pleaseのコアイメージは「相手の望みに沿う」です。依頼で使うpleaseは「こちらの希望を、相手が快く受け入れられる形で差し出す」、動詞のpleaseは「相手の望みに沿って満足させる」を表します。「お願いします」と「喜ばせる」は別々の丸暗記ではなく、どちらも相手の気持ち・意向に沿うという一本の感覚でつながっています。
Please sit down.は命令を丁寧に見せるだけでなく、「座ることをこちらは望んでいます。応じてもらえますか」と相手へ働きかける表現です。一方、The news pleased her.は「その知らせが彼女の望ましい状態を作った」、つまり「彼女を喜ばせた」です。
しゅみすけ
pleaseの基本用法:依頼を相手に差し出す
もっとも基本的なのは、命令文にpleaseを添える形です。
- Please open the window.
窓を開けてください。 - Please wait here.
ここでお待ちください。 - Please call me tomorrow.
明日、私に電話してください。 - Please don’t touch this.
これには触れないでください。
肯定の依頼はPlease + 動詞の原形、否定の依頼はPlease don’t + 動詞の原形が基本です。Please not touch this.とは通常言いません。命令文の仕組みは英語の命令文、否定の作り方はnotのコアイメージで詳しく確認できます。
ただし、pleaseを付ければどんな命令も十分丁寧になるわけではありません。相手に負担のある依頼では、Could you …?やWould you …?を使って「できますか」「していただけますか」と相手の判断余地を広げるほうが自然です。
- Could you please speak more slowly?
もう少しゆっくり話していただけますか。 - Would you please send me the file?
そのファイルを送っていただけますか。
pleaseの位置でニュアンスはどう変わる?

pleaseは文頭・文中・文末に置けます。基本的な依頼内容は同じでも、話し手がどこへ注意を向けるかが少し変わります。
文頭:依頼であることを先に示す
Please close the door.(ドアを閉めてください)のように、文頭のpleaseは最初から「これは依頼です」と示します。案内、指示、店内表示などでもよく使われます。
- Please take a seat.
お掛けください。 - Please read the instructions carefully.
説明を注意深く読んでください。
文中:疑問文の依頼になじませる
Could you please wait?のように、助動詞+主語の後ろへ置く形は非常に自然です。pleaseが依頼の動作の直前に来るため、「どうかその行為を」という焦点が伝わります。
- Can you please check this?
これを確認してもらえますか。 - Would you please be quiet?
静かにしていただけますか。
Can you please …?は状況や口調によっては、丁寧なお願いにも、少しいら立った「〜してくれない?」にもなります。丁寧さは単語だけでなく、声の調子・関係性・依頼の負担で決まります。wouldとcouldの選び方はwouldとcouldの違いも参考になります。
文末:pleaseを後から添える
Come in, please.(どうぞお入りください)のように文末へ置くと、先に行為を伝え、最後にpleaseを添えます。コンマを入れて区切るのが一般的です。
- Pass me the salt, please.
塩を取ってください。 - One coffee, please.
コーヒーを一つお願いします。
口調によっては、文末のpleaseが念押しとして強く響くこともあります。Stop it, please.は穏やかな依頼にも、「お願いだからやめて」という切実な訴えにもなります。
申し出への返答:Yes, please.
pleaseは、自分から依頼を作るだけではありません。相手の申し出を受け入れるときのYes, please.も重要です。
- Would you like some tea? — Yes, please.
紅茶はいかがですか。— はい、お願いします。 - Shall I open the window? — Yes, please.
窓を開けましょうか。— はい、お願いします。
ここでも「相手が提案した行為は、私の望みに沿っています」というコアイメージが働きます。断るならNo, thank you.(いいえ、結構です)が基本です。No, please.ではありません。
なお、物を注文するときのA coffee, please.は、完全な文ではありませんが、店員に希望を丁寧に差し出す定番表現です。より文の形を整えるならI’d like a coffee, please.となります。詳しくはwould like toの使い方をご覧ください。
動詞please:「人を満足させる・喜ばせる」

pleaseは動詞として「人を満足させる」「人を喜ばせる」という意味を持ちます。語順はplease + 人です。満足する人が目的語になる点が大切です。
- The gift pleased her.
その贈り物は彼女を喜ばせました。 - We aim to please our customers.
私たちはお客様に満足していただくことを目指しています。 - His answer did not please the manager.
彼の回答は上司を満足させませんでした。
please herは「彼女の望みに沿う状態を作る」ことです。依頼のpleaseも、聞き手の意志を尊重しながら協力を求める語なので、根には同じ「望みに沿う」があります。
pleasedとpleasantも同じ語族
- I’m pleased with the result.
私はその結果に満足しています。 - I’m pleased to meet you.
お会いできてうれしいです。 - We had a pleasant conversation.
私たちは楽しい会話をしました。
pleasedは人が「満足した・うれしい」状態、pleasantは物事が「心地よい・感じのよい」性質を表します。× I am pleasant with the result.ではなく、○ I am pleased with the result.です。
as you pleaseとif you please
動詞pleaseには、少し定型的な使い方もあります。
- You may choose as you please.
好きなように選んでかまいません。 - Do as you please.
好きなようにしてください。 - Come this way, if you please.
よろしければ、こちらへどうぞ。
as you pleaseは「あなたが望むように」。文脈によっては自由を認める穏やかな表現にも、「勝手にすれば」という突き放した表現にもなります。if you pleaseは「もしそれがあなたの望みに合うなら」という古風・改まった響きを持ちます。
しゅみすけ
pleaseと似た表現の違い
pleaseとkindly
kindlyも依頼に使えますが、ビジネス文書や案内でやや形式的です。Kindly reply by Friday.(金曜日までにご返信ください)のように使います。文脈によっては上から目線に聞こえるため、日常会話ではpleaseのほうが無難です。
pleaseとthank you
pleaseは行為を求める前またはその最中、thank youは受けた行為への感謝が基本です。ただし案内文ではPlease submit the form by Friday. Thank you.のように、依頼と先回りした感謝を組み合わせることがあります。
pleaseとgo ahead
Please.だけで、相手に先を促すことがあります。しかし自然な会話ではGo ahead.(どうぞ)のほうが意味が明確な場面も多いです。
- May I ask a question? — Please, go ahead.
質問してもいいですか。— どうぞ。 - Can I use this chair? — Sure.
この椅子を使ってもいいですか。— もちろんです。
よくある間違い
1. pleaseを付ければ必ず丁寧だと思う
Give me that, please.は文法的には正しくても、状況によっては命令的です。負担のある依頼ならCould you please give me that?のように疑問文にすると、相手の選択余地が広がります。
2. pleaseの後ろにtoを置く
× Please to sit down.
○ Please sit down.(お掛けください)
3. 否定依頼をplease notで始める
通常の会話ではPlease don’t worry.(心配しないでください)が自然です。ただし看板や正式な注意書きではPlease do not enter.(立入禁止)のように短縮しない形がよく使われます。
4. 「私は満足している」をI pleaseと言う
× I please with the service.
○ I am pleased with the service.(私はそのサービスに満足しています)
FAQ
Q1. pleaseは文頭と文末のどちらが丁寧ですか?
位置だけで丁寧さは決まりません。文頭は依頼を先に示し、文末は依頼内容の後に丁寧さや念押しを添えます。文型、声の調子、相手との関係も大きく影響します。
Q2. Can you please …?は失礼ですか?
通常は自然な依頼です。ただし、強い調子で言うと不満や催促に聞こえることがあります。より距離を取るならCould you please …?が使えます。
Q3. Yes, please.とYes, thank you.の違いは?
申し出を受ける場面ではどちらも使われます。Yes, please.は「お願いします」と希望を示し、Yes, thank you.は受け入れながら感謝を強く出します。
Q4. 動詞pleaseは日常会話で使いますか?
使いますが、単純な「喜ばせる」ならmake someone happyもよく使われます。It’s hard to please everyone.(全員を満足させるのは難しい)は特に自然な定番表現です。
練習問題
日本語に合う形を選んでください。
- ここでお待ちください。
( Please / Pleased ) wait here. - もう少しゆっくり話していただけますか。
Could you ( please / pleasant ) speak more slowly? - 紅茶はいかがですか。— はい、お願いします。
Would you like some tea? — Yes, ( please / pleased ). - その結果に満足しています。
I am ( please / pleased ) with the result. - その知らせは彼女を喜ばせました。
The news ( pleased / was pleased ) her.
答えを見る
- Please
- please
- please
- pleased
- pleased
4は人の状態なのでbe pleased、5は知らせが彼女を満足させたので、動詞please + 人を使います。
まとめ:pleaseは「相手の望みに沿う」
pleaseのさまざまな用法は、相手の気持ちや望みに沿うというコアイメージで整理できます。
- Please + 動詞:希望する行為を相手へ丁寧に差し出す
- Could you please …?:相手の判断余地を残して依頼する
- Yes, please.:申し出が自分の望みに沿うと示す
- please + 人:人の望みに沿い、満足させる
- be pleased:満足した・うれしい状態にある
pleaseを置く位置だけでなく、相手との関係、依頼の負担、声の調子も含めて選ぶと、自然で感じのよい英語になります。
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