スラッシュリーディングの正しいやり方|区切り方・効果と返り読みを減らす練習法

スラッシュリーディングの正しいやり方を解説する記事のアイキャッチ

英文を後ろまで読んでから日本語の語順へ並べ替える。途中で主語や動詞を忘れ、また文頭へ戻る。そんな「返り読み」を減らす練習として使われるのが、スラッシュリーディングです。

ただし、単語ごとに斜線を入れたり、区切った部分を順番に和訳したりするだけでは、かえって読む速度が落ちます。目的はスラッシュを上手に引くことではなく、意味のかたまりを英語の語順で受け取り、頭の中の場面を前から更新することです。

結論:スラッシュは、主語と動詞、前置詞句、節などの意味のかたまりを見つける補助線です。少なめに入れ、前から意味を足し、慣れたら消す。最終的には斜線なしの英文と音声を、そのまま処理できる状態を目指します。
しゅみすけ(大山俊輔)

スラッシュリーディングは、英文を細切れにする技法ではありません。英語の語順のまま、意味を受け取る単位を見つける練習です。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

スラッシュリーディングとは?返り読みを減らすための補助線

スラッシュリーディングとは、英文へ「/」を入れ、意味や文法上のまとまりごとに前から読む方法です。チャンクリーディングと呼ばれることもあります。

日本語訳を完成させようとすると、関係代名詞や長い修飾、接続詞の先まで保持してから、前へ戻って並べ替えたくなります。短文では対応できても、長文やリスニングでは情報が流れ続けるため、処理が追いつきません。

スラッシュを使う目的は、英文を次のように受け取る型を作ることです。

I met a woman / at the station / who works with my sister.

私はある女性に会った → 駅で → その女性は姉(妹)と働いている

きれいな日本語訳なら「駅で、姉(妹)と一緒に働いている女性に会った」と後ろから戻ります。しかし実際の理解では、「女性に会った」という場面を先に作り、場所と人物説明を後から足せば十分です。

スラッシュリーディングで期待できる効果

  • 英文を前から処理する習慣がつく
  • 主語・動詞・目的語など、文の骨格が見えやすくなる
  • 長い修飾を最後まで抱え込まずに済む
  • 一語ずつではなく、意味のかたまりで語彙を覚えられる
  • リスニングで流れる情報を順番に受け取る準備になる

特に、短文は読めるのに長くなると頭が真っ白になる人には有効です。音声処理へのつなげ方は、長い英語で頭が真っ白になる人の「足し算リスニング」でも解説しています。

スラッシュはどこに入れる?基本の目安

絶対に一つだけの正解があるわけではありません。読み手の処理力によって、一度に受け取れる長さは変わるからです。ただし、次の場所は区切りの候補になります。

区切りの候補考え方
主節のまとまりまず誰がどうしたかを取るShe changed the schedule / …
前置詞句の前場所・時間・対象などを後から足すWe had lunch / near the office.
接続詞の前理由・条件・対比など、新しい節へ進むI stayed home / because it was raining.
関係詞節の前先に出た名詞へ説明を加えるI know a teacher / who lives in Kyoto.
長い不定詞・分詞の前後目的や追加説明をひとかたまりにするShe went outside / to make a call.

一方で、冠詞と名詞、助動詞と動詞、前置詞と直後の名詞など、強く結びつくものは切り離しません。

しゅみすけ(大山俊輔)

迷ったら、文法用語より『ここまで聞いた時点で一つの場面が作れるか』で考えてください。区切りは意味を受け取るためにあります。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

区切りすぎは逆効果|よくある失敗

1.一語ごとにスラッシュを入れる

I / went / to / the / store…のように細かく切ると、単語の認識だけで終わり、意味のまとまりが作れません。最初は短めでも、主語+動詞、前置詞+名詞など、結びつく語を一緒に扱います。

2.各チャンクを完璧な日本語へ訳す

スラッシュごとに自然な日本語を作り直すと、翻訳の負荷は残ったままです。「誰かが提案した→新しい計画を→会議で」程度の仮置きで構いません。

3.構文を理解せず感覚だけで切る

主語と動詞、修飾される語、節の境界が見えない場合は、スラッシュ以前に文の骨格確認が必要です。英語は主語と動詞から始める|4コードや、関係代名詞は「後から足す」も参考になります。

4.いつまでも斜線入り教材だけを読む

スラッシュは補助輪です。線がなければ読めない状態をゴールにせず、自分で区切る、頭の中だけで区切る、斜線なしで読む、という順で外します。

正しいやり方|5段階で「前から処理」へ変える

ステップ1.短めで内容の分かる英文を選ぶ

未知語だらけの長文では、語彙調べで止まります。8割程度は理解できる、100〜200語ほどの素材から始めます。

ステップ2.まず主語と動詞を見つける

誰が、どうした・どういう状態かを先に取ります。そのあと目的語や場所、時間、理由、説明を足します。

ステップ3.少なめにスラッシュを入れる

一文を2〜4個程度の意味のまとまりへ分けます。区切りすぎて一語読みへ戻らないよう注意します。

ステップ4.前から場面を更新する

各チャンクを読み終えるたびに、頭の中で場面を一度作ります。後ろから情報が来たら、前の理解を捨てずに追加・修正します。

ステップ5.内容を一文で要約する

全文和訳ではなく、「誰が何をした話か」を日本語か簡単な英語で言います。細部を再現することより、骨格が残っているかを確認します。

具体例|日本語の完成訳を待たず、前から意味を足す

英文前からの理解
The manager explained / the new policy / to the staff / during the meeting.マネージャーが説明した → 新しい方針を → スタッフへ → 会議中に
I decided to take the course / because I need English / for my new job.その講座を受けると決めた → なぜなら英語が必要 → 新しい仕事で
The café / that we visited last week / has started serving breakfast.そのカフェは → 先週行った店 → 朝食提供を始めた

日本語として多少ぎこちなくても問題ありません。理解の途中経過を、日本語の作文として採点しないことが大切です。

リーディングからリスニングへ移す練習

意味のかたまりで前から読み、場面を作って音声理解へ移す流れ
  1. スクリプトへ少なめのスラッシュを入れて読む
  2. 同じ位置で音声を止め、そこまでの場面を作る
  3. 止める区間を2チャンク、1文、2文へ広げる
  4. スラッシュなしのスクリプトで音声と同時に読む
  5. 最後は文字を外し、内容の骨格を一文で要約する

リスニングではスラッシュは見えません。だからこそ、音声を止める間隔を徐々に長くし、強弱やポーズも意味のまとまりの手がかりとして使います。全体の学習順は英語リスニングの勉強法をご覧ください。

しゅみすけ(大山俊輔)

練習中は区切って構いません。ただし本番では、一区切りずつ日本語へ訳すのではなく、場面を更新しながら次の英語を待てる状態を目指します。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

毎日15分の練習メニュー

  1. 3分:一度通して読み、大意をつかむ
  2. 4分:主語・動詞を確認し、スラッシュを入れる
  3. 3分:前から場面を更新しながら音読する
  4. 3分:音声をチャンクごとに止めて理解する
  5. 2分:斜線を見ずに再読し、一文で要約する

同じ素材を2〜3日使って構いません。新しい長文を大量に読むより、昨日よりスラッシュを減らせたか、長い単位を前から処理できたかを見ます。

スラッシュリーディングを卒業する目安

  • 主語と動詞を素早く見つけられる
  • 前置詞句や節を、まとまりとして受け取れる
  • 後ろから説明が来ても、文頭へ戻らず理解を更新できる
  • 一語分からなくても、その後を読み続けられる
  • 斜線なしでも大意と文の骨格が残る

斜線がなくても同じ処理ができるようになったら、書き込みを減らします。難しい構文に出会った時だけ再び使えば十分です。

be:RIZEではどう使うか

be:RIZEでは、全員に大量のスラッシュを引かせるわけではありません。英文を最後まで抱え込み、完成した和訳を作ろうとして処理が止まる人に、前から受け取る型を作るために使います。

まず主語と動詞から骨格を取り、場所・時間・理由・人物説明を「足し算」します。文字でできたら同じ素材を音声へ移し、停止間隔を広げます。最終的には線を消し、音声だけでも場面を更新できる状態を目指します。

まとめ|スラッシュは入れるためではなく、消すために使う

スラッシュリーディングは、返り読みを減らし、意味のかたまりを英語の語順で受け取るための練習です。

  • 主語と動詞を先に取る
  • 区切りは少なめにする
  • 完璧な日本語を作らず、場面を前から更新する
  • 同じ素材を音声へ移す
  • 慣れたらスラッシュを減らし、最後は外す

上手に線を引けることより、線がなくても前から意味を取れることがゴールです。読む処理を聴く処理へ移せれば、長い英語にも途中で置いていかれにくくなります。

意味・語順・音を確認した英文を口から定着させる方法は、英語の音読は効果ある?正しいやり方で解説しています。

精読で文の骨格と修飾関係を確認してからスラッシュを入れると、区切りが感覚頼みになりません。詳しい手順は英語の精読の正しいやり方をご覧ください。

意味のまとまりで前から読めるようになったら、易しい英文で処理量を増やす英語の多読へつなげると効果的です。

精読・音読・多読との組み合わせは、英語リーディングの勉強法で全体の学習順を整理しています。

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