過去進行形は、学校では「was・were+動詞のing形=〜していた」と習います。形としては正しいのですが、日本語訳だけで覚えると、I cooked dinner. と I was cooking dinner. の違いや、なぜ過去の話なのに動詞を単純な過去形にしないのかが見えにくくなります。
過去進行形の中心は、過去のある時点へカメラを戻し、動きの途中にある場面を内側から見ることです。
I was cooking dinner at seven.
7時には、夕食を作っている途中でした。
この文は、料理を始めてから終えるまでを一つの出来事として報告しているのではありません。過去の7時という場面を開き、その瞬間には料理という動きがまだ続いていた、と映像のように見せています。
過去進行形とは?過去の途中の場面を切り取る形
過去進行形の基本形は次の通りです。
主語+was・were+動詞のing形
I was reading.
私は読書をしている途中でした。
現在進行形が「今、動いている途中」を切り取るのに対し、過去進行形はそのカメラを過去へ移します。進行形のコアイメージは変わりません。違うのは、主語をその状態へ置くbe動詞が、現在形のam・is・areから過去形のwas・wereへ変わる点です。
- 現在進行形:am・is・are+-ing → 今の途中
- 過去進行形:was・were+-ing → 過去の途中
was・wereと-ingを分けると意味が見える
過去進行形は、was・wereと-ingが別々の仕事をしています。
was・were=主語を過去の場面へ置く
be動詞には、主語をある状態・場所・立場へ結び付ける役割があります。was・wereは、その状態を過去へ置きます。
I was tired.(私は疲れた状態でした)
I was at home.(私は家にいる状態でした)
I was working.(私は働く動きの途中にいました)
be動詞を単なる飾りとして覚えると、I working. のように抜けやすくなります。was・wereが主語を過去の場面に置くと考えると、なぜ必要なのかが分かります。be動詞の役割はbe動詞と一般動詞の違いでも詳しく解説しています。
-ing=動きを外から閉じず、途中として見せる
-ingは、動作の始まりや終わりを確定させず、その動きが展開している内側を見せます。readingなら「読んだ」という完結した出来事ではなく、「読む動きが進んでいるところ」です。
したがって、She was reading. は、過去のある場面で、彼女が読む動きの途中にいたという構造になります。
単純過去と過去進行形の違い
I cooked dinner.
夕食を作りました。I was cooking dinner.
夕食を作っている途中でした。
I cooked dinner. は、夕食を作った出来事を外側から一つのまとまりとして過去に置きます。普通は「作る」という出来事が起きたことを報告する文です。
I was cooking dinner. は、料理の開始から終了までを閉じません。過去の途中へ視点を入れ、そこで何が動いていたかを見せます。そのため、聞き手は自然に「そのとき何が起きたの?」「何時ごろ?」という続きや背景を感じます。
| 形 | 出来事の見方 | 焦点 |
|---|---|---|
| 単純過去 | 外側からひとまとまりで見る | 何が起きたか |
| 過去進行形 | 途中の場面を内側から見る | そのとき何が進行中だったか |
現在・過去・未来へ出来事を置く全体像は、英語の現在形・過去形・未来表現も参考にしてください。
過去進行形がよく使われる4つの場面
1.過去のある時刻に進行中だった動き
At eight last night, I was taking a bath.
昨夜8時、私はお風呂に入っているところでした。She was working at noon.
正午には、彼女は仕事をしていました。
at eightやat that timeなどが、過去の映像を開く時点になります。その時点より前に動作が始まり、その時点ではまだ途中だったことを見せます。ただし、開始時刻や終了時刻までは過去進行形だけでは分かりません。
2.長い背景に短い出来事が割り込む
I was cooking when he called.
料理をしていたとき、彼から電話がかかってきました。We were walking home when it started to rain.
家へ歩いていたとき、雨が降り始めました。
過去進行形は、すでに流れていた長めの背景を作ります。そこへhe calledやit startedという短い出来事が入り込みます。
- was cooking:料理している途中の背景
- called:そこへ入った一回の出来事
「長い動作なら進行形、短い動作なら過去形」という機械的な長さだけで決まるのではありません。話し手がどちらを展開中の背景として見せ、どちらを起きた出来事として置くかが重要です。
3.2つの動きが同時に進んでいた
While I was cooking, he was setting the table.
私が料理をしている間、彼はテーブルの準備をしていました。She was listening to music while she was studying.
彼女は勉強しながら音楽を聴いていました。
両方を過去進行形にすると、2つの映像が同じ時間帯に並行して流れているように見えます。whileは、ある程度の幅を持った「〜している間」を開くため、進行形と相性がよい接続詞です。
4.当時の一時的な状況・変化の途中
I was living in Osaka then.
当時、私は大阪で暮らしていました。The company was growing rapidly.
その会社は急速に成長している途中でした。
発話した瞬間に目の前で動いていたことだけでなく、過去のある期間を一時的な途中として捉えることもできます。I lived in Osaka.なら大阪に住んだ事実をひとまとまりで述べますが、I was living in Osaka.は当時の生活場面の内側へ聞き手を入れます。
whenとwhileの違い
典型的には、whenは出来事が起きた時点を示し、whileは動きが続いていた時間帯を示します。
| 接続詞 | 基本イメージ | 例 |
|---|---|---|
| when | 〜したとき/出来事の接点 | I was sleeping when you called. |
| while | 〜している間/幅のある時間 | While I was sleeping, you called. |
ただし、whenの後ろには必ず単純過去、whileの後ろには必ず進行形、という絶対規則ではありません。When I was living in London, …のように、whenが過去の期間を開くこともあります。接続詞だけでなく、話し手が出来事を「点」と「途中」のどちらで見せるかを考えましょう。
wasとwereの使い分け
| 主語 | be動詞 | 例文 |
|---|---|---|
| I / he / she / it / 単数 | was | She was sleeping. |
| you / we / they / 複数 | were | They were sleeping. |
youは一人を指す場合もwereを使います。会話ではwas not → wasn’t、were not → weren’tと短縮されます。
否定文と疑問文の作り方
否定文:was・wereの後ろにnot
I was not sleeping. / I wasn’t sleeping.
私は寝ていたわけではありません。They weren’t waiting for us.
彼らは私たちを待っていませんでした。
疑問文:was・wereを主語の前へ
Were you sleeping?
寝ていましたか?What were you doing at ten?
10時には何をしていましたか?
What were you doing?は、過去のある場面を開き、その場面の中で進行していた動きを尋ねる表現です。日常会話でも非常によく使われます。
過去進行形にしにくい状態動詞
know、believe、ownなど、動きより状態を表す動詞は、普通は進行形にしません。
- × I was knowing the answer.
- ○ I knew the answer.(私は答えを知っていました)
- × She was owning the house.
- ○ She owned the house.(彼女はその家を所有していました)
一方、thinkのように意味によって使い分ける動詞もあります。
I thought he was right.(彼が正しいと思いました/意見)
I was thinking about the problem.(その問題について考えている途中でした/思考活動)
よくある間違い
- × I was cook dinner.
○ I was cooking dinner. - × They was playing tennis.
○ They were playing tennis. - × I didn’t was sleeping.
○ I wasn’t sleeping. - × Did you were working?
○ Were you working?
過去進行形の文を動かすスイッチはwas・wereです。否定では後ろにnot、疑問では主語の前へ移します。didは使いません。
会話で使えるようにする練習
昨日の時刻を一つ選び、その瞬間の映像を思い出してください。
- At eight last night, I was ________.
- While I was ________, ________.
- I was ________ when ________.
たとえば、At eight last night, I was having dinner.、I was taking a shower when my phone rang.のように作ります。日本語の「〜していた」を探すより、過去の時点にカメラを置き、そこで動いていたものを言葉にする方が、過去進行形の感覚に合います。
まとめ:過去進行形は過去の映像を開く
- 過去進行形はwas・were+動詞のing形
- was・wereは主語を過去の場面へ置く
- -ingは動きを終わった出来事にせず、途中として見せる
- 単純過去は出来事をひとまとまりで報告する
- 過去進行形は背景・割り込み・同時進行・一時的状況を描く
「〜していた」という訳だけでなく、過去の映像を開いて途中を見る感覚があれば、単純過去との選び分けも自然になります。昨日の出来事を話すとき、事実を並べるだけでなく、一場面を過去進行形で描いてみてください。
過去進行形も、was・were+ingを覚えるだけでなく、過去の場面へカメラを置き、その途中で何が起きていたかを自分の言葉で描く練習が必要です。
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