itsは「それの」という所有格、it’sはit isまたはit hasの短縮形です。発音は同じですが、文の中の役割が違います。
- The dog wagged its tail.
その犬はしっぽを振りました。――its=それの - It’s cold today.
今日は寒いです。――it’s=it is - It’s been a long day.
長い一日でした。――it’s=it has
迷ったときはit’sをit isまたはit hasへ戻します。文が成立すればit’s、物・動物・組織などが持つものを表し、後ろに名詞が続くならitsです。
しゅみすけ(大山俊輔)
アポストロフィを見ると「所有」と考えたくなりますが、it’sの記号は所有ではなく省略の印です。所有を表すitsには、逆にアポストロフィをつけません。
itsとit’sの違いを一覧で確認

| its | it’s | |
|---|---|---|
| 意味 | それの・その | それは〜だ/それが〜した |
| 正体 | itの所有格 | it is / it hasの短縮形 |
| アポストロフィ | なし | あり |
| 例 | its name | it’s useful |
itsの後ろには通常、所有される名詞が続きます。it’sの後ろには、isまたはhasの後ろに置ける語が続きます。
itsは「それの」|itの所有格
itsは、物、動物、会社・組織、国、機械、考えなどを受けて、「それの〜」と所有・所属・部分を表します。
- The cat is licking its paws.
その猫は自分の足をなめています。 - The company changed its policy.
その会社は方針を変更しました。 - The phone has lost its signal.
その電話は電波を失いました。 - Japan is known for its food.
日本は食文化で知られています。 - Every story has its ending.
どの物語にも結末があります。
its tail、its policy、its signalのように、its+名詞が基本です。人に対するhis / her / theirと同じ位置に置かれます。英語の所有格全体はI・my・me・mineなどの代名詞一覧で確認できます。
itsは単独の「それのもの」には通常使わない
myに対するmine、yourに対するyoursのような、一般的な独立所有代名詞はitにはありません。そのため、次のように名詞を省いたitsは通常使いません。
- This is my bag. That one is yours.
これは私のバッグです。あちらはあなたのものです。 - 通常言わない:The red collar is its.
- 自然:The red collar belongs to the dog.
赤い首輪はその犬のものです。
所有格のitsは基本的に名詞とセットです。単独で所有を言いたいときはbelong to …などへ言い換えると自然です。
it’s=it is|状態・正体・天気などを表す
it’sの多くはit isの短縮です。後ろには形容詞、名詞、場所・時を表す語句、現在分詞などが続きます。
- It’s easy. = It is easy.
簡単です。 - It’s my turn. = It is my turn.
私の番です。 - It’s on the table. = It is on the table.
それはテーブルの上です。 - It’s raining. = It is raining.
雨が降っています。 - It’s five o’clock. = It is five o’clock.
5時です。
天気・時間・距離を表すitは、特定の物を指すのではなく文の主語の位置を埋めます。この使い方は天気・時間・距離を表すitで詳しく解説しています。
it’s=it has|完了形やhas gotで使う
it’sはit hasの短縮にもなります。この場合、後ろには過去分詞が続きます。
- It’s been a while. = It has been a while.
久しぶりです。 - It’s stopped raining. = It has stopped raining.
雨はやみました。 - It’s become much easier. = It has become much easier.
ずっと簡単になりました。 - It’s got a small scratch. = It has got a small scratch.
それには小さな傷があります。
It’s been …ではbeenが過去分詞なので、通常はit hasです。一方、It’s being repaired.はbeingが続き、It is being repaired.「修理中です」という受動態になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
it’sを見たらit isに戻し、合わなければit hasを試します。itsは戻す言葉がありません。後ろの名詞に「それの」という情報を直接つける語です。
後ろの語でits・it’sを見分ける
| 後ろに続くもの | 基本判断 | 例 |
|---|---|---|
| 所有される名詞 | its | its color |
| 形容詞 | it’s=it is | it’s beautiful |
| 名詞補語 | it’s=it is | it’s a problem |
| 現在分詞 | it’s=it is | it’s working |
| 過去分詞 | it’s=it hasの場合が多い | it’s changed |
ただし過去分詞の後ろでは文脈が必要です。It’s closed.は「閉まっている」ならit is closed、文脈によっては「それが閉じた」のit has closedにもなり得ます。短縮形だけで曖昧なときは、前後の意味で判断します。
its’という綴りは使わない
its’は標準英語では誤りです。単数名詞の所有を表すthe dog’s tailや、複数名詞の所有を表すthe dogs’ tailsから連想しやすい間違いです。
- 正:The dog wagged its tail.
- 誤:The dog wagged it’s tail.
- 誤:The dog wagged its’ tail.
itの所有格は最初からitsという形です。複数形や所有名詞のルールを重ねてアポストロフィを足しません。
なぜ所有なのにアポストロフィがないのか
アポストロフィ+sが所有を表すのは、主に名詞です。代名詞の所有形は、それぞれ専用の綴りを持っています。
- his――彼の・彼のもの
- hers――彼女のもの
- yours――あなたのもの
- ours――私たちのもの
- theirs――彼ら・彼女らのもの
- whose――誰の・誰のもの
- its――それの
どれにも所有を示すアポストロフィはありません。who’sとwhoseの関係も同じで、詳しくはwhoseとwho’sの違いで確認できます。
動物にはitsとhis・herのどちらを使う?
性別が分からない動物や、一般的な種類として述べる動物にはitsを使えます。名前をつけて飼っている動物など、性別が分かり個体として親しみを込めて話す場合はhisやherも自然です。
- A bird uses its wings to fly.
鳥は翼を使って飛びます。 - Our dog Max loves his new bed.
うちの犬マックスは新しいベッドが大好きです。 - Lucy is sleeping in her basket.
ルーシーは自分のかごで寝ています。
これは文法上の絶対的な区別というより、話し手がその動物をどの程度個体として捉えているかにも関係します。
会社・国・製品にもitsを使う
単数の会社・組織・国・製品は、通常itで受けるため所有格はitsです。
- The company announced its new strategy.
その会社は新戦略を発表しました。 - The museum has updated its website.
その美術館はウェブサイトを更新しました。 - The app has improved its design.
そのアプリはデザインを改善しました。
一方、会社をそこで働く人々の集団として複数扱う英語もあります。その場合はtheirが選ばれることがありますが、特にアメリカ英語では単数組織+itsが基本です。
よくある間違い
- It’s color is blue. → Its color is blue.(それの色)
- Its raining. → It’s raining.(It is raining.)
- Its’ name is… → Its name is…
- It’s been repaired.のit’sを常にit isと考える:ここではit has
- 所有なら必ず’s:代名詞の所有形にはアポストロフィをつけない
中学英語で簡単に見分けるなら
まずは次の三つを一組で覚えましょう。
- Its name is Coco.――その名前はココです。
- It’s cute.――それはかわいいです。=It is
- It’s grown a lot.――それはずいぶん成長しました。=It has
「それの+名詞」ならits。「それは〜です」「それが〜しました」と文の主語+動詞になるならit’sです。
理解チェック
- (Its / It’s)too late.
- The tree has lost(its / it’s)leaves.
- (Its / It’s)been a difficult week.
- The machine is in(its / it’s)original position.
- (Its / It’s / Its’)working now.
答え:1. It’s(It is) 2. its 3. It’s(It has) 4. its 5. It’s(It is)。its’という形は使いません。
まとめ|所有ならits、展開できるならit’s
- itsはitの所有格で「それの」
- it’sはit isまたはit hasの短縮形
- 二つの発音は同じなので後ろの語と文脈で判断する
- its’という綴りは使わない
- 所有のitsは基本的に後ろの名詞とセットで使う
迷ったら、it’sをit isとit hasへ順番に戻してください。どちらにも展開できず、後ろの名詞に「それの」という情報を加えるならitsです。名詞の範囲を決める言葉としての働きは英語の限定詞でも整理しています。
be:RIZEでは、似た綴りを丸暗記するだけでなく、省略前の文の骨格や単語同士のつながりから英語を理解します。知っている文法を会話で使える形へ変えたい方は、英語コーチングの内容をご覧ください。
同じアポストロフィ系で迷いやすいyourとyou’reについては、yourとyou’reの違いで「あなたの」とyou areを整理しています。






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