It is important for you to practice.のpracticeをするのは誰でしょうか。文全体の主語は形式主語のitですが、練習するのはyouです。このように、不定詞や動名詞の中の動作を実際に行う人・物を意味上の主語と呼びます。
不定詞の意味上の主語は主にfor+人、動名詞の意味上の主語は所有格または目的格を動作の直前へ置いて示します。形だけを別々に暗記せず、「その小さな動作を誰がするのか」を明らかにする仕組みとして捉えると整理できます。
しゅみすけ
「意味上の主語」という名前は難しく見えますが、確認することは一つです。文の中に埋め込まれたto doやdoingを見つけ、「この動きをするのは誰?」と尋ねてください。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
意味上の主語とは?
普通の文では、主語と動詞の関係がそのまま見えます。
- Tom speaks English.
Tomが英語を話します。
ところが、動詞をto不定詞や動名詞に変えて別の文へ組み込むと、その動作には文法上の主語が付かないように見えます。
- It is important for Tom to speak English.
- I appreciate Tom’s speaking English.
どちらもspeakの動作主はTomです。文全体の主語とは別に、to doやdoingの内部で主語に相当するため「意味上の主語」と呼ばれます。

意味上の主語を明示しない場合
意味上の主語が文脈から明らかな場合は、わざわざ示しません。主に次の3パターンがあります。
1.文全体の主語と同じ
- I want to leave.
私は帰りたいです。 - She enjoys cooking.
彼女は料理を楽しみます。
leaveするのはI、cookするのはsheです。主語が同じなので、別に示す必要がありません。
2.一般の人を指す
- It is difficult to learn a language in a month.
1か月で言語を習得するのは難しいです。
特定の誰かではなく、一般に人が行うこととして述べています。
3.文脈から分かる
- Thank you for helping me.
手伝ってくれてありがとうございます。
会話の相手がhelpしたことは明らかなので、your helpingと明示しなくても伝わります。
不定詞の意味上の主語|for+人+to do
to不定詞の動作主を明示する基本形は、for+人+to doです。
- It is important for you to rest.
あなたが休むことは大切です。 - This book is easy for children to read.
この本は子どもが読むのに簡単です。 - We waited for the rain to stop.
私たちは雨が止むのを待ちました。 - There is no need for you to apologize.
あなたが謝る必要はありません。
forは、to doという動作を誰に割り当てるか、その対象を示しています。「youにとって」だけで訳そうとせず、forの直後の人・物がto doすると構造を捉えます。
for+人+to doを使う代表的な形
It is+形容詞+for 人 to do
- It is difficult for me to explain this.
私がこれを説明するのは難しいです。 - It is necessary for everyone to attend.
全員が出席する必要があります。
difficultやnecessaryは、人柄ではなくto doという行為・状況を評価しています。
名詞+for 人 to do
- It’s time for us to go.
私たちが行く時間です。 - I found a place for the children to play.
子どもたちが遊ぶ場所を見つけました。
動詞+for 人 to do
- I arranged for a taxi to pick us up.
タクシーが迎えに来るよう手配しました。 - We are waiting for him to arrive.
私たちは彼が到着するのを待っています。
to不定詞の基本3用法は、to不定詞とは?で全体を確認できます。
of+人+to doを使う場合|人の性質を評価する
It is+人の性質を表す形容詞+of 人+to doでは、forではなくofを使います。
- It was kind of you to help me.
手伝ってくれるとは、あなたは親切でした。 - It was careless of him to leave the door open.
ドアを開けたままにするとは、彼は不注意でした。 - It is wise of you to ask for advice.
助言を求めるとは、あなたは賢明です。
ここではkind、careless、wiseがto doという行為を通して人の性質を評価しています。
| 形 | 評価するもの | 例 |
|---|---|---|
| for 人 to do | 行為・状況 | It is difficult for me to do. |
| of 人 to do | その人の性質 | It is kind of you to do. |
「形容詞のあとだからfor」と機械的に決めず、その形容詞が行為を評価するのか、人柄を評価するのかを見ます。形式主語との関係は形式主語itとは?で詳しく解説しています。
目的格+to doが意味上の主語になる形
want、tell、allowなどの後ろでは、動詞+人+to doの「人」がto doの意味上の主語になります。
- I want him to come.
私は彼に来てほしいです。 - She told me to wait.
彼女は私に待つよう言いました。 - They allowed us to enter.
彼らは私たちが入ることを許可しました。 - I expected the meeting to end early.
私は会議が早く終わると思っていました。
himはwantの目的語であると同時に、comeする人です。一つの語が、外側の文と内側の動作をつなぐ役割を持っています。
動名詞の意味上の主語|所有格+doing
動名詞の動作主を明示する正式な基本形は、所有格+doingです。
- I appreciate your helping me.
あなたが手伝ってくれたことに感謝します。 - Do you mind my opening the window?
私が窓を開けても構いませんか。 - We were surprised at Tom’s winning the race.
私たちはトムがレースに勝ったことに驚きました。 - Her being late caused a problem.
彼女が遅れたことが問題を起こしました。
helping、opening、winningを「行為のかたまり」として置き、その行為の持ち主をyour、my、Tom’sで示す感覚です。動名詞の基本は英語の動名詞とは?をご覧ください。
目的格・普通格+doingも会話ではよく使う
現代英語、とくに会話では、所有格の代わりに目的格+doingや名詞+doingも広く使われます。
- I appreciate you helping me.
- Do you mind me opening the window?
- We were surprised at Tom winning the race.
所有格は「その行為」に焦点を当てる、目的格・普通格は「その人がその動作をしている場面」にも意識が向きやすい、と説明されます。ただし実際には両方が使われ、特に会話では目的格が自然なことも多くあります。
| 形 | 傾向 | 例 |
|---|---|---|
| 所有格+doing | 正式・書き言葉でも使いやすい | your coming |
| 目的格+doing | 会話で一般的 | you coming |
| 名詞+doing | 人名・普通名詞で自然 | Tom coming |
所有格を使いにくい場合
長い名詞句や無生物、複数の語を含む主語では、所有格にせず普通の形を置くことがあります。
- I was surprised at so many people arriving early.
とても多くの人が早く到着したことに驚きました。 - There is little chance of the plan succeeding.
その計画が成功する可能性はほとんどありません。 - We objected to the price being increased.
私たちは価格が引き上げられることに反対しました。
「動名詞の意味上の主語は必ず所有格」とすると、実際の英語から離れてしまいます。学校問題では所有格を基本としつつ、自然な会話や長い名詞句では別の形も使われると理解しましょう。
英文を読むときは、to doやdoingを小さな動画だと思ってください。その直前に人・物が置かれていたら、動画の出演者である可能性があります。「誰が動いている映像か」を確認すると、長い主語や目的語も切り分けやすくなります。
不定詞と動名詞の意味上の主語を比較
| 不定詞 | 動名詞 | |
|---|---|---|
| 基本形 | for+人+to do | 所有格/目的格+doing |
| 例 | for Tom to speak | Tom’s speaking / Tom speaking |
| ofを使う形 | 人の性質を評価するとき | 前置詞ofの後ろに置かれる場合がある |
| 共通点 | 埋め込まれた動作を誰がするか示す | |
to doはこれから動作へ向かう矢印、doingは動作を一つの対象として置く形です。この違いは不定詞と動名詞の使い分けでも整理しています。
よくある間違い
- × for he to come:前置詞forの後ろなので○ for him to come。
- forとofを日本語訳だけで選ぶ:行為の評価ならfor、人の性質ならofです。
- × I want for him to come:wantの基本形はI want him to come.です。
- 動名詞の前は必ず所有格と考える:正式な基本ですが、会話では目的格も一般的です。
- 文全体の主語と意味上の主語を混同する:It is important for you to rest.の文法上の主語はit、restするのはyouです。
意味上の主語を見分ける3ステップ
- to do・doingを見つける
文に埋め込まれた小さな動作を切り出します。 - 「誰がする?」と尋ねる
文全体の主語と同じか、一般の人か、別の人かを考えます。 - 直前の形を確認する
for/of+目的格、動詞+目的格、所有格/目的格+doingを見分けます。
よくある質問
Q. 意味上の主語と文法上の主語の違いは?
文法上の主語は文全体の時制を持つ動詞に対応します。意味上の主語は、不定詞・動名詞など時制を持たない動詞由来の表現の動作主です。
Q. for 人 to doとof 人 to doはどう見分けますか?
形容詞が行為・状況を評価するならfor、人の性格や態度を評価するならofです。It is difficult for you …、It is kind of you …と比較します。
Q. 動名詞の意味上の主語は所有格と目的格のどちらですか?
伝統的・正式な基本は所有格ですが、会話では目的格も広く使われます。試験では設問の基準に従い、実用では文体と自然さで選びます。
Q. 意味上の主語を省略できるのはいつですか?
文全体の主語と同じ場合、一般の人を指す場合、会話の文脈から明らかな場合です。別の人が動作するため誤解が生じるなら明示します。
まとめ|小さな動作の「出演者」を確認する
- 意味上の主語は、不定詞・動名詞の動作を実際に行う人・物
- 不定詞の基本はfor+人+to do
- 人の性質を評価する形容詞ではof+人+to do
- want 人 to doなどでは目的格がto doの動作主になる
- 動名詞では所有格+doingが正式な基本
- 会話では目的格+doingや名詞+doingも広く使われる
「意味上」という用語に構えず、to doやdoingを一つの小さな場面として切り出し、その場面で誰が動くのかを確認しましょう。文法全体の位置づけは高校英文法一覧から確認できます。
be:RIZEでは、文法用語を覚えるだけでなく、誰が・何を・どの順番で伝えるかを整理し、自分の話を英語で組み立てる練習を行います。
英文の中に小さな動作が入ったら、まずその「出演者」を見つけてみてください。






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