 - My son can get dressed by himself.
息子は手伝いなしで一人で着替えられます。
by oneself は文脈によって「誰も一緒にいない」と「助けを借りない」のどちらにもなります。She lives by herself. なら一人暮らし、She solved it by herself. なら自力で解決したという意味が自然です。
再帰代名詞を使う定番表現
- Help yourself.
ご自由にどうぞ/自分で取ってください。 - Make yourself at home.
くつろいでください。 - Enjoy yourself!
楽しんでね。 - Behave yourself.
行儀よくしなさい。 - Take care of yourself.
体に気をつけてください。 - Keep it to yourself.
それは自分の胸にしまっておいてください。
Help yourself to some coffee. のように to を続けると「コーヒーを自由に取ってください」と対象を示せます。複数の相手には Help yourselves. です。
目的格meの代わりにmyselfを使わない
ビジネスメールなどで、myself を me より丁寧な表現だと考える間違いがあります。しかし、再帰・強調の理由がなければ普通の目的格を使います。
- 不自然:Please contact myself if you have any questions.
- 自然:Please contact me if you have any questions.
ご質問があれば私にご連絡ください。 - 不自然:She sent the file to Ken and myself.
- 自然:She sent the file to Ken and me.
彼女はケンと私にファイルを送りました。
見分け方は、ほかの人を外してみることです。She sent the file to me. が正しいので、ケンを加えても to Ken and me のままです。
主語のIの代わりにmyselfを使わない
myself は通常、単独で文の主語にはなりません。「ケンと私が参加します」なら Ken and I will attend. とします。
- 不自然:Ken and myself will attend the meeting.
- 自然:Ken and I will attend the meeting.
ケンと私が会議に参加します。 - 強調なら可能:I myself will attend the meeting.
私自身がその会議に参加します。
Ken and myself は実際の会話やビジネス文書で見かけることがありますが、標準的な文章では、主語なら Ken and I、目的語なら Ken and me が安全です。
しゅみすけ(大山俊輔)
myselfはmeの丁寧版ではありません。「自分へ戻る」か「本人だと強調する」という仕事があるときだけ使います。迷ったら、まずIかmeで文を作ってみましょう。
再帰代名詞とeach otherの違い
再帰代名詞は動作が主語自身へ戻ります。each other は、複数の人の間で動作が互いの相手へ向かいます。
- Tom and Lisa looked at themselves in the mirror.
トムとリサは鏡でそれぞれ自分自身を見ました。 - Tom and Lisa looked at each other.
トムとリサはお互いを見ました。
themselves では各自が自分を見るのに対し、each other ではトムがリサを、リサがトムを見ます。詳しくはeach otherとone anotherの違いをご覧ください。
単数のtheyとthemselves
性別が分からない、または性別を限定しない一人の人を they で受ける場合、再帰代名詞は一般に themselves を使います。
- If a customer has a question, they can ask me themselves.
お客様に質問があれば、ご本人が私に尋ねられます。
themself も使用例が増えていますが、幅広い読者に向けた標準的な文章では themselves が最も無難です。また、一般の人を表す改まった one に対応する形は oneself です。
よくある間違い
- I hurt me:主語と目的語が同じなら I hurt myself.
- yourselfs:複数形は yourselves
- theirselves:標準形は themselves
- 丁寧にするためmyself:Please call me. のように普通の目的格を使う
- myself=必ずひとりで:「ひとりで」なら通常 by myself
中学英語で言い換えるなら
再帰代名詞や強調の形が出てこない場合は、短い基本語に分解できます。
| 元の文 | やさしい言い換え |
|---|---|
| I made it myself. | I made it. No one helped me. |
| She lives by herself. | She lives alone. |
| He taught himself English. | He studied English without a teacher. |
| Enjoy yourself. | Have a good time. |
「本人が」を強調したいなら No one helped me.、「一人で」なら alone を使うと、中学英語でも意図を明確にできます。
ミニクイズ
- I saw ( me / myself ) in the mirror.
- She made the dress ( herself / by herself ).「ほかの人ではなく彼女本人が作った」
- He lives ( himself / by himself ).
- Please send the email to ( myself / me ).
- Did all of you make this ( yourself / yourselves )?
答え:1. myself 2. herself 3. by himself 4. me 5. yourselves
まとめ
- 主語から出た動作が主語自身へ戻るとき、再帰代名詞を使う
- 再帰代名詞だけなら「ほかの人ではなく本人が」という強調にもなる
- by oneself は「ひとりで・助けを借りずに」
- myself は I や me の丁寧な代用品ではない
- 単数は -self、複数は -selves
最初は「動作が誰から出て、誰に届くか」を確認してください。同じ人へ戻れば myself などの再帰代名詞、別の相手へ届けば me / him / her などの目的格です。
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