過去完了形とは?had+過去分詞を「過去時点ですでに完了した状態」で理解する

過去の駅への到着時点から、さらに前に出発済みの列車を振り返る過去完了形のイメージ

When I arrived at the station, the train had already left.

この文には、過去の出来事が二つあります。

  • 電車が出発した
  • 私が駅に到着した

どちらも今から見れば過去ですが、同時ではありません。私が到着した時点ですでに、電車が出発した状態になっていました。この過去の基準点と、それより前の出来事をつなぐのが過去完了形です。

過去完了=過去のある基準点に、すでに完了した状態・履歴を持っていた

こんにちは。しゅみすけ(大山俊輔)です。この記事では、過去完了形の作り方、過去形・現在完了形との違い、完了・結果・経験・継続の例文、使う必要がない場合まで、「大過去」という用語暗記ではなく基準時点の感覚から解説します。

過去完了形とは?had+過去分詞の意味

過去完了形の基本形は、had+過去分詞です。主語がI・you・he・she・we・theyのどれでも、hadは変化しません。

When I arrived, the meeting had started.
私が到着したとき、会議はすでに始まっていました。

基準点はWhen I arrivedという過去です。その過去の領域に、「会議が始まったあとの状態」がすでにありました。

過去完了形は単に「昔の昔」を示す公式ではありません。現在完了形のhave・hasを過去形のhadへ移し、完了状態を持つ基準点を現在から過去へ移動した形です。

完了形全体の仕組みは、英語の完了形とは?have+過去分詞を「完了状態を持つ」感覚で理解するから確認できます。

列車が出発した時点と到着した過去の基準点を並べ、had+過去分詞が過去時点ですでに完了した状態を示す図解
過去完了形は、今ではなく過去の基準点から、それより前に完了した状態を振り返ります。

過去完了形は「過去の基準点」から振り返る

過去完了形を理解する鍵は、出来事が何年前かではなく、どこを視点にしているかです。

When I got home, my family had already eaten dinner.
私が帰宅したとき、家族はすでに夕食を食べ終えていました。

  1. 家族が夕食を食べた
  2. 私が帰宅した
  3. 帰宅した過去の時点から、食事が完了した状態を見る

話し手は現在から二つの過去を眺めているだけではありません。いったん「私が帰宅した」という過去の地点へ意識を移し、そこからさらに前を振り返っています。

過去形と過去完了形の違い

役割 例文
過去形 過去の出来事・基準点を置く I arrived at the station.
過去完了形 その基準点より前に完了した状態を置く The train had left.

I arrived at the station, and the train left.
私が駅に到着し、その後、電車が出発しました。

英語では通常、文の順番どおりに出来事が進んだように聞こえます。

When I arrived at the station, the train had left.
私が駅に到着したとき、電車はすでに出発していました。

had leftによって、電車の出発が到着より前だったことが明確になります。

過去完了形は時間の順番を逆向きに語れる

物語や説明では、起きた順番どおりに話すとは限りません。まず後の出来事を伝え、その理由や背景として、それより前の出来事へ戻ることがあります。

She was tired because she had slept only three hours.
彼女は3時間しか寝ていなかったため、疲れていました。

最初に過去の状態was tiredを置き、次にその原因となるさらに前の睡眠をhad sleptで示しています。

現在完了形と過去完了形の違い

現在完了形と過去完了形の仕組みは同じです。違うのは、完了した状態を持つ基準点です。

完了形 基準点
現在完了形 have・has+過去分詞 現在
過去完了形 had+過去分詞 過去のある時点

I have finished the report.
今、レポートを終えた状態を持っています。

I had finished the report before the meeting started.
会議が始まった過去の時点で、レポートを終えた状態を持っていました。

現在完了形の4用法や過去形との違いは、現在完了形とは?4用法と過去形との違いを「今につながる」感覚で理解するで詳しく解説しています。

過去完了形の完了・結果・経験・継続

現在完了形と同じように、過去完了形も完了・結果・経験・継続に分類できます。ただし、すべて「今まで」ではなく、過去の基準点までの話です。

完了|過去の時点ですでに終わっていた

By the time the meeting started, I had finished the report.
会議が始まるまでに、私はレポートを仕上げていました。

会議開始という過去の締切地点で、レポートが完成した状態を持っています。

結果|過去の動作の結果がその時点に残っていた

He couldn’t get into his house because he had lost his key.
鍵をなくしていたため、彼は家に入れませんでした。

家に入れなかった過去の時点に、「鍵が失われた状態」が残っています。

経験|過去の時点までに持っていた履歴

I had never seen snow before I moved to Canada.
カナダへ移住する前、私は雪を見たことがありませんでした。

カナダへ移住した過去の時点までに、雪を見る経験を一度も持っていなかったという意味です。

継続|過去の時点まで状態が続いていた

She had lived in Osaka for ten years before she moved to Tokyo.
東京へ引っ越す前、彼女は大阪に10年間住んでいました。

大阪での居住は、東京へ移った過去の時点まで10年間続いていました。

過去完了形でよく使う時間表現

  • already:すでに
  • just:ちょうど
  • never:一度も〜ない
  • before:〜より前に
  • by then:その時までに
  • by the time …:〜する時までに
  • when …:〜したとき

By the time I called, she had already left.
私が電話したときには、彼女はすでに出発していました。

byは締切となる地点を作り、過去完了形と相性のよい表現です。before・after・whenは、二つの出来事の位置関係を示します。

過去完了形を使わなくてもよい場合

過去の出来事が二つあれば、必ず過去完了形を使うわけではありません。時間の順番が接続詞や文脈から明らかな場合は、両方を過去形にすることがあります。

After I finished dinner, I took a shower.
夕食を終えたあと、シャワーを浴びました。

afterが順番を明確にしているため、had finishedにしなくても誤解されません。

I had finished dinner before I took a shower.も文法的には正しいですが、過去完了形を使うと「シャワーを浴びた時点ですでに夕食が済んでいた」という完了状態が強調されます。

  • 出来事を時系列どおりに話し、順番が明確:過去形でもよい
  • 後の過去から前の出来事へ戻る:過去完了形が役立つ
  • 過去の基準点ですでに完了していたことを強調:過去完了形

過去完了形の疑問文と否定文

疑問文ではhadを主語の前へ出し、否定文ではhadの後ろにnotを置きます。

種類 例文
肯定文 主語+had+過去分詞 She had left.
疑問文 Had+主語+過去分詞? Had she left?
否定文 主語+had not+過去分詞 She had not left.

Had you met him before the party?
パーティーの前に、彼と会ったことがありましたか。

No, I hadn’t.
いいえ、ありませんでした。

会話ではI had → I’dhad not → hadn’tの短縮形が使われます。ただしI’dI wouldの短縮形でもあるため、後ろが過去分詞ならI had、動詞の原形ならI wouldと判断します。

過去完了進行形との違い

結果・状態ではなく、過去の基準点まで続いてきた「動き」を強調する場合は had been+ing を使います。詳しくは過去完了進行形とは?had been+ingを「過去時点まで動きが続く」感覚で理解するをご覧ください。

過去完了進行形は、had been+動詞の-ing形です。過去の基準点まで続いていた動きへ焦点を当てます。

She had worked there for five years before she changed jobs.
転職する前、彼女はそこで5年間働いていました。

5年間の勤務歴・状態に焦点があります。

She had been working all day, so she was tired.
彼女は一日中ずっと働いていたため、疲れていました。

疲れていた過去の基準点まで続いた「働く動き」を映しています。現在完了形と現在完了進行形の焦点の違いと同じ構造で、基準点だけが過去へ移っています。

仮定法過去完了との違い

had+過去分詞は、過去の事実を時間順に整理する通常の過去完了形だけでなく、過去の事実に反する仮定にも使われます。

If I had left earlier, I would have caught the train.
もっと早く出ていたら、電車に間に合っていたでしょう。

これは「実際には早く出なかった」という現実から距離を取る仮定法過去完了です。通常の過去完了形は過去の時間関係、仮定法過去完了は実現しなかった過去への仮定を表します。形は同じでも、if節や文脈で役割を判断します。

過去完了形を前から理解する3ステップ

ステップ1|過去の基準点を見つける

When I arrived …
私が到着した過去の地点へ意識を移します。

ステップ2|hadでその過去の領域を作る

the train had …
その過去の地点で、電車は何らかの状態を持っていた。

ステップ3|過去分詞で完了状態を置く

the train had already left.
その過去の地点で、電車はすでに出発済みの状態だった。

「過去完了だから過去の過去」と機械的に戻らず、まず過去の基準点へ立ち、そこから完了状態を振り返ると、英語の順番のまま理解できます。

過去完了形でよくある質問

過去完了形は「〜していた」と訳せばよいですか?

日本語では「〜していた」「〜したことがあった」「すでに〜してしまっていた」など文脈で変わります。訳ではなく、過去の基準点ですでにその状態・履歴を持っていたかを確認しましょう。

過去の出来事が一つだけでも使えますか?

基準点が文脈から明らかなら使えます。たとえば物語の場面がすでに過去に置かれていれば、She had never seen the ocean before.だけでも「その時まで一度も見たことがなかった」と理解できます。

had hadは間違いですか?

間違いではありません。最初のhadは過去完了を作る助動詞、二つ目のhadは動詞haveの過去分詞です。

I had had breakfast before I left home.
家を出る前に、朝食を済ませていました。

まとめ|過去完了形は過去の地点に完了状態を持つ

  • 過去完了形はhad+過去分詞
  • 過去の基準点に、すでに完了した状態・履歴を持つ
  • 過去形は基準となる出来事、過去完了形はそれより前の完了状態を示す
  • 現在完了形との違いは、基準点が現在か過去か
  • 時間の順番が明らかな場合は、必ずしも過去完了形は必要ない
  • 過去完了進行形は過去の基準点まで続く動きに焦点を当てる
  • 仮定法過去完了は、実現しなかった過去への仮定を表す

When I arrived, the train had already left.を見たら、今から過去を二段階数える必要はありません。まず到着した過去の地点へ立ち、そこに「列車がすでに出発した状態」があると捉えてください。

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