しゅみすけ(大山俊輔)
tellも、日本語訳をいくつも暗記するより、“中心にあるひとつの感覚”をつかむほうが会話で応用できます。僕自身、YouTubeでも一貫して、基本動詞をコアイメージから捉える方法を発信しています。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
目次
- tellのコアイメージは「人へ情報を届け、分からせる」
- tell+人+内容:誰に何を伝えたのか
- tell someone thatとtell someone to doの違い
- tell the truth・tell a storyは「情報のまとまり」を届ける
- I can tell. が「私には分かる」になる理由
- tell the difference・tell apart・tell fromも同じ
- Time will tell. は「時間が答えを明らかにする」
- tell on someoneは「悪事をしかるべき人に伝える」
- tellとteachの違い:情報を渡すか、できる状態まで育てるか
- sayとtellの違いは「言葉」か「受け手」か
- 動画でsay・tell・speak・talkの違いを確認
- 3分でできるtellの練習
- まとめ:tellは「相手が分かるところ」まで見る
tellのコアイメージは「人へ情報を届け、分からせる」
tellは、単に声を出す動詞ではありません。話し手の持っている情報を受け手まで運び、受け手の頭の中に入れる動詞です。
tell+人+内容:誰に何を伝えたのか
tellの基本形は、tell+人+内容です。 Tell me your name. あなたの名前を教えて。 Can you tell me the way to the station? 駅までの道を教えてくれますか。 He told me the answer. 彼は私に答えを教えてくれた。 学校文法では「第4文型」と呼ばれる形ですが、名前を覚えるより、人に情報を手渡す絵を持つほうが使いやすいです。第4文型全体の動詞・例文・書き換えは、第4文型SVOOとは?人にもの・情報を渡す骨格で整理しています。 内容が文になる場合は、thatを使います。 She told me that she was leaving. 彼女は私に、もう帰ると伝えた。 会話ではthatが省略され、She told me she was leaving. となることもよくあります。thatが見えなくても、「meに“she was leaving”という情報が届いた」と捉えれば、構造を見失いません。tell someone thatとtell someone to doの違い
tellの後ろにthat節が来る形と、to doが来る形。この2つはよく混同されます。 I told him that the door was open. 私は彼に、そのドアが開いていると伝えた。 I told him to open the door. 私は彼に、そのドアを開けるように言った。 tell+人+that…で届けるのは「情報」です。一方、tell+人+to doで届けるのは「指示」です。 ただし、コアイメージは同じです。指示も、相手に届けて終わりではなく、相手を行動へ向かわせる情報だと考えればいい。 My coach told me to slow down. コーチは私に、ゆっくり話すように言った。 Tell her not to worry. 彼女に心配しないよう伝えて。 否定の指示はtell+人+not to doです。日本語の語順に引っ張られて、notの場所を迷いやすいので、このまとまりで覚えておくと便利です。tell the truth・tell a storyは「情報のまとまり」を届ける
tellの後ろには、ある種の「情報パッケージ」がよく来ます。- tell the truth:真実を話す
- tell a lie:うそをつく
- tell a story:物語を話す
- tell a joke:冗談を言う
- tell a secret:秘密を話す
I can tell. が「私には分かる」になる理由
I can tell. を「私は言うことができる」と訳すと、しっくりきません。ここでのtellは、目の前の表情、声、状況などが、こちらに情報を届けてくれている感覚です。 I can tell you’re tired. 疲れているのが分かるよ。 I could tell something was wrong. 何かがおかしいと分かった。 相手が直接「疲れています」と言わなくても、表情や声が手がかりになります。その手がかりから情報を受け取り、見抜ける。だからcan tell=判断できる、見分けられるになるんです。 Can you tell? 分かる?/見分けられる? これも「言える?」ではなく、文脈によって「違いが分かる?」「気づいた?」という意味になります。tell the difference・tell apart・tell fromも同じ
「見分ける」を表すtellも、別の意味を丸暗記する必要はありません。 I can’t tell the difference. 違いが分からない。 Can you tell the twins apart? その双子を見分けられる? It’s hard to tell real leather from fake leather. 本革と合皮を見分けるのは難しい。 違いという情報が自分に届き、認識できるかどうか。それを表しているのがtellです。- tell the difference:違いを認識する
- tell A and B apart:AとBを別々のものとして見分ける
- tell A from B:AをBと区別する
Time will tell. は「時間が答えを明らかにする」
Time will tell. は会話でもよく使われる表現です。 直訳すると「時間が伝える」。つまり、今は分からない答えを、時間の経過がこちらへ届けてくれるということです。 Will this plan work? Time will tell. この計画はうまくいくのか。いずれ分かるよ。 自然な日本語なら「時間がたてば分かる」「結果を見れば分かる」です。 Only time will tell. それは時間がたたないと分からない。 主語が人でなくtimeでも、「隠れている情報を明らかにし、こちらに届ける」というtellらしさは残っています。tell on someoneは「悪事をしかるべき人に伝える」
tell on someone は、誰かの悪事やルール違反を先生、親、上司などに告げ口する表現です。 I’m going to tell on you. 先生に言いつけるからね。 onは「その人に関する不利な情報」という感覚。日本語の「言いつける」に近く、少し子どもっぽい場面でもよく使われます。tellとteachの違い:情報を渡すか、できる状態まで育てるか
「教える」と訳せるため、tellとteachも迷いやすい組み合わせです。 tellは、情報を相手に渡すことです。 Tell me your phone number. 電話番号を教えて。 teachは、知識や技能を身につけられるように教えることです。 She taught me how to swim. 彼女は私に泳ぎ方を教えてくれた。 電話番号や答えは、一度情報を渡せば成立します。一方、泳ぎ方や英語は、説明、練習、修正を重ね、相手ができる状態へ近づけていくものです。 情報を届けるならtell。学べる・できる状態へ育てるならteach。 この区別が分かりやすいでしょう。sayとtellの違いは「言葉」か「受け手」か
sayとtellは、どちらも日本語では「言う」になりやすい動詞です。ただ、英語が注目している場所が違います。- say:どんな言葉・内容が口から出たか
- tell:誰に情報を届け、分からせたか
動画でsay・tell・speak・talkの違いを確認
say、tell、speak、talkの違いは、動画では次のように整理しています。- say:言葉そのもの
- tell:情報を相手に伝える
- speak:声を出して話す、言語を話す
- talk:相手との双方向の会話
3分でできるtellの練習
最後に、訳を覚えるのではなく、tellの感覚を自分で使う練習をしてみましょう。1.「誰に?」を足す
次の情報を、誰かへ届ける英文にします。- the truth → Tell me the truth.
- the answer → Can you tell me the answer?
- I’m busy → I told her that I was busy.
2.情報か指示かを選ぶ
事実を伝えるならthat、相手に行動してほしいならto doです。- 「彼に会議は10時だと伝えた」 I told him that the meeting was at ten.
- 「彼に10時に来るよう伝えた」 I told him to come at ten.
3.目の前の手がかりからI can tellを使う
相手の表情、声、天気などを見て、分かることを言います。 I can tell you’re nervous. I can tell it’s going to rain. 「tell=言う」と日本語へ変換するより、情報が誰かの認識へ届く瞬間を浮かべてください。数日繰り返すと、tellの後ろに人を置く感覚も自然になってきます。まとめ:tellは「相手が分かるところ」まで見る
tellのコアイメージは、「人へ情報を届け、相手の認識に入れる」です。- tell me:私に情報を届ける
- tell someone that:人に事実・内容を伝える
- tell someone to do:人に指示を届け、行動を促す
- tell the truth/a story:情報のまとまりを伝える
- I can tell:手がかりから情報を受け取り、分かる
- Time will tell:時間が答えを明らかにする
情報を言葉で届けるtellと、物・道・方法を見える形で示すshowの違いはshowのコアイメージもあわせてご覧ください。
日本語の「説明する」に近い動詞まで広げて比べたい方は、explain・describe・tellの違いもあわせてご覧ください。



