強調構文とは、文の中で特に伝えたい情報を前へ取り出し、そこだけにスポットライトを当てる表現です。基本の形は It is/was + 強調したい部分 + that(人ならwhoも可)+ 残り。日本語では「〜なのは…だ」「まさに…だ」などと訳せますが、訳語を暗記するより、通常文の一部を切り出す仕組みとして捉えると理解しやすくなります。
しゅみすけ
「強調」と聞くと、声を大きく読むイメージがありますよね。でも強調構文の本質は、文の一部を特設ステージへ移すことです。まず普通の文を作り、目立たせたい情報だけを It is … that … の照明の下へ置いてみましょう。
この記事では、強調できる部分、元の文への戻し方、形式主語との違い、疑問文や否定文まで、英会話で使える感覚を例文とともに整理します。高校英文法を全体から確認したい方は、先に高校英文法一覧もご覧ください。

強調構文とは?文の一部をスポットライトへ移す形
まず、次の通常文を見てみましょう。
My sister met Tom at the station yesterday.
姉は昨日、駅でトムに会いました。
この文には「誰が」「誰に」「どこで」「いつ」という複数の情報があります。強調構文では、その中から今いちばん伝えたい部分を選びます。
- It was my sister that met Tom at the station yesterday.
昨日、駅でトムに会ったのは姉でした。 - It was Tom that my sister met at the station yesterday.
姉が昨日、駅で会ったのはトムでした。 - It was at the station that my sister met Tom yesterday.
姉が昨日トムに会ったのは駅でした。 - It was yesterday that my sister met Tom at the station.
姉が駅でトムに会ったのは昨日でした。
起きた出来事そのものは同じです。変わるのは、話し手が聞き手にどの情報を中心として見てほしいかです。
強調構文の作り方|3つの手順
1.まず通常の文を確認する
I bought this bag in London.
私はロンドンでこのバッグを買いました。
2.強調したい部分を選ぶ
たとえば、買った「場所」である in London を目立たせます。
3.It is/was … that … の間へ置く
It was in London that I bought this bag.
私がこのバッグを買ったのはロンドンでした。
過去の出来事なら通常は It was、現在の事実なら It is を使います。強調部分を抜いた「残り」が that の後ろに続きます。
コアイメージ
通常文:I bought this bag in London.
スポットライト:It was in London that I bought this bag.
強調できるのは主語・目的語・副詞表現
主語を強調する
Ken broke the window.
ケンが窓を割りました。
It was Ken that broke the window.
窓を割ったのはケンでした。
人を強調するときは who も使えます。
It was Ken who broke the window.
目的語を強調する
I need your advice.
私はあなたの助言が必要です。
It is your advice that I need.
私に必要なのはあなたの助言です。
場所・時間・理由などを強調する
We first met in 2018.
It was in 2018 that we first met.
私たちが初めて会ったのは2018年でした。
I left early because I felt sick.
It was because I felt sick that I left early.
私が早く帰ったのは、体調が悪かったからです。
副詞や前置詞句は、出来事の「いつ・どこで・なぜ」を舞台として切り出せます。
強調構文の見分け方|元の文へ戻してみる
It is … that … を見ただけでは、強調構文かどうか判断しにくいことがあります。その場合は次のように確認します。
- It is/was と that を外す
- 強調部分を that 以下の空いている位置へ戻す
- 自然で完全な文になるか確認する
It was this book that Emma recommended.
外枠を外して this book を戻すと、Emma recommended this book. という完全な文になります。したがって、これは強調構文です。
形式主語のIt is … that …との違い
形が似ているため、強調構文と形式主語はよく混同されます。
強調構文
It was yesterday that he called me.
彼が私に電話したのは昨日でした。
外枠を外すと、He called me yesterday. という通常文に戻せます。
形式主語
It is true that he called me.
彼が私に電話したのは本当です。
この It は、後ろの that 節をいったん受ける仮の主語です。that he called me is true が意味上の土台で、yesterday のような文の一部を切り出したものではありません。
| 形 | 強調構文 | 形式主語 |
|---|---|---|
| 役割 | 文の一部を目立たせる | 長い主語を後ろへ置く |
| 確認法 | 外枠を外すと通常文へ戻る | that節全体が本当の主語 |
| 例 | It was Tom that I met. | It is clear that Tom lied. |
to不定詞を後ろへ置く形式主語については、to不定詞の基本と3用法も参考にしてください。
強調構文の疑問文・否定文
疑問文
be動詞を It の前へ出します。
Was it Tom that called you?
あなたに電話したのはトムだったのですか?
Who was it that called you?
あなたに電話したのはいったい誰でしたか?
Where was it that you met her?
あなたが彼女に会ったのはどこでしたか?
否定文
be動詞の後ろに not を置きます。
It wasn’t Tom that called me.
私に電話したのはトムではありませんでした。
否定によって「そこではなく、別の情報だ」という対比が生まれます。
強調構文と強調のdoは別の仕組み
I do understand you. の do も「本当に分かっています」と意味を強めますが、これは強調構文ではありません。
- It was your point that I understood.
私が理解したのは、あなたの論点でした。 - I did understand your point.
私はあなたの論点を本当に理解していました。
It is … that … はどの情報かを選ぶ形、強調の do は動作や事実そのものを肯定する形です。
英会話では「訂正・対比」で使うと自然
強調構文は、何もないところで急に使うより、相手の思い込みを訂正したり、複数の候補から一つを選んだりする場面で自然です。
A: Did you meet Lisa in Paris?
パリでリサに会ったの?
B: No. It was in London that I met her.
ううん。彼女に会ったのはロンドンだよ。
A: Did Jack solve the problem?
ジャックが問題を解決したの?
B: Actually, it was Mia who solved it.
実は、解決したのはミアだったんだ。
つまり強調構文は、単に文を飾るためではなく、会話の焦点を聞き手と合わせるための道具です。
よくある間違い
that以下に強調した語を重ねてしまう
誤:It was Tom that I met him yesterday.
正:It was Tom that I met yesterday.
Tom はすでに前へ取り出されています。that 以下には、その位置を空けたまま残します。
動詞そのものをそのまま挟む
強調構文が主に切り出すのは名詞や副詞的な情報です。動作そのものを強く肯定したいなら、I do like it. のような do を検討します。
すべてを「まさに」と訳す
日本語では「〜なのは…だ」「…した場所は〜だ」など、文脈に合う自然な形で訳します。「まさに」を毎回入れる必要はありません。
強調構文の練習法
一つの通常文からスポットライトの位置を変える練習が効果的です。
Sarah sent me the email this morning.
- Sarah:It was Sarah who sent me the email this morning.
- the email:It was the email that Sarah sent me this morning.
- this morning:It was this morning that Sarah sent me the email.
日本語訳を暗記するのではなく、同じ出来事を保ったまま焦点だけを動かしてください。英語が「情報をどう配置する言語か」が見えやすくなります。
情報の焦点を動かす関連表現として、語順そのものを入れ替える仮定法の倒置|Had I known・Were I・Should youもあわせて確認すると、英語が「前に出した情報」へ注意を向ける仕組みが見えてきます。
まとめ|強調構文は情報のスポットライト
- 基本形は It is/was + 強調部分 + that/who + 残り
- 主語・目的語・場所・時間・理由などを切り出せる
- 外枠を外して通常文へ戻せるかが見分ける鍵
- 形式主語は、that節全体を後ろへ置く別の仕組み
- 英会話では訂正・対比・焦点合わせに役立つ
強調構文は難しい語順の例外ではありません。通常文という舞台はそのままに、「今、ここを見てほしい」という照明を一か所へ向ける構文です。まず短い文から、焦点を入れ替えて練習してみましょう。
強調構文についてよくある質問
thatはwhoに変えられますか?
人を強調するときは who を使えます。It was Lisa who helped me. のように表現できます。that も広く使われます。
現在の文でもwasを使いますか?
現在の事実なら基本的に is、過去の出来事なら was を使います。ただし、焦点を当てる基準となる時点や文脈によって選択されます。
強調構文は日常会話でも使いますか?
使います。特に「そこじゃなくてここ」「その人ではなくこの人」と訂正・対比するときに自然です。ただし、短い会話では語調だけで焦点を示すことも多いため、毎回この形を使う必要はありません。
that以下が不完全に見えるのはなぜですか?
強調した部分を元の文から前へ取り出しているからです。その位置が空所として残ります。強調部分を戻すと完全な通常文になります。
高校英文法全体の中で位置づけを確認するなら、高校英文法一覧|重要単元とおすすめ順へ戻って、前後の単元もつなげて学んでください。



