mayとmightは、どちらも「〜かもしれない」と訳されます。では、It may rain.とIt might rain.は何が違うのでしょうか。
結論からいうと、違いの中心は「現実との距離」です。mayは「可能性への扉が開いている」。mightは、そこから一歩引き、「細い糸のような可能性だけが残っている」。一般にmightのほうが確信は控えめですが、単純な確率表だけでは説明しきれません。
この記事では、推量・許可・丁寧さ・否定・過去の推測・仮定法まで、mayとmightの使い分けを例文で比較します。助動詞全体を先に整理したい方は、英語の助動詞をコアイメージで理解する総合ガイドもご覧ください。
mayとmightの違いを一言でいうと「現実との距離」

mayのコアイメージは、「ふわりと開いた扉」です。扉が開いているので、そちらへ進む可能性があります。感覚的には「開いてるで」「まあ、あり得るかも」です。
mightは、mayから現実との距離をさらに取った形です。深い谷の向こうへ細い糸が一本だけ残っているような状態で、感覚的には「いや……ワンチャンあるかも」。道は消えていませんが、mayより頼りなく、遠く感じられます。
| 比較 | may | might |
|---|---|---|
| コアイメージ | ふわりと開いた扉 | 細い糸のような可能性 |
| ひと言で | 「開いてるで」 | 「ワンチャン…かも」 |
| 現実との距離 | 比較的近い | 一歩遠い |
| 推量の確信 | 可能性は十分ある | より控えめ |
| 許可・依頼 | 丁寧 | 非常に丁寧・控えめ |
| 仮定 | 通常は中心ではない | 現実から離れた仮定と相性がよい |
推量の違い|mayよりmightのほうが可能性は低い?
It may rain tomorrow.
明日は雨が降るかもしれません。
It might rain tomorrow.
明日は雨が降るかもしれません。
日本語訳は同じですが、話し手の立ち位置が違います。mayは「雨が降る未来への扉が開いている」。mightはその可能性から一歩離れ、「雨……降るかもなあ」と控えめに眺めています。
- may:十分あり得る候補として見ている
- might:可能性は残すが、より慎重に距離を置いている
そのため、教科書ではmayを40〜50%、mightを20〜30%などと説明することがあります。この数字はイメージをつかむ補助としては便利ですが、固定ルールではありません。実際の会話ではmayとmightがほぼ同じ可能性を表すこともあり、文脈や話し手によって差は変わります。
「mayは50%、mightは30%」と毎回計算するより、mightはmayより一歩遠い方向と覚えるほうが自然です。
場面別に比べるmayとmight
予定について話す
I may join the meeting.
会議に参加するかもしれません。
I might join the meeting.
会議に参加するかもしれません。
mayでは参加が現実的な選択肢として開いています。mightでは、予定や条件がまだ読めず、参加する可能性を控えめに残しています。
人の状態を推測する
She may be busy.
彼女は忙しいのかもしれません。
She might be busy.
彼女は忙しいのかもしれません。
どちらも断定はしていません。mightのほうが「そうかもしれないけれど、確かなことは分からない」と判断を一段後ろへ引いた響きになります。
提案を柔らかくする
You may want to check the schedule.
予定を確認したほうがよいかもしれません。
You might want to check the schedule.
予定を確認してみてもよいかもしれません。
might want toは、相手への提案をかなり柔らかくする便利な表現です。「こうしなさい」と押さず、相手が選べる細い道として差し出します。実際の会話ではYou might want to …のほうが定番としてよく使われます。
May IとMight Iの違い|丁寧さの距離
May I ask you a question?
質問してもよろしいですか?
Might I ask you a question?
ご質問させていただいてもよろしいでしょうか。
mayは相手に「私が質問する扉は開いていますか」と丁寧に確認します。mightはそこからさらに距離を置き、相手の領域へ踏み込まないよう、いっそう控えめに尋ねます。
- May I …?:丁寧で、接客やビジネスでも自然
- Might I …?:非常に丁寧で、格式ばった・古風な響きになることもある
Might I …?は文法的に正しい表現ですが、日常会話では丁寧すぎることがあります。通常の丁寧な依頼ならMay I …?やCould I …?で十分な場面が多いでしょう。
許可ではmayを使い、mightは使わないことが多い
You may enter this room.
この部屋に入ってもよいですよ。
mayでは、話し手が相手に対して扉を開き、入る選択肢を認めています。これは明確な「許可」です。
一方、You might enter this room.と言うと、通常は「あなたはこの部屋に入るかもしれない」という推量に聞こえます。mightでは現実から距離を取りすぎるため、話し手が直接扉を開ける許可の感覚が弱くなるからです。
| 英文 | 自然な解釈 |
|---|---|
| You may enter. | 入ってもよいですよ(許可) |
| You might enter. | あなたは入るかもしれません(推量) |
つまり、mayをmightに置き換えれば単純に「もっと丁寧な許可」になるわけではありません。Might I …?のように自分から許可を求める形では丁寧さが生まれますが、You might …では意味自体が推量へ移る場合があります。
may notとmight notの違い
She may not come to the party.
彼女はパーティーに来ないかもしれません。
She might not come to the party.
彼女はパーティーに来ないかもしれません。
推量としては、may notが「来ない可能性への扉が開いている」、might notが「来ない可能性を控えめに残している」という違いです。might notのほうが一般に確信は弱くなります。
ただし、You may not enter.は文脈によって「入ってはいけません」という禁止を表します。mayには許可の働きがあるため、その許可を否定すると禁止になるからです。
- She may not come.:彼女は来ないかもしれない(推量)
- She might not come.:彼女は来ないかもしれない(より控えめな推量)
- You may not enter.:入ってはいけない(禁止)
主語・動詞・場面を見て、「来ない未来への可能性」なのか、「許可の扉が閉じている」のかを判断しましょう。
過去の推測|may haveとmight haveの違い
She may have missed the train.
彼女は電車に乗り遅れたのかもしれません。
She might have missed the train.
彼女は電車に乗り遅れたのかもしれません。
どちらもhave+過去分詞が過去の出来事を示し、may・mightがその出来事への確信度を加えています。一般的にはmight haveのほうが控えめですが、実際には大きな差を意識せず使われることもあります。
重要なのは、mightだけを見て「過去形だから過去」と考えないことです。過去の推測を作っている中心はhave+過去分詞です。
仮定法ではmightが自然になる
If I had time, I might go.
もし時間があれば、行くかもしれません。
この文では、現実には時間がない可能性があります。話し手は現在の現実から距離を置き、「もし時間がある世界なら」という別の世界を思い浮かべています。その遠い世界の中でも、行くことは確定していません。だから「現実から距離を置く」mightが自然に合います。
If we left now, we might catch the last train.
今出れば、終電に間に合うかもしれません。
仮定法を公式だけで覚えるのではなく、mightを「遠い世界へ伸びる細い糸」と捉えると、なぜこの形を使うのかが見えやすくなります。
時制の一致でmayがmightになる場合
mightが本来の過去形として働く代表例が、過去の発言を間接話法で伝える場合です。
She said, “I may come.”
彼女は「行くかもしれない」と言いました。
She said that she might come.
彼女は来るかもしれないと言いました。
発言を過去の視点から報告するため、mayがmightへ変わっています。ただし、現在でも可能性がそのまま有効な場合など、文脈によってmayが維持されることもあります。ここでも、形だけでなく、話し手がどの時点・どの距離から出来事を見ているかが大切です。
mayとmightの使い分け早見表
| 言いたいこと | 選びやすい表現 | 例文 |
|---|---|---|
| 十分あり得る可能性 | may | It may happen. |
| 控えめに可能性を残す | might | It might happen. |
| 丁寧に許可を求める | May I …? | May I come in? |
| 非常に控えめに尋ねる | Might I …? | Might I add something? |
| 相手に許可を与える | may | You may leave. |
| 現実から離れた仮定 | might | If I had time, I might go. |
| 過去を控えめに推測する | might have | He might have forgotten. |
mayとmightを使い分ける3ステップ
- 許可か推量かを見る:相手のために扉を開けるならmay。出来事の可能性を話すなら次へ進む
- 現実との距離を見る:十分あり得るならmay、さらに控えめに距離を取るならmight
- 仮定の世界かを見る:現実とは違う条件を思い描くならmightが自然
最初から完璧に確率を判定する必要はありません。実際の会話ではmayとmightが重なることも多いため、迷ったときは「mightのほうが一歩遠い」という軸だけを持っておけば十分です。
mayとmightに関するよくある質問
mayとmightは入れ替えても通じますか?
推量では入れ替えても大意が通じる場面が多くあります。ただし、mightのほうが控えめ・遠い響きになる傾向があります。許可では単純に交換できず、You may enter.とYou might enter.では意味が変わります。
mightは必ずmayより可能性が低いですか?
必ず一定の割合で低くなるわけではありません。話し手によって両者がほぼ同じ意味で使われることもあります。ただし、mightには「現実から一歩引く」方向性があるため、控えめさや不確実さを出したいときに選ばれやすい表現です。
mayとmaybeの違いは何ですか?
mayは助動詞で、後ろに動詞の原形を置きます。maybeは副詞で、文全体に「たぶん」という判断を加えます。It may rain.とMaybe it will rain.のように文の形が異なります。
まとめ|mayは開いた扉、mightは遠くへ伸びる細い糸
- mayは「ふわりと開いた扉」で、可能性を比較的近くに感じる
- mightは現実から一歩引き、「細い糸のような可能性」を残す
- 推量ではmightのほうが一般に控えめだが、確率は固定ではない
- May I …?は丁寧、Might I …?は非常に丁寧
- 許可を与えるYou may …をYou might …へ単純置換はできない
- 仮定法では、現実から距離を置くmightが自然に使われる
mayとmightを見分けるときは、「何%か」を計算する前に、話し手が現実からどれくらい離れているかを感じてください。扉が開いているmayから、一歩後ろへ下がったものがmightです。
それぞれの使い方をさらに詳しく確認したい方は、mayのコアイメージ解説とmightのコアイメージ解説もあわせてご覧ください。
映像で距離感をつかみたい方は、しゅみすけの「助動詞・準助動詞」コアイメージ総集編もご活用ください。動画で解説しているしゅみすけ自身が英語コーチングも担当しています。知識を会話で使える形へ組み直したい方は、英語コーチングを受ける前に知っておきたいことも参考にしてみてください。



