英語を毎日勉強しても話せないのはなぜ?努力が会話力につながらない5つの原因

毎日英語を勉強しているのにオンライン英会話で言葉が出ず考え込む社会人女性

「毎日英語を勉強しているのに、なぜか話せるようにならない」

通勤中に単語帳を開き、家では文法問題を解き、英語の動画も見る。何もしていないわけではありません。それどころか、何か月、何年も真面目に勉強してきた人ほど、「これだけ続けても話せないのは、自分に才能がないからでは」と不安になることがあります。

しかし、英語を毎日勉強しているのに話せないからといって、努力が足りないとは限りません。多くの場合、問題は努力の量ではなく、普段の練習と実際の会話で必要になる処理がつながっていないことにあります。

はじめまして。しゅみすけ(大山俊輔)です。僕は20年以上にわたり、大人の英語学習をサポートしてきました。現在は、聞ける・話せる力に特化した英語コーチング「be:RIZE」を運営しています。

この記事では、毎日勉強しているのに英語を話せない5つの原因と、努力を会話力へ変えるための修正方法を具体的に解説します。

英語を毎日勉強すれば、自然に話せるようになるとは限らない

英語学習では「継続が大切」とよく言われます。これは間違いではありません。週に一度だけ長時間勉強するよりも、毎日少しずつ英語に触れるほうが、記憶や処理の回路は育ちやすくなります。

ただし、毎日続けている活動が、話すときに必要な動作と大きく離れていれば、そのまま会話力になるとは限りません。

たとえば、毎日ピアノ曲を聴き、楽譜の読み方を勉強しても、それだけで指が自然に動くようにはなりません。知識や鑑賞は役立ちますが、実際に鍵盤へ触れ、間違えながら音を出す練習が必要です。

英会話も同じです。話すときには、相手の言葉を受け取り、伝えたい場面を思い浮かべ、使える骨格と単語を選び、音にして返す必要があります。この一連の処理は、単語の日本語訳を見て答える練習や、文法問題の正解を選ぶ練習とは異なります。

続けることは重要です。しかし、続けている練習が目的地へ向かっているかも、同じくらい重要です。

原因1:インプットを増やせば、いつか自然に話せると思っている

単語、文法、リスニング、YouTube、アプリ。英語学習では、知識や音声を取り入れるインプットが中心になりやすいものです。

インプットなしに話せるようにはなりません。しかし、理解できる英語が増えることと、自分から英語を取り出せることは別の能力です。

次の文を見れば、多くの人が意味を理解できるでしょう。

I had a busy day.

ところが、「今日はどんな一日でしたか?」と突然聞かれると、この簡単な一文が出てこないことがあります。読むときは英語が先に与えられますが、話すときは自分の場面から英語を探さなければならないからです。

  • 読む:英語 → 意味
  • 話す:場面・意図 → 英語の骨格 → 単語 → 音

方向が逆なのです。インプットだけを増やしても、「場面から英語を取り出す回路」は十分に使われません。

修正方法:インプットの直後に、自分の一文を作る

新しい表現を学んだら、理解して終わらず、自分の生活に関係する文を最低1つ作ります。

たとえば、I had a busy day.を学んだなら、次のように広げます。

  • I had a long meeting.
  • I had lunch with my coworker.
  • I had no time to exercise.

「わかった」で終わる英語を減らし、「自分について一度使った英語」を増やしてください。

原因2:日本語の完成文を、正確な英語へ翻訳しようとしている

真面目な学習者ほど、頭の中で立派な日本語を完成させてから、それに対応する正確な英文を作ろうとします。

「昨日は会議が長引いてしまったので、予定していたジムへ行けませんでした」

これを一文の英語にしようとすると、時制、接続詞、語順、適切な動詞などを同時に考えることになります。その間にも会話は先へ進みます。

しかし、実際の会話では、一文で完璧に表現する必要はありません。

  • The meeting was long.
  • It finished late.
  • So I couldn’t go to the gym.

短い文を順番に置けば、十分に伝わります。

修正方法:日本語を訳すのではなく、映像を3つに分ける

伝えたい出来事を、次の3つに分けます。

  1. 何が起きたか
  2. その結果どうなったか
  3. 自分はどう感じたか

英会話は翻訳試験ではありません。まず短い骨格を置き、必要なら次の文を足す。この「足し算」で話すほうが、会話中の負荷は大きく下がります。

具体的な3つのスピーキング練習は、「英語を話せるようになるには?勉強しても話せない人に必要な3つの練習」でも詳しく紹介しています。

原因3:教材の例文を覚えているが、自分の場面で使っていない

教材には、文法や表現を学びやすくするための例文が載っています。ただし、その例文はあなた自身の生活から生まれたものではありません。

たとえば、次の例文を何度音読しても、海外旅行の予定がなければ会話で使う機会は少ないでしょう。

I’m going to visit Australia next month.

文の骨格は役立ちます。そこで、骨格を残したまま中身を自分へ寄せます。

  • I’m going to visit my mother this weekend.
  • I’m going to clean my room tomorrow.
  • I’m going to start a new project next month.

教材の英文は「完成品として暗記するもの」ではなく、「自分の文を作るための型」と考えてください。

修正方法:例文を3段階で自分化する

  1. 一部を変える:人、場所、時間を自分に合わせる
  2. 一文足す:理由、感想、次の予定を加える
  3. 質問にする:同じ内容を相手にも尋ねる

たとえば、I’m going to visit my mother this weekend.に、She lives in Kobe.やHow about you?を足せば、小さな会話になります。

教材の英語を何回言ったかではなく、自分の場面で何回再利用したか。ここが、暗記した英語と話せる英語を分けます。

原因4:オンライン英会話を「準備なしの本番」にしている

話すためには実践が必要だと思い、オンライン英会話へ飛び込む人もいます。行動そのものは素晴らしいのですが、毎回準備なしでフリートークをすると、自己紹介、相づち、講師の質問への短い返答だけで終わることがあります。

そしてレッスン後に、「今日も話せなかった」と落ち込みます。しかし、これは能力不足というより、実験する材料を持たずに実験室へ入っている状態です。

修正方法:レッスン前に「今日試す英語」を3つ決める

オンライン英会話へ入る前に、次の3点だけ用意します。

  1. 自分について話す短い英文を3本
  2. 今日使いたい骨格を1つ
  3. 相手に聞きたい質問を2つ

レッスンの目的を「うまく話す」ではなく、「用意した3本を使ってみる」に変えてください。終わったら、言えなかった表現を1つだけ作り直します。

毎回うまく話す必要はありません。準備、実験、修正を繰り返すことで、会話で使える表現が少しずつ蓄積します。

レッスンのたびに落ち込んでしまう方は、「オンライン英会話でへこむ・続かない本当の理由」も参考にしてください。

原因5:上達の基準を「流暢に話せたか」だけにしている

英語学習者が思い描く「話せる人」は、止まらず、間違えず、ネイティブのような発音で話す人になりがちです。その基準だけで毎日の練習を評価すると、ほとんどの日が失敗になります。

しかし、会話力は突然完成するものではありません。次のような変化も、すべて重要な上達です。

  • 最初の一文が以前より早く出た
  • 長い日本語を短い英文へ分けられた
  • 難しい単語を簡単な表現で言い換えた
  • 聞き取れないときに聞き返せた
  • 間違えても会話へ戻れた
  • 言えなかった表現を、あとから作り直した

「流暢に話せなかった」という大きすぎる評価ではなく、会話の中でできた小さな動作を観察してください。成長が見えるようになると、練習の改善点も具体的になります。

毎日の英語学習を会話力へ変える30分メニュー

これまでの学習を全部捨てる必要はありません。単語、文法、音読、リスニングに、「取り出す」「自分化する」「実験する」を加えればよいのです。

時間 内容 目的
10分 単語・文法・音声を学ぶ 材料を入れる
10分 学んだ骨格で自分の文を3〜5本作る 教材を自分化する
5分 何も見ず、場面を浮かべて声に出す 記憶から取り出す
5分 今日の出来事を短い3文で録音する 会話の足し算を練習する

大切なのは、勉強時間をさらに増やすことではありません。今ある勉強時間の一部を、場面から英語を取り出す練習へ移すことです。

毎日勉強しても話せないときに、教材を増やす前に確認したいこと

成果を感じられないと、新しい単語帳、アプリ、オンライン講座を探したくなります。しかし、その前に次の項目を確認してください。

  • 学んだ日に、自分の英文を作っているか
  • 英文を見ず、場面から取り出しているか
  • 長い日本語を短い英語へ分割しているか
  • 同じ骨格を違う場面で再利用しているか
  • 実践前に、使いたい英語を準備しているか
  • 実践後に、言えなかった一文を作り直しているか

この中に欠けている動作があれば、教材不足より先に、学習の使い方を調整する価値があります。

英語を全くできない状態から学習順序そのものを整理したい方は、「英語が全くできない社会人は何から始める?初心者向け5ステップ」をご覧ください。

まとめ:足りないのは努力ではなく、会話へ渡す橋かもしれない

英語を毎日勉強しているのに話せない主な原因は、次の5つです。

  1. インプットを増やせば自然に話せると思っている
  2. 日本語の完成文を正確な英語へ翻訳しようとしている
  3. 教材の例文を自分の場面で使っていない
  4. オンライン英会話を準備なしの本番にしている
  5. 上達の基準を流暢さだけにしている

毎日続けてきた努力は無駄ではありません。単語や文法、聞いてきた英語は、すでに大切な材料になっています。必要なのは、その材料を「自分の場面で取り出す」「短い骨格で出す」「実践で試す」という橋です。

まず今日学んだ表現を1つ選び、自分の生活に関係する英文を3本作ってみてください。そして明日、何も見ずに言ってみましょう。小さな一文を自分から取り出せた瞬間から、勉強は会話力へ変わり始めます。

be:RIZEでは、現在地や目的に合わせて学習の順番を設計し、単語・文法・リスニング・スピーキングを別々にせず、実際に使える英語へつなぐサポートを行っています。詳しくは、be:RIZEのコーチングメソッドをご覧ください。

独学で何をどう組み合わせればよいか迷っている方は、しゅみすけの無料英語ウェビナーで、聞ける・話せる状態へ変わるための全体像を確認してみてください。

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