部分否定とは、「全部・いつも・必ず」などの100%を表す言葉を否定し、全部ではない・いつもではないと伝える表現です。代表的な形はnot all、not every、not always、not necessarily、not bothです。
しゅみすけ
notを見ると、後ろを全部「ない」にしたくなりますよね。でも部分否定では、notは世界をゼロにするスイッチではありません。100%の範囲へ影を落とし、「そこまでは言えない」と調整するフィルターです。
この記事では、部分否定と全否定の違い、not all・not every・not always・not necessarilyなどの意味、否定の範囲を見分ける方法を例文で解説します。高校英文法の全体像から確認したい方は、高校英文法一覧もご覧ください。

目次
- 部分否定とは?「全部ではない。でもゼロでもない」
- なぜ部分否定になる?否定のスコープを見る
- 部分否定と全否定の一覧
- not all|すべてが〜とは限らない
- not every|すべての〜が…ではない
- not always|いつも〜とは限らない
- not necessarily|必ずしも〜ではない
- not both|両方とも〜というわけではない
- not completely・not entirely|完全に〜ではない
- not quite・not exactlyも部分的な修正に使える
- 部分否定を前から理解する読み方
- 英会話で部分否定が役立つ場面
- 部分否定でよくある間違い
- 練習|部分否定か全否定か
- まとめ|部分否定は100%を少し開く表現
- 部分否定についてよくある質問
部分否定とは?「全部ではない。でもゼロでもない」
次の二文を比べてみましょう。
Not all students agreed.
すべての生徒が賛成したわけではありません。
No students agreed.
賛成した生徒は一人もいませんでした。
not allでは、賛成した生徒もいれば、賛成しなかった生徒もいる可能性があります。allという100%を否定しているだけで、0%を表してはいません。一方、no studentsは範囲全体を否定しています。
コアイメージ
部分否定:100%ではない。範囲の一部は残る
全否定:範囲全体を否定し、0%にする
なぜ部分否定になる?否定のスコープを見る
否定のスコープとは、notの影響がどこまで届くかという範囲です。
Not all of the information was correct.
この文でnotが否定している中心はallです。「情報が正しい」という出来事を完全に否定するのではなく、all=全部という最大範囲を否定します。そのため、「一部は正しいかもしれないが、全部ではない」という意味になります。
日本語でも「全員が来たわけではない」と「誰も来なかった」は違います。英語では、all・every・alwaysなどの範囲を示す言葉とnotの組み合わせを見ることが大切です。
部分否定と全否定の一覧
| 部分否定 | 意味 | 対応する全否定 |
|---|---|---|
| not all | すべてが〜とは限らない | none/no+名詞 |
| not every | すべての〜が…ではない | no+名詞/none |
| not always | いつも〜とは限らない | never |
| not necessarily | 必ずしも〜ではない | never/definitely notなど文脈による |
| not both | 両方とも〜というわけではない | neither |
| not completely/entirely | 完全に〜ではない | not at all |
not all|すべてが〜とは限らない
Not all advice is helpful.
すべての助言が役立つとは限りません。
Not all of us speak English fluently.
私たち全員が英語を流暢に話すわけではありません。
allは人・物の集合全体を囲みます。not allはその囲いに穴を開け、「例外がある」と示します。
All … notは避けたほうが明確
All students did not pass.は、「すべての生徒が不合格だった」とも「全員が合格したわけではない」とも読め、曖昧です。
- 部分否定なら:Not all students passed.
- 全否定なら:No students passed./None of the students passed.
伝えたい範囲を明確にするため、not allやnoneを使い分けましょう。
not every|すべての〜が…ではない
Not every mistake is bad.
すべての間違いが悪いわけではありません。
I don’t read every email immediately.
私はすべてのメールをすぐ読むわけではありません。
everyは一つひとつを見ながら全体を100%覆います。そこへnotがかかると、少なくとも例外があることを示します。
not allとnot everyの違い
意味は近いですが、焦点が少し異なります。
- not all:集合全体をひとまとまりとして見て「全部ではない」
- not every:一つひとつを見て「例外がある」
Not all books are expensive.もNot every book is expensive.も「すべての本が高いわけではない」と訳せます。
not always|いつも〜とは限らない
More expensive doesn’t always mean better.
値段が高ければ、いつも品質がよいとは限りません。
I don’t always work from home.
私はいつも在宅勤務をしているわけではありません。
alwaysは時間の流れを100%覆います。not alwaysは、その時間の中に例外があることを示します。neverの「一度も〜ない」とは異なります。
| 表現 | 時間の範囲 | 意味 |
|---|---|---|
| always | 100% | いつも |
| not always | 100%未満 | いつもとは限らない |
| never | 0% | 決して〜ない |
alwaysなどの位置は、頻度を表す副詞の位置|always・usually・often・sometimesで詳しく解説しています。
not necessarily|必ずしも〜ではない
Being busy doesn’t necessarily mean being productive.
忙しいことが、必ずしも生産的であることを意味するわけではありません。
The cheapest option is not necessarily the best.
最も安い選択肢が必ずしも最善とは限りません。
necessarilyは「条件から必然的にそうなる」というつながりを表します。not necessarilyは、その結論への一本道を切り、「そうなる可能性はあるが、自動的には決まらない」と伝えます。
not necessarilyは「絶対に違う」ではない
That’s not necessarily true.
それは必ずしも正しいとは限りません。
これは「完全な誤りだ」と断定しているわけではありません。「正しい場合もあるが、常に正しいとは言えない」という慎重な修正です。会議や議論でも使いやすい表現です。
not both|両方とも〜というわけではない
Not both answers are correct.
二つの答えが両方とも正しいわけではありません。
少なくとも一方は正しくないことを表します。文脈だけでは、もう一方が正しいのか、両方とも誤りなのかまでは確定しない場合があります。
両方とも違うと明確に言うなら、neitherを使います。
Neither answer is correct.
どちらの答えも正しくありません。
Both … notは曖昧になりやすい
Both answers are not correct.は、話し手によって「両方とも正しくない」の意味で使われることも、「両方が正しいわけではない」の意味で使われることもあります。
- 部分否定:Not both answers are correct.
- 全否定:Neither answer is correct.
この形なら否定の範囲が明確です。
not completely・not entirely|完全に〜ではない
I don’t completely agree.
私は完全に同意しているわけではありません。
The explanation wasn’t entirely clear.
その説明は完全に明確というわけではありませんでした。
completely・entirelyは程度を100%まで上げます。notはその100%を否定するため、一部は同意している、一部は明確だったという余地が残ります。
まったく同意しないなら、次のように言えます。
I don’t agree at all.
私はまったく同意しません。
not quite・not exactlyも部分的な修正に使える
not quite|完全には〜でない/もう少し
I’m not quite ready.
まだ完全には準備できていません。
That’s not quite what I meant.
それは私が言いたかったことと少し違います。
quiteが到達点へ近づける働きをし、not quiteはそこへ少し届いていない感覚です。
not exactly|正確には〜でない
That’s not exactly true.
それは正確には本当ではありません。
全面否定よりも、相手の発言を部分的・丁寧に修正できます。ただし声の調子によっては皮肉や強い否定にもなります。
部分否定を前から理解する読み方
長い文では、日本語へすぐ訳さず次の順番で処理します。
- notを見つける
- 近くにall・every・always・necessarily・both・completelyなどがあるか確認する
- 「ゼロ」と決めつけず、100%の範囲が崩れたと考える
- 残った可能性や例外を文脈から読む
Not every employee who works remotely feels isolated.
Not everyで「すべての社員ではない」と先に範囲を調整します。その後、who works remotelyがemployeeへ説明を足します。
「在宅勤務をする社員は誰も孤独を感じない」ではなく、在宅勤務者の全員が孤独を感じるわけではないという意味です。
英会話で部分否定が役立つ場面
部分否定は、断定を弱めて現実に合う表現へ調整するときに役立ちます。
一般化を修正する
Not everyone learns in the same way.
全員が同じ方法で学ぶわけではありません。
相手の意見へ一部だけ異議を示す
I don’t completely agree with that.
それには完全に同意しているわけではありません。
因果関係を慎重にする
A high score doesn’t necessarily mean you can communicate well.
高得点だからといって、必ずしも上手にコミュニケーションできるとは限りません。
期待値を調整する
It won’t always be this difficult.
いつもこれほど難しいわけではありません。
0か100かで断定せず、「例外がある」「自動的には決まらない」と伝えられるため、仕事や日常会話で非常に実用的です。
部分否定でよくある間違い
not allを「全部〜ない」と訳す
Not all birds can fly.は「すべての鳥が飛べない」ではなく、「すべての鳥が飛べるわけではない」です。飛べる鳥は残っています。
not alwaysをneverと同じにする
He isn’t always late.は「彼は決して遅刻しない」ではありません。「遅刻するときもあるが、毎回ではない」です。
not necessarilyをdefinitely notと同じにする
It’s not necessarily wrong.は「絶対に間違いだ」ではなく、「必ずしも間違いとは限らない」です。
部分否定から残りの割合を決めつける
not allは「100%ではない」ことを示しますが、何%が当てはまるかまでは通常示しません。文脈や追加情報が必要です。
練習|部分否定か全否定か
- Not all members attended.
→ 部分否定:全員が参加したわけではない - No members attended.
→ 全否定:誰も参加しなかった - She doesn’t always agree with me.
→ 部分否定:いつも賛成するわけではない - She never agrees with me.
→ 全否定:一度も賛成しない - Not both plans will work.
→ 部分否定:両方がうまくいくわけではない - Neither plan will work.
→ 全否定:どちらもうまくいかない
まとめ|部分否定は100%を少し開く表現
- 部分否定はall・every・alwaysなどの100%を否定する
- not all/not everyは「すべてが〜とは限らない」
- not alwaysは「いつも〜とは限らない」
- not necessarilyは「必ずそうなるとは限らない」
- not bothは「両方とも〜というわけではない」
- none・never・neitherなどは範囲全体を否定する
- notの位置だけでなく、否定が届く範囲を見る
部分否定は曖昧な例外表現ではなく、世界を0か100かに切らず、現実に合わせて範囲を細かく調整する文法です。notを見た瞬間に全部を消さず、「何の100%が否定されたのか」を確認しましょう。
部分否定についてよくある質問
not allはsomeと同じですか?
完全には同じではありません。not allは「全てではない」と否定側から範囲を狭め、someは「いくつかある」と存在を肯定します。文脈上は近い状況を表すことがありますが、焦点が異なります。
not everyは「一つも〜ない」可能性を含みますか?
論理上、not everyは「全てではない」ことだけを示し、具体的な数は示しません。ただし通常の会話では、少なくとも一部は当てはまるという含みで使われることが多く、完全なゼロを明確にするならno・noneを使います。
not necessarilyは会話でも使いますか?
よく使います。相手を全面否定せず、「その結論が必ず成り立つわけではない」と慎重に修正できるため、会議・議論・日常会話で便利です。
部分否定はどこにnotを置けばよいですか?
一般にはnot all、not every、not bothのように範囲語の前へ置くか、don’t always、isn’t necessarilyのように通常の否定文を作ります。重要なのは、読み手が否定の対象を誤解しない明確な語順を選ぶことです。
高校英文法全体の中で位置づけを確認するなら、高校英文法一覧|重要単元とおすすめ順へ戻り、否定・副詞・情報の焦点とつなげて学んでください。



