「英語を話せるようになるには、独り言が効果的だと聞いた。でも、いざ始めると何も言えない」
部屋にある物を英語で言ってみる。今日あったことを話そうとする。しかし、数秒で言葉が止まり、結局日本語で考えた長い内容を英訳し始める。
英語の独り言は、お金をかけず、一人でできるスピーキング練習です。それでも、やり方を決めずに「自由に英語を話そう」とすると、初心者ほど難しく感じます。
最初に結論をお伝えします。
独り言英会話は効果があります。ただし、最初から自由に長く話す必要はありません。「目の前の実況」と「今日の出来事の再演」に分け、短い3文を場面から取り出す練習にすると、知っている英語が会話で使える英語へ変わります。
はじめまして。しゅみすけ(大山俊輔)です。僕は20年以上にわたり、大人の英語学習をサポートしてきました。現在は、聞ける・話せる力に特化した英語コーチング「be:RIZE」を運営しています。
この記事では、独り言英会話に期待できる効果、初心者が続かない原因、具体的なやり方と例文、1日15分の練習メニューを解説します。
英語の独り言にはどんな効果がある?
英語を話すときには、相手の質問を受け、伝えたい場面を思い浮かべ、使える骨格と単語を選び、音にして出す必要があります。
ところが、単語帳や文法問題では、答えの手がかりが目の前にあります。英文を読めば意味がわかっても、自分の場面から英語を取り出す練習にはなっていないことがあります。
独り言英会話では、次の動作を一人で練習できます。
- 伝えたい場面を選ぶ
- 短い英語の骨格を置く
- 必要な単語を取り出す
- 実際に口と声を動かす
- 言えなかった箇所を発見する
つまり、知識を増やすというより、すでに知っている英語を自分から取り出す回路を作る練習です。
英語を勉強しても話せない原因については、「英語を毎日勉強しても話せないのはなぜ?努力が会話力につながらない5つの原因」でも詳しく解説しています。
独り言英会話が効果ない・続かないと感じる5つの原因
原因1:いきなり自由に話そうとする
「英語で何でもいいから話してください」と言われると、話題を決め、内容を組み立て、英語へ変換し、発音する作業を同時に行うことになります。
初心者には負荷が高すぎます。英語力の問題だけでなく、日本語でも一人で自由に10分話すのは簡単ではありません。
最初は話題を限定します。「今していること」「目の前にあるもの」「今日一番印象に残った出来事」のように、場面が明確なものから始めます。
原因2:立派な日本語をそのまま英訳しようとする
たとえば、次の内容を言いたいとします。
「今日は朝から会議が連続していて、お昼を食べる時間もなかったので、帰宅したときにはとても疲れていました」
これを一文の英語へ翻訳しようとすると、接続詞、時制、語順などを同時に考え、止まります。
独り言では、短い映像へ分けます。
- I had many meetings today.
- I had no time for lunch.
- I was very tired when I got home.
会話は作文コンテストではありません。一つの長い英文より、短い文を足して意味を運ぶことを優先してください。
原因3:毎回、新しいことを話そうとする
独り言を日記のように考えると、毎日違う話題を探したくなります。しかし、スピーキング練習では同じ内容を何度も言うことに価値があります。
昨日言えなかった文を今日もう一度言う。同じ骨格で中身だけを替える。この繰り返しで、考えなければ出なかった英語が少しずつ反射に近づきます。
原因4:わからない表現をすべて調べる
言えないたびに辞書や翻訳アプリを開くと、独り言の時間が調査の時間になります。
最初は知っている簡単な英語で言い換えます。それでも伝えたい重要な一文だけ、あとから調べてください。
一日に新しく作る表現は1〜3本で十分です。
原因5:録音を発音の欠点探しに使う
自分の声を録音すると、発音、間、文法ミスなどが気になります。しかし、最初からすべてを直そうとすると、独り言そのものが怖くなります。
初心者が録音で最初に見るのは、次の3点だけで構いません。
- 短い一文目を出せたか
- 途中で止まっても次の文へ移れたか
- もう一度なら少し楽に言えそうか
初心者向けの独り言は「実況」と「再演」に分ける
何を話せばよいかわからない人は、独り言を次の2種類に分けてください。
1.目の前のことを短く「実況」する
見えている物や、今している動作を英語にします。
- I’m making coffee.
- The water is hot.
- I need a clean cup.
- I’m waiting for the train.
- It’s crowded today.
- I’m looking for my keys.
実況の利点は、話す内容を考える必要がないことです。場面が目の前にあるため、場面から英語を取り出すことだけに集中できます。
ただし、目に入る物の名前を延々と言うだけでは会話へ広がりにくくなります。
おすすめは、次の3段階です。
- 今していること:I’m making coffee.
- 状態や感想:It smells good.
- 次にすること:I’m going to drink it at my desk.
動作・感想・次の予定という3文にすると、短い会話の形になります。
2.今日あったことを短く「再演」する
再演では、実際に起きた場面を思い出し、もう一度英語で体験します。
たとえば、仕事中に同僚から質問され、すぐ答えられなかった場面です。
- My coworker asked me a question.
- I didn’t know the answer.
- So I checked the document.
その場で英語を使った出来事でなくても構いません。日本語で起きた日常を、英語で再演します。
実際の記憶には、場所、人、感情があります。そのため、教材の架空の例文よりも英語を取り出す手がかりが多くなります。
独り言英会話は、まず「3文」で十分
初心者が独り言を始めるとき、時間ではなく文の数を目標にするのがおすすめです。
最初は次の3文だけで構いません。
- 何が起きたか
- 自分はどうしたか
- どう感じたか、次にどうするか
たとえば、電車が遅れた場面なら、次のようになります。
- My train was late.
- I waited for twenty minutes.
- I was a little annoyed.
友人とランチへ行ったなら、次のように言えます。
- I had lunch with my friend.
- We talked about our work.
- I had a great time.
一日3文なら、話題を決める負担も小さく、繰り返しやすくなります。
独り言で使いやすい5つの基本骨格
自由に文を作ろうとせず、最初は次の骨格を使い回します。
I’m + 状態/動作
- I’m tired.
- I’m hungry.
- I’m working now.
- I’m waiting for a call.
I + 動詞
- I work from home.
- I like this song.
- I need some rest.
- I forgot my umbrella.
I had + もの/経験
- I had a meeting.
- I had coffee with my friend.
- I had a busy day.
- I had no time for lunch.
I’m going to + 動詞
- I’m going to take a shower.
- I’m going to call my mother.
- I’m going to go to bed early.
I think + 文
- I think it’s a good idea.
- I think I need more practice.
- I think tomorrow will be busy.
難しい構文を増やさなくても、この5つで日常のかなり多くを表現できます。
基本の骨格からやり直したい方は、「中学英語からやり直す社会人はどこまで戻ればいい?会話につながる5つの土台」も参考にしてください。
単語が出てこないときは「1語5場面」を独り言へ入れる
独り言は、覚えた単語を実際に動かす場所としても使えます。
たとえばhaveを練習する日は、haveを使える自分の場面を5つ用意します。
- I have a meeting today.
- I have two brothers.
- I had a good lunch.
- I have a headache.
- I have no idea.
それぞれの場面を思い浮かべて独り言で使います。
翌日は、英文を見ずに場面だけから言ってみてください。単語を日本語訳から思い出すのではなく、現実の場面から取り出す練習になります。
詳しい方法は、「英単語を覚えても話せない理由|会話で使える単語に変える4つの覚え方」で解説しています。
独り言を録音するときの正しい使い方
スマートフォンで30秒から1分だけ録音すると、自分の英語を客観的に確認できます。
次の順番で行います。
- 今日の場面を一つ選ぶ
- 見ずに3文話して録音する
- 一度だけ聞く
- 言えなかった一文を作り直す
- 同じ場面でもう一度録音する
最初と二回目を比べると、短い時間でも取り出しやすさが変わることがあります。
録音を保存して毎日分析する必要はありません。発音の欠点一覧を作るのではなく、「言えなかったところを一つ見つけ、もう一度言う」ために使います。
独り言で間違えた文法や発音はどうする?
一人で練習すると、間違いを覚えてしまうのではと心配する人もいます。
もちろん、誤りに気づいたときは修正する価値があります。しかし、間違いを完全になくしてから話そうとすると、口を動かす量が極端に減ります。
優先順位は次の通りです。
- 短くても意味を最後まで出す
- 繰り返し止まる箇所を見つける
- よく使う一文だけ正しい形を確認する
- 修正した文を翌日もう一度使う
発音も同じです。すべての音を一度に直すのではなく、相手へ伝わりにくかった音や、よく使う表現のリズムから整えます。
独り言からオンライン英会話へつなげる方法
独り言で練習した内容は、実際の会話で試して初めて相手とのやり取りになります。
オンライン英会話の前に、その日に練習した3文と、相手へ返す質問を一つ用意してください。
- I had a busy day.
- I had two meetings.
- But I finished work early.
- How was your day?
レッスンの目標を「流暢に話す」ではなく、「準備した3文を実際に使う」にします。
独り言は本番の代わりではありません。実践前に言いたい英語を作り、実践後に言えなかった英語を再演する場所です。
オンライン英会話で毎回落ち込んでしまう方は、「オンライン英会話でへこむ・続かない本当の理由」もご覧ください。
初心者向け・1日15分の独り言メニュー
| 時間 | 練習 | 目的 |
|---|---|---|
| 3分 | 目の前の動作を3文で実況する | 場面から英語を出す |
| 4分 | 今日の出来事を3文で再演する | 過去の場面を英語で組み直す |
| 3分 | 言えなかった一文だけ確認する | 必要な知識を補う |
| 3分 | 3文を録音し直す | 修正後に再び取り出す |
| 2分 | 翌日使う一文を決める | 練習をつなげる |
15分すべてできない日は、3文の実況だけでも構いません。時間よりも、場面から短い英語を取り出す動作を続けることが大切です。
独り言英会話の効果を判断する5つの変化
独り言の成果を、長時間流暢に話せたかだけで判断しないでください。
- 最初の一文が以前より早く出た
- 長い日本語を短い3文へ分けられた
- 同じ骨格で中身を替えられた
- 前日に言えなかった文を翌日は言えた
- オンライン英会話で練習した文を使えた
これらはすべて、英語を取り出す回路が育っているサインです。
英語を話せるようになるための全体的な練習設計は、「英語を話せるようになるには?勉強しても話せない人に必要な3つの練習」でも確認できます。
まとめ:独り言は自由に話す練習ではなく、場面から3文を取り出す練習
英語の独り言は、初心者にも効果があります。ただし、最初から長く自由に話そうとする必要はありません。
まずは、次の2種類に分けてください。
- 目の前のことを短く実況する
- 今日あったことを3文で再演する
そして、次の流れを繰り返します。
- 場面を一つ選ぶ
- 短い3文で話す
- 言えなかった一文だけ確認する
- 同じ場面でもう一度話す
- 翌日また取り出す
独り言英会話の目的は、一人で立派なスピーチをすることではありません。実際の会話で使いたい短い英語を、場面から取り出せるようにすることです。
まず今日、コーヒーを入れる、電車を待つ、仕事を終えるなど、目の前の一場面を3文で実況してみてください。
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