「英文法をやり直したい」と思って本を探すと、必ずと言っていいほど有名な本が並びます。ところが、口コミは「この一冊を絶対にやるべき」と「英会話には意味がない」の両極端になりがちです。
結論から言うと、今回取り上げる7冊はどれも名著です。ただし、それぞれ担当する仕事が違います。旅行・日常・仕事のちょっとした会話を目指す人が、分厚い本を最初から最後まで読めばよいわけではありません。
この記事では、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』『大岩のいちばんはじめの英文法』『一億人の英文法』『英文法の鬼100則』『総合英語Evergreen』『English Grammar in Use』『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』を、英会話にどうつなげるかという視点で比較します。
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本選びで大事なんは「一番すごい本はどれ?」やなく、「今の自分に必要な仕事をしてくれる本はどれ?」です。電話帳みたいな名著を買って安心しても、口は勝手に動いてくれません(笑)。
しゅみすけ(大山俊輔)
結論|7冊は「4つの仕事」で選ぶ
| 本 | 主な役割 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。 | 基礎をやさしく再学習 | 長いブランクがある・文法に苦手意識がある | 全単元を均等に進めず、会話で使う項目を優先する |
| 大岩のいちばんはじめの英文法 | 講義形式で全体像をつかむ | 短期間で文法の地図を作りたい | 「分かった」で止めず、自分の文を口に出す |
| 一億人の英文法 | 語順・コアイメージを理解 | 丸暗記から英語の感覚へ進みたい | 分厚いので、読むことが発話練習を圧迫しやすい |
| 英文法の鬼100則 | 迷いやすい論点を深掘り | 「なぜそう言うのか」を納得したい | 最初から通読せず、疑問のある項目を選ぶ |
| 総合英語Evergreen | 日本語の総合文法辞典 | 長く使える参照本が欲しい | 672ページを最初から読破しようとしない |
| English Grammar in Use | 英語の解説と問題演習 | 基礎があり、精度や読み書きも伸ばしたい | 英会話初心者の最初の一冊には重い |
| どんどん話すための瞬間英作文 | 理解した型を素早く出す | 文法は分かるのに口から出ない | 和文英訳をゴールにせず、場面と意図へ移る |
ざっくり分けると、基礎のやり直しは「ひとつひとつ」か「大岩」、英語の感覚を理解するなら「一億人」か「鬼100則」、調べる本なら「Evergreen」か「Grammar in Use」、発話へ変えるなら「瞬間英作文」です。7冊すべてを買う必要はありません。

1.基礎をやり直す2冊
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』|最もやさしい再出発
文法用語を見るだけで身構える人や、中学英語の記憶がほとんど残っていない人に向く一冊です。説明がやさしく、単元ごとに確認しながら進められます。
ただし、英会話が目的なら全単元を同じ熱量で仕上げる必要はありません。語順、be動詞と一般動詞、疑問文、助動詞、時制など、会話の骨組みから優先しましょう。詳しくは『ひとつひとつわかりやすく。』は英会話に使える?で整理しています。
『大岩のいちばんはじめの英文法』|講義を聞く感覚で地図を作る
「細かい問題を解く前に、英文法の全体像を一度つかみたい」という人には大岩が合います。先生の講義を読むような構成で、独学でも迷子になりにくいのが強みです。
弱点は、説明が分かりやすいぶん「理解した=使える」と感じやすいこと。各項目を読んだら、自分の仕事・予定・好みを題材に短い英文を3つ作るところまでセットにしましょう。詳しくは大岩の英文法を英会話につなげる使い方をご覧ください。
2.英語の感覚を理解する2冊
『一億人の英文法』|語順とコアイメージで理解する
学校文法の規則を覚えてきたものの、会話になると語順に迷う人に向いています。前置詞や時制をコアイメージから捉え、英語話者がどんな感覚で表現を選ぶのかを理解しやすい本です。
ただ、かなり分厚い本です。最初から読破を目指すより、語順・時制・助動詞・前置詞など、今の会話で困っている箇所から使うほうが実践的です。『一億人の英文法』の英会話向け活用法も参考にしてください。
『英文法の鬼100則』|「なぜ?」を深く納得する
知識はあるのに、似た表現の使い分けで毎回止まる人に面白い一冊です。話し手の意図や認知から100のポイントを掘り下げるため、暗記した規則を立体的に理解できます。
こちらも約444ページ級の本なので、通読よりピンポイント利用がおすすめです。「現在完了と過去形」「助動詞」「冠詞」など、実際に迷ったテーマを引いて、自分の場面で例文を作りましょう。詳しくは『英文法の鬼100則』は英会話にどう使う?で解説しています。
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「一億人」と「鬼」は、どっちが上かを決める本やありません。広く感覚をつかむなら一億人、引っかかった論点を深く掘るなら鬼。用途が違います。
しゅみすけ(大山俊輔)
3.文法を調べ、範囲と精度を広げる2冊
『総合英語Evergreen』|手元に置く日本語の文法辞典
Evergreenは、最初から最後まで読む教材というより、分からないときに戻る総合文法書です。日本語で体系的に確認でき、基礎から細かな文法まで一冊で参照できます。
672ページを順番に制覇しようとすると、英会話の練習時間がなくなります。会話や英文を作る中で生まれた疑問を調べる「辞書役」にすると、本来の強みが生きます。詳しくはEvergreenを英会話のために使う方法をご覧ください。
『English Grammar in Use』|英語で学び、問題で定着させる
英語の説明を読み、見開きの演習で確認できる世界的な定番です。すでに基礎があり、文法の精度を上げたい人や、将来リーディング・ライティング、ニュースなどの文語寄り英語も必要な人には頼れる教材です。
一方、普通の会話をこれから始める人には情報量も英語負荷も大きめです。「この本を3周すれば話せる」とは限りません。まず口語でよく使うコア文法を使える状態にし、その後の拡張に回す考え方はGrammar in Useは英会話初心者に必要かで詳しく説明しています。
4.理解した文法を口から出す1冊
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』|文法知識と発話をつなぐ
瞬間英作文は厳密には文法書ではなく、理解した中学英文法の型を素早く口から出すトレーニング本です。「問題なら解けるのに、会話では簡単な文も出ない」という人の橋渡しになります。
ただし、日本語を見て英語へ変換する速さだけを磨くと、実際の場面でも頭の中で翻訳し続ける癖が残ります。型が出るようになったら、写真や目の前の状況をそのまま英語にする練習、相手にランダムに質問してもらう練習へ移りましょう。詳しくは瞬間英作文から直感英会話へ進む方法で解説しています。
目的別|あなたに合う一冊はこれ
- 中学英語から不安:『ひとつひとつわかりやすく。』
- 短期間で全体像をつかみたい:『大岩のいちばんはじめの英文法』
- 丸暗記から英語の感覚へ進みたい:『一億人の英文法』
- 使い分けの「なぜ?」を深掘りしたい:『英文法の鬼100則』
- 日本語で引ける総合文法書が欲しい:『総合英語Evergreen』
- 英語で学び、演習しながら精度を上げたい:『English Grammar in Use』
- 知っている文法が口から出ない:『どんどん話すための瞬間英作文』
迷った場合は、主教材を一冊、必要なら参照本を一冊、そして発話練習を一つで十分です。似た役割の本を何冊も並行すると、比較する時間ばかり増えてしまいます。
英会話へつなげるおすすめの順番
文法がかなり不安な人
「ひとつひとつ」または「大岩」で骨組みを理解し、各単元で自分の短い英文を作ります。その後、瞬間英作文などで型を素早く出し、最終的には場面や伝えたい意図から直接英語を出す練習へ進みます。
基礎はあるが、規則の丸暗記になっている人
「一億人」か「鬼100則」を、困っているテーマに絞って使います。理解したら、自分の予定・経験・仕事の話に置き換え、実際の会話で試してください。分からない細部だけEvergreenやGrammar in Useへ戻ります。
将来、読み書きやニュース英語まで必要な人
まず日常会話のコア文法を短い文で使えるようにしたうえで、EvergreenやGrammar in Useで範囲と精度を広げます。文語レベルの勉強は有益ですが、会話の土台より先に置く必要はありません。
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文法書を読み終えることはゴールやありません。「型を理解する→自分の短い文を作る→ランダムな質問や写真で出す→実際に会話する」。ここまで来て、文法が会話の道具になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ|名著を全部やるより、今の役割を一冊選ぶ
今回の7冊は、どれも評価される理由があります。ただし、基礎をやさしく戻る本、英語の感覚を理解する本、必要な文法を調べる本、知識を発話へ変える本は別物です。
旅行・日常・仕事のちょっとした会話が目標なら、まず頻出するコア文法を短い文で使えることを優先しましょう。その先で読み書きやニュース英語まで必要になったとき、分厚い名著は強い味方になります。今の課題に合う一冊を選び、必ず声に出す練習とセットにしてください。






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