中学英語からやり直す社会人はどこまで戻ればいい?会話につながる5つの土台

中学英語を全部復習せず会話に必要な基礎を選んで学び直す社会人女性

「英語を基礎からやり直したい。でも、中学1年生の教科書から全部やり直さないといけないのだろうか」

学生時代から英語に苦手意識がある。文法用語は忘れてしまった。簡単な英文を読めても、いざ話そうとすると言葉が出てこない。

そんなとき、「中学英語からやり直そう」と考える社会人は多いでしょう。しかし、仕事や家庭がある中で、中学3年間の教科書と問題集を最初からすべて復習するのは大変です。始める前から、その量に圧倒される人も少なくありません。

最初に結論をお伝えします。

英語を話せるようになりたい社会人は、中学英語を学年順に全部やり直す必要はありません。戻るべきなのは「中学1年生」ではなく、英語の意味を組み立てる基本の骨格です。

はじめまして。しゅみすけ(大山俊輔)です。僕は20年以上にわたり、大人の英語学習をサポートしてきました。現在は、聞ける・話せる力に特化した英語コーチング「be:RIZE」を運営しています。

この記事では、中学英語からやり直したい社会人が、どこまで戻り、何を優先して学べばよいのかを、会話につながる順番で解説します。

なぜ「中学英語からやり直す」と考えるのか

大人が英語に行き詰まったとき、中学英語へ戻ろうとする判断は間違っていません。日常会話の土台になる語順、時制、疑問文、助動詞などの多くは、中学校で学ぶ範囲に含まれています。

実際、次のような英語だけでも、かなり多くのことを伝えられます。

  • I’m tired.
  • I work in Tokyo.
  • I went there yesterday.
  • I can help you.
  • Do you have time?
  • I want to learn English.

どれも難しい構文ではありません。それでも、会話になると出てこないことがあります。

問題は、中学英語を一度も習っていないことではなく、テストで答える知識として保存され、会話中に使う道具になっていないことです。

そのため、昔と同じように教科書を読み、文法問題を解くだけでは、「わかるけれど話せない」状態をもう一度作る可能性があります。やり直すなら、内容だけでなく、学び方も変える必要があります。

中1から中3まで、学年順に全部復習しなくてよい

学校英語は、授業と試験の都合に合わせて学年順に整理されています。しかし、大人の学び直しは、学校の時間割を再現することが目的ではありません。

たとえば、中学1年生の最初にはbe動詞を学び、その後に一般動詞、疑問文、過去形と進みます。この順番には意味がありますが、大人はすでに英語へ触れた経験があります。完全な白紙ではありません。

「現在完了の名前は思い出せないが、I’ve been to London.は見たことがある」「三単現のsは説明できないが、He likes music.には違和感がない」という人も多いでしょう。

つまり必要なのは、全範囲の再受講ではなく、現在の穴を見つけ、会話の土台から組み直すことです。

戻る場所は「学年」ではなく「処理が止まる地点」

次の文を声に出して、自分について中身を変えられるか確認してみてください。

  • I’m busy today.
  • I work from home.
  • I had a meeting this morning.
  • I’m going to see my friend tomorrow.
  • I can’t hear you clearly.
  • Do you like cooking?

文を読めるかだけでなく、busyをtiredへ、work from homeをwork in Shibuyaへ、my friendをmy motherへ変えられるかがポイントです。

読めても中身を変えられないところが、今の自分が戻る地点です。

社会人が最初に戻るべき5つの土台

会話を目的に中学英語をやり直すなら、最初は次の5つを優先します。

1.「誰が、どうする」「誰が、どんな状態」の骨格

英語は、最初に主役を置き、その後に動きや状態を続けます。

  • I work.
  • She smiled.
  • We need help.
  • I’m tired.
  • He is kind.

最初から五文型の名称を暗記する必要はありません。まずは、英語が「誰が」から始まり、その人や物について情報を足していく言語だと身体で理解します。

日本語の完成文を考えてから訳すのではなく、主役と中心の動詞を先に置く。これが話すための最初の土台です。

2.be動詞と一般動詞の違い

中学英語をやり直す人が混乱しやすいのが、be動詞と一般動詞です。

  • I am busy.:私は忙しい状態です
  • I work every day.:私は毎日働きます

be動詞は主に、状態や存在を表します。一般動詞は、動作や変化などを表します。

文法用語を正確に説明することより、「状態を置きたいのか、動きを置きたいのか」を選べることが大切です。

次のように、自分の状態と行動を交互に言ってみましょう。

  • I’m hungry.
  • I want lunch.
  • I’m busy.
  • I have a meeting.

3.現在・過去・未来の時間感覚

社会人の会話では、今日の予定、昨日の出来事、これからしたいことを話す機会が多くあります。

  • I work in Tokyo.:普段のこと
  • I worked late yesterday.:終わったこと
  • I’m going to work from home tomorrow.:これからの予定

まずは細かな例外よりも、「いつの映像を話しているか」を意識します。

今日、昨日、明日について、それぞれ短い文を1つ作るだけでも、時制が会話の道具に変わっていきます。

4.疑問文と否定文

英会話は、自分が説明するだけでは成立しません。相手に聞く、違うと伝える、わからないと伝える力が必要です。

  • Are you busy?
  • Do you work here?
  • Did you enjoy it?
  • I’m not ready.
  • I don’t know.
  • I didn’t understand.

疑問文を作るときに語順が止まる人は、ここへ戻る価値があります。

ただし、問題集で書き換えるだけではなく、肯定文、否定文、疑問文を同じ場面で動かしてください。

  • You have time.
  • You don’t have time.
  • Do you have time?

1つの骨格を3方向へ動かすと、知識が会話で使える形になります。

5.can、will、want toなどの頻出パーツ

会話では、自分の能力、意思、希望、必要性を伝える場面が多くあります。

  • I can do it.
  • I can’t remember.
  • I’ll call you later.
  • I want to try it.
  • I need to leave now.

これらは一度覚えると、後ろの動詞を替えて何度も使えます。

難しい表現を増やす前に、少数の頻出パーツで自分に必要な文を作るほうが、会話への効果は大きくなります。

後回しにしてもよい中学英語はある

「中学英語を全部完璧にしてから話す練習へ進む」という考え方では、いつまでも実践を始められません。

目的が日常会話なら、最初の段階では次のような項目を完璧にする必要はありません。

  • すべての文法用語の定義
  • 細かな例外規則
  • 長く複雑な関係代名詞の文
  • 入試問題のような語句整序
  • 使う場面が思い浮かばない熟語の暗記

これらが不要という意味ではありません。必要な場面が来たら学べばよいのです。

まずは、自分の状態、日常、過去の出来事、予定、希望、質問を短い英語で表せることを優先してください。

「文法を理解してから話す」ではなく、話しながら文法を確認する

大人は、全体を理解してから実践へ進みたいと考えがちです。しかし、文法書を最後まで終えるのを待つと、話す練習が数か月先になります。

おすすめは、文法と会話を往復する方法です。

  1. 基本の骨格を1つ理解する
  2. 自分について3〜5文作る
  3. 何も見ずに声に出す
  4. 言えなかったところだけ文法へ戻る
  5. 文を直して、もう一度使う

たとえば過去形を学んだら、問題集を50問解くだけでなく、昨日の出来事を3文で話します。

  • I went to the office.
  • I had two meetings.
  • I came home late.

このとき、goの過去形が出なければ、そこだけ確認します。実際に言いたかった文と結びつくため、単なる正解よりも記憶に残りやすくなります。

中学英語のやり直しで、単語帳を最初から覚え直す必要はある?

語彙も、すべてをゼロから覚え直す必要はありません。

まず優先したいのは、get、have、take、make、go、come、putなどの基本動詞と、日常で自分がよく使う単語です。

たとえばhaveを「持っている」という一つの日本語訳だけで覚えると、次の英文が別々の表現に見えます。

  • I have a meeting.
  • I have a headache.
  • I had a good time.
  • I have no idea.

しかし、「自分のところに予定、症状、経験、考えがある」という共通感覚で捉えると、一つの単語を多くの場面で使えるようになります。

難しい単語を大量に増やすより、基本単語を自分の場面で繰り返し動かしてください。

中学英語を「読める」だけで終わらせない3つのチェック

やり直した範囲が使える状態になったかは、テストの点数だけでなく、次の3つで確認できます。

チェック1:中身を自分用に替えられるか

I went to the park yesterday.を読めたら、場所と時間を自分の出来事へ替えてみます。

  • I went to Shibuya this morning.
  • I went to a café after work.

チェック2:肯定・否定・質問へ動かせるか

  • You work here.
  • You don’t work here.
  • Do you work here?

同じ文を変形できれば、骨格を部品として扱い始めています。

チェック3:何も見ず、場面から言えるか

最後は日本語訳や英文を隠し、実際の場面を思い浮かべて口から出します。

読むとわかるのに出てこない場合は、知識不足ではなく取り出す練習が不足しています。前の記事「英語を毎日勉強しても話せないのはなぜ?努力が会話力につながらない5つの原因」も参考にしてください。

1日30分で進める、中学英語やり直しメニュー

時間 学習内容 目的
10分 基本骨格を1つ理解する 語順と意味を確認する
10分 自分について3〜5文作る 教材を自分の場面へ移す
5分 肯定・否定・質問へ変える 骨格を動かす
5分 何も見ずに声に出す 場面から英語を取り出す

一日に複数の文法項目へ進む必要はありません。1つの骨格を、自分の場面で何度も使うことを優先します。

どこまでできれば、中学英語のやり直しを卒業できる?

文法書の最終ページまで終わったときが卒業ではありません。次のことが短い英語でできれば、基礎を使いながら次の段階へ進めます。

  • 自分の仕事や日常を説明できる
  • 昨日あったことを3〜5文で話せる
  • 予定や希望を伝えられる
  • 相手へ簡単な質問を返せる
  • わからない、聞こえないと言える
  • 長い内容を短い文に分けられる

すべてを間違いなく言える必要はありません。使いながら不足を発見し、必要な文法へ戻れる状態になれば十分です。

英語を話せるようになるための具体的な練習については、「英語を話せるようになるには?勉強しても話せない人に必要な3つの練習」で詳しく解説しています。

まとめ:中学英語は「全部戻る場所」ではなく「使える土台を拾い直す場所」

中学英語からやり直したい社会人が、学年順に3年間分をすべて復習する必要はありません。

最初に戻るべきなのは、次の5つです。

  1. 「誰が、どうする」「誰が、どんな状態」の骨格
  2. be動詞と一般動詞の違い
  3. 現在・過去・未来の時間感覚
  4. 疑問文と否定文
  5. can、will、want toなどの頻出パーツ

そして、理解した英文を読むだけでなく、自分の場面へ替え、肯定・否定・質問へ動かし、何も見ずに口から出してください。

戻るべきなのは中学1年生ではなく、自分の英語処理が止まる地点です。

英語を全くできない状態から全体の学習順序を確認したい方は、「英語が全くできない社会人は何から始める?初心者向け5ステップ」もご覧ください。

be:RIZEでは、現在地や目的を確認したうえで、必要な基礎へ戻り、骨格・コア単語・音・会話をつなぐ学習設計を行っています。詳しくは、be:RIZEのコーチングメソッドをご覧ください。

独学でどこからやり直せばよいか迷っている方は、しゅみすけの無料英語ウェビナーで、聞ける・話せる状態へ変わるための全体像を確認してみてください。

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