英単語ノートの作り方|大人が「意味」ではなく「使える一文」を残す方法

自分の場面や音声と結びつけながら英単語ノートを書く大人の女性

英単語ノートを作ろうとして、左に英単語、右に日本語訳を書き、ページをきれいに埋めたことはありませんか。完成した直後は勉強した実感がありますが、数日後に見返すと意味が出てこない。意味は分かっても、会話では使えない。このようなことは珍しくありません。

ノートを使うこと自体が悪いわけではありません。問題は、ノートが「情報を保存する場所」だけになり、思い出して使う練習につながっていないことです。

この記事では、大人が英会話で使える語彙を増やすための英単語ノートの作り方を紹介します。書くのは、英単語と日本語訳だけではありません。使いたい場面、単語の中心感覚、自分の短い一文、実際の音、そして翌日に取り出せたかどうかを、1語につき小さく残します。

しゅみすけ(大山俊輔)

ノートは作品ではなく、英単語を会話へ運ぶ作業台です。たくさん書くより、今日使いたい3語を選び、答えを隠して取り出し、最後に声へ移す。余白が残っていても、そのほうが使える語彙は育ちます。

英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者

結論|英単語ノートには「意味」より先に「使う場面」を書く

英会話のための英単語ノートでは、最初の欄を「日本語訳」にしないことをおすすめします。先に書くのは、その英単語を自分が使いたい場面です。

たとえばleaveなら、「去る」とだけ書くのではなく、次のように始めます。

  • スマートフォンを家に置いてきた
  • 会議を途中で退出する
  • その仕事を同僚に任せる

場面を先に決めると、I left my phone at home.I have to leave early.Leave it to me.のように、同じ単語を実際の発話として育てられます。

単語の意味を一つずつばらばらに増やすのではなく、中心にある感覚からつなげる方法は、英会話で重要なコア単語とは?でも詳しく解説しています。

一般的な英単語ノートが続かない・覚えられない3つの理由

理由1|英単語と日本語訳が一対一になっている

get=得るtake=取るleave=去るという対応は、最初の入口にはなります。しかし実際の会話では、get tiredtake a breakleave it to meのように、単語は場面と組み合わせの中で働きます。

日本語訳だけのノートでは、英文の中で意味を判断したり、自分で使うための情報が不足します。

理由2|きれいにまとめることが目的になる

色分け、付箋、イラストには、見返しやすくする価値があります。ただし、ページを完成させることに時間を使いすぎると、英単語を思い出す回数や声に出す時間が減ります。

英単語ノートは、空欄や修正跡が残って構いません。あとから自分の例文を変えたり、別の場面を書き足したりするための作業用ページです。

理由3|書いたあと、答えを隠していない

見本を見ながら10回写すと、手は動いても、記憶から取り出す必要がありません。会話で必要なのは、目の前に答えがない状態で、その場面に合う言葉を選ぶことです。

書く学習の効果と注意点は、関連する英単語は書いて覚えるべき?で整理しています。今回のノートは、その考え方を毎日の形にしたものです。

英単語を場面・イメージ・自分の一文・音・発話と結ぶノート学習
英単語を場面・中心感覚・自分の一文・音と結び、最後に声へ移すと、ノートが会話の練習台になります。

大人の英単語ノートに書く5つの項目

項目書く内容目的
1.使いたい場面誰と、どこで、何を言いたいか日本語訳ではなく状況から思い出す
2.コアイメージ単語の中心にある動き・状態・関係複数の意味を一本につなぐ
3.自分の短い一文実際に口にしそうな5〜8語程度の英文語順ごと使える形にする
4.音のメモ音声URL、弱くなる音、つながりなど文字だけの記憶にしない
5.取り出し記録翌日・3日後・1週間後に言えたか読み返しではなく想起を増やす

1.使いたい場面|最初に「誰と何を話すか」を決める

「旅行」「仕事」だけでは少し広すぎます。「ホテルで部屋が空いているか聞く」「同僚に仕事を任せる」「週末の感想を友人に伝える」くらいまで小さくします。

2.コアイメージ|日本語訳を増やしすぎない

たとえばgetなら「ある状態・場所・所有へ到達する」、leaveなら「その場から離れ、何かを残す」というように、複数の用法をつなげる短い感覚を書きます。辞書の訳語をすべて写す必要はありません。

3.自分の短い一文|難しい英文を作らない

例文は、自分がそのまま使える長さにします。最初は主語+動詞を中心に、5〜8語程度で十分です。

  • I got home late.
  • I left my phone at home.
  • Is this seat available?

4.音のメモ|カタカナではなく音源を残す

発音をカタカナで固定するより、辞書や教材の音声へすぐ戻れるようにします。URLや教材名、動画の時刻を書くだけでも構いません。文の中で弱くなった音や、自分が聞き取れなかった部分も短く残します。

5.取り出し記録|丸ではなく「何を見て言えたか」を残す

単に「覚えた○」ではなく、次のように記録します。

  • 翌日:英文を見れば読めた
  • 3日後:日本語を見て言えた
  • 1週間後:場面だけで言えた

最終目標は、英単語を見て意味を答えることではなく、場面から短い英語を取り出すことです。

そのまま使える英単語ノートのテンプレート

1ページを次の形に分けます。1ページに詰め込むのは3〜5語程度で十分です。

英単語: ____________

①使いたい場面: 誰と/どこで/何を言いたい?

②コアイメージ: 中心にある動き・状態・関係を一言で

③自分の短い一文: I / We / It / This などから始める

④音のメモ: 音源・弱い音・つながる部分

⑤取り出し記録: 翌日 □ 3日後 □ 1週間後 □

この枠をノートへ書き写しても、スマートフォンや表計算のメモへ作っても構いません。大切なのは紙の形式ではなく、場面から取り出す工程が含まれていることです。

英単語ノートの具体例|get・leave・available

例1|get

使いたい場面帰宅が遅くなったことを話す
コアイメージある場所・状態へ到達する
自分の一文I got home late.
音のメモgot homeを一まとまりで聞く
取り出し帰宅する場面を想像して、英文を隠して言う

例2|leave

使いたい場面スマートフォンを家に置いてきた
コアイメージその場から離れ、何かを残す
自分の一文I left my phone at home.
音のメモleft myを区切りすぎない
取り出し鞄の中を探して気づく場面から言う

例3|available

使いたい場面カフェで席が空いているか尋ねる
中心の感覚必要な人が利用できる状態
自分の一文Is this seat available?
音のメモ単語単体でなく疑問文全体を聞く
取り出し空席を指す場面から質問する

英単語ノートを作る毎日の手順

  1. 今日話したかったのに出なかった場面を一つ思い出す
  2. その場面に必要な英単語を3〜5語選ぶ
  3. 各単語を自分の短い一文にする
  4. 音声を聞き、文を2〜3回口に出す
  5. ノートを閉じ、場面だけからもう一度言う
  6. 翌日・3日後・1週間後に短く確認する

「今日はAから始まる単語を20語」のように一覧の順番で進めるより、自分が話したかった場面から選ぶほうが、使う理由と一緒に記憶されます。

一日に扱う個数の考え方は、英単語は一日何個覚える?も参考にしてください。

英単語ノートでやらなくてよいこと

  • 辞書にある日本語訳をすべて写す
  • 一つの英単語を10回、20回と見ながら書く
  • 例文集の長い英文をそのまま書き写す
  • 色分けのルールを細かく増やす
  • ノートを最初のページから順番に完璧に埋める
  • 間違えたページを作り直す

書き間違いや言えなかった記録は、弱点を見つける材料です。消してきれいにするより、後から言えるようになった変化を残してください。

紙・ルーズリーフ・アプリはどれがよい?

形式向いている使い方注意点
ノート学習の流れを時系列で残す並べ替えにくい
ルーズリーフ場面やテーマ別に整理する整理自体に時間をかけすぎない
単語カード短時間で取り出しを繰り返す日本語訳だけのカードにしない
アプリ・デジタルメモ音声やURLを一緒に保存する入力して満足せず、画面を閉じて話す

どの形式でも、場面・短文・音・取り出しの4点が入っていれば機能します。自分が毎日開きやすいものを選んでください。

よくある質問

英単語ノートは日本語を書かないほうがよいですか?

日本語を完全に禁止する必要はありません。意味確認の補助として短く書いて構いません。ただし、日本語訳だけで終わらせず、場面と自分の一文を必ず加えてください。

発音記号やカタカナ発音は書くべきですか?

発音記号を読める人は補助として使えます。カタカナだけで音を固定すると、実際の英語とのずれが生じやすいため、必ず音声へ戻れる情報も残しましょう。

一冊に何語くらい書けばよいですか?

冊数や収録語数を目標にする必要はありません。自分の頻出場面を一つずつ埋め、3〜5語単位で取り出せるかを確認してください。市販の単語帳との付き合い方は、英単語帳は何冊も必要?で解説しています。

まとめ|ノートを「保存場所」から「取り出す練習台」へ変える

大人の英会話に役立つ英単語ノートには、次の5つを残します。

  • 自分が使いたい場面
  • 単語のコアイメージ
  • 自分の短い一文
  • 実際の音へ戻るメモ
  • 答えを隠して取り出した記録

きれいに100語を書き終えるより、今日の3語を見ずに口から出せるようにする。この基準に変えると、英単語ノートは暗記の記録ではなく、会話を作るための作業台になります。

今の基本語をどこまで場面から取り出せるかは、大人の英単語クイズ30問でも確認できます。英単語学習全体の順番は、英単語の覚え方・選び方完全ガイドをご覧ください。


英単語ノートを作っても、会話になると出てこない方へ

必要なのは、さらに多くのページを埋めることではなく、基本語を自分の場面から取り出し、文の骨格に置き、声へ移す練習かもしれません。語彙・文法・リスニング・スピーキングのどこで止まっているかによって、優先する学習は変わります。

be:RIZEでは、代表の大山俊輔(しゅみすけ)が現在地と目的を確認し、必要な学習順序を一緒に整理しています。面談の内容はbe:RIZEの無料相談で行うこと、サービス全体や資料はbe:RIZE公式サイトから確認できます。

ノートに書いても定着しない方へ: 英単語を覚えても忘れる原因と7つの対策では、思い出す練習や復習間隔まで解説しています。

ノートと復習の仕組みをつなげる

ノートに残した単語は、間隔を空けて思い出すことで定着します。復習を自動化したい方は英単語アプリの選び方、そもそも単語が残らない方は英単語が覚えられない原因別の7つの対策へ。全体の学び方は大人のための英単語完全ガイドに戻って確認できます。

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