カタカナ英語になるのはなぜ?日本語では母音を入れてしまう理由

カタカナ英語の余分な母音に気づき発音を練習する社会人

英語を話しているつもりなのに、「カタカナ英語っぽい」「一音ずつ区切れて聞こえる」と言われたことはありませんか。

たとえば、Christmasが「ク・リ・ス・マ・ス」、strikeが「ス・ト・ラ・イ・ク」、deskが「デ・ス・ク」のように聞こえる状態です。

これは、英語の発音が苦手だからでも、舌や口が器用に動かないからでもありません。日本語と英語では、そもそも音の組み立て方が違うためです。

日本語は、子音のあとに母音が続く音を多く使います。そのため、日本語話者が英語を話すと、英語にはない母音を無意識に補い、一つの英単語を細かく分けてしまいやすいのです。

この記事では、なぜカタカナ英語になるのかを、日本語の音の構造から解説します。発音記号や難しい専門用語をすべて覚えなくても始められる、母音を入れすぎない練習方法も紹介します。

カタカナ英語とは?「日本語なまり」とは少し違う

カタカナ英語という言葉には、いくつかの意味があります。

  • 英語由来の言葉を日本語として使うもの:テレビ、ホテル、コンビニなど
  • 英語をカタカナで表記したもの:グッドモーニング、ハウアーユーなど
  • カタカナを読む感覚のまま英語を発音すること

今回扱うのは3つ目の意味です。

日本人が英語を話したとき、日本語らしいアクセントが残ること自体は問題ではありません。世界では、それぞれの母国語の影響を受けた英語が話されています。日本語なまりを完全になくし、ネイティブと同じ音を再現する必要はありません。

ただし、英語に存在しない母音を何度も加えると、単語の音節数やリズムが大きく変わります。その結果、相手が知っている英単語と結びつけにくくなり、聞き返される原因になることがあります。

直したいのは「日本人らしさ」ではなく、英語の音の形そのものが変わってしまう部分です。

カタカナ英語になる最大の理由は「母音を足すこと」

日本語の「か・き・く・け・こ」をローマ字で表すと、ka・ki・ku・ke・koです。どれも子音のKだけでは終わらず、そのあとにa・i・u・e・oの母音が続きます。

日本語では、「ん」や小さい「っ」などを除き、子音だけを独立して発音することが多くありません。私たちは普段、子音と母音を一つのまとまりとして使っています。

そのため、英語で子音だけが続いたり、単語の最後が子音で終わったりすると、日本語で発音しやすい形へ無意識に変換します。

  • desk → デ・ス・ク
  • strike → ス・ト・ラ・イ・ク
  • Christmas → ク・リ・ス・マ・ス
  • McDonald → マ・ク・ド・ナ・ル・ド

カタカナで書かれた「デスク」や「クリスマス」は、日本語としては正しい発音です。しかし、その音を英語へそのまま持っていくと、英語にはなかった母音が増えます。

母音が増えるたびに音のまとまりも増えるため、英語より長く、細かく、均等に区切られた音になります。これが、カタカナ英語が「ダ・ダ・ダ・ダ」と一音ずつ続いて聞こえる大きな理由です。

英語の子音に日本語の母音を加えた場合の音の長さの違い
子音のあとに母音を加えると、もとの英語より音のまとまりが増え、単語全体が長くなります。

日本語は「拍」、英語は「音節」のまとまりが目立つ

日本語と英語の違いを理解するとき、「拍」と「音節」という考え方が役立ちます。厳密には専門的な説明が必要ですが、初心者は次のように捉えれば十分です。

  • 日本語:おおむね一つひとつの音を同じ長さの拍で刻む
  • 英語:一つの音節に複数の子音や母音が入り、強弱を伴ってまとまる

たとえば、strikeは英語では一音節です。最初に複数の子音が続き、最後も子音で終わります。

ところが、「ストライク」とカタカナで読むと、ス・ト・ラ・イ・クという複数の拍に分かれます。単にアクセントが違うのではなく、音の個数と長さが変わっているのです。

Christmasも、英語では一般に2音節ですが、日本語の「クリスマス」は5拍です。日本語として親しんでいる言葉ほど、カタカナの音が強く記憶されているため、英語へ切り替えるのが難しくなることがあります。

だから、カタカナ英語を直すには、一つひとつの音を上手に言う前に、英語では何個のまとまりになっているかを捉えることが大切です。

なぜ母音を入れていることに自分で気づけないのか

日本語では母音が入るのが自然だから

日本語の音の仕組みは、子どもの頃から無意識に身についています。日本語を話すたびに、「ここで母音を入れよう」と考えているわけではありません。

英語でも同じ仕組みが自動的に働くため、本人には母音を足している感覚がありません。むしろ、母音を入れない英語の音の方が、「音が抜けている」「きちんと発音していない」ように感じることがあります。

スペルを一文字ずつ読もうとするから

英単語を文字で見ると、すべての文字を明確に発音したくなります。しかし、英語のスペルと実際の音は一対一で対応していません。

さらに、日本語式にアルファベットをカタカナへ置き換えると、子音だけの部分にも母音が加わります。スペルを正確に読もうとする努力が、かえって英語の音から離れる場合があるのです。

カタカナ表記を正解として覚えているから

hotel、coffee、salad、orangeなどは、日本語のなかでも頻繁に使います。そのため、英語を聞く前から「ホテル」「コーヒー」「サラダ」「オレンジ」という完成した音が頭のなかにあります。

同じスペルを見ると、英語を新しく聞くのではなく、記憶済みのカタカナ音を呼び出してしまいます。知っている単語ほど発音しにくいという、一見不思議なことも起こります。

母音を入れすぎないための5つの練習

1.まずカタカナで読んで、自分の音を観察する

いきなり正しい発音を目指す前に、desk、strike、Christmas、McDonaldなどを、普段のカタカナどおりに言ってみます。

どこで音を区切ったか、いくつの母音が聞こえたかを確認してください。スマートフォンで録音すると、自分では気づかなかった「ウ」や「オ」が聞こえることがあります。

2.単語の最後の子音で止める

deskの最後を「ク」と言わず、Kの位置で息を止める感覚を試します。bigの最後も「グ」まで言い切らず、Gを作る位置で音を終えます。

子音を強く破裂させることが目的ではありません。最後に「ウ」を加えず、子音の準備をしたところで終われれば十分です。

3.子音の連続を一つのかたまりとして真似する

strikeのstrを、「ス・ト・ラ」と三つに分けず、一つの子音のかたまりとして捉えます。最初は遅くても構いません。

一つずつ正確に作ろうとすると母音が入りやすいため、音声を短く区切って、そのまとまり全体を真似します。スペルより、実際に聞こえた音を優先しましょう。

4.母音を削った状態から、本来の母音だけを残す

「デスク」のe・uのように、英語にもともとある母音と、日本語の都合で追加した母音を分けます。

すべての母音を弱くすればよいわけではありません。英語にも必要な母音があります。削るのは、子音を発音しやすくするために後から加えた母音です。

5.単語だけでなく短い文で練習する

単語で母音を削れても、文になると元のカタカナ発音へ戻ることがあります。

  • I left my desk.
  • It was a strange story.
  • We had Christmas dinner.

短い文のなかで、子音で終わる部分と次の単語を続けてみます。母音を足さなくても次の音へ移れる感覚を育てるためです。

カタカナを完全に使わない方がいい?

初心者が英語の音を覚える補助として、カタカナを使うこと自体が悪いわけではありません。

初めて見る単語の読み方を大まかに把握したり、聞こえた音を自分なりにメモしたりするときには役立ちます。僕自身も、実際に聞こえた音を「ハマチ」「モヲネン」のような日本語でメモすることがあります。

重要なのは、辞書的なカタカナ表記を正解として固定しないことです。

  • 文字どおりのカタカナへ変換する
  • 実際に聞こえた音を日本語で近似してメモする

この二つは似ているようで違います。前者は日本語の音へ英語を押し込みます。後者は、自分の耳で聞いた英語へ近づくための一時的な補助です。

最終的には、カタカナを見なくても音声を聞き、そのまとまりをそのまま再現できる状態を目指します。

母音を削るだけで英語らしくならない理由

カタカナ英語の大きな原因は母音の追加ですが、母音を削るだけで英語の発音が完成するわけではありません。

英語には、強く読む部分と弱くなる部分、音の長短、単語同士のつながりがあります。また、口先だけで一つひとつの子音を作ろうとすると、喉や口に力が入り、文全体では音が続かなくなることがあります。

be:RIZEでは、日本語と英語の大きな違いを、口や舌だけではなく、発声・共鳴・音のつなぎ方まで含めて捉える方法を「喉発音」と呼んでいます。

喉に力を入れて低い声を作るのではありません。あくびやため息のように喉まわりをゆるめ、身体の奥から息と音を流し、複数の音を一つのまとまりで出す考え方です。

英語発音の全体像と喉発音の練習順については、親記事の英語の発音は何から練習する?日本語発音から抜け出す「喉発音」の考え方で詳しく解説しています。

余分な母音を減らしたあと、文章になると一音ずつ途切れてしまう場合は、英語が一音ずつ途切れてしまう人へ|日本語と英語の音節・リズムの違いで、次の練習へ進んでください。

母音を削ろうとして口や喉へ力が入る方は、英語を喉から発音するとは?口先の発音との違いを初心者向けに解説で、力まず声を流す基本を確認してください。

発音できなければ英語は聞き取れない?

自分が母音を加えて覚えていた単語と、実際の英語の音が大きく違えば、知っている単語なのに聞き取れないことはあります。発音練習を通じて、本来の音のまとまりに気づくことは、リスニングにも役立ちます。

ただし、「自分で発音できない音は聞き取れない」と断定することはできません。母国語のアクセントを残しながら、英語を十分に聞き取っている人は世界中にいます。

リスニングには、語彙、文法、話題の知識、音の変化、英語を前から理解する処理なども関係します。発音は重要な要素の一つですが、唯一の条件ではありません。

知っている英単語が実際の会話で聞き取れない方は、教材の英語は聞けるのに、ネイティブ英語が聞き取れない7つの理由も参考にしてください。

まとめ:英語に日本語の母音を足していないか確認する

カタカナ英語になる大きな理由は、日本語の音の仕組みを英語にも使っていることです。

日本語では、子音と母音を一つのまとまりとして使うことが多いため、英語の子音が連続する部分や、子音で終わる部分にも母音を補いやすくなります。

その結果、英語にはなかった音が増え、単語が長くなり、一音ずつ均等に区切られます。日本語なまりそのものではなく、単語の音の形が変わるため、相手に伝わりにくくなる場合があります。

まずは、自分の発音に余分な「ウ」「オ」などが入っていないか確認しましょう。そして、単語の最後を子音で止める、子音の連続を一つのまとまりで真似する、短い文で繰り返すという順番で練習します。

ネイティブの発音を100点満点で再現する必要はありません。日本語の音へ無理に変換せず、相手が知っている英語の音へ近づけることが目的です。

発音記号をすべて覚えてから会話へ進むべきか迷っている方は、発音記号を覚えなくても英語は話せる?必要な人・後回しでよい人で、自分に合う優先順位を確認してください。

リエゾンを一覧で暗記せず、声と息が流れた結果として理解したい方は、英語のリエゾンは暗記しなくてもいい?音が自然につながる仕組みをご覧ください。

ネイティブ音声を何度まねても同じように言えない方は、英語の発音練習でネイティブを真似してもできない理由で、完成形を分解して練習する手順を確認してください。

発音をどこまで直すべきか迷っている方は、英語の発音はどこまで直すべき?通じる発音とネイティブ発音の違いで、自分の目的に合う到達点を確認してください。

発音を独学で進める方法と、第三者に確認してもらう境界を知りたい方は、英語の発音は独学で練習できる?講師の確認が役立つポイントも参考にしてください。


自分の発音と学習順を一度整理したい方へ

独学で録音と音声を比較し、母音を入れている場所を見つけられる方は、そのまま練習を進めて問題ありません。すべての人に発音矯正や英語コーチングが必要なわけではありません。

一方、自分のどこが伝わりにくいのか判断できない、発音を意識すると英語が話せなくなる、仕事で使う期限がある場合は、第三者に現在地を確認してもらう方法もあります。

be:RIZEでは、発音だけを切り離すのではなく、リスニングやスピーキング、英文の骨格、コア単語と組み合わせて、目的に必要な学習順を整理しています。必要な方は、無料相談をご検討中の方へをご覧ください。

 

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