現在完了・過去完了・未来完了を、それぞれ別の公式として覚えていませんか。
- 現在完了:have+過去分詞
- 過去完了:had+過去分詞
- 未来完了:will have+過去分詞
形だけを見ると3種類ありますが、本質はすべて同じです。
ある基準時点の領域に、完了した状態を持っている。
I have finished the report.
これは単に「レポートを終えた」という過去の出来事ではありません。今の自分の領域に「レポートが終わった状態」を持っている、と伝えています。
完了形を理解する鍵は、4用法や時制の名前を先に覚えることではありません。
- have:自分・基準時点の領域に持つ
- 過去分詞:動作や働きかけが完了したあとの状態
- 完了形:その状態を、ある時点の領域に持つ
この記事では、この共通構造から現在完了・過去完了・未来完了を一本につなげます。
英語の完了形とは?ある時点に完了状態を持つ形
英語の完了形とは、have+過去分詞を基本として、ある基準時点とそれ以前の出来事をつなぐ形です。
have+過去分詞=完了した状態を持つ
She has left the office.
彼女はオフィスを出ました。
leftは、出る動作が完了したあとの状態です。hasによって、その状態が現在の領域に置かれています。
そのため、この文には「彼女は今オフィスにいない」という現在へのつながりが感じられます。

現在完了・過去完了・未来完了の違いは、「完了状態を持つ」という仕組みではなく、その状態をどの時点から見ているかです。
haveの役割|自分の領域・時点の領域に状態を持つ
haveを「持つ」とだけ訳すと、完了形とのつながりが見えにくくなります。
I have a car.
私の領域に車がある。
I have a problem.
私の抱えている状況の中に問題がある。
I have finished the work.
今の私の領域に、仕事が完了した状態がある。
haveの中心は、手に持つ動作ではなく、対象や状態が自分のテリトリーに存在することです。完了形でも、この感覚は消えていません。
詳しくは、haveのコアイメージは「持つ」ではない|英会話で使える5つの型と例文で解説しています。
過去分詞とは?動作が完了したあとの状態を置く形
過去分詞は、規則動詞なら多くの場合-ed、不規則動詞ならdone・gone・seen・writtenなどの形になります。
- finish → finished:終えられた・完了した状態
- break → broken:壊れる働きかけを受けたあとの状態
- write → written:書く行為が完了したあとの状態
- go → gone:行ってしまった状態
過去分詞は「過去の動作」を直接表す名前ではありません。時制は持たず、動作が完了した状態や、働きかけを受けた状態を表します。
The window is broken.
窓は壊れた状態です。
I have broken the window.
私は、窓を壊してしまった状態を現在の領域に持っています。
be+過去分詞では主語の状態を描き、have+過去分詞ではその完了状態を基準時点の領域へ置きます。
現在完了|現在の領域に完了状態を持つ
現在完了の4用法・例文・過去形との違いを詳しく確認したい方は、現在完了形とは?4用法と過去形との違いを「今につながる」感覚で理解するをご覧ください。
現在完了は、have・has+過去分詞です。
I have lost my keys.
鍵をなくしてしまいました。
重要なのは、鍵をなくした過去の瞬間だけではありません。現在の自分が「鍵がなくなった状態」を持っており、今も鍵がないというつながりがあります。
She has lived here for ten years.
彼女はここに10年間住んでいます。
10年前から続く居住の状態が、現在の領域まで入っています。
学校文法では現在完了を4用法に分けます。
| 用法 | 例 | 現在とのつながり |
|---|---|---|
| 完了 | I have finished the work. | 今、終わった状態にある |
| 結果 | She has gone out. | 今、ここにいない |
| 経験 | I have visited Paris. | 今の自分の経験として持つ |
| 継続 | I have lived here for ten years. | 過去から今まで状態が続く |
4種類の別々の意味というより、いずれも「過去から生じた状態・履歴を現在の領域に持つ」表現です。
現在完了と過去形の違い|今の領域を見るか、過去を切り離すか
I lost my keys yesterday.
昨日、鍵をなくしました。
過去形は、yesterdayという過去の出来事として切り出しています。今、鍵が見つかっているかどうかは分かりません。
I have lost my keys.
鍵をなくしてしまいました。
現在完了は、今の領域に「鍵がない状態」を持っています。
- 過去形:過去の一点・完結した出来事を見る
- 現在完了:過去から生じた状態を現在から見る
この違いがあるため、現在完了は通常、yesterday・last week・in 2020のように過去の一点を閉じる表現とは一緒に使いません。
過去完了|過去のある時点に完了状態を持っていた
過去の基準点まで動作が続いていたことに焦点を当てる形は、過去完了進行形とは?had been+ingを「過去時点まで動きが続く」感覚で理解するで詳しく解説しています。
過去形・現在完了形との違い、例文、使わなくてもよい場合は、過去完了形とは?had+過去分詞を「過去時点ですでに完了した状態」で理解するで詳しく解説しています。
過去完了は、had+過去分詞です。
When I arrived, the train had already left.
私が到着したとき、電車はすでに出発していました。
基準点は現在ではなく、When I arrivedという過去です。その時点の領域に「電車が出発済みの状態」がありました。
- 電車が出発した
- 私が駅に到着した
- 過去の到着時点から、出発済みの状態を見る
hadは、haveの領域を過去へ移動した形です。「さらに古い過去」を機械的に示すだけでなく、過去の基準点から完了状態を見ています。
未来完了|未来のある時点に完了状態を持つ
未来の基準点へ先回りし、完了・経験・継続を見分ける詳しい解説は、未来完了形とは?will have+過去分詞を「未来時点で完了状態を持つ」感覚で理解するをご覧ください。
未来完了は、will have+過去分詞です。
By next Friday, I will have finished the report.
来週金曜日までには、レポートを終えているでしょう。
基準点はnext Fridayという未来です。その未来地点へ進んだとき、「レポートが完了した状態」を持っていると予測しています。
- will:意識を未来へ向ける
- have:未来の基準時点の領域に持つ
- finished:完了した状態
未来完了は、仕事の締切、予定、経過期間などと相性が良い形です。
3つの完了形は基準時点だけが違う
| 完了形 | 形 | 完了状態を持つ時点 |
|---|---|---|
| 現在完了 | have・has+過去分詞 | 現在 |
| 過去完了 | had+過去分詞 | 過去の基準点 |
| 未来完了 | will have+過去分詞 | 未来の基準点 |
同じ出来事finish the reportでも、どの地点から完了状態を見るかで形が変わります。
- I have finished the report.:今、完了状態を持つ
- I had finished the report before the meeting.:会議前という過去地点で完了状態を持っていた
- I will have finished the report by Friday.:金曜日という未来地点で完了状態を持つ
完了形で使う時間表現
完了形は基準時点とのつながりを示すため、期間・期限・経験・完了を表す言葉とよく使われます。
現在完了でよく使う表現
- since:〜以来
- for:〜の間
- already:すでに
- yet:もう・まだ
- ever:今までに
- never:一度も〜ない
- just:ちょうど
過去・未来の基準点を示す表現
- before I arrived:私が到着する前に
- by the time …:〜する時までに
- by next week:来週までに
- by 2030:2030年までに
byは締切となる地点を示すため、過去完了・未来完了の基準点を作るときに重要です。
完了進行形|完了状態の中で動きが続いている
現在完了形との焦点の違いや例文を詳しく確認したい方は、現在完了形と現在完了進行形の違い|have been+ingを「今まで動きが続く」感覚で理解するをご覧ください。
完了形と進行形を組み合わせると、have been+-ingになります。
I have been studying English for two hours.
私は2時間ずっと英語を勉強しています。
現在の領域に、2時間続いてきた学習の動く場面を持っています。
- have:現在の領域に持つ
- been:その状態として存在してきた
- studying:学習の動きが続く場面
現在完了進行形も新しい別ルールではなく、完了形と-ingのコアイメージを重ねた形です。
完了形をリスニングで前から理解する3ステップ
ステップ1|have・had・will haveで基準時点を作る
She has …
彼女は今の領域に何かを持っている。
ステップ2|過去分詞で完了状態を置く
She has finished …
彼女は今、終えた状態を持っている。
ステップ3|後ろの情報をその状態へ足す
She has finished the report.
終えた状態を持っている → 何を? → レポートを。
「彼女はレポートを終えた」と日本語の過去形へ置き換えるだけでは、現在とのつながりが消えてしまいます。まず完了状態を思い浮かべましょう。
まとめ|完了形は時制の公式ではなく、完了状態の所有
現在完了・過去完了・未来完了の本質は共通しています。
- have:基準時点の領域に状態を持つ
- 過去分詞:動作・働きかけが完了したあとの状態
- 現在完了:現在に完了状態を持つ
- 過去完了:過去の基準点に完了状態を持つ
- 未来完了:未来の基準点に完了状態を持つ
- 違うのは、完了状態をどの時点から見るか
I have finished the report.
「過去に終えた」とだけ捉えず、「今、終わった状態を持っている」と理解すると、完了・結果・経験・継続が一本につながります。
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