大学受験の英文法は、単元名を覚えるだけでは点数になりません。必要なのは、英文のどこに注目し、どの知識を呼び出し、選択肢をどう切るかという判断の手順です。
この記事では、大学受験英文法の頻出単元を一覧で整理したうえで、空所補充・正誤・語句整序・言い換え・英作文・長文読解の6つの問題形式にどうつなげるかを解説します。高校英文法を一通り学んだ人が、「分かる」から「解ける」へ進むための中間親記事です。
高校3年間の全体像を先に確認したい方は、高校英文法一覧、学年別の整理は高1英文法・高2英文法・高3英文法もあわせてご覧ください。
大学受験英文法と高3英文法の違い
高3英文法の記事では、文型・時制・節・準動詞・仮定法・特殊構文を統合し、読解・英作文・会話で運用する力を扱いました。一方、大学受験英文法で主役になるのは、限られた時間で設問の狙いを見抜き、根拠をもって正解を選ぶ力です。
| 学習の軸 | 高3英文法 | 大学受験英文法 |
|---|---|---|
| 目的 | 知識を統合して運用する | 知識を設問の得点へ変える |
| 中心 | 構造・意味・表現 | 問題形式・頻出語法・判断速度 |
| 確認方法 | 読解・要約・英作文・発話 | 空所・正誤・整序・言い換え |
| 復習 | 単元同士のつながりを戻る | 誤答原因を分類して解き直す |
しゅみすけ(大山俊輔)
受験英文法は、難しい用語を増やす競争ではありません。設問が何を確認しているかを見抜き、根拠を短く説明できるようにしましょう。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
大学受験英文法の頻出単元一覧
優先順位は「出やすさ」だけでなく、他の単元への波及範囲で決めます。動詞まわり、準動詞、節は、多くの問題形式の土台になります。
| 単元群 | 確認するポイント | 主な問題形式 |
|---|---|---|
| 文型・動詞の型 | 目的語・補語、SVOC、他動詞と自動詞 | 空所・整序・正誤 |
| 時制・完了・態 | 基準時、継続・経験・完了、能動と受動 | 空所・正誤・英作文 |
| 助動詞 | 可能性、義務、推量、過去への推量 | 空所・言い換え |
| 不定詞・動名詞・分詞 | 形と役割、意味上の主語、分詞構文 | 空所・整序・正誤 |
| 接続詞・関係詞 | 節の種類、欠けた要素、先行詞 | 空所・整序・長文 |
| 仮定法・比較 | 現実との距離、比較対象、慣用表現 | 空所・言い換え・英作文 |
| 一致・代名詞・冠詞 | 単複、指示範囲、可算・不可算 | 正誤・空所 |
| 前置詞・語法 | 動詞との結びつき、意味の方向性 | 空所・正誤 |
| 否定・倒置・強調・省略 | 語順変化、焦点、共有情報 | 整序・正誤・長文 |
1.文型・動詞の型
最優先は、動詞の後ろに何が必要かを見抜く力です。たとえば make O C、provide A with B、prevent A from doing のような型は、空所補充にも整序にも直結します。まずは英語の5文型で主語・動詞・目的語・補語を判定し、その後に動詞ごとの語法を重ねましょう。
2.時制・完了・受動態・助動詞
時制問題では、日本語訳より「基準となる時」を探します。By the time he arrived, the train had left. なら、到着より前に出発が完了しているため過去完了です。12時制の全体像、時制の一致を一緒に確認すると、長文でも時間関係を追いやすくなります。
受動態は「be動詞+過去分詞」の暗記で終えず、誰が何をするのかを能動文に戻して考えます。進行形・完了形・助動詞と組み合わさる形は、受動態の複合形で整理できます。助動詞は助動詞のコアイメージから可能性や話し手の判断をつかむと、丸暗記が減ります。
3.不定詞・動名詞・分詞
準動詞は「動詞由来の形が、文中で名詞・形容詞・副詞の役割をする」と捉えます。空所の前後から必要な役割を判断してから形を選ぶのが基本です。I remember meeting him. と Remember to meet him. のように、同じ動詞でも後ろの形で意味が変わる語法にも注意します。全体像は準動詞の違いで確認できます。
4.接続詞・関係詞・節
接続詞と関係詞では、空所の後ろが完全な文か、不足のある文かを見ます。the place where I stayed は I stayed there と完全な内容につながり、the book that I bought は I bought the book の目的語が関係詞に置き換わっています。先に句と節の違いを押さえ、関係副詞へ進みましょう。

問題形式別に必要な判断力
空所補充:選択肢より先に空所の役割を決める
最初から選択肢の日本語訳を比べると迷いやすくなります。空所が動詞なのか、接続詞なのか、前置詞なのかを先に決め、その後に語法と意味を確認します。「形→構造→意味」の順番にすると判断が安定します。
正誤問題:一度に全部を疑わない
正誤問題は、主語と動詞の一致、時制、態、品詞、並列、比較対象、代名詞の指示を順番に点検します。たとえば Each of the students have a laptop. では、主語の中心は Each なので has が必要です。チェック項目を固定すると見落としが減ります。
語句整序:かたまりを作ってから並べる
単語を一つずつ並べず、be interested in や not only A but also B のようなまとまりを先に作ります。次に動詞を中心に骨格を決め、修飾語を足します。不要語がある問題では、完成後に文型と語法をもう一度確認しましょう。
言い換え:意味の同じ部分と形の変化を分ける
Because he was tired, he went to bed early. を Being tired, he went to bed early. に変えるような問題では、理由という関係は保ったまま、節を句へ圧縮しています。「何が同じで、何が変わったか」を言えるようにすることが大切です。
英作文:日本語を短い意味単位に分ける
日本語をそのまま英語の語順へ移そうとせず、「誰が/どうする/何を/どんな条件で」に分けます。難しい一文を作るより、確実な文型と語法で二文に分ける方が安全な場合もあります。仮定の意味は仮定法と現実との距離、比較表現は比較の慣用表現で整理できます。
長文読解:文法を訳ではなく構造復元に使う
長文では、文法問題のように単元名は表示されません。長い主語、挿入、関係詞節、省略、倒置を見抜き、主節の骨格へ戻すために文法を使います。部分否定、強調構文、倒置、省略は、論理と焦点を読むうえで重要です。
しゅみすけ(大山俊輔)
問題形式が変わっても、見る順番は共通です。まず形を確認し、次に文の骨格を取り、最後に文脈上の意味を確かめてください。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
大学受験英文法を得点につなげる勉強順
- 仕組みを理解する:参考書や解説で「なぜその形になるか」を確認する
- 短い例文で確かめる:主語・動詞・節の境界に印をつける
- 問題形式別に解く:空所、正誤、整序を分けて判断手順を定着させる
- 誤答を分類する:知識・構造・語法・時間のどこで失敗したか記録する
- 間隔を空けて解き直す:翌日、1週間後、数週間後に同じ根拠を再現する
- 読解と英作文へ移す:学んだ項目を実際の英文から探し、自分でも使う
一冊を何周したかより、正解の根拠を再現できるかが重要です。問題を解いた直後だけでなく、時間を空けても説明できる状態を目指します。
誤答ノートは「答え」ではなく「原因」を残す
誤答ノートに問題文と正解を丸写しすると、量が増える割に弱点が見えません。最低限、次の4項目を残しましょう。
- 知識不足:ルールや語法を知らなかった
- 構造の見落とし:主語・動詞・節の境界を誤った
- 語法の混同:似た表現や前置詞を取り違えた
- 時間不足:知っていたが判断手順が遅かった
「比較で間違えた」だけでは次の行動が曖昧です。「比較対象をそろえなかった」「倍数表現の語順を混同した」のように一段具体化すると、復習するページと練習問題が決まります。
しゅみすけ(大山俊輔)
間違えた問題は、答えだけでなく「知識不足・構造の見落とし・語法の混同・時間不足」のどれかに分類してください。復習すべき内容が変わります。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
大学受験英文法でよくある失敗
問題集を増やしすぎる
新しい問題集へ移る前に、今の一冊で「正解できる」「根拠を説明できる」「時間を空けても解ける」の3段階を確認します。似た教材を並行すると、復習の周期が途切れやすくなります。
選択肢の訳だけで選ぶ
訳が自然でも、文型・品詞・語法が成立しない選択肢は不正解です。意味は大切ですが、まず英文として成立する条件を確認しましょう。
文法問題だけで終える
文法問題で学んだ項目は、長文の一文を構造分析したり、短い英作文で使ったりして初めて運用可能になります。受験英文法は独立した暗記科目ではなく、読解と作文を支える道具です。
レベル別の学習目安
| 段階 | できる状態 | 次の学習 |
|---|---|---|
| 基礎 | 文型・時制・準動詞・節を説明できる | 単元別の基本問題 |
| 標準 | 空所・正誤・整序で根拠を言える | 形式混合問題と時間計測 |
| 実戦 | 長文と英作文で文法を使える | 志望校の出題形式に合わせた演習 |
基礎が曖昧なときに実戦問題を繰り返しても、正解を覚えるだけになりがちです。反対に、基礎問題だけを続けても判断速度は上がりません。現在地を見て、理解と演習を行き来しましょう。
まとめ|大学受験英文法は判断手順まで学ぶ
大学受験英文法で得点を伸ばすには、頻出単元を覚えるだけでなく、問題形式ごとの判断手順を身につける必要があります。文型と動詞を土台に、時制・態・助動詞、準動詞、節、仮定法・比較、特殊構文へ進み、空所・正誤・整序・言い換え・英作文・長文へ接続してください。
そして誤答は、知識不足・構造の見落とし・語法の混同・時間不足に分類します。何を直すべきかが分かれば、復習は短く深くなります。英文法を「覚える範囲」ではなく「英文を判断する道具」として使える状態が、大学受験での安定した得点につながります。
英文法全体の地図:受験対策の前後を含めた中学・高校・英会話までの体系は、英文法大全|全単元と学ぶ順番で確認できます。






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