throughとacrossは、どちらも「一方から向こう側へ進む」ときに使われるため、違いがわかりにくい前置詞です。
- walk through the park
- walk across the park
どちらも「公園を通って歩く」と訳せます。しかし、話し手の頭の中にある景色は違います。
through=入口から入り、内部を通って出口へ抜ける
across=面・領域の端から反対側へ横切る
つまり、違いは「向こう側へ進むかどうか」ではなく、対象の内部を見ているか、表面・領域を見ているかです。この記事では、同じ場所をthroughとacrossで表したときの視点の違いを、図解と例文で整理します。
throughとacrossの違いを一覧で比較
| 比較 | through | across |
|---|---|---|
| コアイメージ | 内部を通り抜ける | 面・領域を横切る |
| 頭の中の矢印 | 入口→内部→出口 | 端→面・領域→反対側 |
| 注目点 | 中を進む過程 | 二つの側を結ぶ横断 |
| 典型的な対象 | トンネル・森・人混み | 道路・川・橋・広場 |
| 代表例 | through the tunnel | across the street |
| 抽象的な広がり | 時間・経験・過程 | 地域全体・伝達・遭遇 |
一番簡単な覚え方は、中ならthrough、面ならacrossです。ただし、対象そのものだけで機械的に決めるのではありません。同じ公園や部屋でも、話し手が内部と面のどちらに注目するかで使い分けが変わります。
throughは「内部を通り抜ける」
throughのコアイメージは、入口から入り、ある空間や過程の内部を進み、出口まで抜けることです。
We walked through the tunnel.
私たちはトンネルを通り抜けました。
トンネルには明確な入口・内部・出口があります。矢印がトンネルの内部に入り、その中を進んで外へ抜けるためthroughです。
She made her way through the crowd.
彼女は人混みをかき分けて進みました。
人混みも、話し手の頭の中では内部を持つ領域です。人と人の間を進む過程に注目しているためthroughになります。
acrossは「面・領域を端から端へ横切る」
acrossのコアイメージは、道路・川・部屋などを一つの面・領域として捉え、一方の端から反対側へ横断することです。
We walked across the street.
私たちは通りを横切りました。
道路の中を長く進むのではなく、こちら側から向こう側へ横断します。道路を挟んだ二つの側が意識されています。
They swam across the river.
彼らは川を泳いで渡りました。
水の内部にいることより、片岸から反対岸へ到達することが中心です。川という領域を端から端まで横切るためacrossです。
through the parkとacross the parkの違い
公園はthroughとacrossのどちらとも使えます。違いは、公園をどう見ているかです。
We walked through the park.
私たちは公園の中を通って歩きました。
木々・小道・花壇など、公園の内部を進む過程が感じられます。どこから出たかより、「公園の中を通った」ことが中心です。
We walked across the park.
私たちは公園を横切って歩きました。
公園のこちら側から向こう側へ、領域を横断したことが中心です。公園全体を一枚の面として見ています。
| 表現 | 話し手が見ているもの |
|---|---|
| through the park | 公園の入口・内部・出口と、内部を進む過程 |
| across the park | 公園の一方の端と反対側の端を結ぶ横断 |
through the forestとacross the forestの違い
We hiked through the forest.
私たちは森の中を通って歩きました。
木々に囲まれた内部へ入り、森の中を進み、外へ抜ける感覚です。森の密度や内部の体験が感じられるため、通常はこちらが自然です。
A road runs across the forest.
一本の道路が森を横断しています。
森を大きな領域として見て、道路が端から端まで横切っています。across the forestは不可能ではありませんが、森の内部を歩く人の移動ならthrough、森全体を横断する線やルートならacrossが伝わりやすくなります。
through the roomとacross the roomの違い
She walked through the room and into the kitchen.
彼女は部屋を通り抜けてキッチンへ入りました。
部屋が途中経路です。入口から部屋の内部へ入り、別の出口からキッチンへ抜けています。
She walked across the room to the window.
彼女は部屋を横切って窓のところへ行きました。
部屋の一方の側から、反対側にある窓まで移動しています。部屋を一つの面として横断する感覚です。
川ではthroughとacrossをどう使い分ける?
They swam across the river.
彼らは川を泳いで渡りました。
片岸から反対岸まで渡ったことが中心なのでacrossです。
The sunlight shone through the water.
日光が水を通り抜けました。
光が水という媒体の内部を通過しているためthroughです。対象がriverかwaterかだけで決まるのではなく、岸から岸への横断か、水の内部の通過かを見ます。
街・国・地域でのthroughとacrossの違い
We drove through the city.
私たちは街の中を車で通り抜けました。
建物や道路に囲まれた街の内部をルートに沿って進んでいます。
We drove across the city.
私たちは街を端から端まで車で横断しました。
街の一方の側から反対側へ移動したことが中心です。
The news spread across the country.
そのニュースは国中に広がりました。
国という領域の端から端まで広がるためacrossです。一方、We traveled through the country.なら、国内の複数の場所を通りながら旅をした内部の経路が感じられます。
抽象的な意味ではどう違う?
throughは時間・経験・過程の内部を通る
- through the night:夜という期間を初めから終わりまで
- go through a difficult time:困難な時期を経験する
- work through a problem:問題の過程を一つずつ進む
acrossは領域への広がり・遭遇・伝達
- across Japan:日本という領域全体に
- come across an old photo:進む途中で偶然出会う
- get the message across:メッセージを相手側まで届ける
throughは「過程の内部を最後まで進む」、acrossは「隔たりを横断して反対側まで届く」という違いが、抽象表現にも残っています。
throughとacrossを選ぶ3ステップ
- 向こう側へ進む動きがあるかを確認する
- 対象を入口と出口のある内部として見ているならthrough
- 対象を二つの側に挟まれた面・領域として見ているならacross
迷ったら、頭の中で矢印を描いてください。矢印が対象の中へ潜っていくならthrough、対象の面を横切るならacrossです。
throughとacrossの練習問題
- We walked ( through / across ) the tunnel.
- She ran ( through / across ) the street.
- He pushed his way ( through / across ) the crowd.
- A bridge stretches ( through / across ) the river.
- We walked ( through / across ) the room to the door on the other side.
答え:1.through 2.across 3.through 4.across 5.across
5番は、部屋の一方の側から反対側のドアまで横断するためacrossです。部屋がキッチンへ行く途中経路なら、walk through the room and into the kitchenのようにthroughが自然です。
動画で前置詞の違いをイメージ化する
しゅみすけのYouTubeでは、through・acrossを含む英会話でよく使われる前置詞Top50を、約4時間かけて図解しています。前置詞を日本語訳ではなく、話し手が見ている景色として理解したい方はこちらも活用してください。
違いがわかっても会話で選べないときは
throughとacrossの違いを説明できても、会話中に瞬時に選ぶには、英語を日本語へ訳してから判断する習慣を減らす必要があります。場面を見て、矢印をイメージし、そのまま英語を出す練習が欠かせません。
be:RIZEの英語コーチングでは、知識を教えて終わるのではなく、「なぜ知っているのに使えないのか」を分析し、リスニング・文の組み立て・発話練習までつなげます。自分に必要な練習がわからない方は、現在地を一緒に整理してみてください。
まとめ|中ならthrough、面ならacross
| through | across |
|---|---|
| 内部を通り抜ける | 面・領域を横切る |
| 入口→内部→出口 | 端→面→反対側 |
| 中を進む過程が中心 | 二つの側を結ぶ横断が中心 |
同じpark・room・cityでも、話し手の視点によってthroughとacrossの両方が使えます。単語と場所を固定して覚えるのではなく、内部を進んでいるのか、面を横切っているのかを考えましょう。
個別記事で深掘り:throughのコアイメージ/acrossのコアイメージ
前置詞を一覧で確認:英語の前置詞一覧|コアイメージ・意味・使い分けを図解で完全解説



