wearは「着る」と訳される基本動詞ですが、日本語の「着る・履く・かぶる・つける」に一語で対応する動詞ではありません。wearが表すのは、何かを身につける動作ではなく、身につけた状態が続いていることです。
さらに、何かが長く接触し続けると、表面は少しずつすり減ります。人に負荷がかかり続ければ、体力や気力も消耗します。この流れを押さえると、wear away・wear down・wear out・wear offまで一本で理解できます。

wearのコアイメージは「身につけた状態が続く」
wearの中心は、服や物が人の体に接触し、その状態が一定時間続いていることです。「身につける瞬間」よりも「身につけている状態」に焦点があります。
wear:人や物にぴったり接触した状態が続く
接触が長く続く → 表面や力が少しずつすり減る
基本動詞をコアイメージから学ぶ全体像は、親記事の英会話でよく使う基本単語のコアイメージもあわせてご覧ください。
wearは「着る」ではなく「着ている」
- She is wearing a blue dress.
彼女は青いドレスを着ています。 - He always wears a suit to work.
彼はいつも仕事にスーツを着ていきます。 - What are you wearing today?
今日は何を着ていますか?
過去形はwore、過去分詞はwornです。wear–wore–wornとまとめて覚えましょう。
wearとput onの違い
| 表現 | 焦点 | 例 |
|---|---|---|
| put on | 身につける動作 | Put on your coat. |
| wear | 身につけている状態 | She is wearing a coat. |
I put on my glasses.は「メガネをかけた」、I wear glasses.は「普段メガネをかけている・今かけている」です。詳しい使い分けは、b-cafeのメガネをかける・外す英語表現でも確認できます。
服以外にも使えるwear
wearは体に接している状態を表すため、日本語では「着る」以外の動詞になる物にも使えます。
- wear shoes:靴を履いている
- wear a hat:帽子をかぶっている
- wear glasses:メガネをかけている
- wear a watch:腕時計をつけている
- wear makeup:化粧をしている
- wear a mask:マスクをしている
- wear perfume:香水をつけている
I don’t wear makeup on weekends.
週末は化粧をしません。
髪型・ひげ・表情を身につける
wearは服飾品だけでなく、人の外見として一定時間保たれている髪型・ひげ・表情にも使えます。
- He wears a beard.
彼はあごひげを生やしています。 - She wore her hair up.
彼女は髪をアップにしていました。 - She always wears a smile.
彼女はいつも笑みを浮かべています。
笑顔を「着ている」と考えると不思議に見えますが、表情が顔にぴったりついた状態だと捉えればwearの感覚に合います。
wear:長い接触で「すり減る」
靴・服・床などは、使う間ずっと人や物と接触します。その接触が積み重なると表面がすり減るため、wearには「摩耗する・摩耗させる」という意味があります。
- The soles of my shoes are worn.
靴底がすり減っています。 - The steps have been worn smooth.
階段は使い込まれて滑らかになっています。 - This carpet wears well.
このカーペットは長持ちします。
worn+状態は「使い込まれて、その状態になった」、wear wellは「使用や時間に耐えて長持ちする」という意味です。
wear away:少しずつすり減って消える
awayは「基準点から離れていく」。表面や跡が少しずつ削られ、元の場所から消えていくイメージです。
The writing on the stone has worn away.
石に刻まれた文字がすり減って消えています。
wear awayとwear downの違いは、b-cafeのwear awayの意味・使い方で詳しく解説しています。
wear down:少しずつ弱らせる
downは力・量・状態が低下する方向です。物をすり減らすだけでなく、長期的な圧力によって人の体力・気力・抵抗を弱らせる意味にもなります。
- Walking wore down the heels of my shoes.
歩くうちに靴のかかとがすり減りました。 - The long negotiations wore us down.
長い交渉で私たちは疲弊しました。 - They finally wore him down.
彼らはついに彼を根負けさせました。
wear out:使い切ってボロボロになる
outは「最後まで・完全に」。物の耐久力や人の体力をすべて使い切るため、「使い古す・疲れ果てさせる」を表します。
- I wore out my old sneakers.
古いスニーカーを履きつぶしました。 - The trip completely wore me out.
その旅行で完全に疲れ果てました。 - I’m worn out.
へとへとです。
worn outは人にも物にも使えます。人なら「疲れ切った」、物なら「使い古されてボロボロの」です。
wear off:効果・感覚が徐々に薄れる
offは接触していたものが離れる方向です。薬の効果、痛み、興奮、新鮮さなどが時間とともに薄れ、消えていくことを表します。
- The painkiller is wearing off.
痛み止めの効果が切れかけています。 - The excitement soon wore off.
興奮はすぐに薄れました。
wear offとwear outの違いは、b-cafeのwear offの意味・使い方もご覧ください。
wear and tear:日常使用による自然な傷み
wear and tearは、物を普通に使い続けた結果として生じる摩耗・劣化です。事故や乱暴な扱いによるdamageとは区別されます。
The landlord allows for normal wear and tear.
大家は通常使用による自然な損耗を考慮しています。
契約や住宅でも使われる表現なので、b-cafeのwear and tearの意味・使い方でニュアンスを確認できます。
wear・dress・put onの違い
| 表現 | 中心イメージ | 例 |
|---|---|---|
| wear | 身につけている状態 | wear a jacket |
| put on | 身につける動作 | put on a jacket |
| dress | 人に服を着せる/服を着る | dress the baby |
wearを一つのイメージで覚えよう
wearの中心は、単なる「着る」ではありません。「何かが人や物に接触し、その状態が続いている」というイメージです。
- 服・靴・帽子・メガネなどを身につけている
- 髪型・ひげ・表情を保っている
- 長い接触で物がすり減る
- 長い負荷で人が疲弊する
- 効果や感覚が徐々に薄れる
wearにaway・down・out・offが加わると、接触が続いた先の変化が見えてきます。句動詞全体の仕組みは、be-rizeの句動詞をコアイメージで理解する方法も活用してください。



