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単語帳で日本語訳を答えられても、会話の場面から英語を取り出せなければ言葉は止まります。単語をコアの感覚と自分の経験に結びつけ、短い一文を何も見ずに口にする練習へ変えると、「知っている」が「話せる」に近づきます。
英会話スクール「b わたしの英会話」・英語コーチング「be:RIZE」創業者
動画で理解する:「単語を覚えるほど話せなくなる」理由
英単語を増やしているのに、会話では以前より言葉が出にくくなる——。次の動画では、この逆説が起きる仕組みを、日本語訳を検索する回路と、場面から英語を取り出す回路の違いから解説しています。
単語を覚えるほど話せなくなる理由|知識を会話で使える語彙へ変える
動画を見たあとに、この記事の「知っている単語」と「使える単語」の違い、そして1語5場面の練習へ進むと、単語数を増やす学習から、知っている基本語を実際の会話で動かす学習へ切り替えやすくなります。
「知っている単語」と「使える単語」は同じではない
次の英単語を見てください。- have
- get
- take
- make
- go
- I have a meeting today.
- I’m getting tired.
- Let’s take a picture.
- I made a decision.
- 単語帳:日本語訳 → 英単語
- 実際の会話:場面・意図 → 英単語 → 文 → 音
英単語を覚えても話せない5つの理由
理由1:日本語訳を一つだけ覚えている
英単語を覚えるとき、多くの人は次のような一対一の組み合わせを作ります。- have=持っている
- get=手に入れる
- take=取る
- make=作る
- I have a car.
- I have a meeting.
- I have a headache.
- I had a good time.
- I have no idea.
理由2:難しい単語を増やすことが語彙力だと思っている
語彙力というと、難しい単語をどれだけ知っているかを思い浮かべがちです。しかし、日常会話では、基本的な動詞や前置詞が何度も組み合わされます。 たとえば、次の英文はすべて簡単な単語でできています。- I’ll get back to you.
- Can you take a look?
- Let’s make it simple.
- What’s going on?
理由3:単語だけを孤立させて覚えている
単語帳では、単語が一列に並びます。しかし、実際の会話で単語は単独では出てきません。よく一緒に使われる語や文の骨格の中で使われます。 たとえばdecisionだけを覚えるより、次のまとまりで持つほうが会話で使いやすくなります。- make a decision
- I made a decision.
- It was a difficult decision.
- Have you made a decision?
理由4:自分と関係のない例文で覚えている
教材の例文は、意味や文法を説明するために作られています。英文として正しくても、あなたの生活に存在しない場面なら、使う機会はありません。 たとえば、次の例文を覚えたとします。 He took a bus to the museum. 普段バスにも乗らず、美術館にも行かない人にとっては、記憶の中で孤立しやすい文です。 骨格を残し、自分の日常へ変えます。- I take the train to work.
- I took a taxi yesterday.
- It takes thirty minutes.
理由5:覚えた直後に「思い出す練習」をしていない
単語帳を見ながら繰り返すと、見覚えが強くなります。そのため、「もう覚えた」と感じます。 しかし会話では、答えになる単語は表示されません。何もないところから取り出す必要があります。 覚えたあとに本を閉じ、場面を思い浮かべ、声に出す。この動作がなければ、認識できる単語は増えても、思い出せる単語は増えにくくなります。会話で使える英単語の覚え方:4段階
ステップ1:日本語訳ではなく「コアの感覚」をつかむ
コアの感覚とは、その単語がさまざまな場面で共有している中心的なイメージです。 たとえばgetには、「何かを得る」だけでなく、「ある状態や地点へ到達する」という動きがあります。- get a ticket:チケットを得る
- get home:家に着く
- get tired:疲れた状態になる
- get better:より良い状態になる
- get ready:準備ができた状態になる
ステップ2:よく使う小さなまとまりで覚える
単語一語ではなく、会話でそのまま置ける2〜5語のまとまりを作ります。 getなら、次のような形です。- get tired
- get home
- get a chance
- get better
- get ready
- I’m getting tired.
- I got home late.
- I got a chance to speak English.
- My English is getting better.
- I need to get ready.
ステップ3:「1語5場面」で自分の生活へつなぐ
一日に基本単語を一つだけ選び、その単語を使える自分の場面を5つ作ります。 haveを選んだ場合は、たとえば次のようになります。- I have a meeting this afternoon.
- I have two brothers.
- I had coffee with my friend.
- I have a headache.
- I have no idea.
ステップ4:翌日、何も見ずに場面から取り出す
翌日は、英単語や日本語訳を見ずに、昨日作った場面を思い浮かべます。 会議の予定を思い浮かべて、I have a meeting this afternoon.と言う。友人とコーヒーを飲んだ映像から、I had coffee with my friend.と言う。 出てこなかった文だけ確認し、もう一度言います。 覚える時間より、思い出そうとする時間を作る。これが、単語を受け身の知識から会話の道具へ変えます。基本単語をどう広げる?get・have・take・makeの例
get:変化・到達
- I got tired.
- It’s getting dark.
- I got home at eight.
- My English is getting better.
- Let’s get started.
have:自分のところにある・関わる
- I have a question.
- I have time.
- I had a great weekend.
- I have a cold.
- We have a problem.
take:自分のところへ取り込み、運ぶ
- Take this.
- I took a taxi.
- Let’s take a break.
- It takes time.
- I took a picture.
make:力を加えて、ある状態を生み出す
- I made dinner.
- I made a mistake.
- That made me happy.
- Let’s make a plan.
- I made it on time.
単語帳は使わないほうがいい?
単語帳そのものが悪いわけではありません。新しい単語に出会い、意味を確認し、復習するには便利です。 ただし、単語帳だけで学習を完結させないことが重要です。 単語帳を使う場合は、次の順番がおすすめです。- 単語と基本的な意味を確認する
- 例文から、よく一緒に使うまとまりを見つける
- 自分に関係する一文へ書き換える
- 場面を浮かべて声に出す
- 翌日、何も見ずに取り出す
英単語が出てこないとき、会話中にできること
使える単語を増やしても、言いたい単語が出てこない場面は必ずあります。そのとき、沈黙して正解を探し続ける必要はありません。簡単な言葉へ言い換える
appointmentが出なければ、I’m going to see my doctor.と言えます。exhaustedが出なければ、I’m very tired.で伝わります。特徴や用途を説明する
単語が出ない物を、It’s a thing you use for…やIt’s like…で説明します。相手に聞く
- How do you say this in English?
- What do you call this?
- I don’t know the word, but…
1日20分でできる「1語5場面」メニュー
| 時間 | 練習 | 目的 |
|---|---|---|
| 3分 | 基本単語を1つ選び、コアの感覚を確認する | 日本語訳の固定を外す |
| 7分 | 自分に関係する5場面を作る | 生活と単語を結ぶ |
| 5分 | 場面を見ながら5文を声に出す | 骨格と音を一緒に保存する |
| 5分 | 英文を隠し、場面だけから言う | 会話と同じ方向で取り出す |
会話で使えるようになったかを判断する4つの基準
- 日本語訳を見なくても、単語の中心的なイメージを思い浮かべられる
- その単語を使う自分の場面が3〜5個ある
- 肯定文だけでなく、過去や質問でも使える
- 実際の会話や独り言で一度でも使ったことがある
まとめ:単語数を増やす前に、知っている単語を場面で動かそう
英単語を覚えても話せない主な理由は、次の5つです。- 日本語訳を一つだけ覚えている
- 難しい単語を増やすことが語彙力だと思っている
- 単語だけを孤立させて覚えている
- 自分と関係のない例文で覚えている
- 覚えた直後に思い出す練習をしていない
- コアの感覚をつかむ
- よく使う小さなまとまりで持つ
- 1語5場面で自分の生活へつなぐ
- 何も見ず、場面から取り出す
have・get・make・goなどに絞って練習したい方は、英語の基本動詞の覚え方|会話で使う5ステップもご覧ください。
「英単語を覚えても話せない理由」という状態は、努力不足だけで起きるものではありません。知識・音声処理・語順・練習環境のどこで止まっているかを分けると、次に取り組むことが具体的になります。
be:RIZEでは、これまでの学習歴と現在地を確認し、目的から逆算した学習順を一緒に整理しています。



