こんにちは、しゅみすけこと大山俊輔です。
英語のaとanについて、次のように覚えていませんか。
aは子音の前anは母音の前- どちらも「一つの」という意味
基本としては間違っていません。しかし、この説明だけでは、会話中にaやanが出てこないことがあります。
また、次のような例で迷いやすくなります。
- なぜ
an hourなのか - なぜ
a universityなのか - 数えられないはずの
coffeeに、なぜaを付けられるのか take a breakのaは何を一つと数えているのか
結論からいうと、a / anは、名詞に「ひとつ分の輪郭」を与えて、会話の場面へ登場させる言葉です。
物を一個だけ数えるのではありません。一人、一件、一回、一杯、一種類など、話し手がひとまとまりとして切り出したものに輪郭を作ります。
この記事では、大人の英語初心者に向けて、a / anの意味、使う条件、音による選び方、会話でよく使う形を整理します。
a / anは、名詞にひとつの輪郭を与えて場面へ出す- 単数の可算名詞を「どれか一つ」として話すときに使う
aとanは、後ろに続く語のつづりではなく音で選ぶ- 物だけでなく、人・出来事・行動・一杯分などにも使える
- 単語だけでなく、
a new jobやtake a breakのまとまりで練習する
英語のa・anとは?名詞に「ひとつの輪郭」を与える言葉
aとanは不定冠詞と呼ばれます。基本的な働きは同じです。
たくさんあり得るものの中から、話したいものを一つ分だけ切り出し、聞き手の頭へ登場させます。
a book:本を一冊分として切り出すan apple:リンゴを一個分として切り出すa problem:問題を一件分として切り出すa break:休憩を一回分として切り出す
「一つの」と訳せることは多いのですが、毎回数字のoneを強調しているわけではありません。
たとえばI need a pen.は、普通「ペンが一本必要です」と訳します。しかし話し手は、一本という数字を強調するより、ペンを何か一つ用意してほしいと伝えています。
数字を強く対比するなら、I need one pen, not two.のようにoneを使います。
| 形 | 中心 | 例 |
|---|---|---|
a / an |
ひとつの輪郭を作る | I need a pen. |
one |
数が1であることを強調する | I need one pen, not two. |
a・anを使う基本条件は「単数の可算名詞」
a / anを使う基本条件は、名詞を一つ、二つと輪郭を分けられることです。このような名詞を可算名詞と呼びます。
さらにa / anは、一つ分を表すため単数形と組み合わせます。
a chair:椅子一脚an idea:アイデア一つa meeting:会議一件an accident:事故一件
英語では、単数の可算名詞を裸のまま置けないことが多くあります。
- 不自然:
I bought book. - 自然:
I bought a book.
bookとだけ言われても、聞き手には一冊なのか複数なのか、どの本なのかが見えません。a bookとすることで、どれか一冊を場面へ出せます。
複数形にはa・anを付けない
a / anは一つ分の輪郭を作るため、複数形には付きません。
a book/booksan apple/applesa child/children
a booksやan ideasにはなりません。
my・this・thatなどとは一緒に置かない
my、this、thatなども、名詞をどのように見せるかを決める語です。そのため、通常はa / anと重ねません。
my book(私の本)this book(この本)that idea(あのアイデア)
a my bookやan this ideaとは言いません。
aとanの違いは「文字」ではなく、後ろの語の音

aとanの意味は同じです。違いは、後ろに続く語の最初の音です。
- 子音の音で始まる →
a - 母音の音で始まる →
an
| 例 | 最初の音 | 選ぶ形 |
|---|---|---|
book |
子音の音 | a book |
car |
子音の音 | a car |
apple |
母音の音 | an apple |
idea |
母音の音 | an idea |
anを使うのは、母音の音が続くときに発音しやすくするためです。これは文字のテストではなく、口から音を滑らかに出す仕組みです。
an hourになる理由
hourは文字ではhから始まります。しかしhを発音せず、最初の音は「アウ」に近い母音です。
そのため、an hourになります。
同じように、次の語もanを使います。
an honest person(正直な人)an honor(名誉・光栄なこと)
a universityになる理由
universityは文字では母音字のuから始まります。しかし最初の音は「ユ」に近く、子音のyの音から始まります。
そのため、a universityです。
a universitya useful toola European country
文字を見て機械的に判断せず、次の語を実際に口に出したとき、どんな音で始まるかを聞いてください。
形容詞が入るときは、名詞ではなく「次の音」で選ぶ
a / anと名詞の間に形容詞が入ることがあります。この場合も、直後に続く形容詞の音で選びます。
an apple→a red applea car→an expensive cara person→an honest personan idea→a useful idea
名詞の最初の文字ではなく、a / anのすぐ後ろに来る音がポイントです。
形容詞は名詞へ特徴を足しますが、aでひとつの輪郭を作る働きは変わりません。a red apple全体で「赤いリンゴ一個分」というまとまりになります。
a・anで輪郭を作れるものは、目に見える物だけではない
日本語の「一個」に引っ張られると、a / anを物だけに使うように感じます。しかし英語では、さまざまな内容をひとまとまりとして切り出せます。
人・職業
She is a teacher.He is an engineer.I talked to a doctor.
職業は「一人の教師」「一人の技術者」という輪郭を持つため、単数ならa / anを使います。
出来事・問題・考え
We have a problem.I have an idea.There was an accident.That's a good question.
目に見えなくても、一件・一つのまとまりとして捉えれば輪郭を作れます。
行動・経験の一回分
take a break(一回休憩する)have a look(ひと目見る)have a chat(ひとしきり話す)give it a try(一度試してみる)
動作を一回分のまとまりとして名詞化すると、aを使えます。口語英語でも非常によく使う形です。
数えない名詞でも、一杯・一種類に切り出すとaを使える
coffee、tea、beerなどは、飲み物の素材・種類として話すときは通常、無冠詞です。
I like coffee.(コーヒーという飲み物が好き)We need water.(水が必要)
しかし、カフェやレストランでは次のように言えます。
I'd like a coffee.(コーヒーを一杯ください)Can I have a tea?(紅茶を一杯もらえますか)We ordered two beers.(ビールを二杯注文した)
これは、素材として広がっていた飲み物を、一杯分・一注文分として切り出しているからです。
同じ名詞でも、話し手の見せ方によって輪郭が変わります。
| 見せ方 | 例 | イメージ |
|---|---|---|
| 種類・素材 | I like coffee. |
コーヒー全般 |
| 一杯分 | I'd like a coffee. |
一つの注文・一杯 |
a・anを使わない代表的なケース
複数のものを話す
booksideaschildren
複数の輪郭があるため、a / anは付きません。
素材・概念として広く話す
I need information.She likes music.We had lunch.
ひとつ分に切り出していない不可算名詞や活動には、基本的にa / anを付けません。
the・my・thisなどで、すでに見せ方を決めている
the bookmy bookthis book
aとtheの違いは、aとtheの違い|「たくさんの中の一つ」と「これ」の使い分けで詳しく整理しています。
会話でa・anを後付けしないための考え方
日本語で「昨日、新しい仕事を始めた」と文を完成させ、jobを思い出してから、最後に「aが必要かな」と考えると、会話中に止まりやすくなります。
英語では、名詞を言う前に見せ方を決めます。
- 話したい場面を思い浮かべる
- 一つ分の輪郭があるかを見る
- まだ相手と共有していない一つなら
a / anを置く - 必要なら形容詞を足し、最後に名詞を置く
a new jobなら、英語の順番は次のように進みます。
a:一つ分を出しますnew:新しいものですjob:それは仕事です
冠詞を名詞の後から修正するのではなく、これからどんな名詞を出すかを先に知らせる。この前向きな処理が、会話での使いやすさにつながります。
a・anを身につける練習方法
1.名詞をまとまりで口に出す
単語帳でidea=考えだけを覚えるのではなく、次のような小さなまとまりで練習します。
an ideaa good ideaI have an idea.
2.自分の一日にある「一回・一件」を探す
I had a meeting.I took a break.I got an email.I made a mistake.
難しい名詞を増やすより、毎日使う名詞へ自然にa / anを付けられる方が、口語英語では役立ちます。
3.aとanを音ごとつなげる
aやanだけを強く発音するのではなく、後ろの語と一つの音のまとまりにします。
a_bookan_applean_ideaa_useful_tool
つづり問題ではなく、口から出る音として練習すると、a / anの選択も自然になります。
よくある疑問
aとanに意味の違いはありますか?
意味や名詞の見せ方は同じです。直後の語が子音の音で始まるか、母音の音で始まるかによって形が変わります。
aは必ず「一つの」と訳しますか?
必ずしも訳しません。She is a teacher.は普通「彼女は教師です」と訳します。英語では一人の職業人として輪郭を作っていますが、日本語では「一人の」を省く方が自然です。
informationにaを付けられますか?
通常、informationは不可算名詞なのでan informationとは言いません。一件・一つ分を表したい場合は、a piece of informationのように、数えられる単位を使います。
英字の略語でも音で決まりますか?
はい。発音した最初の音で決まります。たとえばMBAは「エム」という母音の音で始まるためan MBA、URLを「ユーアールエル」と読むなら子音の「ユ」の音で始まるためa URLが基本です。
a・anを言い忘れると通じませんか?
文脈から意味を推測してもらえることは多くあります。ただし、名詞が一つなのか、どんな姿で場面へ出ているかという情報が欠けます。会話を止めて完璧を目指すより、録音や添削で、自分が単数の名詞を裸で置いていないかを後から確認しましょう。
筆者・大山俊輔(しゅみすけ)がa・anを「輪郭」で説明する理由
僕はYouTubeや英語コーチングで、基本動詞・前置詞・助動詞など、英会話の土台になる少数の基本語を長年解説してきました。
大人の学習者を見ていると、a / anのルールを知らないというより、日本語で文を作り終えてから英語へ変換するため、冠詞を置くタイミングが遅くなっていることがあります。
しかし英語では、名詞を口に出す前に、その名詞を一つ分として見せるのか、複数として見せるのか、素材として見せるのかを決めます。
aを「付け忘れてはいけない小さな単語」と考えるだけでは、話すたびに注意力を使います。これから一つの輪郭を場面へ出す合図だと捉えると、名詞を英語の順番で組み立てやすくなります。
まとめ|a・anは「一つ」より、ひとつ分を場面へ切り出す言葉
a / anの使い方をまとめます。
a / anは、名詞にひとつの輪郭を与えて場面へ登場させる- 単数の可算名詞を、まだ共有していない一つとして話すときに使う
aとanは文字ではなく、直後の語の音で選ぶ- 人・物だけでなく、問題・考え・行動・一杯分などにも輪郭を作れる
- 会話では、
a new jobやtake a breakのまとまりで練習する
a / anは、名詞の前に機械的に付ける飾りではありません。「いまから、一つ分のものを相手の前へ出します」という合図です。
自分の今日一日にあった「一人・一件・一回」を探し、短い英文にして声に出してみてください。
冠詞全体を整理する:英語の冠詞とは?a・the・無冠詞を「名詞の見え方」で理解する
aとtheを使い分ける:aとtheの違い|「たくさんの中の一つ」と「これ」の使い分け
be:RIZEでは、代表の大山俊輔(しゅみすけ)が、語彙・文法・リスニング・スピーキングの現在地を確認し、知識が会話につながらない原因と、目的に合う学習順を一緒に整理しています。



