to不定詞とは?3用法を「未来へ向かう矢印」のコアイメージで例文解説

現在から未来の動作や目的へ向かうto不定詞の矢印のイメージ

to不定詞を学ぶと、「名詞的用法は〜すること」「形容詞的用法は〜するための」「副詞的用法は〜するために」と、3種類の訳を覚えます。 ところが英文の中でtoが出てくると、どの用法かを判定することに意識を取られ、意味を前から受け取れない人も少なくありません。 I want to study English. この文で、話し手の意識はwantから未来の行動study Englishへ向かっています。 I want → to → study English. 私は望んでいる → その意識の向かう先は → 英語を学ぶこと。 to不定詞の核は、toという矢印の先に動作を置くことです。3用法は、この「to+動作」のかたまりが文中でどの役割を担うかの違いにすぎません。 この記事では、to不定詞の意味・作り方・3用法を、前置詞toと共通するコアイメージから例文で解説します。

to不定詞の矢印を、1分37秒で体感

まずは短い動画で、この記事の中心となる感覚をつかんでみてください。見終わったあとに本文の例文を読むと、公式ではなく英語の処理順として理解しやすくなります。

動画:しゅみすけ「to不定詞、これで一発です」|YouTubeで見る

しゅみすけ(大山俊輔)

to不定詞の三用法は別々の暗記事項に見えますが、toが示す“これから向かう矢印”でつながっています。目的・予定・役割など、前の言葉から先へ伸びる方向を意識すると、文の中での働きが見えてきます。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

目次

to不定詞とは?to+動詞の原形で動作へ矢印を向ける

to不定詞とは、to+動詞の原形で作り、動作を名詞・形容詞・副詞のように文へ組み込む形です。 基本形:to+動詞の原形
  • to study:学ぶこと・学ぶための・学ぶために
  • to meet:会うこと・会うための・会うために
  • to change:変えること・変えるための・変えるために
日本語訳は周囲との関係によって変わりますが、toの矢印は共通しています。現在の地点から、これから行う動作や到達点へ意識を向けます。

前置詞toとto不定詞のコアイメージは同じ

前置詞のtoは、到達点を含む矢印を表します。 I went to the station. 私は駅へ行きました。 移動の矢印がthe stationへ向かっています。 to不定詞では、矢印の先が名詞ではなく動作になります。 I decided to study English. 私は英語を勉強することに決めました。 決断の矢印がstudy Englishという未来の動作へ向かっています。
前置詞toは矢印の先に名詞を置き、to不定詞は矢印の先に動作を置くことを示した図解
前置詞toは矢印の先に名詞を、to不定詞は矢印の先に動作を置きます。
  • 前置詞のto:to+名詞
  • to不定詞:to+動詞の原形
前置詞の使い方を詳しく知りたい方は、toのコアイメージは「到達点を含む矢印」もあわせてご覧ください。

to不定詞の3用法一覧

用法 文中での役割 日本語の目安 例
名詞的用法 主語・目的語・補語 〜すること I want to travel.
形容詞的用法 前の名詞を説明 〜するための・〜すべき something to eat
副詞的用法 動詞・形容詞・文を説明 〜するために・〜して I came to help.
この3分類は、文法問題や英文を整理するときに便利です。ただし、to自体が3つの別々の意味へ変身するわけではありません。 toで動作へ矢印を向ける → そのかたまりが文中のどこに置かれるかを見る この順番で理解しましょう。

to不定詞の形・発展用法一覧|普通形から進行・完了・受動まで

to不定詞はto doだけではありません。toの矢印の先に、進行・完了・受動などの見せ方を重ねたり、疑問詞や独立した決まり表現と組み合わせたりできます。

形・用法中心となる見方詳しい解説
to do動作・状態へ向かう基本形この記事で解説
to be doing基準時に動作が進行中不定詞の進行形
to have done基準時より前の出来事完了不定詞
to have been doing基準時より前から続いていた動作完了不定詞の進行形
to be done主語側が動作を受ける不定詞の受動態
not to do不定詞の内容全体を否定この記事内の否定不定詞へ
疑問詞+to do何を・どう・どこで行うか疑問詞+to不定詞
for 人 to do不定詞の動作主を示す不定詞の意味上の主語
toなしの動詞原形動作を加工せず直接置く原形不定詞
be to do予定・義務・可能などを示すbe to不定詞
to be honestなど文全体への話し手の態度独立不定詞
I’d love to.など共有済みの動詞以下を省略代不定詞・英語の省略

用語を別々に暗記するより、toで後ろの内容へ向かい、その先へどの景色を置くかを見ると、発展形も同じ仕組みとして理解できます。

名詞的用法|to+動作を「こと」として扱う

名詞的用法では、to+動詞のかたまりが主語・目的語・補語になります。

目的語になるto不定詞

I want to learn English. 私は英語を学びたいです。 wantで「望んでいる」と伝え、その望みの向かう先をto learn Englishで置いています。 She decided to change jobs. 彼女は転職することを決めました。 decidedという決断の先に、change jobsという未来の行動があります。

主語になるto不定詞

To learn a language takes time. 言語を学ぶことには時間がかかります。 To learn a language全体が文の主語です。ただし、会話や自然な英文では形式主語itを使うことも多くあります。 It takes time to learn a language. まずIt takes timeで骨格を出し、何に時間がかかるのかをto learn a languageで後から足しています。

補語になるto不定詞

My goal is to speak English confidently. 私の目標は、自信を持って英語を話すことです。 My goalが向かう具体的な到達点を、to speak English confidentlyで示しています。

形容詞的用法|名詞が向かう動作・用途を後から足す

形容詞的用法では、to不定詞が前の名詞を説明します。 I need something to drink. 何か飲むものが必要です。 英語の順番では、まずsomethingを置き、その用途・向かう動作としてto drinkを後から足しています。 Do you have anything to ask? 何か質問することはありますか。 anythingだけでは何のためのものか分かりません。to askが「質問する方向の何か」だと説明します。 I have a lot of work to do. やるべき仕事がたくさんあります。 仕事がdoという未実現の動作へ結びついているため、日本語では「やるべき」と訳せます。 形容詞的用法も、日本語のように説明を名詞の前へ置くのではなく、名詞を先に出し、その行き先・用途を後から足す英語の語順です。

副詞的用法|行動の目的・理由・結果を後から足す

副詞的用法では、to不定詞が動詞や形容詞、文全体へ情報を加えます。

目的|〜するために

I went to the library to study. 勉強するために図書館へ行きました。 英語の処理順は「図書館へ行った → その行動の向かう目的は勉強」です。 She called me to ask a question. 質問するために、彼女は私へ電話しました。

感情の原因|〜して

I’m happy to see you. あなたに会えてうれしいです。 まずI’m happyという感情を置き、その感情が向かう出来事・理由としてto see youを足しています。 He was surprised to hear the news. その知らせを聞いて、彼は驚きました。

結果|そして〜することになった

She grew up to become a doctor. 彼女は成長して医師になりました。 成長という流れの到達点が、become a doctorです。 He returned home to find the door open. 彼が帰宅すると、ドアが開いていることに気づきました。 目的・原因・結果の日本語訳は異なりますが、toの矢印が後ろの動作・状態へ向かう点は同じです。

to不定詞が未来志向になりやすい理由

to不定詞は、まだ実現していない行動や、これから向かう可能性と相性が良い形です。
  • want to:これからすることを望む
  • hope to:これから実現することを願う
  • plan to:これからすることを計画する
  • decide to:これからすることを決める
  • promise to:これからすることを約束する
I plan to visit Canada next year. planから未来のvisit Canadaへ矢印が伸びています。この未来方向が、動作を現実の場面として置く-ingとの重要な違いになります。

to不定詞と動名詞の違い|未来への矢印と現実の場面

to doとdoingの使い分け、後ろに取る動詞、remember・stop・tryなどで意味が変わる理由は、to不定詞と動名詞の違い|「方向」と「行為のまとまり」で理解するで詳しく解説しています。

to不定詞も動名詞も、日本語では「〜すること」と訳せます。 I like to swim. I like swimming. どちらも「泳ぐことが好き」と訳せますが、見ている角度が少し異なります。
  • to swim:泳ぐ行動の方向へ意識を向ける
  • swimming:泳いでいる活動・経験を場面として置く
違いが明確になる動詞もあります。 Remember to lock the door. 忘れずにドアをロックしてください。 これから行うlockへ意識を向けています。 I remember locking the door. ドアをロックしたことを覚えています。 すでに起きたlockingの場面を記憶の中で見ています。

疑問詞+to不定詞|動作の行き先がまだ決まっていない

what・how・where・whenなどの疑問詞とto不定詞を組み合わせられます。
  • what to do:何をすべきか
  • how to use it:それをどう使うか
  • where to go:どこへ行くべきか
  • when to start:いつ始めるべきか
I don’t know what to say. 何を言えばよいか分かりません。 発話の矢印はあるものの、その先の内容がwhatとして未確定です。 which・whoの使い方、疑問詞節との違い、why to doを通常使わない理由は、疑問詞+to不定詞とは?what to do・how to useの意味と使い方で詳しく解説しています。

人に〜してほしい|want・ask・tell+人+to

to不定詞の動作主を明示するときは、人+to不定詞を使います。 I want you to help me. あなたに手伝ってほしいです。 wantの意識がyouへ向かい、その人が行うhelp meへ続きます。 She asked me to wait. 彼女は私に待つよう頼みました。 My boss told me to call the client. 上司は私に顧客へ電話するよう言いました。 「人をto以下の動作へ向かわせる」と考えると、丸ごとの構文暗記から離れられます。

否定不定詞とは?not to+動詞で「その動作へ進まない」

否定不定詞とは、to不定詞が表す動作を否定する形です。基本の語順は not to+動詞の原形。notをtoの直前に置き、矢印の先にある動作へ「×」を置きます。

I decided not to go.
私は行かないことに決めました。

ここで否定されているのはdecidedではなく、決断の行き先であるto goです。「決めた」という骨格は成立しており、その決定内容が「行かない」になっています。

She told me not to worry.
彼女は私に心配しないように言いました。

tell+人+to doのto doだけを否定し、「その人を心配する方向へ向かわせない」と捉えられます。

not to doと主節の否定は意味が違う

  • I decided not to go.:行かないことを決めた
  • I didn’t decide to go.:行くことに決めたわけではない

1文目は「行かない」という決定まで成立しています。2文目はdecide自体を否定しているため、まだ決めていない可能性もあり、「行かないと決めた」とまでは言えません。notがどこに置かれ、どこまでを否定しているかを見るのがポイントです。

never to doは「決して〜しない」

He promised never to lie again.
彼は二度と嘘をつかないと約束しました。

neverは「一度も・決して」という時間や頻度のゼロを含むため、単純なnot to doより強い否定になります。語順はnever to+動詞の原形です。

to not doも使える?

I chose to not respond immediately.
私はすぐには返答しないことを選びました。

to not doは、toと動詞の間へnotを入れる「分離不定詞」です。現代英語では、否定を特に強調したいときや意味の曖昧さを避けたいときに使われ、誤りとは限りません。ただし、学校文法・試験・かたい英文で迷った場合は、基本形のnot to doを選ぶのが安全です。

進行形・完了形・受動態でもnotはかたまりの前

  • not to be doing:〜していないこと
  • not to have done:〜しなかったこと
  • not to be done:〜されないこと

She seems not to have received the email.
彼女はそのメールを受け取っていないようです。

形が長くなっても、notは否定したいto不定詞のかたまりの前に置きます。notを「成立に×を置く感覚」から詳しく理解したい方は、notのコアイメージとnoとの違いもご覧ください。to不定詞・動名詞・分詞の全体像は、準動詞とは?動きを文の部品にする感覚で整理しています。

to doの動作をする人を明示するfor 人 to do・of 人 to doは、不定詞・動名詞の意味上の主語で動名詞と比較しています。

完了不定詞|to have+過去分詞

完了不定詞の時間関係、seem to have done、受動態・進行形まで詳しく確認したい方は、完了不定詞とは?to have doneの意味・使い方をご覧ください。

to不定詞の動作が、主となる動詞より前に起きたことを示す場合は、to have+過去分詞を使います。 He seems to have forgotten the appointment. 彼は約束を忘れたようです。 現在のseemsから、すでに完了したhave forgottenという状態へ意識を向けています。 She is said to have lived abroad. 彼女は海外に住んでいたと言われています。

too … toとenough toの使い方

too … to|度を超えて、その動作へ到達できない

The box is too heavy to carry. その箱は重すぎて運べません。 too heavyという程度が、carryへの到達を妨げています。

enough to|その動作へ到達するのに十分

She is old enough to travel alone. 彼女は一人で旅行できる年齢です。 old enoughという条件が、travel aloneへ到達できる水準にあります。

to不定詞を前から理解する3ステップ

ステップ1|toの前までで骨格を受け取る

I decided … 私は決めた。

ステップ2|toを見たら矢印を出す

I decided to → 決断の向かう先が続く。

ステップ3|矢印の先の動作を置く

I decided to study abroad. 決めた → その先は → 海外で学ぶ。 最初から「海外で学ぶことを決めた」という日本語を作らず、英語の順番で意味を更新します。

まとめ|3用法の前にtoの矢印を理解する

to不定詞の名詞的・形容詞的・副詞的用法は、別々の文法ではありません。
  • to+動詞の原形で、動作へ矢印を向ける
  • 名詞的用法:to以下を「こと」として文へ置く
  • 形容詞的用法:名詞の用途・行き先を後から足す
  • 副詞的用法:行動の目的・感情の理由・結果を足す
  • 前置詞toは矢印の先に名詞、to不定詞は動作を置く
  • to不定詞は未来・未実現の動作と相性が良い
I want / to study English. 「望んでいる → 意識の向かう先は英語を学ぶこと」と、英語が出てきた順番で理解しましょう。 難しい英文法を共通する認知処理から整理したい方は、英会話のラスボス英文法一覧もご覧ください。知識を会話やリスニングで使える処理へ変えたい方には、be:RIZEの英語コーチングと学習メソッドをご案内しています。

to不定詞を含め、短い一文を次の段階へ広げる学習順は、英会話で次に学ぶ英文法|進行形・助動詞・to不定詞・接続詞で一文を広げるで確認できます。

公式な予定・規則・条件などによって主語がto以下の行動へ向かう形は、be to不定詞の5用法で詳しく解説しています。

to be honest / so to speakのように、to不定詞が文全体へ話し手のコメントを加える形は、独立不定詞の意味と代表表現で詳しく解説しています。

to不定詞・動名詞・分詞に共通する仕組みは、準動詞とは?動きを文の部品にする感覚で全体像を確認できます。

I’d like to.のようにtoだけを残して動詞を繰り返さない形は、代不定詞とは?toだけを残す省略の仕組みで詳しく解説しています。

文法は分かったのに、会話になると使えない方へ

この記事で扱った「to不定詞」も、ルールを覚えるだけでなく、自分の場面を英語の順番で組み立てる練習まで行うことで、会話の中で使える知識に変わっていきます。

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to不定詞を使う定番表現:seemの意味は?seem to・It seems that・lookとの違い

全体像を確認:この単元が中学英語のどこに位置し、何から学び直すとよいかは、中学英文法一覧|大人が英会話のために学び直す順番で確認できます。

関連:不定詞の進行形to be doingの意味と使い方では、toの矢印の先で動作が進行中になる仕組みを解説しています。

受動の形:不定詞の受動態to be doneでは、toの矢印の先で主語が動作を受ける仕組みを解説しています。

中2で学ぶ文法の全体像と復習順は、中2英文法一覧|大人が英会話のために学び直す順番で確認できます。

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forget doingとforget to doの違い|「したことを忘れる」と「するのを忘れる」を例文解説 - 聴ける×話せるに特化した英語コーチング|be:RIZE(ビーライズ)

[…] forget to do は、これからする予定・義務だった行動を忘れたため、実行しなかったことを表します。to不定詞のコアイメージは「これから先への矢印」。その矢印の先にある行動へ進めなかった、と考えると自然です。 […]

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