forget doing と forget to do は、どちらも「忘れる」と訳せます。しかし、忘れたものの時間の向きが違います。
- forget doing:実際にしたことを覚えていない
- forget to do:するはずだったことを忘れ、実行しなかった
たとえば、I forgot locking the door. なら「鍵をかけたが、その記憶がない」。I forgot to lock the door. なら「鍵をかけるのを忘れた」、つまり鍵をかけていません。
しゅみすけ(大山俊輔)
doing は「すでに起きた出来事」、to do は「これからする行動」に目を向けます。この前後関係が見えれば、丸暗記はいりません。
forget doingとforget to doの違いは時間の向き

| 形 | 見ている方向 | 意味 | 行動した? |
|---|---|---|---|
| forget doing | 過去 | したことを忘れる | した |
| forget to do | 現在から先 | するのを忘れる | しなかった |
この違いは、remember doing と remember to do の違いと同じ仕組みです。remember では「した記憶がある/忘れずにする」、forget では「した記憶がない/するのを忘れる」と、意味が反対になります。
forget doing:したことを覚えていない
forget doing は、実際に起きた行動や経験を、あとから思い出せないときに使います。doing は過去の出来事をひとかたまりにして、記憶の中で振り返る感覚です。
- I forgot locking the door.
ドアに鍵をかけたことを忘れた。 - She forgot telling me the story.
彼女は私にその話をしたことを忘れていた。 - He forgot meeting me before.
彼は以前私に会ったことを覚えていなかった。
大事なのは、どの例でも「鍵をかけた」「話した」「会った」という出来事自体は起きていることです。失われているのは行動ではなく、その記憶です。
実際には否定形でよく使う
肯定文の I forgot doing … は文法的には可能ですが、状況によっては少し不自然に響きます。会話では、忘れた経験より「忘れられない経験」を語る次の形が特によく使われます。
- I’ll never forget meeting you.
あなたに出会ったことを決して忘れません。 - I’ll never forget visiting New York for the first time.
初めてニューヨークを訪れたことを決して忘れません。 - I won’t forget hearing that song together.
一緒にあの曲を聴いたことは忘れません。
I’ll never forget doing は、印象深い思い出を語る定番表現です。「一生忘れない」と言いたい場面では、まずこの形を覚えておくと役立ちます。
forget to do:するはずのことを忘れる
forget to do は、これからする予定・義務だった行動を忘れたため、実行しなかったことを表します。to不定詞のコアイメージは「これから先への矢印」。その矢印の先にある行動へ進めなかった、と考えると自然です。
- I forgot to lock the door.
ドアに鍵をかけるのを忘れた。 - She forgot to call me.
彼女は私に電話するのを忘れた。 - We forgot to buy milk.
私たちは牛乳を買うのを忘れた。
この3文では、鍵をかけていない、電話していない、牛乳を買っていません。つまり、忘れた結果として行動が未完了になっています。
Don’t forget to doは会話の定番
相手に「忘れずに〜してね」と念を押すときは、Don’t forget to do を使います。
- Don’t forget to bring your passport.
パスポートを持ってくるのを忘れないでね。 - Don’t forget to send the email.
メールを送るのを忘れないで。 - Don’t forget to turn off the lights.
電気を消すのを忘れないでね。
これらはすべて、相手が「これから」する行動です。そのため Don’t forget doing ではなく Don’t forget to do になります。
同じ場面で比べると違いが明確
鍵をかける
- I forgot locking the door.
鍵をかけたが、かけた記憶がない。 - I forgot to lock the door.
鍵をかけるのを忘れ、かけなかった。
メールを送る
- She forgot sending the email.
彼女はメールを送ったことを忘れた。 - She forgot to send the email.
彼女はメールを送るのを忘れた。
人に会う
- He forgot meeting Lisa.
彼はリサに会ったことを忘れた。 - He forgot to meet Lisa.
彼はリサと会う約束を忘れた。
しゅみすけ(大山俊輔)
迷ったら「その行動は実際に起きた?」と確認しましょう。起きたなら doing、忘れたせいで起きなかったなら to do です。
forget about doingとの違い
forget about doing は、単なる「した記憶がない」ではありません。文脈によって「〜することは忘れろ」「〜する案は諦めろ」という意味になります。
- Forget about going out tonight.
今夜出かけるのは諦めて。 - You can forget about getting a refund.
返金してもらうのは無理だと思ったほうがいい。
forget doing は過去の行動の記憶、forget about doing は話題・計画・可能性を頭から外す感覚です。about が入るだけで用途が変わるので注意しましょう。
よくある間違い
「宿題を忘れた」をforget doingにしない
宿題そのものを家に置いてきたなら I forgot my homework.、宿題をするのを忘れたなら I forgot to do my homework. です。I forgot doing my homework. は「宿題はしたが、した記憶がない」という別の意味になります。
未来の予定にはforget to do
「明日、忘れずに電話します」は I won’t forget to call you tomorrow. です。まだ起きていない行動なので、doing ではなく to do を選びます。
経験を強調するならforget doing
「初めて舞台に立った日のことは忘れない」は I’ll never forget performing on stage for the first time.。すでに経験した出来事を振り返るため、doing が合います。
中学英語で言い換えるなら
形の違いがとっさに出てこないときは、難しく考えず2文に分けると伝えられます。
| 伝えたいこと | やさしい言い換え |
|---|---|
| 鍵をかけた記憶がない | Maybe I locked the door, but I don’t remember. |
| 鍵をかけるのを忘れた | I didn’t lock the door. I forgot. |
| 会ったことを忘れない | I met you, and I will always remember it. |
英会話では、正しい形を思い出すことより、意味を分けて最後まで伝えることが大切です。
ミニクイズ
空欄に doing または to do の考え方で、正しい形を入れてみましょう。
- Don’t forget ( ) the window.「窓を閉めるのを忘れないで」
- I’ll never forget ( ) her for the first time.「初めて彼女に会ったことを忘れない」
- I forgot ( ) the bill, so it is still unpaid.「請求書を払うのを忘れた」
答え:1. to close 2. meeting 3. to pay
まとめ:行動が起きたかで判断しよう
- forget doing:行動は起きたが、その記憶がない
- forget to do:行動することを忘れ、実行しなかった
- I’ll never forget doing:忘れられない経験を語る定番
- Don’t forget to do:忘れずにして、と伝える定番
ポイントは、doing を「過去の出来事」、to do を「これから先の行動」と捉えることです。より大きな仕組みから整理したい方は、to doとdoingの違いや動名詞の意味・使い方も続けてご覧ください。
知識としては分かっていても、会話になると形が出てこない——そんな方には、BE RIZEの英語コーチングで、実際に使えるところまで一緒に練習します。まずは受講前に知っておきたいことをご覧いただき、気になる点は無料相談フォームからお気軽にご相談ください。
関連記事:doingが過去、to doがこれからを向く別の代表例として、regret doingとregret to doの違いもあわせて確認できます。





