船会社・海運会社のスタッフに必要なのは、難しい海事英語を大量に知ることより、本船スケジュール、輸送スペース、締切、コンテナの在庫、予定変更を正確に扱う英語力です。

この記事では、船会社の営業、カスタマーサービス、ブッキング、オペレーション部門に必要な英語を、実際の業務から逆算して整理します。
船会社の英語は「予定と制約を正確に伝える力」
船会社は、自社が運航する本船とコンテナ輸送サービスについて回答します。フォワーダーのように複数の輸送手段を組み立てるより、空き状況、寄港地、締切、変更点を正確に伝えることが中心です。
必要な英語力1:スケジュール表を読む
vessel、voyage、POL、POD、ETD、ETA、transshipment portを一つの行として読み取ります。単語だけでなく、表のどの列に何が書かれるかを覚えることが重要です。
- The vessel is scheduled to depart on August 22.
- The service includes transshipment in Busan.
- The estimated transit time is 14 days.
練習では自社の実際のスケジュールを使い、出港地、到着地、出港日、到着日を30秒で説明します。
必要な英語力2:スペースの状態を段階的に伝える
空き状況は「ある・ない」の二択ではありません。available、limited、subject to confirmation、fully bookedを使って確度を伝えます。
- Space is available.
- Space is limited and subject to confirmation.
- This sailing is fully booked.
即答できない場合は We are checking with our operations team. とし、回答期限も添えます。
必要な英語力3:複数の締切を区別する
貨物搬入、書類、VGMなど、同じ案件にも複数のcut-offがあります。「締切は金曜日です」だけでは不十分です。
- The cargo cut-off is Friday at 3 p.m.
- The documentation cut-off is Thursday at noon.
- The VGM must be submitted by 5 p.m.
何の締切か、日付、時刻、タイムゾーンを一組で伝える練習をします。
必要な英語力4:コンテナの種類と在庫を確認する
20GP、40GP、40HQなどの種類、数量、引取デポを正確に扱います。
- Two 40-foot high-cube containers have been allocated.
- Please pick them up at the Yokohama depot.
- We are checking availability at an alternative depot.
数字は省略記号だけに頼らず、電話では forty-foot high-cube と読み上げられるようにします。
必要な英語力5:変更通知を構造化する
遅延やロールオーバーの連絡は、①何が変わったか、②理由、③新しい予定、④次の対応の順に組み立てます。
- Your shipment has been rolled over.
- This was due to limited vessel capacity.
- The revised ETD is August 27.
- We will send the updated booking confirmation today.
謝罪だけで終えず、相手が次に使える確定情報を伝えることが重要です。
必要な英語力6:本船番号・日付・時刻を復唱する
固有名詞や数字は推測せず、復唱と書面確認を習慣にします。
- Let me repeat the vessel name and voyage number.
- Did you say May thirteenth or May thirtieth?
- Could you confirm that by email?
実務から逆算する4週間の勉強法
1週目:自社資料の項目名
スケジュール、予約確認書、搬入案内から頻出語を30個だけ選び、英語と意味を対応させます。
2週目:空き状況と締切
available、limited、fully bookedの回答と、3種類のcut-off案内を音読します。
3週目:コンテナと変更通知
コンテナ種類・数量・デポを入れ替える練習と、ロールオーバーの4行通知を作ります。
4週目:電話・会議の復唱
本船名、voyage number、日付、時刻を含む30秒のロールプレイを録音し、聞き返しを必ず一度入れます。
一般的な英会話教材だけでは不足しやすい理由
日常英会話では、voyage numberやcargo cut-offを組み合わせて確認する練習はほとんどありません。一方、専門用語集だけでは、予定変更を相手が判断できる形で伝える力は身につきにくいものです。基礎文法を保ちながら、自社資料を会話教材へ変えるのが効率的です。
実践フレーズと関連職種
そのまま使える場面別の例文は、船会社・海運会社スタッフが使う英語にまとめています。複数の輸送会社を比較・調整する側の方は、国際物流・フォワーダーに必要な英語力もご覧ください。
まとめ
船会社スタッフに必要なのは、スケジュール表を読み、スペースの確度を伝え、複数の締切を区別し、数字を復唱し、変更通知を構造化する英語力です。まずは日常英会話を広く学ぶより、担当部署で毎週発生する3場面を選び、自社資料を使って反復しましょう。
航空輸送側の便、貨物受託、特殊貨物、搭載変更を扱う方は、航空貨物・カーゴスタッフに必要な英語力と勉強法もご覧ください。
港湾現場でゲート、ヤード、荷役、損傷、安全指示を扱う方は、港湾ターミナル・コンテナヤードスタッフに必要な英語力と勉強法もご覧ください。



