比較級の慣用構文とは?the more・more and more・no more thanを例文解説

比較級の慣用構文をコアイメージで整理

比較級の慣用構文は、形だけを見ると特殊ですが、共通しているのはある基準から程度を動かす感覚です。

It is getting warmer and warmer.
だんだん暖かくなっています。

The more you practice, the better you become.
練習すればするほど、上達します。

The bag is more practical than beautiful.
そのかばんは美しいというより実用的です。

比較級は、AとBを一度だけ比べるためだけの形ではありません。変化を何度も重ねたり、2つの変化を連動させたり、2つの評価のうち一方へ寄せたりできます。本記事では、試験で頻出の形を、会話でも使える意味のまとまりとして整理します。

しゅみすけ(大山俊輔)

慣用構文を日本語訳だけで覚えると、語順が少し変わっただけで止まります。比較級の「基準より先へ動く」という感覚を残し、何を繰り返すのか、何と何が連動するのかを見ていきましょう。

比較級の変化を重ねる・連動させる・AとBのどちらへ寄せる図解
比較級の慣用構文は、変化を重ねる・2本の変化を連動させる・AとBのどちらへ寄せる、という動きから整理できます。

比較級の慣用構文一覧|まず意味と形を確認

構文主な意味
比較級 and 比較級ますます・だんだんfaster and faster
the 比較級, the 比較級〜すればするほどThe sooner, the better.
more A than BBというよりAmore useful than stylish
no more thanたった・わずかno more than ten minutes
no less than〜も・少なくともそれだけno less than 100 people
all the 比較級それだけいっそうall the better

比較級 and 比較級|変化を重ねて「ますます」

同じ比較級をandでつなぐと、基準を一度越えて終わらず、変化が繰り返される様子を表します。

  • The days are getting shorter and shorter.
    日はだんだん短くなっています。
  • She spoke faster and faster.
    彼女はますます速く話しました。
  • This problem is becoming more and more serious.
    この問題はますます深刻になっています。

-er型はwarmer and warmermore型はmore and more importantのように作ります。× more important and more importantも文法的には可能ですが、通常はmore and more importantが自然です。

the 比較級, the 比較級|2つの変化を連動させる

the+比較級, the+比較級は、一方が動くにつれて、もう一方も連動して動く構文です。「〜すればするほど、ますます…」と訳します。

  • The more you read, the more you learn.
    読めば読むほど、多くを学びます。
  • The longer I waited, the more anxious I became.
    待てば待つほど、私は不安になりました。
  • The earlier we leave, the less traffic we will face.
    早く出れば出るほど、渋滞は少なくなります。

ここでのtheは「その〜」という冠詞より、変化の程度を受けて「それだけ」という働きをします。前半が条件・原因のような変化、後半がその結果です。

The sooner, the better.のような省略

The sooner, the better.は「早ければ早いほどよい」です。文脈から主語と動詞が分かるため、The sooner we do it, the better it will be.の中心だけを残しています。

more A than B|BというよりむしろA

more A than Bは、2人・2物を比べるのではなく、同じ対象にあるAとBという2つの性質を比べます。評価をBよりA側へ寄せる表現です。

  • He is more shy than unfriendly.
    彼は無愛想というより、むしろ人見知りです。
  • The movie was more confusing than scary.
    その映画は怖いというより分かりにくいものでした。
  • Her suggestion is more practical than original.
    彼女の提案は独創的というより実用的です。

「Bではなく完全にA」と切るのではなく、2つを天秤に載せ、Aの説明のほうが当てはまると示します。通常の比較級+thanで基準を置く感覚はthanのコアイメージでも確認できます。

no more thanとnot more thanの違い|たった/多くても

nonotの違いで、話し手の評価が変わります。

表現意味感覚
no more thanたった〜・わずか〜それを超える量がゼロ=少なさを強調
not more than多くても〜・せいぜい〜上限を示す
  • It took no more than ten minutes.
    たった10分しかかかりませんでした。
  • It will take not more than ten minutes.
    長くても10分です。

no more thanは話し手が「少ない」と評価し、not more thanは10分を超えないという範囲を示します。noが対象をゼロにする感覚はnoのコアイメージにつながります。

no less thanとnot less thanの違い|〜も/少なくとも

表現意味感覚
no less than〜もそれより少ない可能性がゼロ=多さを強調
not less than少なくとも〜下限を示す
  • No less than 100 people attended.
    100人もの人が参加しました。
  • Applicants must have not less than three years of experience.
    応募者には少なくとも3年の経験が必要です。

会話ではas many as 100 peopleat least three yearsのほうが分かりやすい場合もあります。慣用構文を理解しつつ、目的に応じて簡単な言い換えを選びましょう。

no more A than B|AでないのはBがそうでないのと同じ

A is no more X than B is Yは、Bについて明らかに成り立たないことを基準にして、Aについても同じく成り立たないと示します。

A whale is no more a fish than a horse is.
馬が魚でないのと同様、クジラも魚ではありません。

「クジラは馬より魚ではない」ではありません。no moreで「魚である度合いはゼロ」とし、馬も同じだと並べています。硬めの構文なので、会話ではA whale is not a fish, just as a horse is not.のように言い換えると伝わりやすくなります。

比較表現を「公式」ではなく、話すための設計として身につけたい方へ

be:RIZEでは、比較級を単語の変化で終わらせず、基準を置く・距離を動かす・変化を連動させる感覚から、自分の仕事や生活を表す会話へ落とし込みます。

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all the 比較級|理由があるから「それだけいっそう」

all the+比較級は、ある事情を受けて程度がさらに上がることを表します。後ろにforbecauseで理由が続くことがあります。

  • I like her all the better for her honesty.
    彼女が正直なので、私はそれだけいっそう彼女が好きです。
  • The trip was all the more enjoyable because we went together.
    一緒に行ったので、旅行はそれだけいっそう楽しいものでした。

現代の会話では頻度が高い構文ではありませんが、文章や試験で見かけます。allが比較級の動きを十分に押し上げる感覚です。

much・far・even・a lot+比較級|差の大きさを足す

比較級を強めるときはveryではなく、much・far・even・a lotなどを使います。

  • This version is much easier to use.
    この版はずっと使いやすいです。
  • The result was far better than expected.
    結果は予想よりはるかによいものでした。
  • Today is even colder than yesterday.
    今日は昨日よりさらに寒いです。
  • This room is a lot bigger.
    この部屋はずっと広いです。

比較級そのものが「基準との差」を持つため、その差が大きいとmuch・far・a lot、予想をさらに越えるとevenを添えます。× very betterとは通常言いません。

the+比較級+of the two|2つのうち、より〜な方

2つだけを比べて一方を特定するときは、比較級の前にtheを置けます。

  • Emma is the taller of the two sisters.
    エマは姉妹2人のうち背が高い方です。
  • This is the cheaper of the two options.
    これは2つの選択肢のうち安い方です。

3つ以上の中で最も〜なら最上級を使います。2つなら「より先にある一方」を比較級で選び、theで特定します。

比較級の慣用構文でよくある間違い

  • the moreのtheを冠詞と同じだと考える:「そのmore」ではなく、変化の程度を受ける「それだけ」の働きです。
  • more and more+長い形容詞の語順を崩す:more and more useful
  • no more thanとnot more thanを同じにする:前者は少なさの評価、後者は上限です。
  • more A than Bで別々の人を比べる:基本は同じ対象の2つの性質を天秤に載せます。
  • 比較級をveryで強める:much better・far better・a lot betterなどを使います。
しゅみすけ(大山俊輔)

長い表現を一気に訳そうとせず、比較級が何を動かしているかを探しましょう。同じ変化を繰り返すのか、2本を連動させるのか、2つの評価のどちらへ寄せるのか。それが見えれば、慣用構文はバラバラの暗記事項ではなくなります。

よくある質問

Q. 「〜すればするほど」は英語でどう作りますか?

the+比較級+主語+動詞, the+比較級+主語+動詞が基本です。たとえばThe more you practice, the more confident you become.です。

Q. more and moreと比較級 and 比較級の違いは?

意味はどちらも「ますます」です。-er型ならfaster and fastermore型ならmore and more usefulと作ります。

Q. no more thanは「多くても」ですか?

no more thanは「たった〜」と少なさを強調します。「多くても〜」という上限ならnot more thanです。

Q. 比較級の前にtheが付くことはありますか?

あります。the more, the betterや、2つのうち一方を特定するthe taller of the twoなどです。それぞれtheの役割が異なります。

まとめ|慣用構文でも比較級は基準から動いている

  • 比較級 and 比較級は、同じ変化を重ねて「ますます」
  • the 比較級, the 比較級は、2つの変化を連動させる
  • more A than Bは、同じ対象をBよりA側へ寄せて説明する
  • no more thanは「たった」、not more thanは「多くても」
  • no less thanは「〜も」、not less thanは「少なくとも」
  • much・far・even・a lotは比較級の差を広げる

慣用構文でも、比較級の核は「基準を置き、そこから程度を動かす」ことです。比較級・最上級の基本は英語の比較級・最上級とは?、同じ程度を示す表現はas … as構文で確認できます。

高校英文法全体での位置づけは高校英文法一覧をご覧ください。


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