英語の形式目的語itとは、長い目的語の代わりに、動詞の直後へ置く「仮の目的語」です。
I find it difficult to speak English.
私は英語を話すことを難しいと感じます。
この文のitは「それ」を指していません。本当に「難しい」と評価している内容は、後ろのto speak Englishです。英語はまずI find it difficultと短い骨格を作り、その後で「何が難しいのか」を示します。
学校文法では、itを形式目的語・仮目的語、後ろのto不定詞やthat節を真目的語と呼びます。用語だけでは複雑に見えますが、中心にあるのは目的語の席をitで先に埋め、重い内容を後ろへ送るという英語の情報配置です。
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形式目的語itは、長い内容を隠すためのものではありません。動詞のすぐ後ろに目的語の席を作り、評価まで先に伝えてから、本当の内容を説明する案内役です。
しゅみすけ(大山俊輔)

目次
- 形式目的語itとは?仮目的語と真目的語の関係
- なぜ形式目的語itを使うのか?目的語の直後に評価を置く
- 形式目的語itの基本形① find+it+形容詞+to do
- 形式目的語itの基本形② think・consider+it+形容詞+to do
- 形式目的語itの基本形③ make+it+形容詞+to do
- 形式目的語itの基本形④ make it clear that節
- 形式目的語itと形式主語itの違い
- 形式目的語itと普通の代名詞itの見分け方
- 形式目的語itでよく使う動詞と補語
- 形式目的語itの否定文・疑問文
- 形式目的語itでよくある間違い
- 形式目的語itを会話で使う練習方法
- よくある質問
- まとめ|形式目的語itは目的語の席と評価を先に示す
形式目的語itとは?仮目的語と真目的語の関係
形式目的語itは、文の目的語になる長い語句や節を後ろへ置くため、動詞の直後に仮置きされるitです。基本の語順は次のとおりです。
S+V+it+C+to do/that節
| 部分 | 役割 | I find it difficult to speak English. |
|---|---|---|
| S | 主語 | I |
| V | 動詞 | find |
| O | 形式目的語 | it |
| C | 目的格補語・評価 | difficult |
| 真目的語 | 評価される本当の内容 | to speak English |
findはここでは「見つける」ではなく、「経験して〜だと分かる・感じる」という意味です。形式目的語itを使う文は、S+V+O+Cの第5文型SVOCを土台にしています。
なぜ形式目的語itを使うのか?目的語の直後に評価を置く
英語では、動詞の後ろへ目的語を早く置くと骨格が見えやすくなります。しかし、目的語がto不定詞やthat節のように長いと、評価語との距離が開きます。
- I find to speak English in front of many people difficult.
- I find it difficult to speak English in front of many people.
1文目は意味を取れなくはありませんが、長い目的語とdifficultが離れ、処理しにくい語順です。2文目なら、find it difficultで「難しいと感じる」という判断を先に完成させ、その後へ長い内容を置けます。
しゅみすけ式の捉え方
動詞 → 目的語の席 → 評価 → 本当の内容の順で、小さな骨格から大きな情報へ進みます。itは後ろの内容を受け止める仮の箱です。
句と節が文の中で大きな部品になる仕組みは、英語の句と節とは?で整理しています。
形式目的語itの基本形① find+it+形容詞+to do
find+O+Cは、「経験・観察の結果、OがCだと分かる」という骨格です。Oに形式目的語itを置くと、行動への評価を先に伝えられます。
| 例文 | 意味 | 評価 |
|---|---|---|
| I find it easy to talk to her. | 彼女とは話しやすいと感じます | easy |
| She found it hard to say no. | 彼女は断るのが難しいと感じました | hard |
| We found it useful to take notes. | メモを取ることが役立つと分かりました | useful |
| He finds it impossible to relax at work. | 彼は職場でくつろぐのは無理だと感じています | impossible |
findの「見つける」から「〜だと分かる」への広がりは、findのコアイメージと使い方で詳しく解説しています。
形式目的語itの基本形② think・consider+it+形容詞+to do
thinkやconsiderでは、「〜することを…だと考える」という判断を表します。
I think it important to check the details.
詳細を確認することが重要だと思います。They considered it necessary to change the plan.
彼らは計画を変更する必要があると判断しました。
think it importantは文法的に正しいものの、やや硬めの表現です。日常会話では、I think it is important to check the details.のようにthat節の中で形式主語を使う形も一般的です。
considerは「複数の要素をよく考えて判断する」という響きがあり、仕事や文章でもよく使われます。
形式目的語itの基本形③ make+it+形容詞+to do
make+O+Cは「OをCの状態にする」という第5文型です。形式目的語itを使えば、「ある行動を可能・容易・困難にする」と表現できます。
This app makes it easy to track your progress.
このアプリのおかげで、進捗を簡単に記録できます。The new system made it possible to work from home.
新しい制度によって在宅勤務が可能になりました。Background noise makes it difficult to concentrate.
周囲の騒音のせいで集中しにくくなります。
しゅみすけ式では、makeを「力を加えて、ある状態・結果を作る」と捉えます。原因や仕組みがit easy・possible・difficultという状態を作り、その本当の対象をto不定詞で後ろから示しています。
形式目的語itの基本形④ make it clear that節
本当の内容が「主語+動詞」を持つ文なら、that節を後ろへ置けます。
She made it clear that she disagreed.
彼女は反対であることをはっきり示しました。The teacher made it clear that everyone had to participate.
先生は全員が参加しなければならないとはっきり伝えました。
itが目的語の席を埋め、clearが評価・状態を示し、that節が「何を明確にしたのか」という本当の内容を伝えます。that節の仕組みは接続詞thatの意味と使い方と英語の名詞節で確認できます。
be:RIZEでは、主語・動詞・目的語で短い骨格を先に作り、評価や説明を後ろへ足す練習を行います。知っている文法を、自分の会話で使える形へ組み直します。
形式目的語itと形式主語itの違い
どちらも、itで先に文の席を埋め、長い内容を後ろへ置く点は同じです。違うのは、itが入る席です。
| 種類 | itの位置 | 例文 |
|---|---|---|
| 形式主語it | 文頭の主語S | It is difficult to speak English. |
| 形式目的語it | 動詞の後ろの目的語O | I find it difficult to speak English. |
形式主語では「英語を話すことは難しい」と状況を評価します。形式目的語では「私は英語を話すことを難しいと感じる」と、判断する人や動詞を前へ出します。形式主語側は形式主語itとは?で詳しく解説しています。
形式目的語itと普通の代名詞itの見分け方
形式目的語itには具体的な指示対象がありません。後ろにto不定詞やthat節があり、itの本当の内容を示しているかを確認します。
- I bought this camera. I find it useful.
このitはcameraを指す普通の代名詞 - I find it useful to take pictures every day.
このitはto take pictures every dayを後ろへ送る形式目的語
また、make itには「間に合う・成功する」という慣用的な使い方もあります。I made it to the meeting on time.のitは、形式目的語の構文とは別物です。
形式目的語itでよく使う動詞と補語
| 動詞 | 中心の意味 | よく使う補語 |
|---|---|---|
| find | 経験して〜だと分かる | easy, difficult, useful, strange |
| think | 〜だと考える | important, necessary, best |
| consider | 検討して〜と判断する | important, necessary, appropriate |
| make | 〜という状態を作る | easy, difficult, possible, clear |
形式目的語itの否定文・疑問文
否定や疑問は、文の中心動詞に合わせて作ります。形式目的語itの位置は変わりません。
I don’t find it easy to speak in public.
人前で話すことを簡単だとは感じません。Do you find it difficult to understand native speakers?
ネイティブの英語を理解するのは難しいと感じますか。Did the tool make it easier to organize your notes?
そのツールでメモを整理しやすくなりましたか。
形式目的語itでよくある間違い
- itを省く:I find difficult to speak English.では、findの目的語の席が空いてしまいます
- itを「それ」と訳す:形式目的語itには前に出た物を指す意味はありません
- Cを置かない:基本はfind it difficult、make it possibleのようにitへの評価を続けます
- 長い内容をitの直後へ置く:評価語を先に置き、to不定詞やthat節を後ろへ送ります
- 形式主語と混同する:動詞の前のitは主語、動詞の後ろのitは目的語です
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会話では、長い完成文を一度に作ろうとせず、I find it difficult …までを一つのチャンクにしましょう。その後へto explain thisなど、自分が難しいと感じる行動を足せば文が伸びます。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
形式目的語itを会話で使う練習方法
- 判断の骨格を作る:I find it difficult. / I think it important. / This makes it easy.
- 行動を後ろへ足す:to speak up / to stay focused / to remember names
- 主語や時制を変える:She found … / We consider … / The app made …
- 否定・疑問へ切り替える:I don’t find … / Do you find …?
次の型を、自分の仕事や英語学習へ置き換えてみてください。
I find it easy to ______.
I find it difficult to ______.
______ makes it possible to ______.
We made it clear that ______.
よくある質問
Q. 形式目的語と仮目的語は同じですか?
基本的に同じものを指します。動詞の直後に置くitを形式目的語または仮目的語、後ろのto不定詞やthat節を真目的語と呼びます。
Q. なぜI find difficult to speak Englishではいけませんか?
findはこの形で目的語を必要とします。itが目的語Oの席を埋め、difficultがOの状態を説明するCになります。そのためI find it difficult to speak English.とします。
Q. 形式目的語itは第何文型ですか?
基本の骨格は第5文型SVOCです。たとえばI find it difficult.では、I=S、find=V、it=O、difficult=Cです。後ろのto不定詞がitの本当の内容を示します。
Q. 真目的語には何が置かれますか?
代表的なのはto不定詞とthat節です。まずはfind it+形容詞+to do、make it+形容詞+to do、make it clear that S+Vを覚えると実用的です。
まとめ|形式目的語itは目的語の席と評価を先に示す
- 形式目的語itは、長い目的語の代わりに動詞の直後へ置く仮の目的語
- 本当の内容であるto不定詞やthat節は後ろへ置く
- 基本形はS+V+it+C+to do/that節
- find・think・consider・makeなどで使われる
- 形式主語itとの共通点は、短い骨格を先に作り、重い情報を後ろへ送ること
- 形式主語はSの席、形式目的語はOの席をitが埋める
形式目的語itは、複雑なルールを追加する構文ではありません。動詞の後ろに目的語と評価を先に置き、聞き手が構造を理解してから本当の内容を渡す仕組みです。まずはI find it difficult to …とThis makes it easy to …を、自分の話へ置き換えてみてください。
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be:RIZEでは、文法用語を覚えるだけでなく、主語・動詞・目的語で短い骨格を作り、評価や説明を順番に足す練習を行います。聞く・話すための学習順を整理したい方は、英語コーチングの内容をご確認ください。






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