英語のパラフレーズ練習法|知っている単語で言い換えるコツと注意点

一つの正解表現への固着を外して複数の簡単な英語で場面を伝えるイメージ

英語を話している途中で、使いたい単語が出てこなくなった。

「この日本語は英語で何と言うのだろう」と考え始め、その一語が見つかるまで会話が止まってしまう。

このようなときに役立つのが、英語のパラフレーズです。

パラフレーズとは、同じ意味や場面を、別の言葉や文で表すことです。

たとえば、「鏡がくもっている」に当たる表現が出てこなくても、次のように言えます。

I can’t see my face in the mirror.

「延期する」という単語が分からなければ、状況に応じてこう言えます。

We need more time.
Let’s do it next week.
We can’t finish it today.

完璧な訳を一つ探すのではなく、すでに知っている単語で別の道を作る。これは、会話中に止まらないための重要な力です。

ただし、be:RIZEではパラフレーズを最終ゴールとは考えていません。練習方法によっては、パラフレーズも「日本語を見て英語へ変換する訓練」になってしまうからです。

この記事では、英語のパラフレーズの意味、効果、具体的なコツに加え、日本語からの変換に固定されない練習順を解説します。

英語のパラフレーズとは?

英語学習におけるパラフレーズは、一つの単語や英文を、意味を大きく変えずに別の表現へ言い換えることです。

言い換えには、大きく3つの方法があります。

1.単語を別の単語に変える

The room is large.
The room is big.

She purchased a new laptop.
She bought a new laptop.

近い意味の単語へ置き換える、最も分かりやすいパラフレーズです。

2.文の形を変える

I started working here five years ago.
I’ve worked here for five years.

The meeting was canceled because of the storm.
They canceled the meeting because of the storm.

語彙だけでなく、時制、主語、能動態・受動態などを変えて同じ内容を表します。

3.難しい概念を、見える事実で説明する

It’s fully booked.
There are no seats available.

He is very punctual.
He is always on time.

The mirror is fogged up.
I can’t see my face in the mirror.

英会話で特に役立つのは、この3つ目です。知らない単語を別の難しい単語へ置き換えるのではなく、その場面で何が見えるか、何が起きているかを簡単な英語で説明します。

パラフレーズが英会話に役立つ3つの理由

「正解の英訳は一つ」という固着を外せる

日本語の単語一つに対し、英語の正解も一つだと考えると、その表現が出ないだけで止まります。

しかし、会話の目的は日本語と同じ形の英文を作ることではありません。相手に場面や意図が伝われば、言い方は複数あります。

「満席です」は、We’re fully booked.でも、There are no seats available.でも、その場に必要な情報を伝えられます。

知っている基本単語を使える英語に変えられる

新しい単語を大量に増やしても、会話中に使えなければ処理は止まります。

一方、havegetmakegobeなどの基本動詞と、簡単な主語・目的語を組み合わせれば、多くの場面を説明できます。

パラフレーズは、「知らない単語を増やす学習」から「知っている単語を組み直す練習」へ移るきっかけになります。会話で重要な基本語彙については、英会話で重要なコア単語とは?も参考にしてください。

会話中に別ルートへ切り替えられる

単語が出ないときに、同じ場所で探し続けず、別の文を作り直せます。

たとえば、convenientが出なければ、場面に応じて次のように切り替えられます。

  • It’s easy to use.
  • It’s close to the station.
  • It saves me a lot of time.

どれも日本語訳として完全に同じではありません。しかし、自分が「便利」と感じた具体的な理由を伝えられます。

パラフレーズの課題|日本語からの変換が残ることがある

パラフレーズは有効ですが、練習の入口が毎回日本語文だと、次の回路が残ります。

難しい日本語 → 簡単な日本語 → 英語

たとえば「電車遅延の影響で会議の開始時刻に間に合わなかった」を見て、簡単な日本語へ直し、それから英語へ変えます。

電車が遅れた。会議の最初に間に合わなかった。
My train was late. I missed the beginning of the meeting.

これは、最初から長い日本語を一文で英訳するより優れた橋渡しです。しかし、実際の会話で毎回この3段階を通ると、瞬時の処理にはまだ負荷がかかります。

最終的には、駅のホームや会議室の場面を思い浮かべ、そこから直接、次の二文を取り出したいのです。

My train was late.
I missed the beginning of the meeting.

つまり、パラフレーズの役割は、日本語と英語を一対一で結ぶ固着を外し、場面から複数の英語を選べる状態へ渡すことです。

難しい表現の言い換えから写真描写を経て場面から直接英語を話す段階
パラフレーズは、正解訳への固着を外し、場面から直接話す段階へ渡る橋

英語のパラフレーズを作る5つのコツ

1.難しい単語を「何が起きたか」に戻す

難しい名詞や形容詞が出ないときは、その言葉の辞書的な定義ではなく、実際に何が起きているかを考えます。

出てこない表現 場面・事実 簡単な英語
延期する 今日できない/来週する We can’t do it today. Let’s do it next week.
満席 空いている席がない There are no seats available.
人見知り 初対面の人と話すのが難しい It’s hard for me to talk to new people.
方向音痴 よく道に迷う I often get lost.
優柔不断 決めるのに時間がかかる It takes me a long time to decide.

日本語のラベルを再現するより、自分が経験している動きや状態へ戻すと、知っている英語を使いやすくなります。

2.一文を2〜3文に分ける

パラフレーズは、一文を別の一文へ置き換えることだけではありません。

I couldn’t attend the meeting due to an unexpected family emergency.

これを、次のように分けても意味は伝わります。

Something happened in my family.
So I couldn’t join the meeting.

一文一情報にすると、主語と動詞の骨格が崩れにくくなります。

3.反対側から説明する

言いたい状態そのものが出なければ、その結果や反対の状態から説明できます。

  • 「遠い」が出ない → It takes two hours to get there.
  • 「静か」が出ない → There aren’t many people.
  • 「高すぎる」が出ない → I can’t afford it.
  • 「不便」が出ない → It’s difficult to get there without a car.

単語の同義語を探すのではなく、その場面で起きる結果を伝えています。

4.目的や用途で説明する

物の名前が出ない場合は、「何に使う物か」を説明します。

  • 栓抜き → You use it to open bottles.
  • 充電器 → You use it to charge your phone.
  • 定期券 → I use it to take the train every day.
  • 加湿器 → It adds moisture to the air.

実際の会話では、相手がその物の名前を教えてくれることもあります。名前が出るまで沈黙するより、分かる範囲で場面を共有するほうが会話は続きます。

5.主語を置き直して別の文を始める

長い文の途中で詰まったら、修復し続けず、新しい主語から再開します。

「このアプリは操作性が高く、作業効率を大幅に改善してくれます」を一文にする必要はありません。

This app is easy to use.
I can finish my work faster.
It saves me a lot of time.

主語を置き直すたびに、英語の処理も再スタートできます。

日本語変換から卒業する4段階パラフレーズ練習

段階1.日本語を簡単な事実へ分ける

最初は日本語を使って構いません。ただし、自然な英訳を作るのではなく、元の日本語が表している場面を2〜3個の事実へ分解します。

「今後の対応について社内で検討します」なら、実際の意図を選びます。

  • チームと話す
  • まだ決められない
  • 金曜日に返事をする

この段階については、英語で言いたいことを簡単にする方法でも詳しく解説しています。

段階2.一つの英語を、別の簡単な英語で言う

次は、日本語ではなく英語を入口にします。

The restaurant was crowded.

これを、知っている英語で言い換えます。

There were many people.
We couldn’t find a table.
We had to wait outside.

同義語の置き換えだけでなく、同じ場面の別の部分を説明してみましょう。

段階3.写真から複数の英文を作る

写真を一枚見て、日本語の説明文を作らず、見える事実を英語で3つ言います。

A woman is standing near the door.
She is holding a large bag.
She may be waiting for someone.

次に、同じ場面を別の主語や動詞で説明します。

There is a woman by the door.
She has a large bag.
Maybe her friend is coming soon.

写真から直接英語を取り出す方法は、写真描写で英語スピーキングを練習する方法を参考にしてください。

段階4.実際の場面から、最初に出る英語を使う

最終段階では、会話中に「元の正しい英文」を作ってから言い換えません。

目の前の場面や記憶から、そのとき最も出しやすい英語を一つ選びます。分かりにくければ、相手の反応を見ながら別の文を足します。

It’s difficult to get there.
There is no train station nearby.
You need a car.

この時点では、どれが元の文で、どれがパラフレーズかという区別も薄くなります。同じ場面を、必要に応じて複数の角度から見せているだけです。

パラフレーズ練習に向く例題

日常会話で使いやすい、次のようなテーマから始めましょう。

  • 自分の性格:人見知り、せっかち、優柔不断
  • 場所の特徴:便利、混雑、静か、遠い
  • 仕事の状況:延期、検討、担当、締め切り
  • 体調:だるい、胃が重い、寝不足
  • 物の説明:名前が分からない日用品や道具

練習では、最初から辞書やAIへ答えを聞かないことが大切です。

  1. まず自分の知っている英語で説明する
  2. 同じ場面をもう一通り言ってみる
  3. 録音またはメモを確認する
  4. 最後に辞書やAIで自然な表現を調べる
  5. 元の答えと自分の言い方を両方声に出す

目的は模範解答だけを覚えることではありません。「自分の手持ちの英語でも、ここまでは伝えられた」という別ルートを増やすことです。

パラフレーズ練習の卒業ライン

パラフレーズは便利なので、永遠にやめる必要はありません。ネイティブを含め、会話では説明の言い直しを日常的に行います。

ただし、学習段階としては次の状態になったら、日本語文を入口にした練習を減らしていきます。

  • 一つの日本語に対して正解訳を探し続けなくなった
  • 知らない単語があっても、短い文を二つ以上出せる
  • 写真を見て、日本語を作らず主語と動詞が出る
  • 言い直すとき、元の英文を頭の中で保持しなくてよい
  • 相手の反応に合わせて別の説明を足せる

この状態では、パラフレーズは「日本語を別の英語へ変換する作業」ではなく、実際の会話で相手と場面を共有するための柔軟性になっています。

直感英会話へつなぐためのパラフレーズ

be:RIZEで扱う直感英会話は、日本語の完成文を高速で英訳するトレーニングではありません。

まず場面を見て、そこから主語と動詞の短い骨格を取り出します。もし一つ目の表現が出なければ、同じ場面の別の部分を説明します。

パラフレーズは、その柔軟性を作る橋として非常に有効です。

一方で、いつまでも日本語例文だけを入口にすると、変換回路も残ります。リライト、パラフレーズ、写真描写、独り言と補助を少しずつ外し、最終的には実際の場面から英語を出す順番が大切です。

be:RIZEでは、受講生向けに直感英会話のワークショップを毎月開催しています。

知っている基本動詞や短い骨格を使い、一つの正解訳に固着せず、場面から複数の言い方を選ぶ練習を行います。パラフレーズを日本語変換の高速化で終わらせず、実際のスピーキングへつなげたい方は、be:RIZEの英語コーチングもご覧ください。

be:RIZEの英語コーチングを見る

まとめ|パラフレーズは場面から話すための橋渡し

英語のパラフレーズとは、同じ意味や場面を、別の言葉や文で表すことです。

英会話では、同義語をたくさん覚えることより、次の方法が役立ちます。

  1. 難しい単語を、実際に起きていることへ戻す
  2. 一文を2〜3個の短い文へ分ける
  3. 反対の状態や結果から説明する
  4. 物の名前を目的や用途で説明する
  5. 詰まったら主語を置き直す

ただし、パラフレーズの目的は、日本語を上手に英語へ変換できるようになることだけではありません。

「この日本語にはこの英語しかない」という固着を外し、同じ場面を自分の知っている英語で見せられるようになること。

日本語からの言い換えを橋として使い、最後は「場面 → 自分が今使える英語」へ進みましょう。

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