英語を話せるようになるには?勉強しても話せない人に必要な3つの練習

スマートフォンに英語を話しながら3段階の練習に取り組む社会人女性

「英語を話せるようになりたい。でも、何を練習すれば本当に話せるようになるのかわからない」

単語帳もやった。文法も勉強した。TOEICや英検にも挑戦した。それなのに、外国人を前にすると英語が出てこない。頭の中で日本語を英訳しようとしているうちに、会話が先へ進んでしまう。

これは、英語の知識が足りない人だけの悩みではありません。むしろ、真面目に勉強してきた社会人ほど、「知っているのに話せない」という壁にぶつかることがあります。

はじめまして。しゅみすけ(大山俊輔)です。僕は20年以上にわたり、大人の英語学習をサポートしてきました。現在は、聞ける・話せる力に特化した英語コーチング「be:RIZE」を運営しています。

最初に結論をお伝えします。

英語を話せるようになるために必要なのは、知識をさらに増やすことではなく、すでに知っている英語を「短い骨格」「コア単語」「自分の場面」の順番で動かす練習です。

この記事では、英語を勉強しているのに話せない人が、知識を実際の会話力へ変えるための3つの練習を、具体例とともに解説します。

英語を勉強しても話せないのは、能力不足ではない

英語を話せないと、多くの人は次のように考えます。

  • まだ単語力が足りない
  • 文法を完全に理解できていない
  • 発音が悪いから自信を持てない
  • もっと長時間勉強しなければいけない

もちろん、単語や文法の知識は必要です。しかし、知識の量と、会話の中で英語を使えることは同じではありません。

たとえば、自転車の乗り方を本で詳しく学び、ペダルの構造や重心移動を説明できても、それだけでは自転車に乗れません。実際にまたがり、バランスを崩し、少しずつ身体で調整する練習が必要です。

英会話も同じです。単語や文法を理解する学習は「説明を理解する練習」。会話の中で必要なのは「その場で取り出し、並べ、相手へ渡す練習」です。

つまり、話せない原因は、知識不足だけではなく、知識をリアルタイムで動かす回路を作っていないことにあります。

英語を全くできない状態から何を始めればよいか迷っている方は、先に「英語が全くできない社会人は何から始める?初心者向け5ステップ」をご覧ください。今回の記事は、その土台を「実際に口から出る英語」へ変える段階を扱います。

「知っている英語」と「使える英語」の違い

次の英文を見てください。

I had a busy day.

多くの学習者は、この文を見れば「今日は忙しい一日だった」という意味を理解できます。hadがhaveの過去形であることも、busyが「忙しい」という意味であることも知っています。

ところが、「今日はどんな一日でしたか?」と突然聞かれると、この簡単な一文が出てきません。

これは、知識がないからではありません。読むときには英文が先に提示されますが、話すときには、自分の中にある場面から英語を組み立てなければならないからです。

読むときは、英語から意味へ進みます。

英語 → 意味

一方、話すときは、場面や伝えたいことから英語へ進みます。

場面・意図 → 英語の骨格 → 単語 → 音

この逆方向の回路は、英文を読んだり、単語の日本語訳を暗記したりするだけでは十分に育ちません。そこで必要になるのが、これから紹介する3つの練習です。

練習1:短い「英語の骨格」を反射で出す

英語を話そうとしたとき、最初から長くて完璧な文章を作ろうとすると、頭の中の処理が止まります。

まずは、次のような短い骨格を使えるようにします。

  • I’m + 状態
  • I + 動詞
  • I + 動詞 + もの・人
  • I want to + 動詞
  • I think + 文

たとえば、「今日は仕事が忙しくて、昼食を食べる時間もなかった」と言いたいとします。

最初から日本語全体を英訳しようとすると、

「忙しかったは過去形で……昼食を食べる時間がなかったは、関係代名詞を使うのか……」

と、頭の中で文法パズルが始まります。

そうではなく、まず短い骨格を置きます。

  • I was busy today.
  • I had no time.
  • I skipped lunch.

一文で完璧に表現しなくても、短い文を順番に置けば意味は伝わります。

英会話は作文コンテストではありません。相手とリアルタイムで意味を共有する活動です。最初は、複雑な日本語を一文の英語に変換するのではなく、伝えたい映像を短い英語に分割することから始めてください。

骨格を反射に変える練習

次のように、同じ骨格の中身だけを入れ替えます。

  • I’m tired.
  • I’m hungry.
  • I’m ready.
  • I’m worried.
  • I’m excited.

次は、主語や時制を少し変えます。

  • She’s tired.
  • We’re ready.
  • I was worried.
  • They were excited.

大切なのは、例文を大量に覚えることではありません。「誰が=どんな状態」という配置を身体に馴染ませることです。

1つの骨格につき、自分に関係する文を5本作り、翌日に何も見ずに言ってみましょう。これだけでも、文法知識が会話の動きへ変わり始めます。

練習2:コア単語を「日本語訳」ではなく場面で動かす

英語を話せる人は、必ずしも難しい単語を次々と使っているわけではありません。日常会話では、get、have、take、make、go、come、putなどの基本単語が、さまざまな場面で繰り返し使われます。

ところが、日本の英語学習では、これらを日本語訳の一覧として覚えがちです。

  • get=手に入れる
  • have=持っている
  • take=取る
  • make=作る

この覚え方では、日本語と英語が一致しない場面に出会うたびに、新しい熟語として暗記しなければなりません。

たとえばgetを、「ある状態へ移る・変化する」という動きで捉えてみます。

  • get tired:疲れた状態になる
  • get better:より良い状態になる
  • get ready:準備ができた状態になる
  • get dark:暗い状態になる

共通する動きが見えれば、別々の日本語訳を検索せず、場面からgetを選びやすくなります。

コア単語を動かす「1語5場面」練習

1日に1つ、基本動詞を選びます。そして、その単語が使われる自分の場面を5つ作ります。

たとえばhaveなら、次のように広げられます。

  • I have a meeting today.
  • I have two brothers.
  • I had a good time.
  • I have a headache.
  • I have no idea.

この5文を日本語訳だけで覚えるのではなく、「自分のところに予定・関係・経験・症状・考えがある」という共通感覚で捉えます。

そして、自分の実生活に合わない文は書き換えてください。兄弟がいなければ、I have two cats.でも構いません。

単語を覚えるのではなく、自分の場面で何度も再利用する。これが、知っている単語を話せる単語へ変える練習です。

練習3:教材の英文を「自分の言葉」へ変える

英語教材の例文を繰り返し音読しても、そのままでは実際の会話で出てこないことがあります。

教材の英文は、他人の場面だからです。

たとえば、教材に次の文が出てきたとします。

I went to the museum with my sister last Sunday.

姉妹もいなければ、最近美術館にも行っていない人にとって、この文は覚えても使う機会がありません。

そこで、骨格は残し、中身を自分の生活へ変えます。

  • I went to a café with my friend yesterday.
  • I went to Yokohama with my husband last weekend.
  • I went shopping with my mother on Sunday.

さらに、質問と答えへ発展させます。

  • Where did you go last weekend?
  • I went to Yokohama.
  • Who did you go with?
  • I went with my husband.
  • How was it?
  • It was great.

こうすると、1つの教材英文が、自分について話す小さな会話セットに変わります。

おすすめは「自分化3段階」

  1. 一部を変える:人・場所・時間を自分に合わせる
  2. 情報を足す:理由、感想、次にしたことを短い文で加える
  3. 質問にする:相手にも同じ内容を尋ねる

英語を話せるようになるとは、何千もの完成文を暗記することではありません。少数の骨格と単語を使って、その場に必要な意味を組み立てられることです。

瞬間英作文は効果がない?使い方で役割が変わる

英語を話す練習として、瞬間英作文に取り組む人も多いでしょう。

瞬間英作文そのものが悪いわけではありません。短い英文の骨格を素早く出す練習としては役立ちます。

ただし、日本語を正確な英語へ変換するゲームだけになると、会話中も日本語の完成を待ち、それを英訳する癖が強くなることがあります。

おすすめは、次の順番です。

  1. 短い日本語から、基本骨格を確認する
  2. 同じ骨格で、自分に関係する英文を作る
  3. 最後は日本語を見ず、場面を思い浮かべて英語を出す

日本語は最初の補助輪として使い、少しずつ「場面から英語」へ移ります。

瞬間英作文で伸びる人とフリーズする人の違いについては、「瞬間英作文はやめたほうがいい?効果がない人の共通点」でも詳しく解説しています。

独り言英会話は「実況」と「再演」に分ける

独り言英会話も、話す力を育てる有効な練習です。しかし、「何でも自由に話そう」とすると、初心者は言いたいことが難しすぎて止まります。

そこで、独り言を2種類に分けます。

1.目の前を短く実況する

  • I’m making coffee.
  • It’s hot today.
  • I need my keys.
  • I’m waiting for the train.

見えているものや、今している動作を短い骨格で言います。難しい感想や長い説明は不要です。

2.今日あったことを再演する

実際に起きた短いやり取りを、あとから英語で再現します。

  • My coworker asked me a question.
  • I didn’t know the answer.
  • So I checked the document.

その場で言えなかった英語を、あとから作って言い直すことも立派な会話練習です。次に似た場面が来たとき、取り出せる可能性が高まります。

オンライン英会話は「練習場所」ではなく「実験場所」にする

話せるようになるために、いきなり毎日オンライン英会話へ入る人もいます。

もちろん、実際に人と話す経験は必要です。しかし、準備なしでレッスンへ行くと、毎回自己紹介と相づちだけで終わり、「今日も話せなかった」と落ち込むことがあります。

オンライン英会話は、ゼロから英語を教えてもらう場所というより、事前に練習した英語を試す実験場所として使うと効果的です。

レッスン前に、次の3つだけ準備します。

  1. 今日使いたい骨格を1つ決める
  2. 自分について話す英文を3〜5本作る
  3. 相手に聞きたい質問を2つ用意する

レッスン後は、言えなかったことを1つだけ言い直します。反省点を10個並べる必要はありません。

オンライン英会話で毎回へこんでしまう方は、「オンライン英会話でへこむ・続かない本当の理由」も参考にしてください。

1日30分でできるスピーキング練習メニュー

話す練習は、長時間まとめて行うより、短い骨格を何度も取り出す方が実践につながります。

時間 練習 目的
5分 前日に作った英文を何も見ずに言う 記憶から取り出す
10分 1つの骨格で5文作る 英語の配置を反射にする
10分 コア単語1語を5場面で使う 単語を場面と結ぶ
5分 今日の出来事を3文で話して録音する 自分の言葉として出す

録音を聞くときは、発音の細部をすべて直そうとせず、まず次の3点だけ確認してください。

  • 途中で止まらず、短く区切れているか
  • 伝えたい中心の動詞が入っているか
  • 次にもう一度言えば、少し楽に言えそうか

完璧さではなく、昨日より取り出しやすくなったかを見ます。

「話せるようになった」の基準を流暢さだけにしない

英語学習者は、「止まらず、間違えず、ネイティブのように話せること」を成功の基準にしがちです。

しかし実際の会話では、言い直す、聞き返す、簡単な表現へ変える、短い文に分けるといった力も重要です。

次の変化も、すべて立派な上達です。

  • 一文目が以前より早く出るようになった
  • 難しい単語が出なくても、簡単な表現で言い換えられた
  • 相手に質問を返せるようになった
  • 言えなかったことを、あとから英語で作り直せた
  • 間違えても会話を続けられた

英語を話せるようになる過程は、ある日突然ゼロから100へ飛ぶものではありません。短い英文が出る、少しつながる、相手の反応を受けて次を足せる。その小さな変化の積み重ねです。

まとめ:英語を話せるようになるための3つの練習

英語を話せるようになるために必要なのは、単語帳や文法書を捨てることではありません。そこで得た知識を、リアルタイムで使える形へ変えることです。

そのための3つの練習は、次の通りです。

  1. 短い英語の骨格を反射で出す
  2. コア単語を日本語訳ではなく、自分の場面で動かす
  3. 教材の英文を、自分の言葉へ変える

最初から長く、正確で、洗練された英語を話す必要はありません。

まずは今日の出来事を、I was busy.、I had a meeting.、I’m tired.のような短い3文で表してみてください。そして明日、何も見ずにもう一度言ってみましょう。

英語を話せる人と話せない人の違いは、才能ではなく、知識を何度「自分の場面」で取り出したかにあります。

be:RIZEでは、現在地や目的に合わせて学習の順番を設計し、骨格・コア単語・リスニング・スピーキングを別々にせず、「実際に使える英語」へつなぐサポートを行っています。詳しくは、be:RIZEのコーチングメソッドをご覧ください。

独学で何を練習すればよいか迷っている方は、まずしゅみすけの無料英語ウェビナーで、聞ける・話せる状態へ変わるための全体像を確認してみてください。

英会話を始めたいけれど最初の一歩が決まらない方は、大人初心者が英語を話せるようになるための5ステップも参考にしてください。

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