whatとwhichの違い|選択肢があるときの使い分けを例文で解説

whatとwhichの違いを示すアイキャッチ

whatwhichの違いは、答えの「選択範囲」が見えているかどうかです。選択肢を特に決めず、広く「何?」と聞くならwhat。話し手と聞き手の間で候補が分かっていて、その中から「どれ?」と選ぶならwhichを使います。

  • What do you want?
    何が欲しいですか。――答えの範囲を決めていない
  • Which do you want?
    どれが欲しいですか。――目の前などに候補がある
  • What color do you like?
    何色が好きですか。――色全般から自由に答える
  • Which color do you prefer, blue or green?
    青と緑では、どちらが好みですか。――候補から選ぶ

日本語ではどちらも「何」「どれ」「どの」と訳せるため、訳語だけでは判断できません。英語では、質問する人が答えの候補を枠で囲っているかに注目します。

しゅみすけ(大山俊輔)しゅみすけ
(大山俊輔)

whatは大きく開いた質問、whichは候補に枠をつけた質問です。選択肢の「数」だけで機械的に決めるより、相手と候補を共有しているかを見ると、会話で迷いにくくなります。

whatとwhichの違いを一覧で確認

whatは範囲が見えずwhichは選択肢が見えることを示す図解
whatwhich
基本感覚開かれた範囲から答える限られた範囲から選ぶ
日本語の目安何・どんなどれ・どの
候補見えていない・決めていない見えている・共有されている
代表例What do you want?Which do you want?

ただし、whatは必ず無限の候補、whichは必ず二択という意味ではありません。大切なのは、会話の中で選択範囲を限定しているかどうかです。

whatは「何?」|答えの範囲を開いて聞く

whatは、相手が何を答えるかまだ見えていない状態で、情報を広く求める疑問詞です。

  • What happened?
    何が起きましたか。
  • What do you do?
    お仕事は何をしていますか。
  • What are you looking for?
    何を探していますか。
  • What should we eat tonight?
    今夜は何を食べましょうか。
  • What would you like to drink?
    何をお飲みになりますか。

レストランに飲み物のメニューがあっても、店員が自由回答に近い感覚で注文を尋ねるならWhat would you like to drink?が自然です。現実に候補が有限かではなく、質問のしかたを開いていることがポイントです。

whichは「どれ?」|共有された候補から選ぶ

whichは、目の前の商品、直前に挙げた案、参加者が知っている選択肢など、答えの範囲を共有したうえで一つまたは複数を選んでもらう語です。

  • Which is yours?
    どれがあなたのものですか。
  • Which do you recommend?
    どれがおすすめですか。
  • Which should I choose?
    どれを選べばよいですか。
  • Which of these is cheaper?
    この中ではどれが安いですか。
  • Which one would you like?
    どちら/どれになさいますか。

which of thesewhich of the twowhich oneのように、候補の枠をはっきり示すこともできます。

what+名詞とwhich+名詞の違い

whatとwhichは単独で使うだけでなく、名詞の前に置いて「何の〜」「どの〜」と尋ねられます。

開いて聞く候補から選ぶ
What movie do you want to see?Which movie do you want to see, this one or that one?
What day works for you?Which day works for you, Monday or Tuesday?
What train should I take?Which train should I take, the local or the express?
What size do you need?Which size do you need, medium or large?

What day works for you?なら相手が都合のよい曜日を自由に答えます。Which day works for you, Monday or Tuesday?なら、月曜と火曜という共有済みの候補から選びます。名詞の前に置かれるwhat・whichは、名詞の範囲を決める限定詞としても働きます。

二択なら必ずwhich、ではない

学校文法では「選択肢が少なければwhich」と説明されることがありますが、二つの答えが想定できても、日常的にwhatを使う定着表現があります。

  • What’s your name?
    お名前は何ですか。
  • What’s your phone number?
    電話番号は何ですか。
  • What’s your favorite color?
    好きな色は何ですか。
  • What hand do you write with?
    どちらの手で字を書きますか。

左右二つの手から選ぶとしても、普通はWhat hand do you write with?と言えます。一方、手袋を二つ見せて「どちらの手袋があなたの?」と聞くならWhich glove is yours?です。数学のように候補数を数えるのではなく、話し手が選択場面として提示しているかで決まります。

メニューがあるのにwhatを使える理由

実際の会話では、候補が存在していてもwhatとwhichの両方が使える場合があります。ニュアンスが少し変わります。

  • What would you like?
    何になさいますか。――注文内容を広く聞く
  • Which would you like?
    どちら/どれになさいますか。――示した候補から選んでもらう
  • What dessert do you want?
    デザートは何が欲しいですか。――種類を広く聞く
  • Which dessert do you want?
    デザートはどれが欲しいですか。――メニューや陳列の品を指す

つまり、whatとwhichは現実世界の状況だけで自動的に決まるのではなく、話し手が質問をどう切り取るかを表します。同じ店内でも、自由に答えてほしいならwhat、候補へ視線を向けて選んでほしいならwhichです。

しゅみすけ(大山俊輔)しゅみすけ
(大山俊輔)

たとえばカフェでWhat do you recommend?と言えば、店全体からおすすめを聞く感じです。店員さんがケーキを二つ示した後ならWhich do you recommend?が自然。見えている候補へ指を向ける感覚がwhichです。

which one・which onesは名詞の繰り返しを避ける

候補となる名詞がすでに分かっているときは、単数ならwhich one、複数ならwhich onesを使えます。

  • Which one is your bag?
    どれがあなたのバッグですか。
  • Which one do you mean?
    どれのことですか。
  • Which ones do we need?
    どれが必要ですか。

ただし、Which is your bag?のようにoneを省いても成立します。one・onesが「同じ種類の別のもの」を指す仕組みは、one・onesとit・themの違いで詳しく解説しています。

What …?とWhich …?への答え方

whatには内容を説明する答え、whichには候補を指す答えが続きやすくなります。

  • What do you want to eat?I feel like having pasta.
    何を食べたい?――パスタが食べたいな。
  • Which do you want, pasta or pizza?Pasta, please.
    パスタとピザ、どっちがいい?――パスタをお願いします。
  • What route should we take?Let’s avoid the highway.
    どんなルートで行く?――高速道路は避けよう。
  • Which route should we take?The coastal route.
    どのルートで行く?――海沿いのルート。

間接疑問文でも使い分けは同じ

I don’t know …Can you tell me …?の後ろに質問内容を埋め込む場合も、選択範囲の考え方は変わりません。ただし語順は疑問詞+主語+動詞になります。

  • I don’t know what she wants.
    彼女が何を欲しがっているか分かりません。
  • I don’t know which she wants.
    彼女がどれを欲しがっているか分かりません。
  • Can you tell me which bus goes downtown?
    どのバスが中心街へ行くか教えてもらえますか。

what she wantswhich she wantswhat does she wantの語順にしない点にも注意しましょう。詳しくは間接疑問文の語順で確認できます。

what to doとwhich to choose

疑問詞+to不定詞でも、whatは「何をするか」、whichは「どれを選ぶか」という範囲の違いを保ちます。

  • I don’t know what to do.
    何をすればよいか分かりません。
  • I don’t know which to choose.
    どれを選べばよいか分かりません。
  • Tell me which button to press.
    どのボタンを押せばよいか教えてください。

この形の作り方は疑問詞+to不定詞の記事で整理しています。

関係代名詞のwhat・whichとは区別する

この記事で中心に扱っているのは質問を作る疑問詞です。関係代名詞では、whatは「〜するもの・こと」で先行詞を含み、whichは前に置かれた物・事柄を説明します。

  • This is what I need.
    これは私が必要としているものです。
  • This is the book which I need.
    これは私が必要としている本です。

疑問詞のwhatとwhichを理解した後は、別の仕組みとして関係代名詞whatとwhichの違いを学ぶと混同を防げます。

よくある間違い

  • 選択肢が二つなら必ずwhich:二択でも定着表現や開いた尋ね方ではwhatを使える
  • 目の前にメニューがあれば必ずwhich:注文内容を広く聞くWhat would you like?も自然
  • what=何、which=どれと訳だけで判断:日本語訳より候補を共有しているかを見る
  • Which one do you want it?:which one自体が目的語なのでitは不要
  • Which color you like?:直接疑問文ならWhich color do you like?

中学英語で簡単に言うなら

会話では、まず次の二組を使い分ければ十分です。

  • What do you want?――何が欲しい?
  • Which do you want?――どれが欲しい?
  • What do you like?――何が好き?
  • Which one do you like?――どれが好き?

相手の答えを自由に受け取るならwhat。目の前の候補を選んでもらうならwhich。この一本で始めて、慣れてからwhat color・which colorなどへ広げましょう。

理解チェック

  1. (What / Which)do you usually eat for breakfast?
  2. (What / Which)of these jackets is yours?
  3. (What / Which)day is better for you, Friday or Saturday?
  4. (What / Which)happened at the meeting?

答え:1. What 2. Which 3. Which 4. What。1と4は範囲を開いて情報を求め、2と3は示された候補から選びます。

まとめ|whatは開いた質問、whichは候補から選ぶ質問

  • whatは答えの範囲を決めず「何?」と尋ねる
  • whichは共有された候補の中から「どれ?」と選ぶ
  • what+名詞which+名詞も同じ違い
  • 二択かどうかだけでなく、話し手が選択肢を提示しているかを見る
  • 同じ状況でも、開いて聞くか候補へ向けるかでwhat・whichを選べる

迷ったときは、「答えを自由に出してもらう質問か」「見えている候補から選んでもらう質問か」を考えてください。疑問詞全体を整理したい方は、英語の疑問詞一覧もあわせてご覧ください。


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