関係代名詞の制限用法と非制限用法の違いは、説明が「どの人・物かを絞るために必要」なのか、「すでに特定できる人・物への補足」なのかです。
My brother who lives in Osaka is a doctor.
大阪に住んでいる兄(弟)は医師です。My brother, who lives in Osaka, is a doctor.
私の兄(弟)は医師で、ちなみに大阪に住んでいます。
見た目の違いはカンマですが、意味の組み立て方が異なります。制限用法は候補から対象を絞り、非制限用法は特定済みの対象へ横から情報を足します。
2-e1785721177628.jpg)
カンマを句読点のルールとして暗記するより、聞き手が「どの人か分かっているか」を考えましょう。まだ分からないなら絞り込み、分かっているなら補足です。

制限用法とは?説明がないと対象を特定できない
制限用法は、先行詞が指す範囲を関係詞節で限定します。カンマは置きません。
先行詞+who/which/that+説明
- The students who studied hard passed the test.
一生懸命勉強した生徒たちが試験に合格しました。 - The book that I bought yesterday is interesting.
昨日買った本は面白いです。
最初の文が指すのは「生徒全員」ではなく、その中の「一生懸命勉強した生徒」です。関係詞節を外すと、誰のことかという範囲が変わります。
非制限用法とは?特定済みの対象へ補足する
非制限用法では、固有名詞や文脈ですでに特定できる先行詞へ、カンマで区切って追加情報を添えます。継続用法と呼ばれることもあります。
- Ms. Brown, who teaches English, lives nearby.
ブラウン先生は英語を教えていて、近所に住んでいます。 - This laptop, which I bought last year, still works well.
このノートパソコンは昨年買ったもので、今もよく動きます。
Ms. Brownやthis laptopは、説明がなくても誰・どれか分かっています。関係詞節は識別ではなく、話し手が後から差し込むコメントです。
制限用法=名詞と説明をひとまとまりで渡す。非制限用法=名詞をいったん確定し、カンマで間を取り、補足映像を差し込む。
カンマの有無で意味が変わる例
| 文 | 伝わる意味 |
|---|---|
| My sons who live abroad call me often. | 息子が複数いて、そのうち海外在住の息子たち |
| My sons, who live abroad, call me often. | 息子たちは全員海外在住である、という補足 |
カンマは単なる息継ぎではありません。説明を名詞の識別条件に含めるか、独立した補足として扱うかを示します。
非制限用法でthatを使えない理由
非制限用法では通常、thatは使わずwho・whom・whichを使います。
- ○ My father, who lives in Kobe, loves jazz.
- × My father, that lives in Kobe, loves jazz.
thatは先行詞と後ろの説明を強く一体化し、対象を限定する働きと相性がよい語です。カンマで切り離して補足する非制限用法には向きません。基本の使い分けは関係代名詞who・which・thatで確認できます。
非制限用法では関係代名詞を省略できない
目的格であっても、非制限用法の関係代名詞は省略できません。
- 制限用法:The movie (which) I watched was great.
- 非制限用法:This movie, which I watched yesterday, was great.
カンマの後ろでは、関係代名詞が補足節の入口を示す必要があります。省略の条件は関係代名詞を省略できる・できない場合で詳しく解説しています。
非制限用法のwhichは文全体も受けられる
非制限用法のwhichは、直前の名詞だけでなく、前の文全体の内容を受けることがあります。
He missed the last train, which meant he had to take a taxi.
彼は終電に乗り遅れ、そのためタクシーに乗らなければなりませんでした。
whichが受けているのはtrainではなく、「彼が終電に乗り遅れた」という出来事全体です。前の出来事を置き、それについて結果や評価を後から足します。
非制限用法のwho・which・whose・whom
| 関係詞 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| who | 人・主格 | Ken, who works with me, … |
| which | 物・出来事 | The plan, which looks practical, … |
| whose | 所有 | Lisa, whose son lives abroad, … |
| whom | 人・目的格(主に文語) | Mr. Lee, whom I met yesterday, … |
固有名詞・所有格・thisの後ろは非制限用法になりやすい
次の先行詞は、関係詞節がなくても対象を特定しやすいため、補足なら非制限用法が自然です。
- 人名・地名:Emma, who … / Kyoto, which …
- 所有格:my father, who …
- 指示語:this book, which …
- 唯一の存在:the sun, which …
ただし、所有格があっても候補を絞る文脈なら制限用法になり得ます。たとえば兄弟が複数いる人のmy brother who lives in Osakaは、「大阪に住む方の兄弟」を選んでいます。
be:RIZEでは、名詞を先に置き、必要な説明を後ろから足す英語の処理順を、会話で使える形へ落とし込みます。
話すときのイントネーションの違い
制限用法では、先行詞と関係詞節を一続きのまとまりとして発音します。非制限用法では、カンマの位置で短く間を取り、声の調子を少し切り替えて補足を差し込みます。
- 制限:The woman who called me / is my manager.
- 非制限:Sarah, / who called me yesterday, / is my manager.
会話では記号が見えないため、この間とイントネーションが「ここから補足です」という合図になります。
制限用法・非制限用法でよくある間違い
- カンマを飾りとして置く:対象を絞るか補足するかで決めます
- 非制限用法でthatを使う:カンマの後ろはwho・whichなどを使います
- 非制限用法の目的格を省略する:カンマの後ろの関係代名詞は省略しません
- 固有名詞を制限する:特別な文脈がなければ固有名詞はすでに特定済みです
- カンマで意味が変わる点を無視する:全体を指すのか一部を指すのか確認します
1-e1785721031477.jpg)
迷ったら「その説明を聞く前に、相手は誰・どれか分かるか」と問いましょう。分からないなら絞り込み、分かるなら補足。この判断ができれば、カンマもthatの可否もついてきます。
よくある質問
Q. 制限用法と限定用法は同じですか?
一般に同じ用法を指します。先行詞の範囲を関係詞節で限定するため、制限用法・限定用法と呼ばれます。
Q. 非制限用法と継続用法は同じですか?
学校文法ではほぼ同じ内容を指して使われます。先行詞をいったん確定し、その後へ補足説明を継続して足す用法です。
Q. カンマの前後でthatは使えますか?
非制限用法ではthatを使いません。人ならwho・whom、物や出来事ならwhichを使います。
Q. 関係副詞にも非制限用法はありますか?
あります。たとえばKyoto, where I grew up, attracts many visitors.のwhere節はKyotoへの補足です。詳しくは関係副詞where・when・why・howをご覧ください。
まとめ|制限用法は絞り込み、非制限用法は補足
- 制限用法は、関係詞節でどの人・物かを絞る
- 非制限用法は、特定済みの先行詞へ補足情報を足す
- 非制限用法はカンマで区切り、thatを使わない
- 非制限用法では目的格の関係代名詞も省略しない
- 非制限用法のwhichは前の文全体を受けることがある
関係代名詞は「前の名詞へ説明を後から足す」仕組みです。その説明が対象選びに必要なら制限用法、すでに選ばれた対象へのコメントなら非制限用法になります。形容詞節全体の役割は英語の形容詞節とは?でも確認できます。
高校英文法全体の中で位置を確認する方は、高校英文法一覧をご覧ください。
be:RIZEでは、英文法を正解する知識で終わらせず、聞き手が処理する順番に合わせて、自分の話を英語で組み立てる練習を行います。






[…] 関係代名詞の制限用法・非制限用法:対象を絞る説明と、特定済みの対象へ足す補足をカンマで見分ける […]