tryは「試す」「努力する」と訳される基本動詞です。ところが、try to doとtry doingでは何が違うのか、I tried to open the door.とI tried opening the door.をどう使い分けるのかとなると、迷う方も多いのではないでしょうか。
tryの中心にあるのは、成功そのものではありません。結果がまだ分からない段階で、とにかく一度働きかけてみることです。この記事では、tryのコアイメージから、to不定詞・動名詞との違い、try on・try out、give it a tryなど、会話で役立つ表現まで例文で解説します。
この記事は、YouTubeで基本動詞の解説動画を発信し、英会話スクールの運営にも長年携わるしゅみすけ(大山俊輔)が監修しています。
tryのコアイメージ
tryのコアイメージは「結果がまだ分からないものへ、実験的に一歩出す」です。うまくいく保証はありません。それでも、考えているだけの状態から抜け、対象へ手を伸ばします。旧来の解説にあった「You、やっちゃいなよ」「試しちゃいなよ」という軽やかさも、この一歩に含まれています。
doは行為そのものを実行する動詞ですが、tryには「できるだろうか」「どんな結果になるだろう」という未確定さがあります。だから、努力にも実験にも使えます。何をゴールとして見るかによって、後ろのto doとdoingが役割を分けます。
try to doとtry doingの違い
| 形 | 視線 | 意味 |
|---|---|---|
| try to do | doという目標へ向かう | 努力して〜しようとする |
| try doing | doingを実際に試し、結果を見る | 試しに〜してみる |
try to do:努力して達成しようとする
toには、これから到達したい方向を示す矢印があります。try to doは、まだ実現していないdoを目標にし、そこへ向かって力を注ぐ形です。
I tried to open the door, but it was locked.
ドアを開けようとしましたが、鍵がかかっていました。
開けることが目標でしたが、結果として開きませんでした。try to doは努力を表すため、後ろにbutを続けると「試みたが成功しなかった」という流れになることがあります。ただし、try to do自体が失敗を意味するわけではありません。
I’m trying to improve my English.
英語を上達させようと努力しています。
Try to get some sleep.
少し眠るようにしてみて。
進行形のbe trying toは、現在その目標へ向かって努力している状態を表します。What are you trying to say?なら「何を言おうとしているの?」です。
try doing:実際にやって効果を見る
doingは、その行為の中に入って実際に体験する形です。try doingでは、doingを一つの方法として採用し、どんな結果になるか観察します。
Try opening the window.
試しに窓を開けてみて。
部屋が暑い、空気がこもっているなどの問題に対し、「窓を開ける」という方法を実行し、効果を見ようとしています。
If the app doesn’t work, try restarting your phone.
アプリが動かなければ、試しにスマートフォンを再起動してみてください。
Have you tried adding a little salt?
塩を少し加えてみましたか?
アドバイスで「この方法を試してみたら?」と言うとき、try doingがよく使われます。行為自体は実行する前提で、その結果が役に立つかを確かめます。
同じ動詞で比べると違いが見える
I tried to call her.
彼女に電話しようとしました。
I tried calling her.
試しに彼女へ電話してみました。
前者は電話をかけること自体が目標です。電波が悪かった、番号が分からなかったなど、電話できなかった可能性もあります。後者は、問題を解決する方法として実際に電話をかけています。電話はしたものの、それで解決したかはまだ分かりません。
He tried to lift the box.
彼は箱を持ち上げようとしました。
He tried lifting the box.
彼は試しに箱を持ち上げてみました。
try to liftは重い箱を持ち上げようと力を込める感じ、try liftingは、重さや方法を確認するために実際に持ち上げてみる感じです。日本語訳より、目標への努力か、方法の実験かを見ると判断できます。
try not to do:〜しないようにする
否定のnotは、to doの直前に置きます。try not to doは、doしないことを目標に努力する形です。
Try not to worry too much.
あまり心配しすぎないようにしてね。
I try not to check my phone before bed.
寝る前にはスマートフォンを見ないようにしています。
don’t try to doは「doしようと試みない」、try not to doは「doしないよう努力する」です。notをどの動詞にかけるかで意味が変わります。
try on・try outの違い
try on:身につけて試す
try onは、服・靴・眼鏡などを自分の身体に接触させ、その見た目やサイズを試す表現です。onの「接触した状態」が残っています。
Can I try this jacket on?
このジャケットを試着してもいいですか?
Try them on and see how they feel.
それを履いて、履き心地を確かめてみて。
目的語が代名詞なら、try it on / try them onのようにtryとonの間へ置きます。
try out:実際に使って性能を試す
try outは、製品・方法・サービスなどを実際に使い、その性能や適性を十分に試します。outには、中身や可能性を外へ出し切って確認する感覚があります。
I’d like to try out this new camera.
この新しいカメラを試してみたいです。
We’re trying out a new study method.
私たちは新しい学習法を試しています。
スポーツチームや役の選考を受けるtry out for the teamでは、自分の力を実際に示し、適性を試してもらいます。名詞のtryoutは「選考・オーディション」です。
tryを名詞で使う表現
give it a try:とにかく一度やってみる
I’ve never done it before, but I’ll give it a try.
やったことはありませんが、試してみます。
直訳すると「それに一回の試みを与える」です。完璧にできると約束せず、まず一歩出すtryらしい表現です。相手を励ますならJust give it a try.と言えます。
have a try / one more try:一度試す/もう一度試す
Can I have a try?
私もやってみていいですか?
Give it one more try.
もう一度やってみて。
have a goも似た口語表現です。結果ではなく「試みの一回」を数えているため、失敗しても次のtryへ進めます。
try one’s bestとdo one’s bestの違い
「最善を尽くす」には、try one’s bestとdo one’s bestがあります。どちらも使われますが、tryは努力する姿勢、doは実際に最大限を行うことへ少し焦点があります。
I’ll try my best.
できる限り頑張ってみます。
I’ll do my best.
全力を尽くします。
場面によってはI’ll try.が「できる保証はない」という弱い約束に聞こえることがあります。強い決意を伝えたいならI’ll do my best.やI’ll make sure it gets done.が合う場合もあります。
tryを会話で使う練習法
次の3種類を、自分の生活に合わせて一文ずつ作ってみましょう。
- 今努力している目標:I’m trying to …
- 問題解決のために試す方法:I’ll try …ing.
- 避けるよう努力している習慣:I try not to …
例えば、I’m trying to speak more confidently.、I’ll try practicing for five minutes every morning.と並べると、目標と方法の違いがはっきりします。
うまくいかなかった場合も、That didn’t work. I’ll try something else.(うまくいかなかったので、別の方法を試します)と続けられます。tryは失敗を責める言葉ではなく、結果を受け取って次の方法へ移るための動詞でもあります。
be:RIZEでは、正解を覚えてから話すのではなく、小さく試し、フィードバックを受けて修正する学習を大切にしています。学習の進め方を整理したい方は、受講前に知っておきたいことをご覧ください。ご相談はお問い合わせページから受け付けています。
動画で基本動詞の感覚をまとめて確認
tryを含む基本動詞Top55は、しゅみすけのYouTube動画でもイラスト付きで解説しています。日本語訳ではなく、動詞が持つ動きから理解したい方は、あわせてご覧ください。
まとめ
- try:結果がまだ分からないものへ、実験的に一歩出す
- try to do:努力してdoの達成を目指す
- try doing:doingを実際に試し、効果を見る
- try on:身につけて試す
- try out:実際に使い、性能や適性を試す
- give it a try:とにかく一度やってみる
tryは、成功を保証する言葉ではありません。分からないままでも一歩を出し、結果から次を学ぶ言葉です。目標へ向かうならtry to do、方法を実験するならtry doing。この景色を思い浮かべれば、形を丸暗記せず使い分けられるようになります。
基本動詞を一覧から学びたい方へ
この動詞を英語全体の中で位置づけたい方は、親記事「英語の基本動詞とは?少ない単語で英会話が広がる理由とコアイメージ学習法」をご覧ください。



