To be honest, I was nervous.
正直に言うと、私は緊張していました。
Needless to say, the plan failed.
言うまでもなく、その計画は失敗しました。
このように、to不定詞を文全体へのコメントとして使う表現を独立不定詞と呼びます。学校英文法では定型表現として覚えることが多いため、to be honest / to tell the truth / so to speakなどが、それぞれ独立した熟語に見えるかもしれません。
しかし、共通する仕組みがあります。
話し手が本文の外側へ一歩出て、「これからどんな姿勢・言い方で伝えるか」をto不定詞で示す。
つまり独立不定詞は、文の中の一語だけを説明するのではなく、話し手の視点から文全体を包む「コメントの枠」です。
この記事では、独立不定詞の意味・普通のto不定詞との違い、会話や読解でよく使う表現を例文で解説します。
独立不定詞は、本文で起きる動作を足す表現ではありません。話し手がいったん本文の外へ出て、「正直に言うと」「言い換えると」「まず初めに」と、これからの伝え方を先に設定します。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
独立不定詞とは?文全体に話し手のコメントを加える表現
独立不定詞とは、to不定詞が文中の特定の語に直接つながらず、文全体を修飾して話し手の態度・評価・話の進め方を示す表現です。
To tell the truth, I don’t like the idea.
実を言うと、私はその案が好きではありません。
このto tell the truthは、主節のlikeの目的や結果を表しているわけではありません。「これから本当のことを言う」という発言姿勢を先に示し、後ろの文全体へかかっています。
文頭で使う場合は、通常、独立不定詞の後ろにカンマを置きます。文末へ置かれることもあります。
- To be honest, I forgot about it.
正直に言うと、そのことを忘れていました。 - I don’t agree with him, to be honest.
正直に言うと、私は彼に賛成ではありません。
独立不定詞が「独立」と呼ばれる理由
普通のto不定詞は、文の骨格や特定の語とつながります。
- I want to leave.
私は帰りたいです。― wantの内容 - I went outside to call her.
彼女へ電話するため外へ出ました。― wentの目的 - I need something to drink.
何か飲むものが必要です。― somethingを説明
一方、独立不定詞は主節の動詞・名詞などに直接従属せず、文全体へ話し手のコメントを加えます。
To be frank, your proposal needs more work.
率直に言うと、あなたの提案にはさらに改善が必要です。
to be frankを取り除いても、Your proposal needs more work.という文の骨格は完成しています。独立不定詞は、その完成した内容を「率直に言う」という枠に入れています。

なお、独立不定詞にも意味上の主語があります。多くの場合、それは文中に書かれていない話し手、または一般の人です。意味上の主語そのものは、不定詞・動名詞の意味上の主語で詳しく解説しています。
独立不定詞のコアイメージ|本文の外から話す方向を示す
to不定詞のtoは、これからの動作へ意識を向ける矢印です。独立不定詞では、その矢印が本文中の人物の動作ではなく、話し手がこれから行う「言う・認める・始める・言い換える」などの発話行為へ向かいます。
To put it simply, we need more time.
簡単に言えば、私たちにはもっと時間が必要です。
英語の処理順では、次のようになります。
To put it simply(これから簡単な形で言う)→ we need more time(本文)
日本語では「簡単に言えば」を本文の前置きとして処理しますが、英語でも話し手が先に発言モードを設定してから本文へ入っています。
to不定詞全体の仕組みは、to不定詞とは?3用法を「未来へ向かう矢印」で理解するもあわせてご覧ください。
独立不定詞の代表表現一覧
| 表現 | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
| to be honest | 正直に言うと | 本音を示す |
| to tell the truth | 実を言うと | 事実・本心を切り出す |
| to be frank | 率直に言うと | 遠慮せず評価する |
| to be sure | 確かに・なるほど | 一度認める |
| to begin with | まず第一に・そもそも | 話の出発点を置く |
| needless to say | 言うまでもなく | 当然の内容を示す |
| strange to say | 不思議なことに | 話し手の評価を添える |
| so to speak | いわば | 比喩的な言い方を示す |
| to put it another way | 言い換えると | 表現を組み直す |
| to make matters worse | さらに悪いことに | 悪化する情報を加える |
| not to mention | 〜は言うまでもなく | 追加情報を強調する |
本音・率直さを示す独立不定詞
to be honest|正直に言うと
To be honest, I’m not ready yet.
正直に言うと、まだ準備ができていません。
日常会話で非常によく使われます。相手にとって予想外かもしれない本音や、少し言いにくい内容を出す前のクッションにもなります。
ただし、毎回使うと「普段は正直ではないのか」という印象を与える場合もあります。単なる口癖ではなく、本音へ切り替える場面で使うと自然です。
to tell the truth|実を言うと
To tell the truth, I already knew about it.
実を言うと、私はすでにそのことを知っていました。
to be honestと近い表現ですが、to tell the truthは隠していた事実や、ここで明かす情報を切り出す響きが出やすくなります。
to be frank|率直に言うと
To be frank, this isn’t good enough.
率直に言うと、これは十分な出来ではありません。
frankは、遠慮せず率直に評価を伝える姿勢です。日常的なto be honestより硬く、内容によっては強く響くため、仕事では後ろの言い方を和らげる配慮も必要です。
話の順序・言い換えを示す独立不定詞
to begin with|まず第一に・そもそも
To begin with, we need to define the goal.
まず初めに、目標を定義する必要があります。
話や議論の出発点を示します。また、問題の前提へ戻る「そもそも」という意味でも使われます。
We shouldn’t have accepted the offer to begin with.
そもそも、私たちはその提案を受けるべきではありませんでした。
to put it simply|簡単に言えば
To put it simply, the cost is too high.
簡単に言えば、費用が高すぎます。
putには、内容をある形・場所へ置く感覚があります。複雑な内容を単純な言葉の形へ置き直してから本文を伝えます。
putの感覚は、putのコアイメージと使い方で詳しく確認できます。
to put it another way|別の言い方をすると
To put it another way, we need a new strategy.
別の言い方をすると、新しい戦略が必要です。
同じ内容を別の角度・言葉で置き直す表現です。説明が伝わっていないと感じたときにも使えます。
評価・追加情報を示す独立不定詞
needless to say|言うまでもなく
Needless to say, safety comes first.
言うまでもなく、安全が最優先です。
本来はIt is needless to say that …に近い内容を短くした定型表現です。「わざわざ言う必要がないほど当然だ」という話し手の評価を本文へ加えます。
strange to say|不思議なことに
Strange to say, nobody noticed the mistake.
不思議なことに、誰もその間違いに気づきませんでした。
話し手が後ろの出来事を「不思議だ」と評価します。現代の会話ではStrangely enoughもよく使われます。
to make matters worse|さらに悪いことに
To make matters worse, it started to rain.
さらに悪いことに、雨が降り始めました。
すでに悪い状況があり、次の情報によって状況がさらに悪い状態になることを示します。make+目的語+形容詞の骨格も含まれています。
not to mention|〜は言うまでもなく
The hotel was expensive, not to mention noisy.
そのホテルは高いうえに、うるさかったことは言うまでもありません。
前に述べた内容へ、さらに重要・明白な情報を追加します。文中や文末で使われることが多く、後ろには名詞・形容詞・動名詞なども置けます。
比喩的な言い方を示すso to speak
He is the brain of the team, so to speak.
彼はいわばチームの頭脳です。
so to speakは、「そのように言うなら」「いわば」という意味です。文字どおりではない比喩や、完全には正確でないものの分かりやすい呼び方を使ったことを示します。
She opened the door to a new career, so to speak.
彼女はいわば、新しいキャリアへの扉を開きました。
話し手が自分の表現を一歩引いて眺め、「これは比喩としての言い方です」と後から枠を付けています。そのため文末に置かれることも多い表現です。
独立不定詞と文修飾副詞の共通点
独立不定詞は、文全体へ話し手の態度を加える点で、honestly / frankly / fortunately / strangelyなどの文修飾副詞と似ています。
| 独立不定詞 | 副詞表現 | 意味 |
|---|---|---|
| To be honest, … | Honestly, … | 正直に言うと |
| To be frank, … | Frankly, … | 率直に言うと |
| Strange to say, … | Strangely enough, … | 不思議なことに |
ただし、常に完全に同じニュアンスではありません。to不定詞の形は「これからこの姿勢で言う」という発話行為を感じさせ、副詞は話し手の態度をより短く添えます。
副詞が文全体へかかる仕組みは、英語の副詞とは?動きや説明に情報を足す言葉でも整理しています。
独立不定詞を使うときは、本文の前に小さな標識を置く感覚です。「ここから本音です」「別の言葉で言います」「これは比喩です」と先に知らせるので、聞き手は後ろの内容を受け取りやすくなります。
しゅみすけ
独立不定詞で間違いやすいポイント
文頭ではカンマを置く
独立不定詞を文頭へ置く場合は、コメント部分と本文の境界を示すため、通常はカンマを置きます。
- ○ To be honest, I disagree.
- △ To be honest I disagree.
会話では間に自然なポーズも入ります。
toの後ろは動詞の原形
- ○ To tell the truth, …
- × To told the truth, …
- × To telling the truth, …
定型表現でも、to不定詞の基本であるto+動詞の原形は変わりません。
硬さと場面を確認する
to be honestは日常会話でも自然ですが、needless to say / strange to say / to be sureなどは文章的に感じられる場合があります。会話では、honestly / of course / strangely enoughなどの言い換えも選択肢です。
会話で使いやすい独立不定詞の例文
- To be honest, I’m a little tired.
正直に言うと、少し疲れています。 - To tell the truth, I’ve never tried it.
実を言うと、一度も試したことがありません。 - To put it simply, we need help.
簡単に言えば、私たちには助けが必要です。 - To begin with, let’s check the schedule.
まず、予定を確認しましょう。 - It was a fresh start, so to speak.
それはいわば、新たな出発でした。 - To make matters worse, my phone died.
さらに悪いことに、携帯電話の充電が切れました。
まずはTo be honest, …とTo put it simply, …を、自分の話へつなげるところから始めると実用的です。
まとめ|独立不定詞は話し手が本文の外から置く標識
独立不定詞は、to不定詞が特定の語ではなく、文全体へかかる表現です。
- 話し手の態度・評価・話の進め方を示す
- 文の骨格から独立し、取り除いても主節は成立する
- 意味上の主語は、多くの場合、書かれていない話し手
- toが、これから行う発話・評価・言い換えへ矢印を向ける
- 文頭では通常、後ろにカンマを置く
To be honestやso to speakを個別の熟語として覚えるだけでなく、話し手が本文の外側から、後ろの文の受け取り方を先に示していると捉えてみてください。初めて見る独立不定詞も、文全体へのコメントとして理解しやすくなります。
不定詞を含む学校英文法全体の位置づけは、高校英文法一覧で確認できます。
be:RIZEでは、文法用語を増やすだけでなく、自分が伝えたい場面から英語の骨格を作り、必要な情報を順番に足す練習を行います。






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